JPH0260764B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0260764B2
JPH0260764B2 JP58143790A JP14379083A JPH0260764B2 JP H0260764 B2 JPH0260764 B2 JP H0260764B2 JP 58143790 A JP58143790 A JP 58143790A JP 14379083 A JP14379083 A JP 14379083A JP H0260764 B2 JPH0260764 B2 JP H0260764B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyalkylene ether
block
fiber
weight
polyethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP58143790A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6039413A (ja
Inventor
Yutaka Kurihara
Koichiro Yoshida
Toshifumi Kaminosono
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP14379083A priority Critical patent/JPS6039413A/ja
Publication of JPS6039413A publication Critical patent/JPS6039413A/ja
Publication of JPH0260764B2 publication Critical patent/JPH0260764B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は制電性ポリエステルに関する。即ち帯
電防止性の改善されたポリエステル繊維に関する
ものである。 ポリエチレンテレフタレート繊維に代表される
ポリエステル繊維はその優れた特性から衣料・イ
ンテリア・産業資材等巾広い分野に用いられてい
るが大きな欠点として静電気発生の問題がある。
即ち、ポリエステル繊維は線やレーヨン等に比し
て静電気を帯びやすく、衣料に関しては特に冬期
にみられるパチパチという放電音や身体へのまと
わりつきなど不快感を与えたりする。 このような欠点に対し、これまで数多くの改善
方法、即ち帯電防止方法が提案されてきている。 例えば、ポリエチレングリコールを共重合した
ポリエステルを紡糸してなる繊維が提案されてい
る。しかし、実用的な帯電防止性を有する為には
比較的多量のポリエチレングリコールを共重合す
る必要があり、その結果として、熱的安定性や耐
光堅牢性が低下する。また種々のポリアルキレン
グリコール誘導体からなる帯電防止剤をポリエス
テルに添加配合する方法も提案されている。しか
しこれらの殆んどは実用的な帯電防止性を有しな
いものであつたり、染色工程や洗濯などを経た後
まで帯電防止性が持続しないものである。さらに
はポリアルキレングリコールをブロツク共重合し
たポリエステルや、ポリアルキレングリコールの
両末端をカルボキシル基やアミノ基に変性してポ
リアミドとブロツク共重合したブロツクポリアル
キレンエーテルアミドを帯電防止剤として用いる
技術も例えば特公昭44−16178号公報、特公昭46
−7213号公報に提案されている。そして、これら
ブロツクポリアルキレンエーテルアミドやブロツ
クポリアルキレンエーテルエステルをポリエステ
ル中にすじ状分散させる技術(特公昭48−10380
号公報、特開昭50−107206号公報)や、ブロツク
ポリアルキレンエーテルアミドと有機電解質とを
併用する技術(特公昭45−17547号公報)も提案
されている。 しかし、これらの技術においては、繊維中に含
有されるポリアルキレンエーテル成分は少量であ
るが、帯電防止剤としてのポリアルキレンエーテ
ル・ブロツク共重合ポリマーとしては、通常かな
り多量(例えば40〜60重量%)のポリアルキレン
エーテル成分を共重合することが行なわれてい
る。それ故これらのポリアルキレンエーテル・ブ
ロツク共重合ポリマーを製造する段階で多くの問
題を有するものである。例えば、通常の溶融重合
法では充分な重合度が得難い、溶融重合中にポリ
