JPH031521Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアルミサツシの接続部、特にサンルー
ムやドーム等の大型構築物における骨枠材として
使用される長尺型材からなるアルミサツシの接続
部に好適に利用される接続装置に関する。

第１図はサンルームの外観骨組を示すもので、
第２図はその横基枠１部分の取付構造例である。
横基枠１は、アルミニウムまたはその合金製押出
型材からなり、上壁１ａと中間壁１ｂと下壁１ｃ
とこれら壁体をつなぐ室内外の縦壁１ｄ，１ｅと
からなり、これらの壁面に囲繞されて上部中央と
これより室外側にそれぞれ上方開口した袋状中空
部２ａ，２ｂが形成され、更に両中空部２ａ，２
ｂの下位に水抜孔３…にて結露水を排出するため
の中空部２ｃが形成され、また上壁１ａの室内側
の下面にはコ字状枠部２ｄが構成されている。し
かして建造物基台４の要所においては、略逆Ｔ字
状の取付金物５がアンカーボルト６を介して固着
され、横基枠１とその縦壁１ｄおよびコ字状枠部
２ｄに当接したアングル材７とがボルト・ナツト
８を介して上記取付金物４に取付けられている。
また横基枠１と縦骨枠９とは、連結片１０の底片
部と横基枠１とを中空部に２ａにおいてボルト・
ナツト１１ａにて固定すると共に、該連結片１０
の垂直片部と縦骨枠９とをボルト・ナツト１１ｂ
にて固定することにより、連結されている。１２
はアクリル樹脂、ポリカーボネート、ガラス等か
らなる透明パネルであり、横基枠１の中空部２ｂ
に下端が嵌入され、シール材１３にて固定されて
いる。

ところで、アルミニウムまたはその合金製型材
の長さは、製造上の制約から最長6m程度が通例
であるため、上述したサンルームやドーム等の大
型構築物の骨枠材に使用する際には、たとえば第
１図に示すように横基枠１，１を中央部Ｊで継ぎ
足しが必要になる。そこで従来では、例えば上述
のサンルームにおける横基枠１の場合、第６図お
よび第７図で示すように横基枠１，１の接続部に
おいて中空部２ｃとコ字状枠部２ｄとに鉄やアル
ミニウムからなる平板１４，１４を両横基枠１，
１間にわたつて嵌挿し、ビス１５，１５…にて固
着している。

ところが、横枠１，１等の骨枠材はその全長が
長くなると、夏季と冬季の季節温度差ならびに直
射日光を受ける昼間と夜間との温度差により、膨
張・収縮して大きな寸法変動を生じるため、上述
の如き従来の接続構造では歪を生じ、著しい場合
は骨枠材が曲がつて透明パネル１２の破壊や全体
の損傷を生じる。またビス１５…による固着位置
ならびに接合面間で雨水が浸入し易いという欠点
がある。

本考案は上記欠点を解消するためになされたも
ので、以下図示実施例に基づいて説明する。

第３図において、１６は硬質プラスチツクの射
出または押出成形物等、もしくはアルミニウムま
たはその合金等の軽金属の押出または注型成形物
からなるジヨイント部材であり、その両側に接続
すべき横基枠１，１をそれぞれ挿嵌させる嵌入部
１７が設けてある。しかして両横基枠１，１はそ
の端部をそれぞれジヨイント部材１６の嵌入部１
７に挿嵌し、且つ両対向端面間に空隙部１８を残
す状態で接続されている。従つて両横基枠１，１
に熱による膨張・収縮が生じても、寸法変動はジ
ヨイント部材１６内で吸収され、歪みや曲がりを
生じる惧れはなく、しかも両横基枠１，１間の接
続部における水密性が完全に確保される。さらに
この空隙部１８に硬質ゴムなどの弾性体２０を填
装することによつて横基枠１，１間のガタツキの
発生を確実に阻止すると共に、一層の水密性を確
保することができる。

