JPH0281B2 - - Google Patents

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JPH0281B2
JPH0281B2 JP57062704A JP6270482A JPH0281B2 JP H0281 B2 JPH0281 B2 JP H0281B2 JP 57062704 A JP57062704 A JP 57062704A JP 6270482 A JP6270482 A JP 6270482A JP H0281 B2 JPH0281 B2 JP H0281B2
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porous support
support membrane
polymer
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Shoichi Hirose
Kunyasu Jo
Isamu Sakuma
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Toray Industries Inc
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は選択透過膜の製造方法に関するもので
あり、特にガス状混合物の選択的分離、とりわけ
空気から酸素富化空気をえるために有効な酸素富
化用複合膜の製造方法に関するものである。 [従来技術] 複合膜の製造方法としては、従来下記の方法が
提案されている。 (a) 水面上に、ガス分離膜用高分子素材の希薄溶
液を流延し、溶媒を蒸発させ固化した高分子超
薄膜を多孔性支持膜ですくい上げる。 (b) 水面上にガス分離膜用高分子素材の希薄溶液
を連続的に供給し、固化した高分子超薄膜を、
水中に一部浸漬させたロールに沿つて移動する
多孔性支持膜上に積層し一体化する。 (c) 多孔質物質内にあらかじめ水などの液体を含
浸させておき、しかる後製膜溶液を塗布する方
法(特開昭53−16373号公報)。 [発明が解決しようとする問題点] 前記した従来法の(a)、(b)法では、水面上に浮か
せた薄膜は薄く強度が乏しいため引き取る段階で
膜が破断したり、また多孔性支持膜上に積層する
際に支持膜表面の微細な凸起により薄膜にピンホ
ールが発生するという欠点がある。さらに、多孔
性支持膜と薄膜との密着性が悪いために、ガス分
離操作を連続して長時間おこなう際に、薄膜層に
ピンホールが発生したり、薄膜層が多孔性支持膜
の空孔内に落ち込むなどの現象が起り、ガス分離
性能が悪化したりガス透過量が低下したりすると
いう弊害が発生する。 また前記した(c)法では、多孔質物質の表面に水
滴が付着しやすく、水滴が付着すると、その上に
重合体溶液を塗布しても水滴部分が大きな欠陥と
なり、満足すべき分離膜は得られないという問題
点が生じる。 本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を解消
せしめ、厚さ1μm以下のガス分離活性層が多孔
性支持膜上に一様に積層されてなり、かつ欠陥が
極めて少なく、耐圧性、耐ピンホール性に優れた
選択透過膜の製造方法を提供せんとするものであ
る。 [問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明は次の構成から
なる。 「有機溶媒に溶解せしめた重合体の溶液を、多孔
性支持膜の上に塗布し、乾燥して選択透過膜を得
る工程において、まず前記多孔性支持膜に重合体
の非溶剤を含浸せしめ、次いで多孔性支持膜の表
面に付着した非溶剤をエアーナイフで飛散させ、
しかる後有機溶媒に溶解せしめた重合体の溶液を
塗布することを特徴とする選択透過膜の製造方
法。」 本発明で用いられる重合体は、有機溶媒に可溶
でフイルム形成能を示す程度の重合度(通常分子
量104以上の重合体が望ましい)のものであれば
よい。重合体の例として下記のものを挙げること
ができる。 ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、
ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブデン、ポリ−4−メチルペンテン、
