JP2019126786A - 砒素吸着性再生セルロース成形体、その製造方法、砒素吸着材及び水処理材 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)試料(アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液)4〜5mL程度をガラス製のバイアル瓶に入れて、110℃で20時間加熱して乾燥させる。
(2)約50mg程度の乾燥試料を約0.7mL程度の重水に溶解する。
(3)試料の重水溶液に対してFT−NMR装置(日本電子株式会社製、JMTC−300/54/SS)を用いて1H−NMR分析を行い、高分子主鎖中のメチレン基炭素とメチン基炭素の存在比率から、アクリル酸成分(A)とマレイン酸成分(M)の組成比を求める。測定回数は16回とし、平均値を求める。
(a)繊維(原綿)を105℃で2時間定温送風乾燥機内に放置し、その後秤量瓶にいれ、デシケータに1時間入れ室温(20±5℃)になったら、絶乾質量を測定する。
(b)上記で得られた乾燥後の原綿を800℃で灰化し、灰を硝酸で溶解してJIS K 0102の吸光光度法により鉄を定量分析し、鉄の質量を算出する。
(c)下記式により、繊維中の鉄の含有量を算出する。
鉄の含有量(質量%)=(吸光光度による鉄の質量/繊維の絶乾質量)×100
ハンター白色度=100−√〔(100−L*)+(a*2+b*2)〕
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、以下の条件で測定し、重量平均分子量(Mw)を求めた。重量平均分子量を算出する際には、GPCで得られたチャート上の分子量300以上の部分を重合体と定義して求めた。
カラム:GF−7MHQ(昭和電工株式会社製)。
移動相:リン酸水素二ナトリウム12水和物34.5g、及び、リン酸二水素ナトリウム2水和物46.2g(いずれも試薬特級)に純水を加えて全量を5,000gとし、その後0.45ミクロンのメンブランフィルターで濾過した水溶液。
検出器:UV 214nm(日本ウォーターズ(株)製、モデル481型)。
ポンプ:L−7110(日立(株)製)。
流量:0.5mL/min。
温度:35℃。
検量線:ポリアクリル酸ソーダ標準サンプル(創和科学株式会社製)。
(1)試料(アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液)4〜5ml程度をガラス製のバイアル瓶に入れて、110℃で20時間加熱して乾燥させた。
(2)約50mg程度の乾燥試料を約0.7mL程度の重水に溶解した。
(3)試料の重水溶液に対してFT−NMR装置(日本電子株式会社製、JMTC−300/54/SS)を用いて1H−NMR分析を行い、高分子主鎖中のメチレン基炭素とメチン基炭素の存在比率から、アクリル酸成分とマレイン酸成分の組成比を求めた。測定回数は16回とし、平均値を求めた。
(a)繊維(原綿)を105℃で2時間定温送風乾燥機内に放置し、その後秤量瓶にいれ、デシケータに1時間入れ室温(20±5℃)になったら、絶乾質量を測定した。
(b)上記で得られた乾燥後の原綿を800℃で灰化し、灰を硝酸で溶解してJIS K 0102の吸光光度法により鉄を定量分析し、鉄の質量を算出した。
(c)下記式により、繊維中の鉄の含有量(存在量)を算出した。
鉄の含有量(質量%)=(吸光光度による鉄の質量/繊維の絶乾質量)×100
(a)砒素として換算した濃度が約1ppm又は約3ppmの砒酸(五価)の水溶液を原液として用いた。原液における砒素濃度を初期砒素濃度とした。
(b)原液100mLと試料1.0gをポリプロピレン容器に入れ、所定時間振盪させた後、試料を取り除き、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS、島津製作所製、「ICPM−8500」)を使用して残液中の砒素濃度を測定した。残液中の砒素濃度を吸着後砒素濃度とした。
(c)下記式により、砒素除去率を算出した。
砒素除去率(%) = 100−{(吸着後砒素濃度/初期砒素濃度)×100}
繊維の色は、JIS Z 8722にて定義されている拡散照明垂直受光方式に準拠したコニカミノルタ株式会社製「色彩色差計CR−410」を用いて、JIS Z 8729に規定されている「L*a*b*表色系」に従って測定した。また、ハンター白色度は、JIS L 1015 8.17 C法(ハンター法)に準じて、L*、a*及びb*の値に基づいて、下記式を用いて算出した。
