JPH026168Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、多数の矩形状ガラスブロツクを外側
面が凸面を成すように積み重ねて建物の外壁部等
に採光と装飾効果を狙つたガラスブロツク壁等を
形成するのに使用されるガラスブロツク枠の取付
装置に関するもので、更に詳しくは、左右竪枠と
平面視円弧状の上下横枠とでガラスブロツク枠が
構成されていて、上横枠には下面側に、下横枠に
は上面側にそれぞれモルタル装填用凹溝条が形成
され、上横枠の上面側及び下横枠の下面側にそれ
ぞれアンカー金物が取付けられ、該アンカー金物
が建物躯体側に連結固定されてなるガラスブロツ
ク枠取付装置にに関する。

（従来技術及びその問題点） 第７図は従来のカラスブロツク枠取付装置を示
したもので、１は室内側の断面コ字状型材１ａと
室外側の断面コ字状型材１ｂとこれらの間に介在
させた中間の断面横向きＨ字状の型材１ｃとを相
互にビスB₁，B₂止め結合させてなり、また下横
枠２も同様に室内側及び室外側のコ字状型枠２
ａ，２ｂと中間の横向きＨ字状型枠２ｃとを相互
にビスB₁，B₂止め結合させてなり、そして上横
枠１の下面側にはその室内外両側端にそれぞれ下
向きに突出する断面略Ｉ字状の中空枠状型材３，
４がビスB₃止めされ、これらの中空枠状型材３，
４がモルタル装填用凹溝５の室内外両側壁部とさ
れており、下横枠２の上面側にも同様な中空枠部
材６，７がビスB₃止めされてこれらの中空枠部
材６，７がモルタル装填用凹溝８の室内外両側壁
部とされている。そして、上横枠１の上面及び下
横枠２の下面にはそれぞれの複数箇所において略
形状のアンカー金物ＡがビスB₄止めされ、各
アンカー金物Ａは建物躯体Ｗの開口壁面に予め固
着してある固定枠ＣにビスB₅止めされて連結さ
れている。図中Ｇはガラスブロツク、９は上横枠
１の下面、下横枠２の上面にそれぞれ取付けられ
たパツキン材である。尚、上述したようにガラス
ブロツク枠の製作にあたり平面視円弧状横枠用の
型材として１本の中空角筒状型材を使用せず２本
の断面コ字状型材とこれらの間に配置する断面Ｈ
字状の型材を使用するのは、型材を曲げ加工機と
しては最も簡便なロールベンダーによつて曲げ加
工する場合に、中空角筒状型材であればその型材
がひしげて元断面形状（方形状）を維持しえない
のに対し断面がコ字状やＨ字状の型材では成形ロ
ールを当該型材の内部形状に合致するように当て
がうことが可能となつて適正な曲げ成形を行える
からである。

ところで、従来のガラスブロツク枠において
は、先ず上記のようにモルタル装填用凹溝５，８
の側壁部を形成するのに横枠１，２の型材１ａ，
１ｂ，２ａ，２ｂとは別体のＩ字形中空枠状型材
３，４，５，６を用い、これらを予め曲げ加工し
ておいて横枠１，２に対してビスB₃止めしてい
たが、このようにすると、型材３〜６を曲げ加工
する作業とそれらをビス止めする作業が余分に必
要となるのみならず、これらの中空枠状型材３〜
６とコ字状型材１ａ，１ｂ，２ａ，２ｂとの隙間
から水洩れを生じて雨仕舞が悪くなるといつた問
題があつた。また、上下横枠１，２のそれぞれの
室内側及び室外側型材が断面コ字状であつてこれ
らの型材が中間の型材に対し上下両側からビス
B₁，B₂止めしなければならない上に、上横枠１
の上面及び下横枠２の下面のそれぞれにアンカー
金物ＡがビスB₄止めによつて取付けられている
ために、前記型材３，４，６，７のビス止め箇所
を加えると、ガラスブロツク枠全体のビス止め箇
所が増大して、それらのビス止め作業に可成り多
くの時間がかかつていた。そしてまた、上横枠１
側のアンカー金物Ａを建物躯体Ｗに連結する作業
は一般に高所作業であることから困難とされてい
るが、このアンカー金物Ａが上横枠１に対しビス
止めされているため、一旦ビス止めするとそのア
ンカー金物Ａの取付位置の変更調整が行えず、し
たがつて建物躯体Ｗ側に固着されている固定枠Ｃ
に対するそのアンカー金物Ａの取付け位置がくい
違つているような場合にはガラスブロツク枠全体
を取外さねばならないというきわめて不都合な問
題もあつた。

