JPH0283206A - 放射線光学素子の製造方法 - Google Patents

放射線光学素子の製造方法

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JPH0283206A
JPH0283206A JP63235217A JP23521788A JPH0283206A JP H0283206 A JPH0283206 A JP H0283206A JP 63235217 A JP63235217 A JP 63235217A JP 23521788 A JP23521788 A JP 23521788A JP H0283206 A JPH0283206 A JP H0283206A
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睦明 村上
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和廣 渡辺
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、グラファイトからなり、X線光学素子、X
線モノクロメータ、中性子線回折ミラー中性子線フィル
タ等として利用されるシングルベント型あるいはダブル
ベント型の放射線光学素子の製造方法に関するものであ
る。
従来の技術 グラファイトは、抜群の耐熱性や耐薬品性、高電導性等
を備えているため、工業材料として重要な位置を占め、
電極や発熱体、構造材として広く使用されている。なか
でも、単結晶グラファイトは、X線や中性子線に対する
優れた分光、反射特性を有するため、X線や中性子線の
モノクロメータ、フィルタあるいは分光結晶として広く
用いられている。
このような分光結晶グラファイトは、気相中での炭化水
素ガスの高温分解沈積と、その熱間加工によって作られ
、一般的には、圧力を印加しっつ34oO℃で長時間再
焼鈍するという工程によってグラファイトが製造される
。このようにして得られたグラファイトは、高配向パイ
口グラファイト(HOPO)と呼ばれ、その特性は天然
グラファイトとほぼ同等の優れたものである。しかし、
この方法は、製造工程が複雑であって歩留りが低く、非
常に高価であるという欠点がある。
また、グラファイトやシリコン等の結晶をX線や中性子
線などの放射線用ミラーやモノクロメータとして使用す
る場合は、この結晶を湾曲させて用いることによって放
射線を集光させれば、その性能が大きく向上することが
知られている。第1図および第2図は、このような目的
で用いられる湾曲型すなわちベント型グラファイト結晶
の模式的構造を示している。例えば、フラットな結晶と
比較して、第1図に示すような、一方向に湾曲したシン
グルベント型結晶1では、その性能は計算上3倍向上し
、第2図に示すような、縦横両方向に凹面鏡型に湾曲し
たダブルベント型結晶2では、その性能が18倍にも向
上することが知られている。
しかしながら、前記したH OP Gの場合、このよう
なベント型の結晶を作製するのが非常に難しく、従来は
、シングルヘント型で曲率の非常に小さなものが作製さ
れているにすぎない。この曲率が小さいということは、
それだけ焦点距離が大きくなることを意味しており、装
置を小さくすることができないという欠点になる。
このようなI−I OP Gの欠点を解消するために、
高分子材料を用いて、これを熱処理することによって、
グラファイトフィルムを製造する方法に関して、いくつ
かの研究が行われており、この方法は、高分子材料の分
子構造を生かしながら炭素前駆体の微細構造を制御しよ
うとするものである。
この方法は、高分子を真空中あるいは不活性気体中で熱
処理し、分解および重縮合反応を経て炭素質物を形成さ
せ、この炭素質物をさらにグラファイト化する方法であ
る。しかし、この方法の場合、任意の高分子を出発原料
として用いても、優れた特性のグラファイトフィルムが
得られる訳ではなく、むしろほとんどの高分子材料は、
この目的には使用できないことが判っている。すなわち
、高分子等の有機材料を3000’(:程度に加熱する
ことによって生成される炭素の構造は、比較的グラファ
イト(黒鉛)構造に近いものから、それとは程遠いもの
まで、様々な種類のものが存在する。このような炭素の
