JPH027288Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関のクランクシヤフト軸受構
造に関する。

内燃機関のオイルパン内部に収容されるオイル
の油面は車両の走行中に揺動し、ストレーナから
オイルの気泡を吸い上げたり、跳ね上がつたオイ
ルがブローバイガス通路等に侵入し、これらが機
関の正常な作動を阻害する原因ともなつていた。
そこで、通常はオイルパン内部に流動制御用のバ
ツフルプレートを配設し、上記不都合を解消して
いる。

しかしながら、上記バツフルプレートはオイル
パンと別体に形成され、オイルパンに溶接等によ
つて固着されているため、製作上加工工数が増
し、オイルパンの構造が複雑化する等の問題があ
る。

本考案は斯かる問題を有効に解決すべく成され
たものであり、その目的とする処は、クランクシ
ヤフト軸受部の強度、剛性の向上が図れ、以て、
内燃機関の振動を抑制して静粛性の向上が図れ、
また、バツフルプレートの加工工数および組付工
数の削減が図れ、さらに、オイルパンの構造単純
化を図ることができる内燃機関のクランクシヤフ
ト軸受構造を提供するにある。

斯かる目的を達成すべく本考案は、クランクシ
ヤフトを複数の軸受部にて回転自在に支承して成
る内燃機関において、前記複数の軸受部をシリン
ダブロツクに一体的に形成されたブロツク側軸受
半部と前記クランクシヤフトを下方側より支持す
る他方側軸受半部より構成し、該複数の各他方側
軸受半部を前記クランクシヤフトの延在方向にわ
たつて相互に連結するバツフルプレートを、前記
複数の他方側軸受半部と一体的に形成し、前記バ
ツフルプレートを前記他方側軸受半部との結合部
において少なくとも前記他方側軸受半部の前記ク
ランクシヤフトの延在方向に対して直角方向に所
定長さを確保するように延長形成してクランクケ
ースをほぼ閉塞するように構成するとともに、前
記バツフルプレートの所定位置にオイルドレン孔
を穿設したことを特徴とする。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図は機関下部の縦断側面図、第２図はベア
リングキヤツプユニツトの平面図、第３図は同底
面図、第４図は第２図４−４線断面図である。

第１図中１はシリンダブロツク２とベアリング
キヤツプユニツト３とで回転自在に支承されるク
ランクシヤフトであり、該シヤフト１は同図中紙
面垂直方向に延びている。そして、クランクケー
ス２ｂの下方にはオイルを溜めるオイルパン４が
設けられている。

ところで、前記ベアリングキヤツプユニツト３
は第２図に示す如く複数（図示例では４つ）のベ
アリングキヤツプ５…をこれらベアリングキヤツ
プ５…と一体成形されるバツフルプレート６…に
て相連結して構成されている。

上記各バツフルプレート６は第４図に示す如く
ベアリングキヤツプユニツト３の下面をおおうよ
うに下方へ膨出する円弧状に成形されており、ク
ランク軸線に対し直角方向に延長され第１図に示
すように装着時にクランクケース２ｂをほぼ閉塞
するように構成されている。また該バツフルプレ
ート６の下面側中央にはユニツト３の長さ方向に
延びる断面円形のオイル通路７が一体成形されて
いる。そして、各バツフルプレート６には各潤滑
部を潤滑したオイルを前記オイルパン４に落下せ
しめるためのオイルドレン孔６ａ，６ａが穿設さ
れている。

又前記各ベアリングキヤツプ５の中央には前記
シリンダブロツク２に形成されたブロツク側軸受
半部２ａとともに、前記クランクシヤフト１を回
転自在に支承する軸受半部５ａが形成されてお
り、軸受半部５ａの中央最下部には前記オイル通
路７に連通するオイル供給孔８が穿設されてい
る。又各ベアリングキヤツプ５には複数（図示例
では４つ）のボルト挿通孔９…が穿設されてい
る。

以上各ベアリングキヤツプ５同志をバツフルプ
レート６にて相互に連結して成るベアリングキヤ
ツプユニツト３は第１図に示す如く各ベアリング
キヤツプ５に穿設した挿通孔９に挿通される締付
ボルト１０…にてシリンダブロツク２の下部に締
付固定される。

