JPH0261497B2 - - Google Patents

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JPH0261497B2
JPH0261497B2 JP57125758A JP12575882A JPH0261497B2 JP H0261497 B2 JPH0261497 B2 JP H0261497B2 JP 57125758 A JP57125758 A JP 57125758A JP 12575882 A JP12575882 A JP 12575882A JP H0261497 B2 JPH0261497 B2 JP H0261497B2
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fibers
fiber
ion exchange
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ion
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Seiichi Yoshikawa
Toshio Yoshioka
Seiji Shimamura
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【発明の詳細な説明】
本発明は特殊なイオン交換繊維に関するもので
ある。 従来、イオンの交換や吸着を必要とする分野で
イオン交換樹脂が広範囲に利用されてきた。ま
た、重金属を選択的に吸着することを目的とした
キレート樹脂が開発されてきた。 しかしながら、イオン交換樹脂はその形態が粒
状であるため単位重量当りの表面積が小さく、イ
オン交換能が十分に発揮されなかつた。即ち、イ
オン交換反応の速度が遅いこと、中・高分子量の
イオンあるいは極性物質に対する吸着性が極めて
小さいこと、酵素など蛋白質が吸脱着されにくい
ことなど性能上の欠点を有し、また、取り扱いに
くいといつた操業上の欠点をも有している。これ
らの欠点を改善したイオン交換繊維が提案されて
いる(特開昭52−120985)が、粒状のものはもと
より繊維状のイオン交換体ですら液体中での浮遊
安定性に乏しく、沈降速度が速い。このため液体
中の微量イオン、コロイド物質、酵素などを十分
に吸着捕捉したり、凝集分離や吸・脱着すること
ができず、わざわざイオン交換体をカラムに充填
して液体を通液しなければならないという欠点を
有する。 さらに、従来の粒状イオン交換体は粒子間のつ
ながりがなく、たとえば紙やフエルトなどのシー
ト状物を形成させることが不可能であり、取り扱
いやすい形態のイオン交換体の出現が強く望まれ
ていた。 一方近年、イオン交換体を粉砕して粉末体とな
し、純水製造工程におけるプレコートフイルター
にすることが提案され、工業規模に採用されてい
る。しかしかかるフイルターは過時の圧損失が
大きく、通液性に問題を残している。さらに、こ
の用途においてカチオンタイプとアニオンタイプ
との粉末体を水中で混合し、プレコートすること
が提案されているが、これらの粉末交換体は、く
つつき効果により互いに吸着し合つて粗大粒子を
形成して、イオン交換能の低下をきたし、更には
通液中にヒビ割れを生じたりして、処理液中の微
量のイオンやコロイド物質のリークが大きくなる
という欠点を有し、結局、圧損失(通液性)とリ
ークの欠点を同時に解決することはできなかつ
た。 また、粉末状イオン交換体と繊維状他物質とを
水中で混合し、混合スラリーをプレコートしたも
のも提案されているが、絡み合いが極めて小さく
本質的問題の解決には至つていない。 本発明者らは従来の粒状ならびに粉末状、繊維
状のイオン交換体の欠点を改善すべく鋭意検討し
た結果、本発明に到達したものである。即ち、本
発明の目的とするところは、イオンの交換、吸着
は勿論のこと、酵素など蛋白質、ウイルス、菌
体、細胞、微生物などの吸脱着を容易に行なわし
め得るイオン交換繊維を提供し、更にフイルター
