JP2011056350A - 金属吸着性不織布およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吸着速度が速く、多くの種類の重金属捕集に使用可能で、既存設備で製造可能な安価な金属吸着性不織布を提供する。
【解決手段】分子中に多数のキレート性官能基を有するポリアミン系高分子化合物をセルロース、セルロースアセテートおよびポリビニルアルコールよりなる群より選ばれる繊維原料と混合紡糸したキレート性繊維を公知の不織布化方法、たとえばニードルパンチ法、または水流交絡法によって不織布化することにより、多くの種類の重金属捕集に使用可能な金属吸着性不織布を簡便かつ安価に製造する。
【選択図】なし
【解決手段】分子中に多数のキレート性官能基を有するポリアミン系高分子化合物をセルロース、セルロースアセテートおよびポリビニルアルコールよりなる群より選ばれる繊維原料と混合紡糸したキレート性繊維を公知の不織布化方法、たとえばニードルパンチ法、または水流交絡法によって不織布化することにより、多くの種類の重金属捕集に使用可能な金属吸着性不織布を簡便かつ安価に製造する。
【選択図】なし
Description
本発明は、工場排水、用水、環境水等の溶液中の重金属の除去・回収に使用される金属吸着性不織布及び金属吸着性不織布の製造方法に関するものである。
重金属は高い有害性を示すものが多く、土中残留性や生体濃縮性も高いため、重大な環境汚染、さらには食物連鎖による健康被害を引き起こすおそれがある。そのため、環境中に排出される工場排水や、食品をはじめとする種々の製造に用いられる用水、さらには飲料水等の中から有害重金属を可能な限り取り除くことが好ましい。また、廃棄された電子機器中には有価金属が大量に含まれており、これらは「都市鉱山」ともよばれる貴重な資源であるため、これら有価金属の回収の技術開発が進められている。
これらの状況において、被処理溶液中から重金属を除去する手法としては、凝集沈殿をはじめとした種々の方法が行われているが、高度な除去・回収法としては、イオン交換樹脂やキレート樹脂を用いた方法が広く用いられてきた。一般に、これらの被処理溶液中には重金属ばかりでなく、高濃度の塩類や有機物が共存しており、このため、イオン交換樹脂での重金属除去が困難な場合も多く、キレート樹脂を利用した技術が提案されている(特許文献1ないし6参照)。
キレート樹脂は、重金属の除去回収材として有効なものではあるが、処理速度が遅い、粒子であるため取り扱い上での制限があるといった問題がある。このような問題に対し、キレート能を有する繊維(キレート性繊維)について種々の提案が行われている。たとえば、特許文献7では化学的なグラフト法による繊維へのキレート性官能基の導入が示されており、また、特許文献8ないし10には放射線照射によるラジカル生成・グラフト重合法による繊維へのキレート性官能基の導入が示され、さらに、特許文献11には高温高圧下での汎用繊維への低分子キレート剤の注入方法が示されている。
これらのキレート性繊維は、十分な機能を有し、迅速な吸着特性を示すものの、その製造には問題がある。まず、化学的グラフト法は、グラフト可能な繊維の種類が限定されるとともに製造工程が煩雑である。また、放射線グラフト法は、化学的グラフト法に比べ種々の繊維に適用できるという利点があるが、放射線の取り扱い上から特定環境下での作業となるため、簡便かつ安価な製造方法とはいえない。さらに、キレート剤の注入・含浸法も種々の繊維を利用できるという利点があるが、製造するための条件として二酸化炭素等の超臨界流体が最も有効であるとされており、加圧条件も100気圧(10.1MPa)〜250気圧(25.3MPa)と非常に高圧であるため、簡便な方法であるとはいえない。
ところで、キレート性繊維は、種々の形状に加工することにより、さらに取扱いやすい金属吸着体とすることができる。すなわち、キレート性繊維は、織布、編物、長繊維を筒状の支持体に巻き付けたカートリッジ、管体へ充填したカートリッジ等に加工することができるが、その中でも不織布は、取り扱いの自由がきき、製造コストの面からも有利である。不織布形状の金属吸着材として、不織布基材に放射線を照射しモノマーを直接基材にグラフトしてフィルタ濾材とすることが提案されている(特許文献12参照)。この方法では、放射線を取り扱いの難しさに加え不織布に直接放射線を照射するため、不織布表面と内部での反応率が異なり、グラフト反応が不均一となるという問題があった。さらに、放射線照射時の高分子の崩壊劣化により濾材として使用中に基材のキレート性繊維が切断し、ろ液に漏出する可能性がある。