このようなジヨイント部材１６としては、第４
Ａ図で示すような横基枠１の外面形状の全体に沿
う内面形状である筒状の嵌入部１７ａを有するも
の１６ａの他、第４Ｂ図で示すように横基枠１の
外面形状の下面側を除く過半部に沿う内面形状で
ある袋溝状の嵌入部１７ｂを有するもの１６ｂで
もよい。

上記ジヨイント部材１６，１６ａ，１６ｂは、
第５図に示すように、その両側の嵌入部１７，１
７ａ，１７ｂが互いに連通されて、その内部に仕
切壁を有していない。従つて、横基枠１，１どう
しを接続する場合には、同図仮想線に示すよう
に、ジヨイント部材１６を、一方の横基枠１に係
嵌させた後、その係嵌方向とは逆方向イに摺動さ
せて他方の横基枠１にも係嵌させるだけで、両横
基枠１，１を簡単且つ迅速に連結することができ
る。

そしてこの場合、両横基枠１，１間に両横基枠
１，１の温度変化による伸縮長さに合わせて設け
られる空隙部１８を、直接、目視で確認できるの
で、その空隙部１８の幅ｌを容易に設定すること
ができる。

しかして両横基枠１，１の建造物基台４に対す
る取付けは既述した第２図と同様にすればよく、
ジヨイント部材１６自体は両横基枠１，１の長手
方向に直交する方向のずれを阻止する強度があれ
ばよい。

尚、以上はアルミサツシがサンルームにおける
特定断面形状の横基枠１について例示したが、本
考案は断面形状の種々異なるアルミサツシについ
ても同様に適用できる。

以上のように本考案によれば、ジヨイント部材
の両側に形成した嵌入部を互いに連通させてある
から、アルミサツシどうしを接続する場合には、
そのジヨイント部材を、一方のアルミサツシに係
嵌させた後、その係嵌方向とは逆方向に摺動させ
て他方のアルミサツシにも係嵌させるだけで、両
アルミサツシを簡単且つ迅速に連結することがで
き、また両アルミサツシ間に両アルミサツシの温
度変化による伸縮長さに合わせて設けられる空隙
部を直接、目視により確認できることから、その
空隙部の幅を容易に設定することができ、その空
隙部によつて、両アルミサツシの温度変化による
伸縮を確実に吸収することができる。

また上記空隙部に、硬質ゴムなどの弾性体が填
装されているため、接続すべき両アルミサツシの
対向端面の空隙部によつて両アルミサツシ間でガ
タツキを生ずるような場合には、この空隙部に填
装される弾性体がそのようなガタツキの発生を確
実に阻止することができ、また弾性体であること
から、アルミサツシの膨張や収縮に対しても十分
対応することができ、そしてまた、このような空
隙部へのゴム等弾性体の填装によつて、ジヨイン
ト部におけるアルミサツシ内部への雨水等の浸入
をより効果的に防止することができ、一層の水密
性を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はサンルームの外観骨枠を示す斜視図、
第２図はその横基枠の取付構造を示す縦断側面
図、第３図は本考案の一実施例に係る接続装置の
平面図、第４Ａ図および第４Ｂ図は異なる態様に
おける第３図−線の断面矢視図、第５図は第
３図−線の断面矢視図、第６図は従来の接続
装置の平面図、第７図は第６図の−の断面矢
視図である。 １…横基枠（アルミサツシ）、１６，１６ａ，
１６ｂ…ジヨイント部材、１７，１７ａ，１７ｂ
…嵌入部、１８…空隙部、２０…弾性体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ジヨイント部材の両側に接続すべきアルミサツ
   シの外面形状の過半部ないし全部に沿う内面形状
   を備え且つ互いに連通する嵌入部が形成され、該
   ジヨイント部材の両側嵌入部にそれぞれ上記アル
   ミサツシの端部が挿嵌されると共に、該ジヨイン
   ト部材内で両アルミサツシの対向端面間に空隙部
   が設けられ、該空隙部に硬質ゴムなどの弾性体が
   填装されてなるアルミサツシの接続装置。