としての圧損失が少なく、かつ、微量イオンやコ
ロイド物質の捕捉性が良く、高流速通液が可能な
材となり得るイオン交換繊維を提供するにあ
る。他の目的はすぐれたシート物性を有するイオ
ン交換性シートを提供するにある。 本発明の上記目的は次のような技術構成によつ
て達成される。 すなわち本発明は次の構成を有する。 イオン交換能を有する海成分と、補強用ポリマ
を主成分とする島成分とからなる海島構造を有
し、かつ少なくとも部分的に枝分れまたは分割さ
れていることを特徴とするイオン交換繊維。 本発明はかかる構成を採用したことにより、す
ぐれた繊維間に絡み合い性を有するイオン交換繊
維を提供し得たものであり、この繊維は液体中に
おける浮遊安定性も極めてすぐれているという特
徴を発揮するものであり、これによつて、従来周
知の各種繊維製品製造工程への供給が自在に可能
となり、たとえばイオン交換繊維からなる混紡、
交編織品ならびに不織布などが提供でき、特にこ
の繊維からなる紙を提供できることは極めて意義
深いものである。たとえば本発明の繊維および該
繊維からなるシートはプレコートフイルターなど
の材用途に好適であり、すなわち組織が緻密で
ありながらかさ高性を有しているため過時の圧
損失が少なく、かつ層を厚くすることができ、
希薄イオンや微小コロイドの捕捉性が良い上に高
流速通液ができるという効果を発揮するものであ
る。 本発明の繊維は海成分と島成分とからなる芯鞘
型繊維であるが、なかでも多芯型繊維が好ましく
適用される。かかる繊維には多芯型複合繊維と多
芯型混合繊維であるが、繊維の機械的強度やフイ
ブリルの物理的特性ならびに取り扱い性の点で多
芯型複合繊維が特に好ましい。 本発明の繊維を構成する海成分は、ポリスチレ
ン系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリル
系、ポリアミド系、ポリフエノール系、セルロー
ス系など、イオン交換基を有する公知のイオン交
換ポリマを挙げることができるが、特にポリ(モ
ノビニル芳香族化合物)ポリマなかでもポリスチ
レン系ポリマが化学安定性に優れており最も好ま
しい。かかるポリスチレン系ポリマとしては、ス
チレンまたはα−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、ビニルキシレン、クロルメチルスチレンなど
のホモポリマあるいはこれらの2種以上のコポリ
マもしくは他の不活性モノマとのコポリマおよび
これらのポリマ(コポリマ)のブレンド体が好ま
しく用いられる。 上記海成分の特徴はイオン交換性能を有すると
ころにあるが、かかる性能はたとえばカチオン交
換基、アニオン交換基、キレート形成能を有する
キレート基などを導入することによつて惹起する
ものである。 かかるカチオン交換基としてはスルホン酸基を
有する強酸性カチオン交換基、ホスホン酸基を有
する中酸性カチオン交換基、カルボン酸基を有す
る弱カチオン交換基等があげられる。 アニオン交換基としては、四級アンモニウム塩
基を有する強塩基性アニオン交換基、一〜三級ア
ミノ基をもつ弱塩基性アニオン交換基等があげら
れる。キレート基としては、イミノジ酢酸基、イ
ミノジプロピオン酸基等のアミノカルボン酸基、
アミドキシム基、アミノリン酸基、ポリアミン
基、ピリジン基、ジチオカルバミン酸基などをあ
げることができる。かかるイオン交換基は繊維重
量に対して少なくとも0.1meq/g以上、好まし
くは0.5meq/g以上、特に好ましくは1.0meq/
g以上10meq/g以下の範囲内で含有するのが良
く、含有量が少ないと性能上好ましくないし、他
方10meq/gを越える量を導入することは難しく
現実的でない。 なおかかるイオン交換基を含有する海成分ポリ
マは極めて水などの溶剤に溶解し易くなるもので
あり、セルロースなどの如き該交換器を含有して
も不溶性であるもの以外は、通常は架橋などの手
段により、少なくとも水に対して溶解しない程度
に不溶化されている。 かかる架橋の程度は含水度によつて、大まかに