さらに、本発明の発明者が調査を行った結果、キレート性繊維を用いて不織布を製造する場合に、公知のいずれの方法を用いても不織布を製造することができるものの、方法によっては金属吸着材としての特性を十分発揮できるとは限らないことが判明した。例えば、低融点繊維を用いたサーマルボンド法、接着剤を用いたケミカルボンド法では、繊維表面が樹脂で覆われてしまうため、金属吸着容量が低下するという問題があった。また、繊維密度がまばらな場合には、濾過水の偏った流れ(ショートパス)が発生して液体と繊維との接触が少なくなり、金属吸着体としての金属捕捉能が下がるため、繊維密度の均一な不織布を製造可能な不織布方法を選択する必要がある。
本発明は上記の問題点をかんがみてなされたもので、吸着速度が速く、多くの種類の重金属捕集に使用可能で、既存設備で製造可能な安価な金属吸着性不織布およびその製造方法を提供することである。
本発明の発明者が鋭意研究を行った結果、キレート性官能基として下記式(1)に示すエチレンイミン及びN−カルボキシメチル化エチレンイミンの繰り返し単位を有し、かつ骨格となるポリエチレンイミンの平均分子量が5,000〜150,000であるポリアミン系高分子化合物を繊維原料溶液に混合し、湿式紡糸法あるいは乾式紡糸法により混合紡糸して得られるキレート性繊維を不織布化することにより、不織布状金属吸着材を製造できることを見出した。
(n、mは、それぞれ正の整数を表す。)
(n、mは、それぞれ正の整数を表す。)
ここで、上記ポリアミン系高分子化合物における骨格となるポリアミン化合物は、N−カルボキシメチル化する前段階のポリエチレンイミンを意味している。ポリエチレンイミンについては、発明を実施するための形態のところで詳細に説明する。
さらに、繊維原料溶液としては、セルロース、セルロースアセテート、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリルおよびポリウレタンよりなる群より選ばれる繊維原料の紡糸原液が使用され、さらに、セルロースの場合は湿式紡糸法により繊維化され、セルロースアセテート、ポリアクリロニトリルおよびポリウレタンの場合は乾式紡糸法により繊維化され、ポリビニルアルコールの場合は湿式紡糸法もしくは乾式紡糸法で繊維化されたあとに熱処理、ホルマール化される。
さらに、繊維原料溶液としては、セルロース、セルロースアセテート、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリルおよびポリウレタンよりなる群より選ばれる繊維原料の紡糸原液が使用され、さらに、セルロースの場合は湿式紡糸法により繊維化され、セルロースアセテート、ポリアクリロニトリルおよびポリウレタンの場合は乾式紡糸法により繊維化され、ポリビニルアルコールの場合は湿式紡糸法もしくは乾式紡糸法で繊維化されたあとに熱処理、ホルマール化される。
セルロースは、いわゆる再生繊維となるものであればどのようなものでも使用できるが、これには通常ビスコースレーヨンとよばれるものと銅アンモニア法レーヨンがある。しかし、発明を実施するための形態のところで詳細に説明するように、銅アンモニア法レーヨンは、好ましくない。ビスコースレーヨンの場合、紡糸原液には、通常セルロースが6.5〜9重量%、苛性ソーダが4.5〜6.5重量%、全イオウが2.0〜2.5重量%含まれているとされている。
セルロースアセテートは、いわゆるアセテート繊維とか酢酸セルロースなどとよばれるセルロース系繊維の素材となるものであり、繊維を形成するものであればどのようなものでも使用することができる。
ポリビニルアルコールの場合は、ケン化度80モル%以上、重合度800〜5,000のポリビニルアルコール,好ましくはケン化度モル95%以上、平均重合度1,000〜5,000のポリビニルアルコールが用いられる。ケン化度が80モル%以下では、ポリアミン系高分子化合物との相溶性が問題となる。ケン化度が高いほど、高強度、高弾性率、高耐熱水性が得られるため、95%以上が好ましい。重合度が低すぎるとポリアミン系高分子化合物が使用中に溶出してしまい、一方、重合度が高すぎると紡糸が困難となるため、平均重合度としては1,000〜5,000が好ましい。
セルロースアセテートは、いわゆるアセテート繊維とか酢酸セルロースなどとよばれるセルロース系繊維の素材となるものであり、繊維を形成するものであればどのようなものでも使用することができる。
ポリビニルアルコールの場合は、ケン化度80モル%以上、重合度800〜5,000のポリビニルアルコール,好ましくはケン化度モル95%以上、平均重合度1,000〜5,000のポリビニルアルコールが用いられる。ケン化度が80モル%以下では、ポリアミン系高分子化合物との相溶性が問題となる。ケン化度が高いほど、高強度、高弾性率、高耐熱水性が得られるため、95%以上が好ましい。重合度が低すぎるとポリアミン系高分子化合物が使用中に溶出してしまい、一方、重合度が高すぎると紡糸が困難となるため、平均重合度としては1,000〜5,000が好ましい。