而して車両走行中、オイルパン４内に収容され
るオイルの油面が揺動して該オイルが油面から跳
ね上がつても、前記ベアリングキヤツプユニツト
３の下面を構成するバツフルプレート６が、クラ
ンク軸線に対し直角方向に延長され、クランクケ
ース２ｂをほぼ閉塞するように構成されているた
めクランクケース２ｂ内へのオイルの侵入は有効
に防がれ、該オイルがブローバイガス通路等に侵
入して機関の正常な作動を妨げるようなことはな
く、更に半割軸受部５ａ等の各潤滑部に供給され
たオイルは、バツフルプレート６に形成されたオ
イルドレン孔６ａよりオイルパン４に戻される。

又従来単体で成形されていたバツフルプレート
をベアリングキヤツプと一体に成形したため、製
作上加工工数が大幅に削減されるとともに、オイ
ルパンの構造も単純化する。

更に軸受半部５ａ，…は、ベアリングキヤツプ
５，…を介してバツフルプレート６，…にて相互
に連結されているため、各軸受半部５ａ，…の強
度、剛性が高くなるとともに、内燃機関の運転中
における振動を抑制することが可能となり、内燃
機関の静粛性が向上する。

以上の説明で明らかな如く本考案によれば、ク
ランクシヤフト軸受部を構成する各軸受半部をバ
ツフルプレートによつて相互に連結して一体的に
形成したため、各軸受半部の強度および剛性の向
上が図れ、以て、各軸受半部の倒れを防止するこ
とができるとももに、内燃機関の振動が抑制でき
静粛性の向上を図ることができる。

また、バツフルプレートと各軸受半部とを一体
的に形成して、シリンダブロツクに固定したた
め、車両走行中オイルパン内のオイルの流動を有
効に制御し、内燃機関の正常な作動を確保すると
ともに、バツフルプレートの製作加工工程、組付
工程の大幅な削減およびオイルパンの構造の単純
化が図れ、さらに、シリンダブロツクの剛性の向
上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は本考案にかかわるクランクシヤフト軸受構
造を有して成る内燃機関下部の縦断側面図、第２
図はベアリングキヤツプユニツトの平面図、第３
図は同底面図、第４図は第２図の４−４矢視断面
図である。 尚図面中、１はクランクシヤフト、２はシリン
ダブロツク、２ａはブロツク側軸受半部、３はベ
アリングキヤツプユニツト、４はオイルパン、５
はベアリングキヤツプ、５ａは軸受半部、６はバ
ツフルプレート、７はオイル通路、８はオイル供
給孔、９は挿通孔、１０は締付ボルトである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) クランクシヤフトを複数の軸受部にて回転自
   在に支承して成る内燃機関において、 前記複数の軸受部をシリンダブロツクに一体
   的に形成されたブロツク側軸受半部と前記クラ
   ンクシヤフトを下方側より支持する他方側軸受
   半部より構成し、該複数の各他方側軸受半部を
   前記クランクシヤフトの延在方向にわたつて相
   互に連結するバツフルプレートを、前記複数の
   他方側軸受半部と一体的に形成し、前記バツフ
   ルプレートを前記他方側軸受半部との結合部に
   おいて少なくとも前記他方側軸受半部の前記ク
   ランクシヤフトの延在方向に対して直角方向に
   所定長さを確保するように延長形成してクラン
   クケースをほぼ閉塞するように構成するととも
   に、前記バツフルプレートの所定位置にオイル
   ドレン孔を穿設したことを特徴とする内燃機関
   のクランクシヤフト軸受構造。 (2) 前記バツフルプレートを曲面形状に形成した
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)
   項記載の内燃機関のクランクシヤフト軸受構
   造。 (3) 前記バツフルプレートには前記クランクシヤ
   フトの延在方向にわたつてオイル通路が形成さ
   れたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第(1)項または第(2)項記載の内燃機関のクランク
   シヤフト軸受構造。