構造のうち、単なる熱処理によって比較的容易に黒鉛的
な構造に変わる炭素を易黒鉛化性炭素と呼び、そうでな
いものを難黒鉛化炭素と呼んでいる。このような構造上
の相違が生じる原因は、黒鉛化の機構と密接に関連して
いて、炭素前駆体中に存在する構造欠陥が、引き続いて
行われるより高温での加熱処理によって除去され易いか
否かによる。したがって、炭素前駆体の微細構造が黒鉛
化性に対して重要な役割を果たすことになる。そして、
高分子材料の場合は、はとんどが難黒鉛化材料に属して
いるのである。
例えば、上記のようなグラファイト化を目的として熱処
理が試みられた高分子としては、フェノールホルムアル
デヒド樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリハラフエニレ
ン、ホリパラフヱニレンオキシド、ポリ塩化ビニールな
どがあるが、これらの高分子はいずれも難黒鉛化材料に
属しており、高いグラファイト化率を有するものではな
かった。
本発明者らは、このような問題点を解消すべく研究を進
め、数多くの高分子についてグラファイト化を試みた結
果、フィルム状のポリアミド(PA)、ポリオキサジア
ゾール(P OD ) 、芳香族ポリイミド(PI)、
3種類のポリベンゾオキサゾ−ル(PBBT)、ポリベ
ンゾオキサゾール(PBO)、ポリヘンヅビスオキサゾ
ール(PBBO)、ポリチアゾール(PT)等の高分子
を特定の温度で熱処理するときに、従来既知の高分子材
料よりも容易にグラファイト化することを見出した。そ
れらの知見に基づき、本発明者らは特許出願を行ってお
り、これらは特開昭61−275114号公報、特開昭
61−275115号公報、特開昭61−275117
号公報等に開示されている。
この方法によれば、上記のような高分子を、1800度
以上、好ましくは2500°C以上で加熱するごとによ
って、グラファイト化率の高いグラファイトを容易に短
時間で製造することが出来るようになった。
グラファイト化の程度を表すには、格子定数、C軸方向
の結晶子の大きさなどX線回折のパラメータ、あるいは
それから算出される黒鉛化率等がよく用いられ、また、
電気伝導度値もしばしば用いられる。格子定数は、X線
の(002)回折線の位置から計算され、天然単結晶グ
ラファイトの格子定数であるe、7oaiに近い程、グ
ラファイト構造が発達していることを示している。C軸
方向の結晶子の大きさは、(002)回折線の半値幅か
ら計算され、結晶子の値が大きい程、グラファイトの平
面構造が良く発達していることを示しており、天然単結
晶グラファイトの結晶子の大きさは1oOoX以上であ
る。黒鉛化率は、結晶面間隔(do22)から計算され
る(文献ニル・カルボン第1巻129頁、1966年−
Les Carbons Vol 、1p129.19
65参照)。そして、天然単結晶グラファイトの黒鉛化
率は勿論100%である。電気伝導度値は、グラファイ
トのab面方向の値で示し、伝導度値が大きい程、グラ
ファイト構造に近いことを示しており、天然単結晶グラ
ファイトでは1〜2.5 X 10’ 8/cmである
さらに、グラファイト構造を評価するためのX線回折パ
ラメータの一つに、ab面の重なり方を示すロッキング
特性がある。これは、回折強度曲線と言われ、単色で平
行なX線束が入射したときに結晶を回転して得られる回
折強度曲線であって、(001)回折線の出現する角度
で2θを固定し、θを回転することによって測定される
。この値は、吸収の半値幅をもって評価され、回転角度
じ)で表される。この値が小さい程、ab面がきれいに
重なっていることを示している。
発明が解決しようとする課題 先に述べた、特定の高分子フィルムからグラファイトを
製造する方法は、容易でコスト安価である等、非常に優
れた方法であるが、この方法についても、その後いろい
ろな検討を加えた結果、次のような、いくつかの改良す
べき問題点があることが明らかとなった。
その第1の問題点は、この方法では、厚手のグラファイ
トすなわちブロック状のグラファイトを製造することが
できないということである。グラファイト化の反応は一
見、出発原料フィルムの厚さとは無関係のように考えら
れるが、実際には、グラファイト化反応は原料の厚さに
強く依存している。このことは、従来全く知られていな
かったことがあるが、発明者らは、種々の実験を行った