判定できる。この含水度はこの他にイオン交換基
量によつても変動するが、主として架橋の度合い
によつて決定する。本発明の繊維における好まし
い含水度は0.5以上である。 含水度には更に次のような付加的効果も有す
る。すなわち、この含水度が1.0未満であれば、
酵素など蛋白質、ウイルス、菌体、細胞、微生物
などの吸脱着量が小さくなり、逆に含水度が大き
くなるほど酵素等の吸着量は大きくなるが、あま
り大きすぎると糸の膨潤性が過大となり、取り扱
いが困難となるので、好ましくは1.0〜10、特に
好ましくは1.5〜5がよい。 ここで含水度とはNa型(Cl型)のカチオン
(アニオン)交換繊維を蒸留水に浸した後、家庭
用の遠心脱水機で5分間遠心脱水して表面の水分
を除去し、ただちに重量(W)を測定し、さらに
絶乾して重さを測り(W0)、次式より求めた値で
ある。 含水度=W−W0/W0 本発明の繊維の島成分は、補強用ポリマであ
り、具体例を挙げれば、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリα−オレフインなどのホモポリマまたは
これらのコポリマ、あるいはこれらのブレンド体
が用いられ、特にポリα−オレフインが耐薬品性
に優れていることから最も好ましい。かかるポリ
α−オレフインとしては、たとえばポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリ−3−メチルブテン−
1、ポリ−4−メチルペンテン−1などのこれら
のブレンド物をあげることができる。 かかる海島成分のなかでも、海成分としてポリ
スチレン系ポリマ(A)とポリα−オレフイン系ポリ
マ(B)からなるブレンド比((B)/(A)+(B))が50重量
%以下、特に3〜40重量%のブレンド物を用い、
島成分としてポリα−オレフイン系ポリマ(B)を用
いる組み合せが、耐剥離性、耐薬品性、製糸性、
繊維物性など総合的にみて、特に本発明の繊維に
好適である。 本発明を構成する繊維の島成分の割合は10〜90
重量%、好ましくは20〜80重量%、特に70重量%
以下が好ましい。この割合があまり低いと機械的
強度が小さくなり、また反対にあまり高いとイオ
ン交換性能に悪影響を与えるので好ましくない。 繊維中の島の個数には特に限定はないが、特に
5個以上300個以下が好ましい。島の個数が少な
過ぎるとフイブリル化がしにくくかつフイブリル
の太さが太くなりすぎるし、一方、島の個数が多
くなり過ぎるとフイブリルが細くて弱いものにな
り好ましくない。 かかる繊維の単糸繊度は0.1〜500d程度である
が、とりわけ1〜50dが機械的性質、実用性の面
から望ましい。繊維断面は円型のほか非円形も表
面積が大きくなるので好ましく用いられる。本発
明の繊維はフイラメントまたは繊維軸に沿つて繊
維長0.1〜200mm、好ましくは0.2〜50mmに切断さ
れたカツトフアイバーの形態のいずれでもよく、
目的とする製品の種類によつて選択される。 本発明の繊維の特徴は少なくとも部分的に枝分
れまたは分割されている点にあり、該枝分れまた
は分割は主として海成分の破壊に基づくものであ
る。 第1図は枝分れまたは分割していない海島多芯
型繊維の200倍顕微鏡写真図であり、第2図は本
発明の枝分れまたは分割された海島多芯型繊維の
200倍顕微鏡写真図である。第3図は第2図の枝
分れまたは分割された繊維を90倍顕微鏡でみたも
のである。これらの写真図から判明するように、
本発明の繊維は島成分の枝または分割繊維によつ
て絡合されている。第2,3図から分れた枝が少
なくとも部分的に繊維から突出して形成されてい
ることがわかる。 本発明のかかる枝分れまたは分割はフイラメン
トまたは短繊維のいずれの形態において形成され
ていてもよい。 かかる枝分れまたは分割化繊維は通常の繊維製
品のあらゆる分野に適用でき、必要に応じて混
紡、交編織され、あるいは不織布とすることがで
きる。特に本発明の繊維は液体中での浮遊安定性
にすぐれているので、紙の製造に好適である。 すなわち本発明は上記特殊な形態を有する繊維