不織布化する方法としては、公知の不織布製造法が、適用されるが、不織布を製造するに先立ち、カード法、エアーレイド法、あるいは、湿式抄造法により繊維ウエッブをあらかじめ製造し、ついで公知の不織布を製造する方法により、不織布とされる。この公知の不織布の製造方法のうち、ニードルパンチ法、または水流交絡法が好ましく使用される。
本発明の不織布とする場合、上述ように繊維ウエッブをまず製造する。この際、繊維ウエッブは、キレート性繊維のみよりなるものであってもよいが、金属吸着性不織布の単位重量当たりの金属吸着量の調整、キレート性繊維間の結合を強めるとともに不織布の剛性を高めるためなどの目的で、キレート性官能基をまったく有しない繊維を混合したものも本発明に包含される。このような繊維は、不織布の40重量%まで混合することができる。
この繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の熱可塑性樹脂からなる繊維、各種の芯鞘型複合繊維などがあげられる。芯鞘型複合繊維としては、鞘部のポリマーが芯部のポリマーより低融点であるポリマーよりなる芯鞘構造の複合繊維であれば、どのようなものであってもよい。これらの繊維をキレート性繊維に混合して、単一素材の繊維の場合はポリマーの融点以上で加熱すると、キレート性繊維間の結合を強めることが出来る。複合繊維の場合は、鞘部の低融点ポリマーの融点以上で熱処理すると、キレート性繊維間の結合を強めるとともに不織布の剛性を高めることができる。
この繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の熱可塑性樹脂からなる繊維、各種の芯鞘型複合繊維などがあげられる。芯鞘型複合繊維としては、鞘部のポリマーが芯部のポリマーより低融点であるポリマーよりなる芯鞘構造の複合繊維であれば、どのようなものであってもよい。これらの繊維をキレート性繊維に混合して、単一素材の繊維の場合はポリマーの融点以上で加熱すると、キレート性繊維間の結合を強めることが出来る。複合繊維の場合は、鞘部の低融点ポリマーの融点以上で熱処理すると、キレート性繊維間の結合を強めるとともに不織布の剛性を高めることができる。
また、繊維の脱落防止や濾過精度を高めたい場合、上述の金属吸着性不織布の片面、あるいは両面に、既知の通気性繊維不織布を重ね合わせ、ニードルパンチ法、または水流交絡法により再交絡した後に熱処理することで、必要な濾過精度を確保し、繊維の脱落がさらに少ない不織布とすることができる。積層する通気性不織布の素材としては後の熱加工を考えると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルおよびこれらの複合体よりなる群より選ばれる繊維により製造された不織布を使用することができるが,金属吸着性不織布の吸着サイトの確保を考えると,低融点樹脂でなる鞘部を有する芯鞘構造の複合繊維からなる不織布が望ましい。
さらに、このようにして作られた本発明の不織布が、不織布の曲げ剛性、引張強度等の機械的強度をさらに高めたものとしたい場合には、適度な繊維径、目開き、材質からなるメッシュを作り、その片面、あるいは両面に金属吸着性不織布を重ね、ニードルパンチ法、または水流交絡法により再交絡することにより金属吸着性不織布とメッシュとの積層体とすることによりさらに機械的強度の強い不織布が得られる。使用するメッシュは、使用する用途を考慮して適宜選択されるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンおよびこれらの複合体からなる群より選ばれる繊維により製造されたメッシュを使用することができる。
これらについては、発明の実施の形態のところでさらに詳細に説明する。
本発明によれば、吸着速度が速く多くの種類の重金属捕集に使用可能な金属吸着性不織布を、既存の設備を使用して安価に製造することができる。
本発明は、分子中に多数のキレート性官能基を有するポリアミン系高分子化合物と繊維原料よりなる紡糸原液を紡糸したキレート性繊維を不織布化することにより得られる、迅速な吸着特性をもつキレート性繊維が有する機能を良好に発揮することが可能な金属吸着性不織布およびその製造方法に関する。
本発明で用いるポリアミン系高分子化合物としては、カルボキシメチル化されたポリエチレンイミンが用いられる。