結果、上記のような問題を見出した。例えば、第1表は
、厚さの異なる4種類のPODフィルムをグラファイト
化し、そのグラファイトの格子定数、黒鉛化率、ab面
方向の電気伝導度の値を測定した結果を示している。
第  1  表 6o0 e00 e00 6o0 672゜ 8o0 上記のような結果から、PODフィルムの厚さによって
、明らかにグラファイト化反応の進行程度が異なってい
ることが判る。例えば、グラファイト化率についてみる
と、厚さの相違によって99〜87%まで変化している
。このことは、同じPODを材料としても、薄いフィル
ム状のグラファイトは得られるが、厚いブロック状のグ
ラファイトを得るのは困難であることを示している。
つぎに、前記先行技術の製造方法の第2の問題点は、高
分子原料を単に加熱するだけでは、ロッキング特性が向
上しないということである。このロッキング特性は、グ
ラファイト結晶をX線光学素子などに使用する場合に重
要な特性である。グラファイト結晶をX線等の光学結晶
として用いる場合のロッキング特性としては、その用途
によっても異なるが、一般的には、100μm以下の薄
いグラファイトフィルムでは0.4°以下、1龍以上の
厚いグラファイトブロックでは3°以下であることが必
要とされている。これに対し、前掲の第1表に示したP
ODグラファイトの場合、ロッキング特性は、6.7°
(出発フィルム厚6μm、以下同様)、10.6°(2
6μm)、12’(100μm)、17°(4oOμm
)となっており、何れも要求されるロッキング特性を満
足できない。このことは、ロッキング特性に関しては、
高分子フィルムを単に加熱してグラファイト化しただけ
では、優れた放射線光学素子は製造できないことを示し
ている。このようにロッキング特性が良くない原因は、
フィルム厚が厚くなるほど、熱処理に伴う試料内部から
のガス発生のために、ab面が配向しにくくなるためで
あると考えられる。
さらに、第3の問題点は、このような方法によって、フ
ラットなグラファイト結晶が得られたとしても、ベント
型のグラファイト結晶を得ることが難しいという点であ
る。すなわち、高分子フィルムを単に加熱しただけでは
、一定の曲率を有するベント型グラファイト結晶は得ら
れないのである。
そこで、この発明の課題は、以上に述べたような、高分
子フィルムを熱処理してグラファイトを得るという放射
線光学素子の製造方法の問題点を解消し、ロッキング特
性等、放射線光学素子に要求されるグラファイトとして
の諸特性に優れているとともに、厚手のブロック状グラ
ファイトからなる放射線光学素子を製造する方法を提供
することにある。また、従来、製造が非常に困難であっ
たシングルベント型あるいはダブルベント型の湾曲状グ
ラファイト結晶からなる放射線光学素子を容易に製造す
る方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するこの発明のうち、請求項1記載の発
明は、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリオキ
サジアゾールのなかから選ばれた厚さ1〜200μmの
高分子フィルムを熱処理して炭素質フィルムを作製し、
得られた炭素質フィルムを複数枚重ねて、26oO℃以
上の温度領域で4KV−以上の圧力を加えながら、湾曲
面に沿って圧着成形することにより湾曲グラファイトを
得るようにしている。
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の実施
に際し、高分子フィルムとして、予めドーム状に形成さ
れた高分子フィルムを用い、この高分子フィルムから得
られたドーム状の炭素質フィルムをドーム状の湾曲面に
沿って圧着成形することによりダブルベント型グラファ
イトを得るようにしている。
作用 請求項1記載の発明によれば、前記特定の高分子フィル
ムを熱処理することによって良好な品質の炭素質フィル
ムが作製でき、この炭素質フィルムを複数枚重ねて加熱
圧着することによって、ロッキング特性等の諸特性に優
れているとともに、単層のフィルムでは得られない分厚
いブロック状のグラファイトを製造できる。また、炭素
質フィルムを加熱圧着すると同時に、所定の湾曲面に沿
って成形することによって、所望の湾曲状をなすグラフ
ァイト結晶を得ることができる。