にしたことにより、はじめてイオン交換繊維から
なるシートを提供し得たものである。 かかるシートは本発明のイオン交換繊維単独あ
るいは2種以上の混合あるいは不活性繊維(通常
の有機、無機質繊維)との混合あるいはこれらの
組み合せから構成することができる。本発明のシ
ートは極細のフイブリルを有するので粉末型イオ
ン交換体を充分保持し得、これらを併用すること
も可能である。 上記不活性繊維としては各種の繊維が適用でき
るが、耐薬品性の点からポリオレフイン系繊維や
セルロース系繊維が好ましい。かかる不活性繊維
の混合率は機械的強度を高めるうえで、5〜80重
量%が適当である。 さらに本発明の繊維に活性炭、骨炭、活性炭素
繊維などを混合率1〜80重量%程度混合してシー
トを構成することができ、かかるシートは脱臭、
脱色効果にすぐれ、たとえば水質等に飲料水の水
質を高めるうえで極めて有効である。 本発明の繊維の製造法は任意であるが、1例と
して次の方法を挙げることができる。海成分がポ
リスチレン系ポリマ(ポリ〔モノビニル芳香族化
合物〕)、島成分がポリα−オレフイン系ポリマの
場合、海島型複合口金により紡糸温度270℃程度
で溶融紡糸し、紡糸速度約100m/minで巻き取
る。 得られた未延伸フイラメントまたは、該フイラ
メントを常法により約2〜6倍に引き伸ばした延
伸フイラメントを本発明の繊維基材とする。 該フイラメントはそのままで使用するかあるい
は繊維軸に沿つて、繊維長0.1〜200mm、好ましく
は0.2〜50mmの長さにカツトして使用される。カ
ツトフアイバーの場合、通常は等間隔で切断され
るものであるが、繊維長の異なる繊維が混入して
いても良い。以下カツトフアイバーの例について
説明する。 該カツトフアイバーはまず海成分に架橋結合と
イオン交換基が導入される。その方法は任意であ
るが、たとえば海成分がポリスチレン系ポリマの
場合は、例えば該繊維を酸触媒下、ホルムアルデ
ヒド源で処理して−CHR−(ここでRは水素また
はアルキル基)なる架橋基を導入する。次にスル
ホン化することによつて強酸性カチオン交換基、
クロルメチル化後、ホスホン化、アミノ化もしく
四級アンモニウム化することによつてそれぞれ中
酸性カチオン交換基、弱塩基性アニオン交換基、
強塩基性アニオン交換基を導入することができ
る。また酸触媒と膨潤剤の存在下で、ホルムアル
デヒド源及びアシルアミノメチル化剤で処理して
前記架橋結合及びアシルアミノメチル基を導入す
る。次に、酸もしくは塩基触媒下で加水分解して
アミノメチル基に変換した後、モノクロル酢酸で
処理することによつてイミノジ酢酸基を有するキ
レート基を導入することができる。 かくして得られるイオン交換繊維(カツトフア
イバー)は、水中でミキサーなどの撹拌機や叩解
機にかけて機械的に処理する。この工程で本発明
の重要な要素の1つである繊維の分割または枝分
れが達成される。すなわち、本発明の繊維は上記
の如き外力を加えられると、第2図に示されるよ
うに島成分がとび出して分割または枝分れを形成
するものであり、上記外力としては染色加工工程
における各種操作たとえばもみ操作、ブラツシン
グ、屈曲操作ならびに水圧などを利用することも
できる。 ミキサーは通常用いられる装置が使用できる。
ミキサーによる混合時間は通常回転数1000〜
100000rpmで0.1〜20min、好ましくは1〜5min
程度である。この混合時間および撹拌羽根の回転
数は分割または枝分れ発生の度合いに係わるもの
であり、本発明なる繊維の用途の実情に合わせて
選択されて良い。 本発明なるイオン交換能を有する繊維もしくは
該繊維と他成分との混合物を水に分散させ、撹拌
下で吸引過する。次に加圧下でプレスした後、
加熱乾燥することによつて紙状のイオン交換性シ
ートを得ることができる。 また本発明のフイブリルを有するイオン交換繊
維を用いて、混紡あるいは交編織する場合は、通
常の混打綿工程において、本発明の上記繊維を供
給することによつて、混紡することができ、これ