ポリ−1−ヘキセン、ポリ−1−オクテン、ポ
リメタクリル酸メチル、ポリブタジエン、ポリ
アクリロニトリル、ポリビニルトリメチルシラ
ン、ポリアリルトリメチルシラン、ポリビニル
ジメチルフエニルシランなどのビニル重合体、
ならびにこれら重合体を構成する単量体から合
成される共重合体。 ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリ(2,6−ジメチルフエニ
レンオキシド)、セルロースアセテート、セル
ロースナイトレート、セルロースジアセテー
ト、セルローストリアセテート、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
などの縮合系重合体。 次の構造単位を含む室温架橋型シリコーンゴ
ム。 (R、R′は、炭素数1〜10のアルキル基、
フエニル基、置換アルキル基、または該置換フ
エニル基。) 次の構造単位を含むポリ(シルアリレンシロ
キサン)。 [Arは
【式】
【式】
【式】
【式】 (XはO、S、−C(CH3)2−、−SO2−、−
CH2−、−CO−。)] 次の構造単位を含むポリシルフエニレン−シ
ロキサンブロツク共重合体。 (R、R′はそれぞれ炭素数1〜10のアルキ
ル基、フエニル基、置換アルキル基、または核
置換フエニル基を示す。) 次の構造単位を含むポリシラン。 (R1、R2、R3、R4は、Hまたは炭素数1〜
10のアルキル基、フエニル基、置換アルキル
基、または核置換フエニル基。) 次の構造単位を含むポリシルメチレン。 (R1、R2、R3、R4は炭素数1〜10のアルキ
ル基、フエニル基など、m、nは1〜6の自然
数。) 次の構造単位を含むポリシルフエニレン。 (R1、R2、R3、R4は、炭素数1〜10のアル
キル基、フエニル基など。) 次の構造単位を含むポリアルキレンオキシシ
ロキサン。 [ここに、Arは
【式】
【式】
【式】
【式】 (Xは、O、S、−C(CH3)2−、−SO2−、
−CH2−、−CO−、R、R′はそれぞれ炭素数1
〜10のアルキル基、または核置換フエニル基。
また、R、R′はそれぞれ炭素数1〜10のアル
キル基、フエニル基、置換アルキル基、または
核置換フエニル基。)] 次の構造単位を含むポリシロキサン−ポリス
ルホンブロツク共重合体。 (R、R′はそれぞれ炭素数1〜10のアルキ
ル基、フエニル基、置換アルキル基、または核
置換フエニル基。) 次の構造単位を含むポリシロキサン−ポリビ
ニルトリメチルシランブロツク共重合体。 (R、R′はそれぞれ炭素数1〜10のアルキ
ル基、フエニル基、置換アルキル基、または核
置換フエニル基。) 次の構造単位を含むポリメタロシロキサン。 (Mは多価金属、R、R′はそれぞれ炭素数
1〜10のアルキル基、フエニル基、置換アルキ
ル基、または核置換フエニル基。) 次の構造単位を含むポリシルメチレンシロキ
サン。 (R、R′はそれぞれ炭素数1〜10のアルキ
ル基、フエニル基、置換アルキル基、または核
置換フエニル基、nは1〜6の自然数。) 次の構造単位を含むポリシロキサン−ポリカ
ーボネートブロツク共重合体。 (R、R′は前記と同じ。) 次の構造単位を含むポリシロキサン−ポリス
チレンブロツク共重合体、またはポリシロキサ
ン−ポリ−α−メチルスチレンブロツク共重合
体。 または (R、R′はそれぞれ炭素数1〜10のアルキ
ル基、フエニル基、置換アルキル基、または核
置換フエニル基。) 上記重合体中でも好ましい重合体は、けい素原
子を繰り返し構造単位中に含む重合体である。 本発明で使用される重合体の中でも特に好まし
いのは、繰り返し単位中にシルフエニレン構造単
と、ジオルガノシロキサン構造単位 を含む重合体である。繰り返し単位中のシルフエ
ニレン構造単位と、ジオルガノシロキサン構造単
位の含有量は、重合体の総重量に対し、前者が20
重量%以上、後者が10重量%以上であることが望
ましい。 ジオルガノシロキサン構造単位
【式】に おける置換基R、R′としては、炭素数1〜10の
アルキル基、フエニル基、置換アルキル基、また
は核置換フエニル基であれば何でも差しつかえな
いが、その中でも特に好ましい構造単位は下記に
例示するものである。
【式】 【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】 【式】