請求項2記載の発明によれば、予めドーム状すなわちダ
ブルベント型に湾曲成形された高分子フィルムを用いる
ことによって、高分子フィルムに対応するドーム状の炭
素質フィルムが得られ、このドーム状の炭素質フィルム
をドーム状の湾曲面に沿って圧着成形することによって
、ダブルベント型グラファイト結晶が容易に製造できろ
実施例 まず、この発明では、出発原料となる高分子フィルムと
して、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリオキ
サジアゾールの中から選ばれた高分子からなるフィルム
を用いる。具体的な高分子フィルムの材料組成や配合は
、用途や製造条件によって適宜選択して実施される。高
分子フィルムの厚みは、1〜200μmの範囲のものが
用いられる。・フィルム厚が2oOμmよりも厚くなる
と、特性の劣化が生じ、1μm未満の厚さのフィルムを
用いた場合は、グラファイトの特性は良好であるが、同
じ厚さのグラファイトブロックを製造するのに、より多
数枚の炭素質フィルムを重ねる必要があるので、経済的
に不利であって実用的ではない。
炭素質フィルムを製造するための熱処理温度は、PA、
PI、PODの熱分解温度より高ければよく、一般には
460℃以上で実施される。この発明は放射線光学素子
を製造するものであるので、グラファイトとしてベント
型の結晶を製造する必要があり、そのためには、上記熱
処理温度は2000℃以上であることが望ましい。これ
は、20ooo℃以下の熱処理によって得られる炭素質
フィルムは硬いカーボンの状態であるため、フィルムに
柔軟性がなく湾曲させることが困難であるのに対し、2
ooO℃以上で熱処理を行ったフィルムは柔軟性に富み
、容易に湾曲させることができるからである。
この発明では、放射線光学素子となるグラファイトを、
上記の炭素質フィルムを複数枚重ねて圧着することによ
って、必要な厚みのブロック状をなすグラファイトを作
製する。このように炭素質フィルムを、わざわざ複数枚
重ねる理由は、先に述べたように、例えば2oOμm以
上の分厚い高分子フィルムを直接熱処理しても良好な特
性を有するグラファイトが得られないためである。これ
に対し、200μm以下の比較的薄い高分子フィルムを
熱処理して、良質の炭素質フィルムを作製した後、この
炭素質フィルムを複数枚重ねて圧着すれば、良好な特性
を有するグラファイトが得られるとともに、重ねる枚数
によって所望の厚さのグラファイトを製造することがで
きるのである。
上記のような予備的な熱処理工程を経て炭素質フィルム
を製造した後、複数枚の炭素質フィルムを重ねて、加熱
圧着することによってグラファイト化を進めるとともに
、ベント型の放射線光学素子に必要な湾曲形状に成形す
る。放射線光学素子の要求形状に対応して、所定形状の
湾曲面に沿って炭素質フィルムを成形するが、湾曲形状
がシングルベント型である場合には、このような成形は
比較的容易に行えるので、シングルベン)Wのグラファ
イト結晶は容易に製造できる。
しかし、湾曲形状がダブルベント型、すなわちドーム型
である場合、炭素質フィルム自体にはあまり可塑性がな
いので、うまく成形できない場合がある。そこで、ダブ
ルベント型のグラファイト結晶を得ようとする場合には
、予め高分子フィルムの段階でドーム状に成形されたも
のを用いる方法が有効である。このようなドーム状の高
分子フィルムを得るには、溶液タイプの高分子材料を用
いて、キャスト法等の手段を採用すれば、所望の湾曲形
状を有するドーム状高分子フィルムが得られる。
つぎに、炭素質フィルムを重ねて、圧着成形する際の熱
処理条件は、26oO℃以上で4V−以上の圧力を加え
て実施する。圧力や温度が上記条件以下であると、圧着
および成形が充分に行えず、各層の炭素質フィルムが剥
がれ易いグラファイト結晶しか得られない。
以上のような工程を経て製造されたグラファイト放射性
光学素子は、グラファイト結晶のab面がきれいに重な
って、ロッキング特性等の諸特性に優れているとともに
、シングルベント型あるいはダブルベント型の任意の湾
曲形状を有するものとなる。
一実施例− ついで、この発明の製造方法によってグラファイトを製
造した、具体的実施例について説明する。
一実施例1− 12.6μmの厚さの、デュポン株式会社製ポリイミド
フィルム(商品名−カプトンHフィルム)を石英板に挾