（問題点を解決するための技術的手段） 本考案は上記に鑑み、ガラスブロツク枠におけ
るビス止め箇所をできるだけ少なくすると共に、
特に上横枠に取付けられるアンカー金物の取付位
置の変更調整が自由に行えるようにすることを目
的としたもので、そのための技術的手段は、上下
各横枠は、それぞれ水平部片と垂直部片とからな
る断面略Ｔ字状の室内側型材及び室外側型材と、
両型材の水平部片間に連結される水平部材を有し
てこれら水平部片及び水平部材と両型材の垂直部
片とでモルタル装填用凹溝条を形成している中間
部型材と、からなり、また上下横枠の少なくとも
上横枠の中間部型材にはその室内外両側端部に１
対のアンカー金物取付用被係嵌部が全長に亘つて
設けられ、上横枠に取付けられるアンカー金物に
はその室内外両端部に１対の係嵌部が設けられ、
この１対の係嵌部が前記アンカー金物取付用被係
嵌部にそれぞれ係嵌されてなることを特徴とす
る。

（実施例） 以下本考案に係るガラスブロツク枠取付装置の
実施例を第１図〜第５図に基づいて説明する。

第１図はガラスブロツク枠１０内に多数個のガ
ラスブロツクＧ…による曲面状ガラスブロツク壁
を形成した状態を室外側から見た正面図、第２図
は第１図のガラスブロツク枠１０が建物躯体Ｗに
取付けられた状態を示す横断面図であり、また第
３図及び第４図は第１図のガラスブロツク枠１０
の取付状態を示す拡大縦断面図及び拡大横断面図
である。ガラスブロツク枠１０は、平面視が円弧
状に形成された上下横枠１１，１２と、直線状の
左右竪枠３２，３３とから構成されている。

前記平面視円弧状の上横枠１１は、水平部片１
１a₁と垂直部片１１a₂とからなる断面略Ｔ字状の
室内側型材１１ａと、水平部片１１b₁と垂直部片
１１b₂とからなる断面略Ｔ字状の室外側型材１１
ｂと、両型材１１ａ，１１ｂの水平部片１１a₁，
１１b₁間に連結された断面略Ｈ字状の中間部型材
１１ｃと、から構成されている。室内側型材１１
ａの垂直部片１１a₂及び室外側型材１１ｂの垂直
部片１１b₂はそれぞれ断面略Ｉ字状の（即ち、断
面形状が縦に細長い矩形状の）中空枠状に形成さ
れ、また中間部型材１１ｃは、両型材１１ａ，１
１ｂの水平部片１１a₁，１１b₁に両端部がビス１
３，１３により一体的に連結された水平部材１１
c₁と、この水平部材１１c₁の幅方向中央部から上
垂された垂壁部１１c₂と、この垂壁部１１c₂と一
体にして且つ水平部材１１c₁と略同幅で平行状に
形成された上壁部１１c₃と、からなるもので、こ
の上壁部１１c₃の室内外両側端部にはそれぞれ断
面略Ｌ字状を成す１対の突条片１４，１４が当該
中間部型材１１ｃの全長に亘つて対向条設され、
この１対の突条片１４，１４の先端部片が１対の
アンカー金物取付用被係嵌部１４ａ，１４ａを形
成している。そして、この上横枠１１の下面側に
は、室内外両型材１１ａ，１１ｂの垂直部片１１
a₂，１１b₂と、水平部片１１a₁，１１b₁と、中間
部型材１１ｃの水平部材１１c₁とによつて、モル
タル装填用凹溝条１５が形成されている。

また、平面視円弧状の下横枠１２も上横枠１１
と同様の構造であつて、水平部片１２a₁と垂直部
片１２a₂とからなる断面略Ｔ字状の室内側型材１
２ａと、水平部片１２b₁と垂直部片１２b₂とから
なる断面略Ｔ字状の室外側型材１２ｂと、室内外
両型材１２ａ，１２ｂの水平部片１２a₁，１２b₁
間に連結された断面略Ｈ字状の中間部型材１２ｃ
と、から構成され、室内側型材１２ａの垂直部片
１２a₂及び室外側型材１２ｂの垂直部片１２b₂は
それぞれ中空枠状に形成されている。また中間部
型材１２ｃは、両型材１２ａ，１２ｂの水平部片
１２a₁，１２b₁に両端部がビス１６，１６により
一体的に連結された水平部材１２c₁と、この水平
部材１２c₁の幅方向中央部から下垂された垂壁部
１２c₂と、この垂壁部１２c₂と一体形成された下
壁部１２c₃と、からなり、この下壁部１２c₃の室
内外両側端部にはそれぞれ断面略Ｌ字状を成す１
対の突条片１７，１７が全長に亘つて対向条設さ
され、この１対の突条片１７，１７の先端部片が
１対のアンカー金物取付用被係嵌部１７ａ，１７
ａを形成している。そして、この上横枠１２の下
面側には、室内外両型材１２ａ，１２ｂの垂直部
片１２a₂，１２b₂と、水平部片１２a₁，１２b₁
と、中間部型材１２ｃの水平部材１２a₁とによつ
て、モルタル装填用凹溝条１８が形成されてい
る。