アルキレンエーテル成分が熱分解し、ポリマーが
劣化する、重合後、ポリマーを排出・固化・造粒
する際、通常は水冷固化させるが、固化しにくか
つたり、ポリアルキレンエーテルの高吸水性の為
に乾燥がむずかしい、などが挙げられる。 一方、ポリエステルにアルカル金属のハロゲン
化物を配合することによつて帯電を防止する技術
が提案されている(特公昭45−29913号公報)。し
かしながら、この技術による繊維の帯電防止性は
実際には、染色工程や洗濯を経た後までは持続し
ない。 本発明者等は、このような従来技術の問題を克
服すべく、繊維中に占めるポリアルキレンエーテ
ルを極力少なくすることはもとより、帯電防止剤
であるポリアルキレンエーテル、ブロツク共重合
ポリマー中のポリアルキレンエーテル成分をも少
なくし、なお充分な耐久性のある制電性を有する
ポリエステル繊維を求めて鋭意検討した結果本発
明に到達したものである。 即ち、本発明の目的はポリエステル本来の優れ
た特性を損うことなく、耐久帯電防止性を有する
ポリエステル繊維を提供することである。そし
て、本発明の目的は、繊維成形性ポリエステルA
と水溶性の無機電解質を含有するブロツクポリア
ルキレンエーテルアミド組成物Bからなり、且つ
ブロツクポリアルキレンエーテルアミドが、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド、又はポリヘキサメチ
レンアジパミドを主成分とし、他のポリアミド成
分との共重合ポリアミドとポリアルキレンエーテ
ルからなり、ポリアルキレンエーテル成分のブロ
ツクポリアルキレンエーテルアミドに占める割合
が10〜30重量%であつて、AにBが糸長方向に実
質的に連続したすじ状で分散して存在してなり、
ポリアルキレンエーテル成分の該繊維中に占める
割合が0.1〜1.5重量%であることを特徴とする制
電性ポリエステル繊維によつて達成することがで
きる。 本発明において繊維形成性ポリエステルとして
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ−1,4
−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポ
リ−P−エチレンオキシベンゾエート、ポリブチ
レンテレフタレート等、あるいはこれらの共重合
体、例えばポリエチレンテレフタレート・イソフ
タレート共重合体が挙げられる。なおより好まし
くはポリエチレンテレフタレート及びポリエチレ
ンテレフタレートを主成分とする共重合ポリエス
テルが挙げられる。 本発明において、無機電解質としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム等のA族、マグネシ
ウム、カルシウム、バリウム等のA族、アルミ
ニウム等のA族、ゲルマニウム、スズ等のA
族、アンチモン等のVA族、銅、銀等のB族、
亜鉛カドミウム等B族、イツトリウム等のB
族、チタン等のB族、バナジウム等のVB族、
クロム等のB族、マンガン等のB族、鉄、コ
バルト、ニツケル等の族などの金属元素の水酸
化物、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、炭酸
塩、チオシアン酸塩などのうちの水溶性のもので
ある。なかでもa族もしくはa族のハロゲン
化物が良好であり、それらの具体例としては、塩
化リチウム、臭化リチウム、塩化ナトリウム、臭
化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウ
ム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化マグネ
シウム、臭化マグネシウム、塩化カルシウムであ
り、より好ましくはヨウ化カリウム、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、塩化カルシウムである。ま
たチオシアン酸金属塩が制電性への寄与が大きく
良好である。なかでもチオシアン酸ナトリウム、
チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、
チオシアン酸セシウム等のチオシアン酸アルカリ
金属塩が良好である。これらの無機電解質は1種
類単独でも2種類以上の併用でもさしつかえな
い。またこれらの無機電解質のブロツクポリアル