んで、窒素雰囲気中で毎分20℃の昇温速度で1000
’Cまで昇温した後、1000℃で1時間保持して熱処
理を行った。この熱処理フィルムを黒鉛基板でサンドイ
ッチし、アルゴン気流中で室温から毎分10°Cの昇温
速度で昇温し、1600℃で1時間熱処理を行った後、
毎分20’Cで降温させて、炭素質フィルムを得た。こ
のとき使用した加熱炉は、進成電炉社製46−1型カー
ボンヒータ炉であった。
こうして得られた炭素質フィルム60枚を、曲率半径γ
が13.4(Mlのシングルベント型湾曲面を有するグ
ラファイトプレス治具に沿ってホットプレスした。ここ
で用いたホットプレス装置は、中外炉工業株式会社製、
超高温ホットプレスであった。プレス温度を3000’
C,として20(−の圧力で1時間プレスしたところ、
350μmの厚みを有するシングルベント型グラファイ
ト結晶が得られた。この結晶のロッキング特性は0.3
2’であった。
上記のようにして得られたグラファイト結晶のX線に対
する特性をX線分光器を用いて測定した。
グラファイト結晶面に対し、Mo板に貫通された1nφ
の孔を通してCuKa線を入射させ、焦点位置に置かれ
た写真乾板上でX線を測定した。乾板上でX線の像は長
さI III、幅が約18111となり、良い集光性が
得られた。また、X線の強度は、フラットなグラファイ
ト結晶に比べて2.8倍となり、強度的にも優れている
ことが判った。
一実施例2 26.60.126.200.400μmの厚さを有す
る前記カプトンHフィルムから、実施例1と同様の熱処
理工程を経て、それぞれ炭素質フィルムを作製した。そ
れぞれの炭素質フィルムを26.13.7.4.2枚ず
つ重ねて、それぞれを実施例1と同様の工程でホットプ
レスしてグラファイト結晶を製造した。
こうして得られたグラファイト結晶のロッキング特性は
、頭に0.36、Q、41 、0.47、o、61、o
、96°となった。分光結晶として利用できるグラファ
イト結晶のロッキング特性を0.6°以下とすれば、上
記試料のうち、260μm以上の高分子フィルムを用い
たものは使用できないことが判るとともに、この発明に
おける高分子フィルムの厚み1〜200Iimの範囲の
ものは、かなり分厚く重ねても良好な特性を発揮できろ
ことが実証できた。
一実施例3 溶液状態で供給されるポリイミド材料(東し株式会社製
、商品名:トレニース)を用いて、ドクターブレード法
によって、基板上に60μmの厚さのフィルムを作製し
、160℃まで加熱して溶媒の一部を蒸発させた。こう
して得られた、未だ充分な可塑性を有する高分子フィル
ムを基板から剥がし、真空成形機において、50韻φの
口径を有するドーム状の成形型を用いて、ドーム型に成
形した。こうして得られた高分子フィルム成形体を18
0℃の電気炉で2時間加熱処理して硬化させた後、実施
例1と同様の熱処理によって、ドーム状の炭素質フィル
ムを作製し、ついで実施例1と同様のホットプレス工程
を経て、ドーム状のグラファイト結晶を製造した。ドー
ム状炭素質フィルムを重ね合わせ枚数は20枚であった
こうして得られたダブルベント型ドーム状グラファイト
結晶のロッキング特性は048°と良好であった。この
グラファイト結晶に対してもX線に対する特性を測定し
た。グラファイト結晶面に対して、Mo板上に空けられ
た1朋φのスリット孔を通してCuKα線を入射させ、
焦点位置に置かれた写真乾板上で反射X線を測定した。
乾板上でのX線の像は、約22μmφのスポットとなり
、良い集光性が確認された。また、X線の強度は約16
倍にも高まった。
一実施例4− 25μmの厚さのポリアミドフィルム(旭化成工業株式
会社製)およびポリオキサジアゾールフィルム(古河電
工株式会社製)に対して、実施例1と同様の熱処理およ
びホットプレス工程を経て、シングルベント型のグラフ
ァイト結晶を得た。なお、炭素質フィルムの積層枚数は
40枚であった。
こうして得られたグラファイト結晶のロッキング特性は
、それぞれ0.40.0.38’であり、前記実施例1
等のポリイミドフィルムとほぼ同様の優れた特性を発揮
できた。CuKa線に対する集光性もほぼ同等であり、
X線強度はフラット結晶に比べて、それぞれ2.6.2
.6倍であった。
発明の効果 以上に説明した、この発明にかかるグラファイトの製造