【式】 シルフエニレン構造単位とジオルガノシロキサ
ン構造単位以外の成分としては、超薄膜層のガス
透過性能、機械的性質(耐圧性、耐ピンホール性
など)および多孔性支持膜との密着性を損わぬ限
りにおいて、いかなる構造単位が共重合またはブ
レンドされていてもさしつかえないが、下記に例
示するものはその中でも好ましいものである。
【式】 【式】
【式】
【式】
【式】
【式】 (Yは、
【式】−CO−、−CH2−、−S−、− CH2−)
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】 本発明に使用される重合体の中でも特に好まし
いのはシルフエニレン−シロキサンブロツク共重
合体である。 またはポリシルフエニレンシロキサン であり、好ましい共重合体中の各シークエンスの
長さm、nは、それぞれ、5≦m≦1000、0≦n
≦2000、0≦n/m≦50であり、特に好ましい
m、nの値は、 10≦m≦500、 0≦n≦500、 0≦n/m≦20 である。 n/mが50を越えると、ブロツク共重合体膜の
強度が低下するため超薄膜の状態での耐圧性と耐
ピンホール性が悪化するために好ましくない。 なお、lは自然数である。 本発明に適用される有機溶媒は、上記重合体を
溶解する溶媒であればよいが、具体的には下記の
ものを用いるのが望ましい。 塩化メチレン、トリクロルエチレン、1,2−
ジクロルエタン、テトラクロルエタン、クロロホ
ルム、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレ
ン、1,2,3−トリクロルプロパン、1,1,
2−トリクロルエタン、四塩化炭素、1,1,2
−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン
などのハロゲン化炭化水素。 テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ−イソプ
ロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルなどの
エーテル化合物。 シクロヘキサン、イソペンタン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの炭化水素化合物。 アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノサン、シクロペンタ
ノンなどのケトン化合物。 さらに上記溶媒に加えて下記溶媒を添加しても
よい。 メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シク
ロヘキサノール、シクロヘキセノール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテルなどの水酸基含有化合
物。 ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒドなどのア
ルデヒド化合物。 n−ブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ
−n−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ア
ニリン、ジメチルアニリンなどのアミン化合物。 本発明の重合体の溶媒に対する濃度は、0.01〜
10重量%、より好ましくは0.1〜2重量%の範囲
にあるのが望ましい。この範囲よりも低い場合に
はピンホールが生じ、またこの範囲よりも高い場
合には厚さむらが生じやすくなる。該重合体溶液
の温度を0℃以上、溶媒の沸点以下の範囲内にし
て用いるのが望ましい。 本発明における多孔性支持膜としては、多孔性
の成形品であればよく、好ましくはその支持体の
片面における微細孔の孔径が0.001〜5.0μm、好
ましくは0.005〜0.1μmで、かつ通気性の構造の
支持膜が望ましい。なかでも好ましい例として
は、ポリプロピレン、ポリスルホン、酢酸セルロ
ース、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフロロエチレ
ンからなる微孔性膜が挙げられる。 多孔性支持膜の表面の微細孔径が0.001μm以下