キレンエーテルアミド組成物中に占める割合は
0.01〜5重量%であることが好ましい。0.01重量
%未満では、帯電防止効果が不充分であり、5重
量%以上ではブロツクポリアルキレンエーテルポ
リアミド組成物の溶融流動性が損われるので好ま
しくない。本発明の無機電解質をブロツクポリア
ルキレンエーテルアミドに含有せしめる方法とし
てはとくに限定されるものではないが、溶融紡糸
の点からは、無機電解質はブロツクポリアルキレ
ンエーテルアミド中に微細に分散して含有される
ことが好ましい。特に無機電解質のほとんど分散
粒径が約2.0μm以下であることが好ましい。この
ような分散状態を得ることの出来る無機電解質の
ブロツクポリアルキレンエーテルアミドへの添加
方法としては、重合時に無機電解質を粉末状、も
しくは水溶液として添加含有せしめる方法、ブロ
ツクポリアルキレンエーテルアミドの粉末、果
粒、ペレツトもしくは成形物を加熱した無機電解
質水溶液で処理し含浸させる方法が挙げられる。 本発明において、無機電解質はブロツクポリア
ルキレンエーテルアミドに含有されてはじめて耐
久帯電防止効果を有するものであつて、繊維形成
性ポリエステルに含有されていても、無機電解質
がブロツクポリアルキレンエーテルアミドに含ま
れていない場合には耐久帯電防止効果は発現しな
い。またアルキルベンゼンスルホン酸ソーダの如
き、有機電解質は後述の比較例3で示すようにブ
ロツクポリアルキレンエーテルアミドに含有され
ても充分な耐久制電効果が得られない。 本発明において、ブロツクポリアルキレンエー
テルアミド組成物とは、前述の無機電解質を含有
するブロツクポリアルキレンエーテルアミドであ
る。 本発明でいうブロツクポリアルキレンエーテル
アミドとは、ポリヘキサメチレンアジパミド、又
はポリヘキサメチレンアジパミドを主成分とし、
他のポリアミド成分との共重合ポリアミドとポリ
アルキレンエーテルからなるものである。 その構成成分であるポリアルキレンエーテルと
しては、ポリエチレンエーテル、ポリプロピレン
エーテル、ポリエチレンプロピレンエーテルなど
が挙げられる。中でもポリエチレンエーテルが実
用的である。 これらポリアルキレンエーテルの分子量は500
〜6000であることが好ましく、より好ましくは
700〜2000である。なかでも、分子量700〜2000の
ポリエチレンエーテルの使用が最も適している。
分子量が500未満では帯電防止効果が不充分であ
ることが多い。一方分子量が6000以上では、共重
合の際未反応のポリアルキレンエーテルが多くな
り、耐久帯電防止効果は不充分であることが多
い。 本発明において、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド又はポリヘキサメチレンアジパミドを主成分と
し、他のポリアミド成分との共重合ポリアミド
は、それらによつて構成されるブロツクポリアル
キレンエーテルアミドが、水溶性の無機電解質を
含有することによつて耐久帯電防止効果が大き
い。さらにはポリヘキサメチレンアジパミドを主
成分とし、他のポリアミド成分との共重合ポリア
ミドがより好ましい。具体的には、ポリヘキサメ
チレンアジパミド・ε−カプラミド共重合体(ナ
イロン66/6)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド・ヘキサメチレンセバカミド(ナイロン66/
610)、ポリヘキサメチレンアジパミド・ε−カプ
ラミド・ヘキサメチレンセバカミド(ナイロン
66/6/610)等が挙げられる。もちろんイソフ
タル酸、テレフタル酸等も共重合成分となりう
る。 本発明においてポリアルキレンエーテル成分の
ポリアルキレンエーテルアミド中に占める割合は
通常10〜30重量%が好ましい。10重量%未満では
制電性が不足し、30重量%以上ではポリアルキレ
ンエーテルアミドの製造時の前述の如き諸問題を
解決するのがむずかしいので好ましくない。 このようなポリアルキレンエーテルアミドの中
でも、その融点が180〜250℃であり、かつそれを
構成するポリアミド成分が、ポリヘキサメチレン
アジパミドを主成分とし、それと他のポリアミド
との共重合ポリアミドであるポリアルキレンエー
テルアミドは、ポリアルキレンエーテル成分のポ
リアルキレンエーテルアミド中に占める割合が10
〜15重量%と、きわめて少量のポリアルキレンエ
ーテル成分量でも充分な制電性を示すものであ