方法のうち、請求項1記載の発明によれば、特定の高分
子フィルムを熱処理し炭素質フィルムを7製造した後、
複数枚の炭素質フィルムを重ねて、ホットプレスすなわ
ち加熱圧着することによって、放射線光学素子に必要と
される、ロッキング特性等の緒特性に優れていると同時
に分厚いブロック状をなすグラファイトが得られ、高性
能な放射線光学素子を製造できる。従来方法のように、
1枚の高分子フィルムを熱処理するだけでは、フィルム
が分厚くなるとともにグラファイトの特性が悪くなる問
題があるが、この発明の製造方法であれば、薄い高分子
フィルムを予備的に熱処理して良質の炭素質フィルムを
得た後、この炭素質フィルムをホットプレス工程で加熱
圧着して、所定の厚みを有するブロック状のグラファイ
トを得るので、製造するグラファイトの厚みが分厚くな
っても特性が悪くならず、分厚いブロック状のグラファ
イトでありながら、薄い高分子フィルム単体からなるグ
ラファイト等と同様の優れた特性を有するものを得るこ
とができる。
また、重ねた炭素質フィルムを加熱圧着すると同時に、
放射線光学素子として必要な湾曲形状に成形するので、
シングルベント型あるいはダブルベント型の、集光性や
X線強度に優れた放射線光学素子を、極めて容易に製造
することができる。
したがって、従来は製造することが困難であった、はぼ
完全なシングルベント型あるいはダブルベント型のグラ
ファイト結晶を製造することが可能になり、この発明の
製造方法によって製造され、ロッキング特性等に優れた
分厚いブロック状のベント型グラファイトからなる放射
線光学素子は、X線や中性子線モノクロメータ、フィル
タ等に広く使用することができ、従来のものに比べて、
はるかに優れた使用性能を発揮することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、高分子フィルムと
して、予めドーム状に成形されたものを用いることによ
って、複雑な形状のダブルベント型グラファイトを、極
めて容易に得ることができ、より性能の高い放射線光学
素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はシングルベント型グラファイトからなる放射線
光学素子の外観を示す斜視図、第2図はダブルベン)!
グラファイトからなる放射線光学素子の外観を示す斜視
図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリオキ
    サジアゾールのなかから選ばれた厚さ1〜200μmの
    高分子フィルムを熱処理して炭素質フィルムを作製し、
    得られた炭素質フィルムを複数枚重ねて、2500℃以
    上の温度領域で4kg/cm^2以上の圧力を加えなが
    ら、湾曲面に沿って圧着成形することにより湾曲グラフ
    ァイトを得る放射線光学素子の製造方法。
  2. (2)高分子フィルムとして、予めドーム状に成形され
    た高分子フィルムを用い、この高分子フィルムから得ら
    れたドーム状の炭素質フィルムをドーム状の湾曲面に沿
    って圧着成形することによりダブルベント型グラファイ
    トを得る請求項1記載の放射線光学素子の製造方法。
JP63235217A 1988-09-20 1988-09-20 放射線光学素子の製造方法 Expired - Lifetime JPH0791047B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08244119A (ja) * 1995-03-08 1996-09-24 Eiichiro Matsubara グラファイト面状体の製造方法
JP2005314168A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Kaneka Corp 高配向グラファイト及びその製造方法

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JPS6456364A (en) * 1987-08-26 1989-03-03 Japan Res Dev Corp Production of graphite

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