を梳綿機を通して、成編あるいは成織工程へ導く
ことにより編織物を製造することができる。一方
上記混打綿工程から、梳綿機を通して得られるラ
ツプを用いるか、あるいは該工程から原綿をジエ
ツトノズルに導いてメツシユスクリーンへ該繊維
を集積させるかの方法により、不織布を形成する
ことができる。かかる不織布には必要に応じて適
宜の接着剤を使用することができる。 本発明を構成する繊維および該繊維からなるシ
ートは、イオンの交換や吸着用途に使用されるこ
とは勿論であるが、さらに、原子力発電所や一般
ボイラにおける復水の精製用プレコート材とし
て使用されるほか、汚濁水のエアレーシヨン浄化
用菌体や微生物の固定化、さらに酵素など蛋白
質、ウイルス、菌体など細胞、微生物などの吸・
脱着用途に使用される。 また、有機反応における酸・塩基触媒反応に使
用される。薬剤などの有用物質を該繊維に吸着さ
せて徐放材として利用できるほか、吸着材として
用いることもできる。 本発明を構成するシート状物は溶液中の希薄イ
オンやコロイド物質の捕集分離あるいは分析用
紙として使用されるほか、醸造や食品・飲料関係
の過材としても使用される。 また、エアフイルターなど、大気中の塵芥、酵
素など蛋白質、ウイルス、菌体などの細胞、微生
物などの捕捉用途に使用される。 さらに近年、臭気や着色など水質特に飲料水の
水質低下が社会的問題となつているが、本発明の
イオン交換繊維およびそれからなるシート状物は
脱臭、脱色に優れた効果を有し、水質特に飲料水
の水質向上用に使用される。 また、本発明のイオン交換繊維およびそれから
なるシート状物は、活性炭、骨炭、活性炭素繊維
もしくはそれらのシート状物(フイルター)と組
み合わせて使用されても良い。 また、前述のイオン交換体と活性炭、骨炭、活
性炭素繊維との複合、および混合シート状物は水
質向上剤としてさらに好ましく使用される。 以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。 実施例1〜2、比較例1〜3,5 ポリスチレン(旭ダウ社製、スタイロン#679)
40部と、ポリプロピレン(三井東圧製、ノーブレ
ンJ3H−G)10部のブレンド体を海成分、ポリプ
ロピレン(同上品種)50部を島成分として、紡糸
温度270℃で海島型複合口金(島の個数16個)に
より溶融紡糸し、紡糸1000m/minで油剤処理後
巻き取つた。得られた420デニール、42フイラメ
ントのマルチフイラメントを繊維軸方向に沿つて
繊維長1.0mmに切断し、得られたカツトフアイバ
ー2分割して、一方を硫酸22部、ニトロベンゼン
104部、パラホルムアルデヒド0.3部の架橋液に浸
して室温で6時間反応したのち、蒸留水、メタノ
ールで洗浄乾燥後、硫酸に浸して90℃で2時間反
応してスルホン化し、他方をパラホルムアルデヒ
ド5部、酢酸25部、濃硫酸70部からなる架橋液に
浸して90℃で2時間架橋反応を行ない、海成分の
ポリスチレンを架橋不溶化した。次に、クロルメ
チルエーテル85部と塩化第2スズ15部からなる溶
液に架橋糸を浸して、30℃で1時間反応した。反
応終了後、10%塩酸、蒸留水、アセトンで洗浄
し、このクロルメチル化糸を30%トリメチルアミ
ン水溶液に浸して、30℃で1時間アミノ化するこ
とにより、それぞれ架橋基ならびにイオン交換基
をポリスチレン部に導入した。交換基の種類は、
前者がスルホン酸基を有する強酸性カチオン交換
基、後者が四級アンモニウム基を有する強塩基性
アニオン交換基である。これらの繊維を更にそれ
ぞれ2分割し、それぞれの一方を、ミキサー(日
立製、ミキサーVA−835)を使用して、イオン
交換繊維1.0g(乾燥重量換算)に対して水400ml
を加えて、3分間混合し、他方は上記ミキサー処
理をしなかつた。 上記ミキサー処理した繊維は第2図で示したと
同じような枝分れや分割繊維が多数存在している
ことが顕微鏡によつて確認された。 かかるミキサー処理した本発明のイオン交換繊
維2種とミキサー処理しなかつた比較例のイオン