本発明において使用されるポリエチレンイミンは、エチレンイミンの開環重合、塩化エチレンとエチレンジアミンとの重縮合等により製造されたものが使用できる。これらのポリエチレンイミンは、分子構造中に直鎖状構造のほか、分岐構造も存在し、またアミノ基も一般には一級、二級、三級のアミノ基が混在しているが、それらの構造や一級ないし三級アミンの比率はどのようなものであってもよく、本発明ではそれらを総合してポリエチレンイミンという。また、本発明においては、平均分子量が5,000〜150,000のポリエチレンイミンを用いる。分子量が小さい場合には、繊維への導入量が少なく十分な金属吸着量をもつ吸着材を得ることができない。また、使用中に溶出することにより吸着機能が低下してしまう。一方、分子量が大きすぎる場合には、紡糸原液の作製時に増粘、凝集し、繊維への混合にムラが生じ、キレート性繊維の機械的強度が低下する。したがって、平均分子量5,000〜150,000のもの、好ましくは平均分子量8,000〜70,000のものが用いられる。
上記、ポリエチレンイミンのカルボキシメチル化は公知の方法によって行う。すなわち、0.5〜2Mの水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、あるいは炭酸ナトリウム等のアルカリ溶液中で、ポリエチレンイミンと、クロロ酢酸、ブロモ酢酸等のハロゲン化酢酸との反応により行う。なお、ハロゲン化酢酸に代わり、類似構造をもつハロゲン化有機酸、例えば、3−クロロプロピオン酸を反応させてもアミノ基あるいはイミノ基にカルボキシル基を導入することが可能である。このような官能基構造をもつ高分子もキレート性を有するが、重金属吸着に対する汎用性、吸着特性の点を考慮するとハロゲン化酢酸を用いるカルボキシメチル化のほうが好ましい。
本発明の分子中に多数のキレート性官能基を有するポリアミン系高分子化合物を繊維原料と混合紡糸することにより繊維状の金属吸着材(キレート性繊維)とすることができる。混合紡糸の方法としては、湿式紡糸法、乾式紡糸法のいずれも使用することができる。
本発明の分子中に多数のキレート性官能基を有するポリアミン系高分子化合物の湿式紡糸においては、再生繊維であるセルロース(レーヨン)、またはポリビニルアルコールとの混合紡糸を行う。レーヨンの場合、ビスコース法、銅アンモニア法のいずれを用いても繊維状の金属吸着材を得ることが可能であるが、銅アンモニア法を用いた場合には、レーヨン中に混合されるポリアミン系高分子化合物に銅が吸着されてしまう。銅がポリアミン系高分子化合物に吸着してしまうと、増粘・凝集が生じて紡糸性が低下するおそれがあるだけでなく、紡糸後に銅を除去するための更なる洗浄工程が必要となる。特に、銅を吸着したポリアミン系高分子化合物が、再生セルロースの結晶化度の高い部位に取り込まれている場合には、吸着した銅を完全に洗い出すことができないという問題が生じる。したがって、繊維状の金属吸着材を製造する場合においてはビスコース法を用いることが好ましい。ビスコース法を用いて紡糸を行う場合には、公知のビスコースレーヨンの紡糸方法をそのまま利用することができる。すなわち、1)ポリアミン系高分子化合物を準備する、2)公知の方法により製造されたセルロースビスコースを準備する、3)ポリアミン系高分子化合物とセルロースビスコースとを均一に混合して紡糸原液を調製する、4)この紡糸原液を紡糸ノズルから押しだし、5)希硫酸を主剤とした凝固浴中で再生させる、6)紡糸された繊維を洗浄・乾燥させるという工程により製造される。なお、本発明のポリアミン系高分子化合物は水溶性であり、極性溶媒との混合溶液にも溶解可能であるため、繊維原料溶液中に粉体として投入後、溶解することも可能ではあるが、事前に適切な溶媒、例えば、アルカリ水溶液に溶解後、繊維原料溶液に混合するほうが製造工程上容易である。
本発明の分子中に多数のキレート性官能基を有するポリアミン系高分子化合物の乾式紡糸法においては、セルロースアセテート、ポリビニルアルコールとの混合紡糸が行われる。セルロースアセテートの場合には公知の乾式紡糸法をそのまま利用することができる。すなわち、1)ポリアミン系高分子化合物を準備する、2)公知の方法により繊維原料を溶媒に溶解して溶液を準備する、3)ポリアミン系高分子化合物と繊維原料とを均一に混合して紡糸原液とする、4)この紡糸原液を紡糸ノズルから押し出し、5)溶媒を除去し繊維状とするという工程により製造される。なお、本発明のポリアミン系高分子化合物は、水やアルカリ水溶液をはじめジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の極性有機溶媒に溶解可能であるため、繊維原料溶液に粉体として投入して溶解することも可能であるが、事前に適切な溶媒に溶解後、繊維原料溶液に混合するほうが製造工程上容易である。
本発明の分子中に多数のキレート性官能基を有するポリアミン系高分子化合物のポリビニルアルコールとの混合紡糸では、耐水性を高め、ポリアミン系高分子化合物の溶出をおさえるために、紡糸後にホルマール化を行う。1)ポリアミン系高分子化合物を準備する、2)公知の方法により繊維原料(ポリビニルアルコール)を溶媒に溶解して溶液を準備する、3)ポリアミン系高分子化合物と繊維原料とを均一に混合して紡糸原液とする、4)この紡糸原液を紡糸ノズルから押し出し、5)希硫酸を主剤とした凝固浴中で再生させる、6)紡糸された繊維を乾燥、延伸、熱処理し、7)ホルムアルデヒドでポリビニルアルコールをホルマール化するという工程により製造される。
