JPH026167Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、多数の矩形状ガラスブロツクを外側
面が凸面を成すように積み重ねて建物の外壁部等
に採光と装飾効果を狙つたガラスブロツク壁等を
形成するのに使用されるガラスブロツク枠に関す
るもので、更に詳しくは、左右竪枠と平面視円弧
状の上下横枠とで構成されていて、各横枠が少な
くとも室内側の断面コ字状型材と室外側の断面コ
字状型材とからなり且つ当該横枠の上面側及び又
は下面側にモルタル装填用凹溝が形成されている
ガラスブロツク枠に関する。

（従来技術及びその問題点） 上記のようなガラスブロツク枠の製作にあた
り、平面視円弧状横枠用の型材として１本の中空
角筒状型材を使用せず少なくとも２本の断面コ字
状型材を使用するのは、型材を曲げ加工機として
は最も簡便なロールベンダーによつて曲げ加工す
る場合に、中空角筒状型材であればその型材がひ
しげて元断面形状（方形状）を維持しえないのに
対し断面コ字状型材では成形ロールを当該型材の
内部形状に合致するように当てがうことが可能と
なつて適正な曲げ成形を行えるからである。第５
図は従来のガラスブロツク枠を示したもので、上
横枠１は室内側の断面コ字状型材１ａと室外側の
断面コ字状型材１ｂとこれらの間に介在させた中
間の断面横向きＨ字状の型材１ｃとを相互にビス
止め結合させてなり、また下横枠２も同様に室内
側及び室外側のコ字状型枠２ａ，２ｂと中間の横
向きＨ字状型枠２ｃとで構成され、そして上横枠
１の下面側にはその室内外両側端にそれぞれ下向
きに突出する断面略Ｉ字状の中空枠状型材３，４
がビス止めされ、これらの中空枠状型材３，４が
モルタル装填用凹溝５の室内外両側壁部とされて
おり、下横枠２の上面側にも同様な中空枠部材
６，７がビス止めされてこれらの中空枠部材６，
７がモルタル装填用凹溝８の室内外両側壁部とさ
れている。尚、図中Ｇはガラスブロツク、９は上
横枠１の下面、下横枠２の上面にそれぞれ取付け
られたパツキン材である。

ところで、従来のガラスブロツク枠においては
上記のようにモルタル装填用凹溝５，８の側壁部
を形成するのに横枠１，２とは別体のＩ字形中空
枠状型材３，４，５，６を用い、これらを予め曲
げ加工しておいて横枠１，２に対してビス止めし
ていたが、このようにすると、型材３〜６を曲げ
加工する作業とそれらをビス止めする作業が余分
に必要となつて製作コストが高騰を来たすのみな
らず、これらの中空枠状型材３〜６とコ字状型材
１ａ，１ｂ，２ａ，２ｂとの隙間から水洩れを生
じて雨仕舞が悪くなるといつた問題があつた。
尚、断面Ｉ字状の中空枠状型材３〜６のように、
断面形状が縦に細長い矩形状を成していてしかも
その断面積が比較的小さい場合には、ロールベン
ダーによる不都合な変形はほとんどない。

（問題点を解決するための技術的手段） 本考案は上述のような問題点を解決するもの
で、そのための技術的手段は、ガラスブロツク枠
の横枠を構成している室内側型材の室内側及び室
外側型材の室外側に、それぞれの上端部及び又は
下端部が横枠の上面及び又は下面より突出するよ
うな断面略Ｉ字状の中空枠部を一体形成して、こ
れら中空枠部の上端突出部及び又は下端突出部を
前記モルタル装填用凹溝の室内外両側壁部として
なることを特徴とする。

（実施例） 以下本考案の実施例を第１図〜第４図に基づい
て説明する。

第１図はガラスブロツク枠１０内に多数個のガ
ラスブロツクＧ…による曲面状ガラスブロツク壁
を形成した状態を室外側から見た正面図、第２図
はその横断面図であり、また第３図及び第４図は
ガラスブロツク壁を含むガラスブロツク枠１０の
拡大縦断面図及び拡大横断面図である。このガラ
スブロツク枠１０は、第２図に示されるように平
面視が円弧状に形成された上下横枠１１，１２
と、直線状の左右竪枠１３，１４とから構成され
ている。

前記円弧状の上横枠１１は、室内側の断面コ字
状型材１１ａと室外側の断面コ字状型材１１ｂと
これらの中間の断面横向きＨ字状型材１１ｃとで
構成されると共に、室内側型材１１ａの室内側及
び室外側型材１１ｂの室外側には、それぞれの下
端部が当該上横枠１１の下面から下方に突出する
ような断面略Ｉ字状の（即ち、断面形状が縦に細
長い矩形状の）中空枠部１１ｄ及び１１ｅがこれ
らの型材１１ａ及び１１ｂとそれぞれ一体に形成
され、これら中空枠部１１ｄ及び１１ｅの下端突
出部１５ａ及び１５ｂがモルタル装填用凹溝１５
の室内側及び室外側側壁部を形成している。ま
た、前記コ字状型材１１ａ，１１ｂとこれらの中
間のＨ字状型材１１ｃとはビス１６…により相互
に結合され、それらの下面にはパツキン材１９が
ビス２０により取付けられている。