交換繊維2種、および市販のイオン交換樹脂アン
バーライトIRA−904(比較例3)、およびクロル
スルホン酸でスルホン化された3次元編目組織を
有する高密度ポリエチレン短繊維/スルホン化さ
れていない3次元編目組織を有する高密度ポリエ
チレン短繊維が90/10の混合繊維パルプ(比較例
5)について、水中における各イオン交換体の浮
遊安定性を調べた。即ち、各イオン交換体1.0g
(乾燥重量換算)を採り500mlのメスシリンダー中
に水400mlと共に入れ、メスシリンダーの底部か
ら空気を5/hrの割合で15分間送風した。送風
を停止後、5hr静置したときの各イオン交換体の
水中体積を求めた。第1表から本発明の上記2種
の繊維は比較例のものに比べて水中体積が7倍以
上を示し浮遊安定性に極めて優れていることがわ
かる。
【表】 実施例3〜6、比較例4,6 実施例1,2ならびに比較例1,2,5のイオ
ン交換繊維を用いて、それぞれ抄紙した。 原料パルプは該イオン交換繊維とポリエチレン
パルプ(三井石油化学製、SWP)を用いて次の
組成で抄紙にかけた。 実施例3 実施例1のイオン交換繊維パルプのみ 実施例4 実施例2の 〃 実施例5 実施例1のパルプ/実施例2のパルプ
が50/50の混合パルプ 実施例6 実施例1のパルプ/ポリエチレンパル
プが70/30の混合パルプ 比較例4 比較例1または2のイオン交換繊維の
み 比較例6 比較例5のイオン交換繊維パルプ 上記各組成の原料パルプを水に分散させ、撹拌
下で吸引過し、次いでこし取つた紙状物を加圧
下でプレスした後、オープンで乾燥して、目付
500g/m2の紙をつくつた。 ただし比較例4の上記パルプはいずれも枝分れ
や分割繊維を有さないものであり、繊維間の絡み
合いがなく、もろい繊維層状物であり、紙として
の性能を有さないものであつた。これに対して実
施例3〜6のパルプは極めて抄紙性が良好で、他
種パルプ(ポリエチレンパルプ)とも良好に混抄
できた。 得られた紙の通液性をしらべたところ、実施例
3〜6、比較例4はいずれも940〜950/hr・m2
の良好な性質を示した。一方、比較例6の紙の通
液性は310/hr・m2であり、他の例に比べて著
しく通液性が悪く、過時に圧損失が大きいこと
を示した。ちなみに上記紙と同一500g/m2の充
填密度の市販のイオン交換樹脂粉末体の通液性は
10/hr・m2であつた。 また上記実施例3の紙を円型に切り抜いてカラ
ムに充填密度0.1g/mlで詰め、交換基をOH型か
らCl型に置換し、飲料水を通液して生菌の吸着捕
捉性を調べた。 かかるカラムに飲料水をSV50hr-1の通液速度
で流した。通液4時間後におけるカラム出口の水
中の生菌の数は0〜1個/100mlであつた。 一方、上記イオン交換カラムを通さない飲料水
中の生菌の数は63個/100mlであつた。 本発明のイオン交換紙は優れた菌体捕捉性能を
示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来のイオン交換繊維の形状を示す
200倍拡大顕微鏡写真、第2図は本発明のイオン
交換繊維の形状を示す200倍拡大顕微鏡写真であ
る。第3図も本発明のイオン交換繊維の形状を示
す90倍拡大顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 イオン交換能を有する海成分と、補強用ポリ
    マを主成分とする島成分とからなる海島構造を有
    し、かつ少なくとも部分的に枝分れまたは分割さ
    れていることを特徴とするイオン交換繊維。 2 短繊維であり、かつ紙様シートを構成してい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    イオン交換繊維。
JP12575882A 1982-07-21 1982-07-21 イオン交換繊維 Granted JPS5918731A (ja)

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