ハンター白色度=100−√〔(100−L*)+(a*2+b*2)〕
JIS L 1015に準じて、正量繊度、乾強度、湿強度、乾湿度、湿伸度を測定した。
(1)1mol/Lの塩酸水溶液(pH0.1)50mLに試料1.2gを浸漬、撹拌して5分間放置した。その後、再び撹拌して水溶液のpHが2.5になるように調整した。これにより、試料(繊維)におけるカルボキシル基はすべてH型として存在することになる。次に、試料を水洗し、定温送風乾燥機で105℃、2時間乾燥させて、絶乾にした。試料を水洗することにより、繊維に付着している過剰の塩酸がすべて除去されることになる。
(2)ビーカーにイオン交換水100mL、塩化ナトリウム0.4g、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液20mLを入れた。
(3)(1)で作製した試料1gを精秤[W1(g)]し、撹拌子に巻きつかない大きさまで細かく切断して、(2)で準備したビーカーに入れ、スターラーで15分間撹拌した。これにより、試料(繊維)におけるカルボキシル基は全て塩型に変換されることになる。撹拌した試料は吸引ろ過した。ろ過液を60mL採って、指示薬にフェノールフタレインを使用して0.1mol/Lの塩酸水溶液で滴定し、滴定量をX1(mL)とした。
(4)下記式に基づいてカルボキシル基の総量Y(mmol/g)を算出した。このように、水酸化ナトリウムの総量から残余の水酸化ナトリウムの量を差し引くことにより求めた水酸化ナトリウムの量は、試料(繊維)における全体のカルボキシル基の量に対応することになる。
カルボキシル基の総量Y(mmol/g)=[[(0.1×20)−(0.1×X1)]×(120/60)]/W1
(1)試料を水洗し、定温送風乾燥機で105℃、2時間乾燥させて、絶乾にした。
(2)ビーカーにイオン交換水100mL、塩化ナトリウム0.4g、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液20mLを入れた。
(3)試料1gを精秤[W2(g)]し、撹拌子に巻きつかない大きさまで細かく切断して、(2)で準備したビーカーに入れ、スターラーで15分間撹拌した。撹拌した試料は吸引ろ過した。ろ過液を60mL採って、指示薬にフェノールフタレインを使用して0.1mol/Lの塩酸水溶液で滴定し、滴定量をX2(mL)とした。
(4)下記式に基づいてH型カルボキシル基の量Z(mmol/g)、塩型カルボキシル基の量U(mmol/g)、H型カルボキシル基の量の割合(%)及び塩型カルボキシル基の量の割合(%)を算出した。
H型カルボキシル基の量Z(mmol/g)=[{(0.1×20)−(0.1×X2)]×(120/60)]/W2
塩型カルボキシル基の量U(mmol/g)=カルボキシル基の総量Y(mmol/g)−H型カルボキシル基の量Z(mmol/g)
H型カルボキシル基の量の割合(%)={H型カルボキシル基の量Z(mmol/g)]
/{カルボキシル基の総量Y(mmol/g)]×100
塩型カルボキシル基の量の割合(%)={塩型カルボキシル基の量U(mmol/g)]
/{カルボキシル基の総量Y(mmol/g)]×100
まず、0.1NのNaOHと0.1NのHClを使用して純水のpHを7.0±0.5になるように調整し、5分間沸騰し、pH標準液を調製した。次に、試料5.0gを精秤してビーカーに入れ、そこに常温まで冷却したpH標準液を50mL入れ、フタをして30分間放置した。その後、pH標準液のpHを測定機で測定し、試料のpHとした。
約100本繊維からなる繊維束について、ソーターを用いて繊維を平行にした後、該繊維束の周囲に巻き付け用トウを巻き付けて、ロウ柱用繊維束を得、この束の両端を結束用の黒糸で結んだ。次に、この繊維束を、一度融解させた後、放冷したパラフィン液に浸し、引き上げてパラフィンを固まらせ、直径約5mmのロウ柱を得た。ロウ柱を所定の長さ(10mm)に切断し、ロウ柱台に設置し、ミクロトームに切断刃を取り付けたもので切断し、切片を得た。
繊維F(実施例6)0.50gに、ピペットを用いて1g/Lヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム水溶液(無色)を2mL滴下して5分経過すると濃青色に変色し、鉄イオンの存在が確認できた。
[紡糸用ビスコース液の調製]