本発明において繊維原料に混合されるポリアミン系高分子化合物の比率は、得られる繊維状の金属吸着材の金属吸着量、ポリアミン系高分子化合物混合後の繊維原料溶液の物性、紡糸性の影響を考慮すると、繊維成分に対して1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%の混合比率であることが望ましい。混合紡糸する繊維の物性によっては高い混合比率での混合も可能ではあるが、一般には、30重量%を超えると、金属吸着量は高くはなるものの、繊維原料溶液の増粘・凝集が生じて紡糸性が低下する、得られた繊維の機械的強度が低下する、等の問題が生じる恐れがある。
本発明において不織布の製造は、カード法、エアーレイド法、あるいは、湿式抄造法により繊維ウエッブを作製した後、公知の不織布製造方法を用いて不織布化を行う。
キレート性繊維ウエッブの製造は、ニードルパンチ、または水流交絡を行う際の交絡性の点からカード法を用いて行うのが望ましい。カーディングは公知のカード機を使用して行うことができ、使用するカード機としては、ローラーカード機、フラットカード機等を使用することができる。カーディングによってキレート性繊維に芯鞘繊維を混合する場合には、キレート性繊維と芯鞘繊維を同時にカード機に投入すればよい。キレート性繊維と芯鞘繊維は開繊されると同時に適度に混合される。
上記芯鞘繊維との混合は、キレート性繊維間の結合を強め、繊維の脱落を少なくし、剛性を高めるために行うものである。カード機を使用してキレート性繊維と芯鞘構造の複合繊維とを混合し、ニードルパンチ法、または水流交絡法により交絡処理した後、さらに熱処理により固定化を行う。使用する芯鞘構造の複合繊維は、芯部が高融点成分であり、鞘部が低融点成分である芯鞘構造を有する複合繊維が用いられる。例えば、芯部がポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの高融点繊維であり、鞘部が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、共重合ポリエチレンなどの低融点繊維である複合繊維が用いられる。キレート性繊維へ混合する芯鞘構造の複合繊維の割合は40%以下、好ましくは25%以下が望ましい。混合割合が40%より大きいとキレート性繊維の脱落が少なくなり、剛性は高くなるが、キレート性繊維の混合比が下がり、金属吸着容量が小さくなる。
既存の不織布製造方法としては、ニードルパンチ法、スティッチボンド法、サーマルボンド法、レジンボンド法、水流交絡法等がある。しかし、レジンボンド法では使用する接着剤がキレート性繊維表面を覆い吸着サイトを塞ぐため、吸着性能が低下してしまう。また、スティッチボンド法では、機械的強度が低く通液した場合に繊維の脱落が多い。一方、ニードルパンチ法、および水流交絡法では、簡易な方法で繊維の脱落の少ない不織布を得ることができるため、本発明ではニードルパンチ法、および水流交絡法により交絡処理をする方法を用いる。一般に、ニードルパンチ法は肉厚型の不織布の作製に有利であり、数十mm厚の不織布の製造が可能である。一方、水流交絡法は肉厚型の不織布の作製には適してはいないが、高い繊維密度の不織布を作製することが可能である。ニードルパンチ法を用いる場合、キレート性繊維ウエッブの厚さや使用用途に応じ、その太さ、長さ、形状を適宜選択することができるが、ニードルパンチ針の直径は0.4mm〜1.5mmの範囲にあることが望ましい。0.4mmよりも細いと針の強度や耐久性が劣るため、工業生産に向かない。1.5mmよりも太いと、不織布にニードルパンチ跡が残り、短絡流路発生の原因となる。水流交絡法を用いる場合、放射する水流は、直径0.05〜1.0mmのノズルから圧力1〜20MPaで噴出させた柱状水流を用いるのが好ましい。また、表裏両面を、それぞれ1回以上処理することによって、絡合も適切に行われ、強度も十分な不織布を製造することができる。
不織布化後の熱処理方法としては、熱エンボスロール、熱フラットカレンダーロールのような装置を使って熱圧着する方法や熱風循環型、熱スルーエアー型、赤外線ヒーター型、上下方向熱風噴出型等の熱処理機を使う方法等を用いることができる。特に熱フラットカレンダーロールを使う方法は、生産性が良く、プレスにより芯鞘繊維とキレート性繊維の接着点が多くなるため望ましい。加工温度は複合繊維の鞘部分が溶融し、芯部分が溶融せず、キレート性繊維に影響を与えない範囲で110〜200℃で行うのが好ましい。
