JPH0262426B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車や自動二輪車などの車輌用ハン
ドルに関する。

従来例の構成とその問題点 一般に自動車や自動二輪車などにおいて、冬期
の運転を便利にするために第１図に示すようにハ
ンドル１に電熱ヒータ２を組み込んだものが見ら
れる。第２図はその電熱ヒータ２を示し、図中の
３はリード線、４はサーモスタツト付防水型スイ
ツチ、５は接続端子、である。

ところで電熱ヒータ２は第３図に示すように麻
布６と綿布７を重ね合せてなるベースシートの内
側に石綿被覆電気抵抗線８を配線して構成され、
これをハンドル１に被着し、さらにその上に軟質
樹脂防水被覆９を被着しており、実使用状態にお
いて、手で握つた状態でハンドル操作をする場合
の機械的強度（引張、ねじり、圧縮など）の配慮
がなく、石綿被覆電気抵抗線８が移動したり、断
線しやすい。また、石綿被覆電気抵抗線８が手に
感じて操作がしにくく、さらに熱がハンドルに逃
げて速暖ができないなどの問題があつた。

更に先行技術としては、特願昭58−80324号
（特開昭59−20269号公報）明細書に開示されてい
る。

第１２図は先行技術の車輌用ハンドルの拡大断
面図、第１３図は同発熱体Ａの展開図、を示す。

図において、１はハンドル、２は芯材、３はモ
ールド樹脂、４は外皮、５は断熱材、６は補強
材、７は均熱部材、８は発熱線を示す。

先行技術の発熱体Ａはアルミ箔の均熱部７の片
面に低融点軟質樹脂材料（ポリエチレン等）をコ
ーテングし、発熱線８を熱融着加工するときに、
発熱線８側面に低融点樹脂材料（ポリエチレン
等）をコーテングし綿布等の補強材を当て熱融着
加工する。

前記の構成においては発熱線８の側面にのみ低
融点樹脂材料でコーテングするので、コーテング
の連続性がないので部品相互に接着が必ずしも確
実でなく、長期においては、ゆるみ、たるみなど
を生ずる問題点があつた。

発明の目的 本発明は前記先行技術の問題点に留意し、電気
発熱線およびこの電気発熱線を有する発熱ユニツ
トの機械的強度と熱伝導性を向上させ、さらに表
面の均熱もはかり、より快適なハンドル操作がで
きる車輌用ハンドルを得ることを目的とする。

発明の構成 本発明は、車輌用ハンドルをハンドルの外周に
電熱式の発熱ユニツトを設けた車輌用ハンドルに
おいて、芯体の外周に合成樹脂部材を介して断熱
部材を設けてハンドル本体を構成し、前記断熱部
材上にシート状の発熱ユニツト、外皮と順に重
ね、前記発熱ユニツトをハンドル本体より外皮に
向つて順次繊維層、連続した熱溶融性の軟質樹脂
材料層、発熱線に樹脂チユービングして構成した
発熱体、および金属層を積層すると共に前記金属
層内面に樹脂コーテング部材を設けて順次固定し
て構成したものである。

実施例の説明 以下、本発明の車輌用ハンドルの一実施例を第
４図〜第１１図にもとづき説明する。

第４図はハンドル本体の平面図、第５図はハン
ドル本体の断面図、第６図は本発明の車輌用ハン
ドルの一実施例の発熱ユニツト付ハンドルの断面
図、第７図は本発明の一実施例の発熱ユニツトの
構成部品の展開配列図、第８図は本発明の発熱ユ
ニツトの完成断面図、第９図は同発熱ユニツトに
使用する発熱線の構成図、第１０図、第１１図は
発熱線の配線図、を示す。

第４図において、１０は自動車のハンドル本体
であり、ハンドル本体１０は第５図に示すように
金属よりなる芯材１１と、その外周にモールドさ
れた合成樹脂部材１２と、その外周に被着した断
熱材１３よりなつている。第６図に示すようにハ
ンドル本体１０の外周にはシート状の発熱ユニツ
ト１４が被着され、発熱ユニツト１４の外周には
外皮１５を被着してある。第７図、第８図に示す
ようにシート状の発熱ユニツト１４は金属層より
なる金属層（アルミ箔など）１６と、この金属層
１６の内面に固着した発熱体１７よりなつてお
り、固着するため金属層１６は内面にポリエチレ
ンなど低融点軟質樹脂材料からなる部材を配設し
てあり、発熱体１７は第９図に示すように発熱線
２０の外側に耐熱塩ビ樹脂、シリコン樹脂、弗素
樹脂などの高融点軟質樹脂材料よりなる内側外皮
２１を設け、その外側に内側外皮２１より低い融
点の軟質樹脂材料、たとえばポリエチレン樹脂よ
りなる外側外皮２２を順に樹脂チユービングして
構成している。そして発熱体１７は外側外皮２２
を加熱して金属層１６の低融点軟質樹脂材料をコ
ーテングした内面に溶着されている。