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリック TL400」、重量平均分子量が50000のアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウムを40質量%含む水溶液、粘度:1990mPa・s、アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム塩中のマレイン酸の含有量が45質量%)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロース100質量%に対して15質量%となるように、原料ビスコースへ添加し、混合機にて攪拌混合を行い、紡糸用ビスコース液を調製した。温度は20℃に保った。原料ビスコースとしては、セルロース8.5質量%、水酸化ナトリウム5.7質量%、二硫化炭素2.8質量%を含むビスコース原液を用いた。なお、実施例及び比較例において、粘度は、東京計器株式会社製のB型粘度計を用い、20℃で測定した。また、カルボキシル基を含有する化合物(以下において、単に化合物とも記す。)の重量平均分子量は、後述するとおりに測定算出した。
[紡糸条件]
得られた紡糸用ビスコース液を、2浴緊張紡糸法により、紡糸速度60m/分、延伸率50%で紡糸して、繊度1.4dtexのビスコースレーヨンの糸条を得た。第1浴(紡糸浴)としては、硫酸100g/L、硫酸亜鉛15g/L、硫酸ナトリウム350g/Lを含むミューラー浴(50℃)を用いた。また、ビスコースを吐出する紡糸口金には、円形ノズル(孔径0.06mm、ホール数4000)を用いた。紡糸中、単糸切れ等の不都合は生じず、混合ビスコースの紡糸性は良好であった。
[精練工程]
上記で得られたビスコースレーヨンの糸条を、繊維長38mmにカットし、精練処理を行った。具体的には、熱水処理後に水洗を行い、水硫化ソーダをシャワーして脱硫を実施し、脱硫後の繊維を0.3〜0.5質量%の炭酸ソーダ水溶液に30分間浸漬し、遠心脱水機で1分間脱液してカルボキシル基のHをNa型に置換した。その後、水洗し、再度遠心脱水機による脱水を1分間行い、60℃、7時間で乾燥処理を行い、アクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を得た。
[鉄化合物による処理]
塩化鉄6水和物(Fe3+)を使用して鉄イオンの濃度が0.30質量%(16.8g/L)の鉄イオンを含む水溶液(pH3)を調製し、得られた鉄イオンを含む水溶液の温度を60℃に調整した後、繊維との浴比が1:20になるように、乾燥後のアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を浸漬し、60℃で30分間放置した。その後繊維をイオン交換水で洗浄し、遠心脱水機で脱水を1分間行い、乾燥処理(60℃、7時間)を施し、繊維Aを得た。
鉄イオンを含む水溶液の温度を80℃に調整し、繊維との浴比が1:20になるように、乾燥後のアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を浸漬し、80℃で30分間放置した以外は、実施例1と同様にして、繊維Bを得た。
鉄イオンを含む水溶液中の鉄イオンの濃度を0.60質量%(33.5g/L)になるように変更した以外は、実施例2と同様にして、繊維Cを得た。
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリック TL400」)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して20質量%となるように、原料ビスコースへ添加したこと、及び鉄イオンを含む水溶液中の鉄イオンの濃度を0.60質量%(33.5g/L)になるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、繊維Dを得た。
鉄イオンを含む水溶液の温度を80℃に調整し、繊維との浴比が1:20になるように、乾燥後のアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を浸漬し、80℃で30分間放置した以外は、実施例4と同様にして、繊維Eを得た。
鉄イオンを含む水溶液中の鉄イオンの濃度を2.0質量%(111.7g/L)になるように変更した以外は、実施例2と同様にして、繊維Fを得た。
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリック TL400」)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して25質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例6と同様にして、繊維Gを得た。