尚、上横枠１１及び下横枠１２の製作にあたつ
て、室内側型材１１ａ，１２ａ、室外側型材１１
ｂ，１２ｂ及び中間部型材１１ｃ，１２ｃはそれ
ぞれロールベンダーによつて所要曲率に曲げ加工
される。この場合、これらの型材１１ａ，１２ａ
〜１１ｃ，１２ｃにはそれぞれの室内側側面及び
室外側側面に成形ロール及び支持ロールを当て付
けることができ、しかもそれらの型材はそれぞれ
断面対称形状でありまた型材１１ａ，１１ｂ，１
２ａ，１２ｂの中空状垂直部片１１a₂，１１b₂，
１２a₂，１２b₂は断面が細長矩形状であるため
に、曲げ加工によつて不都合に変形する、即ちひ
しげたり、大きくひずんだりすることがない。

前記上横枠１１の中間部型材１１ｃ上面側及び
下横枠１２の中間部型材１２ｃ下面側にはアンカ
ー金物１９がそれぞれ複数ずつ取付けられる。各
アンカー金物１９は例えば第５図に示すように、
基板２０の室内外両端部側に１対の切起し爪片２
１，２１を設け且つ左右いずれかの端部に取付片
２２を突設してなるもので、各切起し爪片２１と
基板２０の端部２０ａとによつて係嵌部２３を形
成している。このアンカー金物１９を例えば上横
枠の中間部型材１１ｃに取付ける場合には１対の
係嵌部２３，２３が中間部型材１１ｃにおける上
壁部１１c₃のアンカー金物取付用被係嵌部１４
ａ，１４ａにスライド可能に係嵌される。

上述したガラスブロツク枠１０を建物躯体Ｗの
取付用開口部Ｏに取付けるにあたつて、先ずガラ
スブロツク枠１０の上横枠１１側と下横枠１２側
とにそれぞれ適数個ずつアンカー金物１９を取付
け、そしてこのガラスブロツク枠１０を取付用被
開口部Ｏに適嵌合し、この開口部Ｏの上下端壁部
に埋設されている各アンカーボルト２４に当接し
うるように各アンカー金物１９の位置をスライド
させて、所定の当接位置で各アンカー金物１９の
取付片２２をアンカーボルト２４に溶接して一体
に連結固定する。尚、左右竪枠１３，１４につい
ては取付用開口部Ｏに対して連結しなくてもよい
し、あるいは必要に応じて適当なアンカー金物を
使用して連結するようにしてもよい。このように
して取付用開口部Ｏに取付けたガラスブロツク枠
１０内には多数の矩形状ガラスブロツクＧ…が順
次積み重ねられて曲面状のガラスブロツク壁が形
成される。各ガラスブロツクＧの外周面には凹溝
部２５が周設されていて、各ガラスブロツクＧ相
互間では、相対向する凹溝部２５間に鉄筋等の配
筋材が挿通されると共にモルタルが装填され、ま
たガラスブロツク壁の周辺においては上下横枠１
１，１２及び左右竪枠３２，３３のモルタル装填
用凹溝１５，１８及び２６，２６のそれぞれと各
ガラスブロツクＧの凹溝部２５とに亘るようにモ
ルタル（第３図、第４図にＭで示す）が装填され
る。

第６図は他の実施例を示すもので、ガラスブロ
ツク枠１０における上横枠３１部分の取付構造を
示している。この実施例では上横枠３１の中間部
型材３１ｃが水平部材３１c₁からなり、この水平
部材３１c₁上面の室内外両側端部に断面略Ｌ字状
を成す１対の突条片２７，２７が条設され、この
１対の突条片２７，２７の先端部片が１対のアン
カー金物取付用被係嵌部２７ａ，２７ａを形成し
ており、この水平部材３１c₁の両側端部が室内外
両型材３１ａ，３１ｂに対しビス２８で連結され
ている。これ以外については先の実施例と同様で
あつて、同一構成部分については同一符号を付し
て説明を省略する。