り、かつ、耐熱水性と該ポリアルキレンエーテル
アミドの製造の容易性を有する、最も好ましいも
のである。 本発明のブロツクポリアルキレンエーテルアミ
ドの製造方法としては周知の方法を用いることが
できる。例えば、ポリアルキレングリコールの両
末端をアミノ基に変性して得られるポリアルキレ
ンエーテルジアミンと、それと等モルのジカルボ
ン酸とを、ポリアミド形成性モノマーとともに重
縮合する方法、ポリアルキレングリコールの両末
端をカルボキシル基に変性して得られるポリアル
キレンエーテルジカルボン酸と、それと等モルの
ジアミンとをポリアミド形成性モノマーとともに
重縮合する方法などがある。重縮合においては、
微量の水を触媒として重縮合するポリカプラミド
型重合法よりも、ポリアミドモノマー水溶液を出
発物質とするポリヘキサメチレンアジパミド型重
合法の方が、ポリアルキレンエーテル成分の共重
合のしやすさと無機電解質の重合時添加による微
分散の点から好ましい。 本発明において無機電解質を含有するブロツク
ポリアルキレンエーテルアミド組成物は繊維形成
性ポリエステルに第1図に模式的に示すような繊
維軸に沿つてたて長のすじ状に分散して存在して
いなければならない。第2図に模式的に示すよう
な粒子状に分散しているものや、ブロツクポリア
ルキレンエーテルアミド組成物が独立相として観
察し難い程度にまで均一に分散しているものは帯
電防止性は充分でない。すじ状分散については、
すじの長さが長ければ長いほど好ましく、さらに
は第3図に模式的に示すように実用的に連続的な
すじ状分散をしていることが最も好ましい。 本発明において、ブロツクポリアルキレンエー
テルアミド組成物は、該組成物中のポリアルキレ
ンエーテル成分の繊維に占める割合が0.1〜5重
量%となるように、繊維形成性ポリエステルに添
加することが、制電性能と繊維の諸特性とのバラ
ンス上好ましい。さらには0.3重量%以上1.2重量
%未満となるよう添加することがより好ましい。 本発明の制電ポリエステル繊維の製造方法とし
ては、無機電解質含有ブロツクポリアルキレンエ
ーテルアミド組成物と繊維形成性ポリエステルと
を別々に溶融し、次いで該溶融物を混合し紡糸す
る方法が挙げられる。とりわけ、2つの溶融物を
静的混練素子に導びき、混合した後紡糸する方法
が、実質的に連続なすじ状分散状態が得られやす
いことと、ブロツクポリアルキレンエーテルアミ
ドとポリエステル間の反応が少なく、紡出物の溶
融粘性の低下と着色が軽減されることから好まし
い。 第4図は、本発明の制電繊維の製造に用いられ
る紡糸口金装置の代表的1例を示す要部断面図で
ある。同図において、ブロツクポリアルキレンエ
ーテルアミド組成物と繊維形成性ポリエステルは
それぞれ導入孔15と16から、順次過部A、
合体部B、混練部C、口金部Dを経て紡出され
る。過部Aはサンド3、サンドパツク1、サン
ド保持用金網2から構成されている。合体部B
は、ブロツクポリアルキレンエーテルアミド組成
物の流路5およびポリエステルの流路4を設けた
通液板6と2つのポリマー流を合体させる流路7
を設けた通液目板8とから構成されている。混練
部Cは、静的混練素子9を組み込んだ孔10を設
けた混練用目板11とそれらの孔を連続的に順次
結び付けるための溝12を設けた連結用目板13
および14から構成されている。 かくして得られる繊維は、必要に応じて、数倍
の延伸をほどこし強伸度の調整を行なつたり、熱
処理または賦型を行なつて加工糸等に変形した
り、染色加工やアルカリ減量加工を施す等、従来
周知の加工技術をすべて適用することができる。 また、本発明の制電性ポリエステル繊維には適
当な光安定剤、熱安定剤、艶消し剤、染顔料等を
含有させてもさしつかえない。これらを含有せし
める為にはあらかじめ繊維形成性ポリエステルあ
るいはポリアミド組成物に添加しておくか、繊維
形成性ポリエステルとブロツクポリアルキレンエ
ーテルアミド組成物を混合する際に添加する方法
等がとりうる。 本発明の制電性ポリエステル繊維は、ブロツク
ポリアルキレンエーテルアミドに無機電解質を含
有させた組成物を繊維形成性ポリエステルにすじ
状に分散させることにより、耐久制電性能が著し
く向上したものである。この耐久制電性能につい
ては、好ましく用られる無機電解質が水溶性を有
することから、本発明の制電性ポリエステル繊維
を染色加工したり洗濯することによつて制電性が