さらに、繊維の脱落や濾過精度が問題となる場合、上記製造方法にて製造した金属吸着性不織布の片面、あるいは両面に、既知の通気性繊維不織布を積層させ、ニードルパンチ法、または水流交絡法により再交絡した後に熱処理することで、必要な濾過精度を確保し、繊維の脱落がさらに少ない不織布が得られる。積層する不織布の素材としては後の熱加工を考えると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルおよびこれらの複合体よりなる群より選ばれる繊維により製造された不織布を使用することが出来るが,金属吸着性不織布の吸着サイトの確保を考えると,低融点樹脂でなる鞘部を有する芯鞘構造の複合繊維からなる不織布が望ましい。
不織布の曲げ剛性、引張強度等の機械的強度が問題となる場合、適度な繊維径、目開き、材質からなるメッシュの片面、あるいは両面に金属吸着性不織布を積層させ、ニードルパンチ法、または水流交絡法により再交絡することで、機械的強度の強い不織布が得られる。使用するメッシュは、使用する用途を考慮して適宜選択されるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンおよびこれらの複合体からなる群より選ばれる繊維により製造されたメッシュを使用することができる。
(1)ポリアミン系高分子化合物の製造
ポリエチレンイミン(和光純薬工業製、平均分子量10,000)350mLを、ポリエチレンイミンの窒素量に対して0.54倍モルのクロロ酢酸ナトリウム(510g)を溶かした1.2Mの水酸化ナトリウム水溶液中に加え、攪拌しながら50℃で6時間カルボキシメチル化を行った。得られたカルボキシメチル化ポリエチレンイミンのアルカリ水溶液に塩酸を加えてpH2として、沈殿剤としてメタノールを加え反応生成物を沈降させ、上澄みを除去した。沈降物に5Mの水酸化ナトリウム水溶液を加えて均一に溶解後、再度塩酸を加えてpH2として反応生成物を沈降させ、上澄みを除去した。同様の操作を2回繰り返した後、得られた沈降物を真空乾燥によりメタノール及び吸着水を除去し、カルボキシメチル化ポリエチレンイミンの粒状物を得た。
ポリエチレンイミン(和光純薬工業製、平均分子量10,000)350mLを、ポリエチレンイミンの窒素量に対して0.54倍モルのクロロ酢酸ナトリウム(510g)を溶かした1.2Mの水酸化ナトリウム水溶液中に加え、攪拌しながら50℃で6時間カルボキシメチル化を行った。得られたカルボキシメチル化ポリエチレンイミンのアルカリ水溶液に塩酸を加えてpH2として、沈殿剤としてメタノールを加え反応生成物を沈降させ、上澄みを除去した。沈降物に5Mの水酸化ナトリウム水溶液を加えて均一に溶解後、再度塩酸を加えてpH2として反応生成物を沈降させ、上澄みを除去した。同様の操作を2回繰り返した後、得られた沈降物を真空乾燥によりメタノール及び吸着水を除去し、カルボキシメチル化ポリエチレンイミンの粒状物を得た。
(2)カルボキシメチル化ポリエチレンイミンの湿式混合紡糸
前記(1)で得たカルボキシメチル化ポリエチレンイミン35gを、公知の方法により得られたセルロースビスコース(セルロース濃度:8.6%、アルカリ濃度:4.8%、粘度:50秒[落球法])5,000mL中に溶解した。十分均一に混合後、減圧脱泡し、公知のビスコース繊維の製造方法に準じた湿式紡糸法によってカルボキシメチル化ポリエチレンイミン−セルロース繊維を製造した。この時の再生凝固浴の組成は、硫酸:90g/L、硫酸亜鉛:12g/L、硫酸ナトリウム:350g/Lとした。また、紡糸条件は、紡速:60m/sec、延伸:60%とした。このようにして、2.0dtexの繊維を得た。得られた繊維は、裁断して長さ51mmの短繊維とした。
前記(1)で得たカルボキシメチル化ポリエチレンイミン35gを、公知の方法により得られたセルロースビスコース(セルロース濃度:8.6%、アルカリ濃度:4.8%、粘度:50秒[落球法])5,000mL中に溶解した。十分均一に混合後、減圧脱泡し、公知のビスコース繊維の製造方法に準じた湿式紡糸法によってカルボキシメチル化ポリエチレンイミン−セルロース繊維を製造した。この時の再生凝固浴の組成は、硫酸:90g/L、硫酸亜鉛:12g/L、硫酸ナトリウム:350g/Lとした。また、紡糸条件は、紡速:60m/sec、延伸:60%とした。このようにして、2.0dtexの繊維を得た。得られた繊維は、裁断して長さ51mmの短繊維とした。
(3)金属吸着性不織布(複合繊維混合不織布)の製造
前記(2)で得たキレート性繊維50gと芯鞘繊維(チッソ製、芯:ポリプロピレン、鞘:ポリエチレン)10gをローラーカード機(大和機工製、SC−360D)に通して開繊、混合した。ついで、このウエッブをニードルパンチ機(大和機工製、NL380)に通して交絡して不織布とした。この不織布を130℃で熱処理し、複合繊維の鞘部のポリエチレンを溶融させて複合繊維とキレート性繊維とが融着した金属吸着性不織布とした。
