JPH0262911B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は回転ヘツド型磁気記録再生装置の再生
系に使用して好適な切換え雑音除去装置に関す
る。

例えば２ヘツド型ヘリカルスキヤン磁気記録再
生装置において、２個の回転ヘツドにより音声下
Ｍ信号を録音し、これを再生する場合、ヘツドの
切換え位置でパルス状の雑音が発生する。この雑
音はヘツドの切換え周波波数を基本とするバズ音
となり２〜3kHzまでスペクトラムをもつが、従
来において提案されているサンプルホールド方式
等ではこの切換雑音を完全に除去することはでき
なかつた。

本発明はかかる従来の欠点を解決した切換え雑
音除去装置を提供するものであり、以下その一実
施例をもつて説明する。

第１図は本発明を適用した２ヘツド型ヘリカル
スキヤン磁気記録再生装置の再生系のブロツク図
であり、１₁及び１₂は回転シリンダ（図示せず）
に互いに180度の角度割りで配置された第１及び
第２の回転ヘツドを示す。磁気テープ２上の不連
続傾斜トラツクに記録された音声FM信号は回転
ヘツド１₁，１₂により交互に時系列的に再生され
る。回転ヘツド１₁及び１₂からの各再生FM信号
はFM復調回路３₁及び３₂で復調された後、第１
のスイツチング回路４の固定接点４₁及び４₂にそ
れぞれ供給される。Ｄ型フリツプフロツプ５はこ
のスイツチング回路４の可動接点４₃を制御する。
Ｄ型フリツプフロツプ５のＤ入力端子には回転ヘ
ツド１₁，１₂の能動時間を順次切換えるべく回転
シリンダの回転に同期して形成されるヘツド切換
え信号S₀が入力端子t₁から、またそのCP入力端
子にはクロツクパルスCKが、入力端子t₂からそ
れぞれ入力される。

なお、クロツクパルスCKの周波数としては記
録再生される音声信号の周波数帯域の最大周波数
の２倍以上の周波数が選ばれる。

Ｄ形フリツプフロツプ５のＱ端子出力S_Qは、遅
延回路６によつて僅かに遅延された後、制御信号
S₁としてスイツチング回路４に供給され、回転ヘ
ツド１₁の能動時間に応答して可動接点４₃を固定
接点４₁に、また回転ヘツド１₂の能動期間に応答
して可動接点４₃を固定接点４₂に切換接続する。
これにより回転ヘツド１₁，１₂及び復調器３₁，
３₂からそれぞれ時系列的に再生・復調された各
再生信号は継ぎ合されて一の連続信号とされる。

クロツクパルスCKはまたインバータ７により
反転されてサンプリングパルスS₂としてサンプリ
ング手段を形成する第２のスイツチング回路８に
供給され、その可動接点８₃を制御する。スイツ
チング回路８の一方の固定接点８₁はサンプリン
グ信号を波するローパスフイルタに、また他方
の固定接点８₂はアースにそれぞれ接続されてい
る。

ここで、スイツチング回路４の可動接点４₃は
制御信号S₁が「Ｈ」の時は固定接点４₁に、「Ｌ」
の時は固定接点４₂に接続され、またスイツチン
グ回路８は可動接点８₃はサンプリングパルスS₂
が「Ｈ」の時は固定接点８₁に、「Ｌ」の時は固定
接点８₂にそれぞれ接続されるものとする。

次に第２図ａ〜ｉの波形図を参照してその動作
を説明する。第２図ａ，ｂの波形Sa，Sbはそれ
ぞれ回転ヘツド１₁，１₂からの再生FM信号を復
調した後の復調波形であり、能動期間が第１の回
転ヘツド１₁から第２の回転ヘツド１₂に切換わる
状態に対応して図示されている。なお、本実施例
においても、周知のようにヘツド切換時点の前後
において再生ヘツドの能動期間がオーバーラツプ
されており、この部分ではそれぞれ同一の信号が
記録・再生されるものである。