になると複合膜へのガスの透過速度が低くなり好
ましくない。 他方、表面の微細孔径が1μmを越えると、ガ
ス分離操作をおこなう際にガス分離用超薄膜層が
支持膜表面の空孔内に落ち込むために、ピンホー
ル発生をひきおこし、ガス分離操作を連続して行
う際にはガス透過量が経時的に悪化していくとい
う好ましくない現象を招く。 さらに、多孔質支持膜表面の微細孔径は、その
上に積層される超薄膜の厚さdよりも小さいこと
が好ましく、より好ましくはd/2程度である。
厚さdを越えると、ガス分離操作がおこなわれる
降に膜を介して作用する圧力差で膜が変形しやす
くなり、長期間ガス分離操作を続行する際には、
ガス透過速度が経時的に低下したり、ピンホール
の発生を招く場合が多く起り、好ましくない。 本発明に使用される非溶剤としては、本発明の
重合体を溶解しない溶媒で、かつ多孔性支持膜を
おかさないものであればよい。そのなかでも好ま
しいのは下記に例示するもので、特に好ましいの
は水である。 (1) 水 (2) アニオン系、カチオン系または非イオン系界
面活性剤の水溶液(なかでも好ましい界面活性
剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウムである)。 (3) メチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、エチルアルコールなどのアルコール化合
物。 (4) エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールなど多価アルコールの単体または混
合物。 (5) セロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブ
チルエーテルなどのエーテル化合物。 (6) 水とアルコール(または多価アルコール、エ
ーテル化合物)との混合物。 本発明における多孔性支持膜に重合体の非溶剤
を含浸せしめるには、下記方法が採用できる。す
なわち、多孔性支持膜を非溶剤を満たした槽に一
定時間浸漬し、続いて槽から引き上げ表面に付着
した非溶剤ををエア・ナイフで飛散させる。表面
に付着した非溶剤の液滴は、多孔性支持膜上に塗
布される重合体の薄膜のピンホールの原因となる
ので、表面から非溶剤の液滴をすべて除去する必
要があるが、多孔性支持膜の表面に傷がつかない
という点で非接触式であるエア・ナイフで飛散さ
せる方法が最も好ましい。 なお本発明方法でいうエア・ナイフそのもの
は、たとえば「コーテイング方式」(原崎勇治著、
槙書店1979年10月30日発行)第6〜8頁に記載さ
れているとおりよく知られている。しかしこの公
知例はエアードクターコータとして使用するもの
であり、本発明方法とは使用目的が異なる。すな
わち塗工剤をロールあるいはスロツトオリフイス
から供給し、過剰の塗工剤をウエブに転移させ
て、エアドクタのノズルから比較的低い圧力の空
気を塗布液に吹きつけて計量と平滑化を行なうも
のである。 以下本発明方法のエアーナイフを図面を用いて
説明する。 第1図にエア・ナイフの横断面の一例を示す。
このほかにもいろいろなタイプがあるが、いずれ
のエア・ナイフでも大きな空気を溜める空間と空
気の圧力を速度に変換するためのノズルを形成す
るブレードからなつている。ほとんどの場合に1
つのブレードを固定しておき、他のブレードを固
定ブレードに対して調節して、2つのブレード間
隙とその位置を決める。 第2図aの様に一方のブレードが平らで、他の
ブレードが湾曲したものを組み合わせると、噴出
する空気流は鋭いナイフエツジのようになり、表
面に付着した液滴を効率良く飛散させることが可
能である。第2図bの様に2つのブレードの先端
の内側が両方とも湾曲している場合には噴出する
空気流はブラツシのようになり、表面に付着した
液滴を効率良く飛散させることがむずかしい。 エア・ナイフが噴出する空気流の風速は、30
(m/sec)〜200(m/sec)が好ましい。風速が、
30(m/sec)に満たない場合は、液滴が効率良く
飛散できないため好ましくない。また、200(m/
sec)を越える場合は、空気流によつて多孔性支
持膜の表面を傷つけることとなるので好ましくな
い。 エア・ナイフ先端と多孔性支持膜の表面との距
離は、1〜10(mm)が好ましい。距離が1(mm)に