前記(2)で得たキレート性繊維50gと芯鞘繊維(チッソ製、芯:ポリプロピレン、鞘:ポリエチレン)10gをローラーカード機(大和機工製、SC−360D)に通して開繊、混合した。ついで、このウエッブをニードルパンチ機(大和機工製、NL380)に通して交絡して不織布とした。この不織布を130℃で熱処理し、複合繊維の鞘部のポリエチレンを溶融させて複合繊維とキレート性繊維とが融着した金属吸着性不織布とした。
(4)金属吸着量の評価
前記(3)で得られた金属吸着性不織布を60oCの真空乾燥機内で3時間乾燥後、直径47mmの円形に打ち抜き、セパレートファンネルに挟み込み,クランプで固定した。アセトニトリル、純水、3M硝酸、純水及び0.1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)の順で、それぞれ10mLずつ通液して金属吸着性不織布のコンディショニングを行った。その後、0.01M酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)で調製された0.01mol/L硫酸銅溶液5mLをゆっくり通液し、金属吸着性不織布を銅で飽和させた。その後、純水20mL、0.005Mの硝酸10mLで洗浄後、繊維状キレート性吸着材に吸着させた銅を3M硝酸10mLで溶出させた。溶出液を20mLに定容後、吸光光度計で805nmにおける銅の吸光度を測定し、繊維状キレート性吸着材における銅吸着量を求めた。その結果、銅の吸着量は、0.29mmolCu/gであり、十分な吸着性を示した。
前記(3)で得られた金属吸着性不織布を60oCの真空乾燥機内で3時間乾燥後、直径47mmの円形に打ち抜き、セパレートファンネルに挟み込み,クランプで固定した。アセトニトリル、純水、3M硝酸、純水及び0.1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)の順で、それぞれ10mLずつ通液して金属吸着性不織布のコンディショニングを行った。その後、0.01M酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)で調製された0.01mol/L硫酸銅溶液5mLをゆっくり通液し、金属吸着性不織布を銅で飽和させた。その後、純水20mL、0.005Mの硝酸10mLで洗浄後、繊維状キレート性吸着材に吸着させた銅を3M硝酸10mLで溶出させた。溶出液を20mLに定容後、吸光光度計で805nmにおける銅の吸光度を測定し、繊維状キレート性吸着材における銅吸着量を求めた。その結果、銅の吸着量は、0.29mmolCu/gであり、十分な吸着性を示した。
(5)破過時間の測定
前記(3)で得られた金属吸着性不織布を60℃の真空乾燥機で3時間乾燥後、直径25mmの円形に打ち抜き、内径25mmのポリプロピレン製シリンジ型カートリッジに10枚を重ねて充填した。充填部の厚みが6.0mm、重量が1.2gとなった。25mg/Lの硫酸銅水溶液を10.4mL/min(SV=212hr―1)で通液し、流出液を2分毎に採取し、流出液中に含まれる銅イオン濃度をフレーム原子吸光法にて測定し、破過曲線を書いた。比較例として、市販の粒状キレート樹脂を同様のカラムに充填して、同様の条件で測定した破過曲線を合わせて示した。結果を図1に示す。ここで、●は、金属吸着性不織布の銅イオンの破過曲線を示し、○は、市販の粒状キレート樹脂の銅イオンの破過曲線を示す。この図1にみるように、流出液中の銅の除去率は、550mLまでほぼ100%であり、その後落ちる結果となった。市販の粒状キレート樹脂を用いた場合は、銅イオンによりキレート樹脂の官能基が完全に飽和する前に流出してしまうのに対し、本発明のキレート性繊維を使用すると、金属吸着サイトが飽和するまではほぼ完全な金属捕捉能を発揮している。
前記(3)で得られた金属吸着性不織布を60℃の真空乾燥機で3時間乾燥後、直径25mmの円形に打ち抜き、内径25mmのポリプロピレン製シリンジ型カートリッジに10枚を重ねて充填した。充填部の厚みが6.0mm、重量が1.2gとなった。25mg/Lの硫酸銅水溶液を10.4mL/min(SV=212hr―1)で通液し、流出液を2分毎に採取し、流出液中に含まれる銅イオン濃度をフレーム原子吸光法にて測定し、破過曲線を書いた。比較例として、市販の粒状キレート樹脂を同様のカラムに充填して、同様の条件で測定した破過曲線を合わせて示した。結果を図1に示す。ここで、●は、金属吸着性不織布の銅イオンの破過曲線を示し、○は、市販の粒状キレート樹脂の銅イオンの破過曲線を示す。この図1にみるように、流出液中の銅の除去率は、550mLまでほぼ100%であり、その後落ちる結果となった。市販の粒状キレート樹脂を用いた場合は、銅イオンによりキレート樹脂の官能基が完全に飽和する前に流出してしまうのに対し、本発明のキレート性繊維を使用すると、金属吸着サイトが飽和するまではほぼ完全な金属捕捉能を発揮している。