失われることが懸念されたが、驚くべきことに、
これらの工程を経ても充分実用的な制電性を保持
することができる。 さらに、ブロツクポリアルキレンエーテルアミ
ドのポリアミド成分をポリヘキサメチレンアジパ
ミド又はポリヘキサメチレンアジパミドを主成分
とする共重合ポリアミドとしたブロツクポリアル
キレンエーテルアミドを用いることにより、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド型縮重合方法をそのま
ま適用でき、しかも無機電解質を重合時に添加し
微細かつ均一に分散させることも可能になる。加
えて、比較的少量のポリアルキレンエーテル成分
を共重合しても充分な制電性が得られるので、従
来のブロツクポリアルキレンエーテルアミドの製
造時の問題を解決したものである。 以下、実施例を挙げて本発明を詳述する。な
お、実施例で用いる測定方法は次のとおりであ
る。 〔半減期〕 耐久制電性を測定する方法として半減期法を用
いた。即ち、得られた繊維を編地とし、水温60℃
のスコアロール#400(三洋化成工業株式会社製)
2g/水溶液で30分精練し、次いで該繊維を染
色した。染料としては分散染料Resolin Blue
FBL(バイエル社製)を使用し、1%owf、浴比
1:50で130℃で染色した。分散剤としては
Disper TL(明成化学工業株式会社製)を1g/
加え、酢酸によつてPH6に調整した。次に、染
色された編地を、洗剤ニユービーズ(花王石鹸株
式会社製)12%owfの温水溶液(40℃)を用いて
浴比1:240で7時間洗濯した。洗濯後、該編地
を水洗し乾燥後、23℃、43%相対湿度の雰囲気下
に24時間放置して調湿し、この試料についてオネ
ストメーター(穴戸商会製)を用いて半減期を測
定した。 〔融点〕 ブロツクポリアルキレンエーテルアミドの融点
については、DSC−2C型示差走査熱量計
(PERKIN−ELMER社製)を用い、20℃/分の
昇温速度で測定し、得られた吸熱曲線のピーク位
置の温度を融点とした。 〔耐光堅ろう性〕 制電性を測定するために調製した編地の染色物
を試料として用い、フエド・メーター(スタンダ
ード紫外線ロングライフフエドメーター:スガ試
験機株式会社製)で63℃、27時間の曝露試験を行
ない。試験後の試料の退色の程度を、普通のポリ
エチレンテレフタレート繊維の同条件で曝露試験
されたものと比較して、肉眼観察により行なつ
た。 実施例 1 ポリエチレンエーテルジアミン(平均分子量約
1100)とこれと等モルのアジピン酸を水の存在下
で塩反応させることにより、ポリエチレンエーテ
ルジアンモニウムアジペートの40重量%水溶液を
得た。濃縮槽に該40重量%ポリエチレンエーテル
ジアンモニウムアジペート水溶液を39.4重量部、
40重量%ヘキサメチレンジアンモニウムアジペー
ト水溶液171.6重量部、ε−カプロラクタム25.4
重量部、ヨウ化カリウム2重量部を投入し、常圧
で加熱し、モノマー系濃度60重量%まで濃縮し
た。次いで該濃縮液を重合槽へ移送し、内温を
190〜250℃、内圧を初期加圧、後期常圧に調節し
ながら、溶媒水、縮合水を除去して、常法のポリ
ヘキサメチレンアジパミド型の溶融重合を行なつ
た。重合後、ヨウ化カリウムを含むブロツクポリ
エチレンエーテルアミド(ナイロン66/6/
PEG・6)組成物をシート状に排出し、水冷固
化させた後、切断造粒した。該ブロツクポリエチ
レンエーテルアミド組成物は、重合中の劣化着色
は認められず、重合度も充分であり、水冷固化後
の切断造粒化も円滑に行なうことができた。ま
た、該ブロツクポリエチレンエーテルアミド組成
物は透明性がよく、析出凝集したヨウ化カリウム
大粒子は認められなかつた。該ブロツクポリエチ
レンエーテルアミドの融点を測定したところ201
℃であつた。 次に2台の押出機を有する紡糸機を用いて、一
方の押出機へは、ヨウ化カリウムを含有した該ブ
ロツクポリエチレンエーテルアミドを供給し、
250℃で溶融すると共に押出した。他方の押出機
へは極限粘度0.69のポリエチレンテレフタレート
チツプ(艶消し剤として酸化チタン0.5重量%対
ポリエチレンテレフタレート含有)を供給し、
290℃で押出した。紡糸機には第4図に示す様な
構造の静的混練素子部を有する13個の吐出孔を有
した紡糸口金が取付けてある。溶融ブロツクポリ
エチレンエーテルアミド組成物は第4図の符号15
の孔を通し、又溶融ポリエチレンテレフタレート