前記円弧状の下横枠１２も室内側の断面コ字状
型材１２ａと室外側の断面コ字状型材１２ｂとこ
れらの中間の断面横向きＨ字状型材１２ｃとで構
成されていて、室内側型材１２ａの室内側及び室
外側型材１２ｂの室外側には、それぞれの上下両
端部が当該下横枠１２の上下両面から上下方向に
突出するような断面略Ｉ字状の中空枠部１２ｄ及
び１２ｅがこれらの型材１２ａ及び１２ｂと一体
に形成され、そしてこれら中空枠部１２ｄ及び１
２ｅの上端突出部１７ａ及び１７ｂがモルタル装
填用凹溝１８の室内側及び室外側側壁部を形成し
ている。また、室外側中空枠部１２ｅの上端突出
部１７ｂにはモルタル装填用凹溝１８に溜まつた
水をこの中空枠部１２ｅ内に排水するための水抜
き孔２１が設けられ、またこの中空枠部１２ｅの
下端部にはその内部に溜まつた水を外に排出させ
る排水孔２２が設けてある。前記コ字状型材１２
ａ，１２ｂと中間のＨ字状型材１２ｃとはビス１
６…により相互に結合され、またそれらの下面に
はパツキン材１９がビス２０で取付けられてい
る。

また、左右の直線状竪枠１３，１４は第４図に
示すように、それぞれ断面略コ字状を成す単一の
型材からなるもので、それぞれの内側面側にモル
タル装填用凹溝２３，２４を形成している。

各ガラスブロツクＧの外周面には凹溝部２５が
周設されていて、各ガラスブロツクＧ相互間で
は、相対向する凹溝部２５間に鉄筋等の配筋材が
挿通されると共にモルタルが装填され、またガラ
スブロツク壁の周辺においては上下横枠１１，１
２及び左右竪枠１３，１４のモルタル装填用凹溝
１５，１８及び２３，２４のそれぞれと各ガラス
ブロツクＧの凹溝部２５とに亘るようにモルタル
（第３図、第４図にＭで示す）が装填される。

尚、上横枠１１を形成するにあたり、前記Ｉ字
状中空枠部１１ｄ，１１ｅがそれぞれ一体に形成
された室内側及び室外側コ字状型材１１ａ，１１
ｂはそれらのコ字状開口部内にロールベンダーの
ロールを当てがうことによつてそれぞれ所要曲率
の円弧状に曲げ加工され、またＨ字状型材１１ｃ
の曲げ加工にあたつてはその室内側及び室外側の
両コ字状開口部内にそれぞれロールを当てがうこ
とになる。下横枠１２の形成にあたつても上横枠
１１の場合と同様である。また、上記コ字状型材
１１ａ，１１ｂ，１２ａ，１２ｂの曲げ加工にお
いて中空枠部１１ｄ，１１ｅ，１２ｄ，１２ｅは
その断面が略Ｉ字状であつてしかも断面積が比較
的小さいためひしげたりひずんだりすることがほ
とんどない。

（考案の効果） 本考案のガラスブロツク枠によれば、横枠のモ
ルタル装填用凹溝を形成するにあたり、当該横枠
を構成する室内側コ字状型材の室内側及び室外側
コ字状型材の室外側にそれぞれ断面略Ｉ字状の中
空枠部を一体に形成して、これら中空枠部の上端
突出部及び又は下端突出部を、前記凹溝の室内側
側壁部及び室外側側壁部となしたものであつて、
凹溝側壁部形成用の型材を取付ける必要がない上
に、前記断面Ｉ字状中空枠部の曲げ成形もコ字状
型材の曲げ加工によつて同時に行えるため、凹溝
側壁部形成用型材を別個に用意しておいてこれら
をビス止めして取付けるようにした従来のガラス
ブロツク枠に比べると、凹溝側壁部形成用型材の
曲げ加工の手間及びそれらの型材のビス止め作業
の手間が省けてガラスブロツク枠の製作がすこぶ
る簡単になると共に、凹溝の側壁部から水洩れの
おそれもなくなつて雨仕舞が良好となる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るガラスブロツク枠内に形
成された曲面状ガラスブロツク壁を室外側から見
た正面図、第２図は第１図の−線断面図、第
３図は本考案ガラスブロツク枠の拡大詳細縦断面
図、第４図は同上の拡大詳細横断面図、第５図は
従来のガラスブロツク枠の第３図と同様な縦断面
図である。 １０……ガラスブロツク枠、Ｇ……ガラスブロ
ツク、１１，１２……上下横枠、１１ａ，１２ａ
……室内側の断面コ字状型材、１１ｂ，１２ｂ…
…室外側の断面コ字状型材、１１ｄ，１１ｅ，１
２ｄ，１２ｅ……断面略Ｉ字状の中空枠部、１５
ａ，１５ｂ，１７ａ，１７ｂ……中空枠部の突出
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右竪枠と平面視円弧状の上下横枠とで構成さ
   れていて、各横枠が少なくとも室内側の断面コ字
   状型材と室外側の断面コ字状型材とからなり且つ
   当該横枠の上面側及び又は下面側にモルタル装填
   用凹溝が形成されているガラスブロツク枠におい
   て、前記室内側型材の室内側及び室外側型材の室
   外側に、それぞれの上端部及び又は下端部が横枠
   の上面及び又は下面より突出するような断面略Ｉ
   字状の中空枠部を一体形成して、これら中空枠部
   の上端突出部及び又は下端突出部を前記モルタル
   装填用凹溝の室内外両側壁部としてなることを特
   徴とするガラスブロツク枠。