(6)流速特性の評価
前記(3)で作製した金属吸着性不織布の吸着回収率に与える試料流速の影響を調べた。前記(3)で得られた金属吸着性不織布を60oCの真空乾燥機内で3時間乾燥後、直径47mmの円形に打ち抜き、セパレートファンネルに挟み込み、クランプで固定した。アセトニトリル、純水、3M硝酸、純水及び0.1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)の順で、それぞれ10mLずつ通液して金属吸着性不織布のコンディショニングを行った。その後、0.01M酢酸アンモニウム緩衝液300mLに100mg/L銅標準液、鉛標準液、鉄標準液、クロム標準液をそれぞれ0.1mL添加しpHを5.5に調整した。金属混合標準液を流速30〜80mL(SV1300〜3500hr−1)で通液し吸着させた。純水200mLで洗浄後、3mol/L硝酸100mLを流速30mL/minで通液し、流出液を採取した。採取した溶液10mLに内標準元素としてイットリウムを加え、溶液中の元素濃度をICP発光分光分析にて定量し、回収率を求めた。結果を図2(図2aはクロムの場合、図2bは銅の場合、図2cは鉄の場合、および図2dは鉛の場合)に示す。いずれの元素においても流速による回収率の変化は少なく、75%以上の高い回収率を示した。
前記(3)で作製した金属吸着性不織布の吸着回収率に与える試料流速の影響を調べた。前記(3)で得られた金属吸着性不織布を60oCの真空乾燥機内で3時間乾燥後、直径47mmの円形に打ち抜き、セパレートファンネルに挟み込み、クランプで固定した。アセトニトリル、純水、3M硝酸、純水及び0.1M酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)の順で、それぞれ10mLずつ通液して金属吸着性不織布のコンディショニングを行った。その後、0.01M酢酸アンモニウム緩衝液300mLに100mg/L銅標準液、鉛標準液、鉄標準液、クロム標準液をそれぞれ0.1mL添加しpHを5.5に調整した。金属混合標準液を流速30〜80mL(SV1300〜3500hr−1)で通液し吸着させた。純水200mLで洗浄後、3mol/L硝酸100mLを流速30mL/minで通液し、流出液を採取した。採取した溶液10mLに内標準元素としてイットリウムを加え、溶液中の元素濃度をICP発光分光分析にて定量し、回収率を求めた。結果を図2(図2aはクロムの場合、図2bは銅の場合、図2cは鉄の場合、および図2dは鉛の場合)に示す。いずれの元素においても流速による回収率の変化は少なく、75%以上の高い回収率を示した。
図1における○は、市販の粒状キレート樹脂の銅イオンの破過曲線を示している。
図1における●は、実施例1で得られた金属吸着性不織布の銅イオンの破過曲線を示している。
図1における●は、実施例1で得られた金属吸着性不織布の銅イオンの破過曲線を示している。
Claims (3)
- 下記式(1)に示すエチレンイミン及びN−カルボキシメチル化エチレンイミンの繰り返し単位、
(n、mは、それぞれ正の整数を表す。)
を有し、かつ骨格となるポリエチレンイミンの平均分子量が2,000〜150,000であるポリアミン系高分子化合物を、セルロース、セルロースアセテートおよびポリビニルアルコールよりなる群より選ばれる繊維原料の紡糸原液に添加し、ついでセルロースの場合は湿式紡糸法によりあるいはセルロース以外の場合は乾式紡糸法により繊維化してキレート性繊維とし、ポリビニルアルコールの場合は、さらに繊維化後に熱処理、ホルマール化を行ってキレート性繊維とし、この繊維のウエッブを公知の不織布製造法により不織布としたことにより製造された金属吸着性不織布。 - 公知の不織布製造法が、ニードルパンチ法、または水流交絡法であることを特徴とする請求項1に記載の金属吸着性不織布。
- 上記キレート性繊維のウエッブに鞘部のポリマーが芯部のポリマーより低融点ポリマーよりなる芯鞘構造の複合繊維を40重量%まで均一に混合したウエッブとしたものを不織布とし、ついで複合繊維の鞘部の低融点ポリマーの融点以上で熱処理して製造された金属吸着性不織布であることを特徴とする請求項1ないし請求項2に記載の金属吸着性不織布。
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-
2009
- 2009-09-08 JP JP2009206551A patent/JP2011056350A/ja active Pending
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