なお発熱体１７の外皮構成は実施例では２重チ
ユービング構成にしているが、熱溶着が完全にで
きるならば内側外皮２１のみでもよ。時に金属層
１６と発熱体１７との固着力が機械的に不十分で
あるときは繊維層（綿布、不燃布など）１８で金
属層１６を補強してやることも必要である。実施
例では金属層１６と発熱体１７と繊維層１８とを
熱融着させるために低融点の軟質樹脂材料（ポリ
エチレンなど）からなるシート１９を使用して固
着させている。

又発熱ユニツト１４は金属層１６の面を平滑に
仕上げ繊維層１８の面に発熱体１７の凸部を出る
ように加工する。

なお、ハンドル本体１０は握りやすくするため
にモールドした合成樹脂部材１２の肉厚を薄くし
てある。また、ハンドル操作時のねじり力および
引張り力などに耐えるために断熱材１３、発熱ユ
ニツト１４、外皮１５などの各積層間に若干の接
着剤を使用して部分的に固定したり、もつとも大
きい力を受ける部分には結束糸などで補強しても
よく、外皮１５に使用している結束糸２３で全体
で強く締めつけるようにしてもよい。また、配線
された発熱体１７のピツチ間には熱伝導性がよ
く、かつ発熱体１７が表面に浮き出ない程度の硬
さを有するウレタンなどの発泡樹脂またはカーボ
ン入り塩ビ樹脂その他シリコン樹脂を設け、発熱
体１７が外皮１５の表面に浮き出ないようにする
ことが好ましい。また、発熱体１７は第１０図お
よび第１１図に示すようにハンドル本体の円周方
向または円周に沿つたジグザグ状いずれの配線で
あつてもよい。

前記構成の車輌用ハンドルは、ハンドル本体に
組み合わせた発熱ユニツト１４は発熱体１７が金
属層１６の内面に密着されているため、表面温度
にムラがなく、均一に暖めることができる。ま
た、発熱体１７と金属層１６が熱溶着されている
ため、金属層１６に熱伝導がよく、速熱性が得ら
れる。さらに、発熱体１７は金属層１６に固定さ
れ、更に繊維層１８で補強されていることから、
ハンドル操作時にねじり、引張りなどの力が加わ
つたとき、発熱体１７が移動したりして断線する
ことがない。発熱体１７をもつシート状の発熱ユ
ニツト１４、断熱材１３、外皮１５などは接着さ
れ、ゆるみ、たるみなどがなく、断熱材１３で熱
がハンドル本体１０に逃げるのを防ぐことができ
る。

発明の効果 以上説明したように本発明の車輌用ハンドルは
発熱ユニツトが繊維層と発熱体間に低融点の軟質
樹脂材料から連続したシート層を設けて組み込ま
れたので部品相互の接着が確実になり、ゆるみ、
たるみなどを生ずることなく、又、外皮表面が早
く暖かくなり、そして表面温度が均一となる、さ
らに熱の逃げが少なく快適なハンドル操作をする
ことができるものであり、非常に大きい実用効果
を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動二輪車の正面図、第２図は従来の
ハンドル用電熱ヒータの構成図、第３図は同要部
断面図、第４図はハンドル本体の平面図、第５図
はハンドル本体の断面図、第６図は本発明の一実
施例の発熱ユニツト付ハンドルの断面図、第７図
は本発明の一実施例の発熱ユニツトの構成部品の
展開配列図、第８図は本発明の一実施例の発熱ユ
ニツトの完成断面図、第９図は同発熱ユニツトの
発熱体の構成図、第１０図、第１１図はそれぞれ
ハンドルの発熱体の配線図、第１２図は発熱ユニ
ツトの従来例の構成図、第１３図は同ユニツトの
拡大図、を示す。 １０：ハンドル本体、１３：断熱材、１４：発
熱ユニツト、１５：外皮、１６：金属層、１７：
発熱体、１８：繊維層、１９：軟質樹脂。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ハンドルの外周に電熱式の発熱ユニツトを設
   けた車輌用ハンドルにおいて、芯体の外周に合成
   樹脂部材を介して断熱部材を設けてハンドル本体
   を構成し、前記断熱部材上にシート状の発熱ユニ
   ツト、外皮と順に重ね、前記発熱ユニツトをハン
   ドル本体より外皮に向つて順次繊維層、連続した
   熱溶融性の軟質樹脂材料層、発熱線に樹脂チユー
   ビングして構成した発熱体、および金属層を積層
   すると共に前記金属層内面に樹脂コーテング部材
   を設けて順次固定して構成したことを特徴とする
   車輌用ハンドル。