満たない場合、多孔性支持膜が搬送中にエア・ナ
イフに接触して傷がつく可能性があるため好まし
くない。また、10(mm)を越えると液滴を効率良
く飛散できないため好ましくない。 エア・ナイフの設定角度、30〜45゜が好ましい。
これ以外の設定角度では、液滴が効率良く飛散で
きないため好ましくない。 多孔性支持膜を非溶剤を満たした槽に一定時間
浸漬し、続いて槽から引き上げ表面に付着した非
溶剤をエア・ナイフで飛散させる際、多孔性支持
膜の表面、裏面とも液滴を除去することが、塗布
された重合体の薄膜のピンホールを防止するとい
う点で好ましいが、表面、裏面とも連続して非溶
剤を除去するためのエア・ナイフの配置として第
3図が1例としてあげられる。この様に、搬送ロ
ール上でエア・ナイフにより液滴を飛散させる
と、多孔性支持膜のバタツキがなく効率よく除去
できる。また、この様に搬送ロール、エア・ナイ
フを配置することにより、表面、裏面とも連続し
て効率よく液滴を飛散させることができる。他
に、第4図の様に近づけた二つのエア・ナイフの
間を多孔性支持膜を通すという配置もあるが、多
孔性支持膜のバタツキを防ぐための両エア・ナイ
フの空気流の風速のバランスを調節することがむ
ずかしいため、第3図の配置の方が好ましい。 本発明の重合体を有機溶媒に溶解せしめた溶液
を上に説明した多孔性支持膜上に塗布するには、
通常の塗工機を使用するのがよく、グラビアロー
ルコーター、スリツトダイ・コーター、キス・コ
ーター、フアウンテン・コーター、カーテン・コ
ーター、浸漬コーターの使用が好ましい。 先にのべた含浸・塗布操作は、室温付近でおこ
なうのがよいが、特に支障がない場合には若干低
温または高温でおこなつてもよい。 本発明の重合体を有機溶媒に溶解せしめた溶液
を塗布後乾燥するには、通常の熱風循環型乾燥機
を使用して50〜200℃で、10秒間〜10分間乾燥す
るのがよく、乾燥前に風乾したり乾燥機の設定温
度よりも若干低い温度で予備乾燥してもよい。 本製膜方法でえられる超薄膜の厚さは、塗布す
るポリマー溶液の濃度と支持膜の単位面積当りに
供給されるポリマー溶液の量によりほぼ一義的に
決定されるものであるが、超薄膜層の乾燥後の膜
厚が通常0.05〜2μm、より好ましくは0.1〜1μm
の範囲となるよう塗工条件を設定することが望ま
しい。 本発明方法は上述したように、重合体の非溶剤
を多孔性支持膜に含浸せしめ、次いで、多孔性支
持膜の表面に付着した非溶剤をエア・ナイフで飛
散させ、しかる後、有機溶剤に溶解せしめた重合
体の溶液を塗布し乾燥する気体選択透過膜の製造
としたので、得られた気体分離用複合膜は次のご
とき高い特性のものであつた。 (1) ガス分離操作を連続して長期間おこなつて
も、膜を介して作用する圧力差により超薄膜層
にピンホールが発生してガス分離性能が悪化し
たり、もしくは超薄膜層が支持膜表面の空孔内
に陥没することによりガス透過速度が低下する
といつた弊害が起ることがない。 (2) 長期ガス分離操作をおこなう際に、空気中の
塵埃により超薄膜層が破断し、ガス分離性能が
悪化する現象がおこらない。 また本発明方法においては、前記したとおりシ
ルフエニレン−シロキサンブロツク共重合体、ま
たはポリシルフエニレンシロキサンなどのポリマ
ーを塗布し乾燥した後、その上に、気体分離性能
に優れる周知のたとえばポリ(4−メチルペンテ
ン)、ポリ(2,6−ジメチルフエニレンオキシ
ド)などの層を設けてもよい。 [実施例] 以下実施例によつて本発明の実施態様を説明す
る。 実施例 1 ドラム面に沿つて連続的に走行するポリエステ
ル不織布上に、スリツトダイよりポリスルホン樹
脂(UCC社製品)のジメチルホルムアミド溶液
(固形分率20Wt%)を押出しラミネートし、続い
て水浴中で凝固させることにより、多孔性支持膜
を調製した。走査型電子顕微鏡によりこの多孔膜
の表面の微細孔の孔径をしらべたところ、平均
120Åであつた。水洗により脱溶媒され、その空
孔内に水を含んだ状態のままのポリスルホン多孔
性支持膜を連続的に巻き出し、第3図のパスに従
つてエア・ナイフにより、ポリスルホン多孔性支
持膜の表面、裏面に付着している水滴を除去し、
あらかじめ、シクロヘキサン100重量部に、10重
量部のシルフエニレン−シロキサンブロツク共重
合体 (n=380、n/m=5、トルエン中の[η]=