鉄イオンを含む水溶液による浸漬を25℃で30分間行った以外は、実施例1と同様にして、繊維Hを得た。
鉄イオンを含む水溶液による浸漬を40℃で30分間行った以外は、実施例1と同様にして、繊維Iを得た。
鉄イオンを含む水溶液による浸漬を25℃で30分間行った以外は、実施例4と同様にして、繊維Jを得た。
鉄イオンを含む水溶液による浸漬を40℃で30分間行った以外は、実施例4と同様にして、繊維Kを得た。
原料ビスコースをそのまま紡糸用ビスコース液として用いた以外は、実施例1と同様にして、繊維Lを得た。
鉄化合物による処理を行っていない以外は、実施例4と同様にして、繊維Mを得た。
鉄化合物による処理を行っていない以外は、実施例7と同様にして、繊維Nを得た。
Claims (14)
- 砒素吸着性再生セルロース成形体であって、
前記砒素吸着性再生セルロース成形体は、セルロース内に反応性官能基を含む化合物及び鉄イオンを含み、前記鉄イオンは、前記反応性官能基を含む化合物からなる担体に担持されて鉄イオン複合体を構成しており、
前記砒素吸着性再生セルロース成形体は、JIS Z 8729に規定されている「L*a*b*表色系」に準じて測定したa値が7.60以上及び/又はb値が28.30以上であることを特徴とする砒素吸着性再生セルロース成形体。 - JIS L 1015 8.17 C法(ハンター法)に準じて測定されるハンター白色度が58.5未満である請求項1に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体。
- セルロース100質量%に対して反応性官能基を含む化合物を1〜35質量%含む請求項1又は2に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体。
- 前記反応性官能基を含む化合物は、カルボキシル基を含む化合物である請求項1〜3のいずれかに1項に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体。
- 前記カルボキシル基を含む化合物は、マレイン酸を5〜95質量%含むアクリル酸−マレイン酸共重合体である請求項4に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体。
- 前記反応性官能基を含む化合物は、重量平均分子量が5000〜500000である請求項1〜5のいずれかに1項に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体。
- カルボキシル基の総量は0.3〜1.6mmol/gである請求項4〜6のいずれかに1項に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体。
- カルボキシル基の総量に対するH型カルボキシル基の量の割合は、45〜100%である請求項4〜7のいずれかに1項に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体。
- 鉄の含有量は、1.0〜20質量%である請求項1〜8のいずれかに1項に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の再生セルロース成形体の製造方法であって、
セルロースを含むビスコース原液に、反応性官能基を含む化合物塩を含む水溶液を混合してビスコース液を調製する工程と、
前記ビスコース液を凝固再生させて再生セルロース成形体を得る工程と、
前記再生セルロース成形体を50℃以上の温度で鉄化合物で処理する工程を含む、
砒素吸着性再生セルロース成形体の製造方法。 - 前記反応性官能基を含む化合物塩を含む水溶液は、粘度が50〜5000mPa・sである請求項10に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体の製造方法。
- 前記鉄化合物による処理は、鉄イオンを含む水溶液で行い、鉄イオン濃度が10〜350g/Lである請求項10又は11に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体を含む砒素吸着材。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の砒素吸着性再生セルロース成形体を含む水処理材。
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