尚、第３図中２９，３０は水抜き孔を示す。

以上の実施例では、ガラスブロツク枠の上下各
横枠にアンカー金物１９を取付けるようにしてい
るが、このアンカー金物１９は上横枠にのみ取付
け、下横枠については従来のビス止めタイプのア
ンカー金物を取付けるようにしてもよい。

（考案の効果） 本考案のガラスブロツク枠取付装置によれば、
ガラスブロツク枠の少なくとも上横枠の中間部型
材に１対のアンカー金物取付用被係嵌部を設け、
この１対の被係嵌部にアンカー金物の１対の係嵌
部を係嵌させて取付けるようにしているため、上
横枠上におけるアンカー金物の取付位置の調整、
変更が可能で、高所作業となる上横枠の建物躯体
側への取付け作業が容易に行える効果があり、ま
たガラスブロツク枠の上下各横枠が、水平部片と
垂直部片とからなる断面略Ｔ字状の室内側型材及
び室外側型材と、両型材の水平部片間に連結され
る水平部材をする中間部型材と、から構成されて
いて、上記水平部片及び水平部材と両型材の垂直
部片とによりモルタル装填用凹溝条を形成してい
ることから、従来のように凹溝形成用の型材を別
個に取付ける必要がなくなると共に、型材相互の
連結箇所が中間部型材の水平部材両端部と室内外
両型材端部との２箇所で済み、したがつてビス止
め作業が従来に比べて大幅に減小できると共に型
材の曲げ加工工数も少なくなつて、ガラスブロツ
ク枠の製作がすこぶる簡素化でき、しかもモルタ
ル装填用凹溝条からの水洩れもなくなつて雨仕舞
いが良好となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すもので、ガラ
スブロツク枠内に形成された曲面状ガラスブロツ
ク壁を室外側から見た正面図、第２図は第１図の
ガラスブロツク壁を含むガラスブロツク枠取付装
置の横断面図、第３図は第１図、第２図じ示され
るガラスブロツク枠取付装置の要部拡大詳細縦断
面図、第４図は同上の要部横断面図、第５図はア
ンカー金物を示す斜視図、第６図は他の実施例を
示す縦断面図、第７図は従来例を示す第３図と同
様な縦断面図である。 １０……ガラスブロツク枠、１１……上横枠、
１１ａ……室内側型材、１１a₁……水平部片、１
１a₂……垂直部片、１１ｂ……室外側型材、１１
b₁……水平部片、１１b₂……垂直部片、１１ｃ…
…中間部型材、１１c₁……水平部材、１１c₃……
上壁部、１４……突条片、１４ａ……アンカー金
物取付用被係嵌部、１９……アンカー金物、２１
……切り起し片、２２……取付片、２３……係嵌
部、２４……アンカーボルト、Ｗ……建物躯体、
Ｇ……ガラスブロツク、１５，１８，２６……モ
ルタル装填用凹溝条。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 左右竪枠と平面視円弧状の上下横枠とでガラ
   スブロツク枠が構成され、上横枠には下面側
   に、下横枠には上面側にそれぞれモルタル装填
   用凹溝条が形成され、上横枠の上面側及び下横
   枠の下面側にそれぞれアンカー金物が取付けら
   れ、該アンカー金物が建物躯体側に連結固定さ
   れてなるガラスブロツク枠取付装置において、
   前記上下各横枠は、それぞれ水平部片と垂直部
   片とからなる断面略Ｔ字状の室内側型材及び室
   外側型材と、両型材の水平部片間に連結される
   水平部材を有してこれら水平部片及び水平部材
   と両型材の垂直部片とでモルタル装填用凹溝条
   を形成している中間部型材と、からなり、また
   上下横枠の少なくとも上横枠の中間部型材には
   その室内外両側端部に１対のアンカー金物取付
   用被係嵌部が全長に亘つて設けられ、上横枠に
   取付けられるアンカー金物にはその室内外両端
   部に１対の係嵌部が設けられ、この１対の係嵌
   部が前記アンカー金物取付用被係嵌部にそれぞ
   れ係嵌されてなることを特徴とするガラスブロ
   ツク枠取付装置。 ２ 前記室内側及び室外側型材のそれぞれの垂直
   部片が中空状である実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のガラスブロツク枠取付装置。