2.0)を加えて均一に溶解させ、この溶液にイソ
ペンタンを加えてポリマー溶液が0.5Wt%となる
ように調製した塗液を、その緻密層側の表面に連
続的に塗布し、乾燥後巻き取つた。エア・ナイフ
の風速は、50(m/sec)であつた。 このようにして得られた複合膜におけるシルフ
エニレン−シロキサンブロツク共重合体層の厚さ
は0.12μmであつた。 この複合膜のガス透過性能を表−1に示す。 比較例 1 実施例1の方法で得られた空孔内に水を含んだ
状態のままのポリスルホン多孔性支持膜を連続的
に巻き出し、東レセルローズスポンジ(東レ(株)
製)をポリスルホン多孔性支持膜の表面、裏面に
接触させ、付着している水滴を除去し、その後、
その緻密層側の表面に、実施例1で使用したシル
フエニレン−シロキサンブロツク共重合体溶液を
塗布し、乾燥後巻き取つた。 この様にして得られた複合膜におけるシルフエ
ニレン−シロキサンブロツク共重合体層の厚さは
0.13μmであつた。 この複合膜のガス透過性能を表−1に示す。接
触タイプの水切りでは好ましい性能は得られなか
つた。 また前記において実施例1の方法で得られた空
孔内に水を含んだ状態のままセルローズスポンジ
を使用せず、直接シルフエニレン−シロキサンブ
ロツク共重合体溶液を塗布したものは、欠陥だら
けで性能測定すらできないものであつた。
【表】 α:酸素/窒素分離係数
比較例 2 実施例1の方法で得られた空孔内に水を含んだ
状態のままポリスルホン多孔性支持膜を、100℃
の熱風オーブン中(風速0.2(m/分))に、膜表
面に熱風があたるようにして放置した。約1時間
後には、膜表面に付着していた水滴は蒸発し、完
全に除去できた。該ポリスルホン多孔性支持膜の
緻密層側表面に、実施例1で使用したシルフエニ
レン−シロキサンブロツク共重合体溶液を塗布
し、乾燥させた。このようにして得られた複合膜
におけるシルフエニレン−シロキサンブロツク共
重合体層の厚さは、0.15μであつた。 この複合膜のガス透過性能は、下表のとおりで
ある。 このように、乾燥法での表面水除去は、同時に
孔内の水も蒸発してしまうため、複合膜性能は、
本発明に比べ非常に低いレベルとなるのである。
【表】 [発明の効果] 本発明の製造方法による選択透過膜は、多孔質
支持膜の表面に付着した液滴をエア・ナイフで飛
散させるので、表面に非接触であるため、実施例
から明らかな様に、ガス透過性、ガス分離性がと
もに高い。また本発明方法は、欠陥が極めて少な
く、耐圧性、耐ピンホール性に優れた選択透過膜
の製造方法とすることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のエア・ナイフの一実施態様の
横断面を示す図面である。第2a図、第2b図は
本発明のエア・ナイフのブレード端の形状による
空気流の相違を示す図面である。第3図および第
4図は本発明のエア・ナイフの配置例を示す。 1:エアー・ナイフ、2:スリツト状圧空吹出
口、3:圧空配管、4:基材、5:搬送ロール、
6:非溶剤の液滴。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 有機溶媒に溶解せしめた重合体の溶液を、多
    孔性支持膜の上に塗布し、乾燥して選択透過膜を
    得る工程において、まず前記多孔性支持膜に重合
    体の非溶剤を含浸せしめ、次いで多孔性支持膜の
    表面に付着した非溶剤をエアーナイフで飛散さ
    せ、しかる後有機溶媒に溶解せしめた重合体の溶
    液を塗布することを特徴とする選択透過膜の製造
    方法。 2 重合体の非溶剤が、水、または水を含む溶液
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の選択透過膜の製造方法。
JP6270482A 1982-04-15 1982-04-15 選択透過膜の製造方法 Granted JPS58180206A (ja)

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JP6270482A JPS58180206A (ja) 1982-04-15 1982-04-15 選択透過膜の製造方法

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