第２図ｃ〜ｆは順にそれぞれヘツド切換信号
S₀、クロツクパルスCK、Ｄ形フリツプフロツプ
５のＱ端子出力S_Q及び制御信号S₁を示し、また第
２図ｇ〜ｉは順にそれぞれサンプリング前の継ぎ
合せ波形、サンプリング後の波形及びローパスフ
イルタ９の出力波形を示す。特に第２図ｇにおけ
るSnは切換え雑音である。

ヘツド切換信号S₀が時刻t₁で「Ｈ」から「Ｌ」
になると、その直後の時刻t₂におけるクロツクパ
ルスCKの立上りに応答してＱ端子出力S_Qは「Ｈ」
から「Ｌ」に変わり、同時にこの時刻t₂において
クロツクパルスCKを反転したサンプリングパル
スS₂によりスイツチング回路８の可動接点８₃が
アース側の固定接点８₂に接続される。一方、ス
イツチング回路４の可動接点４₃を固定接点４₁か
ら固定接点４₂に切換接続する制御信号S₁の「Ｈ」
から「Ｌ」の変化は遅延回路６により僅かに遅延
されるので、時刻t₂後の時刻t₃において起こる。
従つて復調波形SaとSbとの継ぎ目部分の信号は
サンプリング手段の非サンプリング時間に同期さ
れて、アースされることになる。また、上述とは
逆に回転ヘツド１₂から回転ヘツド１₁への切換え
が行なわれる場合も、同様に先ずスイツチング回
路８の可動接点８₃が、アース側に接続された後、
スイツチング回路４の切換接続、即ち復調波形
SaとSbの継ぎ合せが行なわれるものである。

そして、このように継ぎ合せ位置が非サンプリ
ング時間に同期されサンプリングされた復調波形
のサンプリング信号はローパスフイルタ９により
波されて出力端子t₃からとり出されるものであ
り、この出力端子t₃から切換え雑音のない原音に
高忠実度な再生音声信号を得ることができる。

なお、実際に音声信号を２ヘツド型ヘリカルス
キヤン磁気記録再生装置でFM録音再生する場
合、復調後の再生信号の継ぎ合せ位置で発生する
切換え雑音は略数μsecに亘るが、サンプリングパ
ルスとしてのクロツクパルスの周波数を例えば
50kHzとし、かつそのパルス幅のデユーテイ比を
50％に設定すれば、非サンプリング時間幅及びサ
ンプリング時間幅はそれぞれ等しい10μsecとな
り、確実に切換え雑音を除去することができる。
非サンプリング時間幅はクロツクパルスの周波数
或いはデユーテイ比により任意に設定できること
は勿論である。

第３図は本発明を回転ヘツド型磁気記録再生装
置の再生系に適用する他の実施例を示し、第３図
の各構成については第１図の実施例で使用した符
号をもつてそのまま示してある。第３図は再生
FM信号の段階で２つの信号の継ぎ合せを行な
い、その後順に復調、サンプリングしてローパス
フイルタにより波する例であり、上述の実施例
と同一の効果を達成するものである。

また本発明装置は従来のサンプルホールド方式
等と組合せて適用できることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の再生系回路のブロ
ツク図を、第２図は同回路の説明に供する波形図
を、及び第３図は本発明の他の実施例の再生系回
路のブロツク図をそれぞれ示す。 １₁，１₂……回転ヘツド、３₁，３₂……FM復
調回路、４，８……スイツチング回路、９……ロ
ーパスフイルタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 不連続トラツクから時系列的に再生される各
   再生信号を順次継ぎ合せて連続再生信号を形成す
   る手段と、 前記連続再生信号をサンプリングパルスに応答
   してサンプリングするサンプリング手段と、 前記連続再生信号の継ぎ合せ位置と前記サンプ
   リング手段の非サンプリング時間を同期させる手
   段と、 前記サンプリング手段によるサンプリング信号
   を波するローパスフイルタとから成る切換え雑
   音除去装置。