は符号16の孔を通して符号7の溝で合体させ、さ
らに符号9の静的混練素子を通すことにより混合
し、紡出した。なおブロツクポリエチレンエーテ
ルアミド組成物とポリエチレンテレフタレートの
混合比が重量比で5:95になるように各々の溶融
ポリマーの吐出速度を調節した。紡糸した糸条物
を1200m/分の速度で巻き取り、170デニール13
フイラメントの未延伸糸とした。更に170℃の熱
プレートを用いて3.37倍に延伸し50デニール13フ
イラメントの繊維を得た。該繊維の制電性を測定
したところ半減期は20秒で優れた耐久制電性を有
していた。また該繊維の染色物の耐光堅牢性を測
定したところ、ポリエチレンテレフタレート繊維
と同様退色は全く認められず優れた耐光堅牢性を
有していた。なお該繊維を光学顕微鏡にて観察し
たところ、第5図に示すような連続的なすじ状分
散が認められる。 比較例 1 実施例1において、ブロツクポリエチレンエー
テルアミドにヨウ化カリウムを添加しなかつた以
外は全て実施例1と同じ方法にてブロツク共重合
物とポリエチレンテレフタレートの混合物からな
る繊維を製造した。該繊維の制電性を測定したと
ころ半減期は90秒を越え、実質的な耐久制電性は
発現しなかつた。なお光学顕微鏡にて該繊維を観
察したところ連続的なすじ状分散が認められた。 比較例 2 ジメチルテレフタレートとエチレングリコール
から常法のエステル交換反応と縮重合反応により
ポリエチレンテレフタレートを製造するに際し、
ヨウ化カリウムをポリエチレンテレフタレート
100重量部に対し0.5重量部の割合でエステル交換
反応開始時点に添加して、ヨウ化カリウム含有ポ
リエチレンテレフタレート組成物(ポリエチレン
テレフタレートの極限粘度=0.69)を製造した。
次いで比較例1において、ポリエチレンテレフタ
レートのかわりに該ポリエチレンテレフタレート
組成物を用いた以外は、比較例1と同じ方法にて
ブロツクポリエチレンエーテルアミドとポリエチ
レンテレフタレート組成物との混合物からなる繊
維を製造した。該繊維の制電性を測定したとこ
ろ、半減期は90秒を越えた。ヨウ化カリウムがブ
ロツクポリエチレンエーテルアミドに含まれてい
ない場合は耐久制電性は発現しないことがわか
る。なお、該繊維を光学顕微鏡で観察したところ
連続的なすじ状分散が認められた。 実施例 2〜7 実施例1と同様な方法にて第1表に示す種々の
ブロツクポリエチレンエーテルアミド組成物を重
合し、ポリエチレンテレフタレートと混合紡糸し
て、ポリエステル繊維を製造した。これらの繊維
の制電性と光学顕微鏡観察結果を第1表に示す。 実施例 8 比較例1で製造した無機電解質を含まないブロ
ツクポリエチレンエーテルアミドチツプ5Kgを、
2Kgのチオシアン酸カリウムを10の水に溶かし
た水溶液に浸漬し、沸とう状態で、含浸処理して
乾燥した。処理後のチツプ中のチオシアン酸カリ
ウムを分析したところ、該チツプ中のチオシアン
酸カリウム含有量は1.5重量%であつた。該チツ
プを用いて、実施例1と同様な混合紡糸方法に
て、ブロツクポリエチレンエーテルアミド組成物
とポリエチレンテレフタレートとを重量比で4:
96となる割合で混合紡糸し、ポリエステル繊維を
得た。該繊維の制電性を測定したところ半減期は
26秒であつた。また該繊維を光学顕微鏡で観察し
たところすじ状分散があつた。 比較例 3 比較例1において、無機電解質を含まないブロ
ツクポリエチレンエーテルアミドを2台の押出機
の一方へ供給し、溶融押出しするに際し、該ブロ
ツクポリエチレンエーテルアミドチツプと該チツ
プに対し2重量%のドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウムとを予備混合して、溶融押出すること
以外は全て比較例1と同じ方法により、有機電解
質含有ブロツクポリエチレンエーテルアミド組成
物とポリエチレンテレフタレートとを混合紡糸し
てなる繊維を製造した。該繊維にはすじ状分散が
認められたが制電性を測定したところ半減期は90
秒を越え、有機電解質による耐久制電性向上効果
は認められなかつた。 実施例 9 平均分子量5500のポリエチレンエーテルジアミ
ンとこれと等モルのアジピン酸とから実施例1と
同じ方法で、40重量%ポリエチレンエーテルジア
ンモニウムアジペート水溶液を得た。該ポリエチ
レンエーテルジアンモニウムアジペート水溶液
102.6重量部、40重量%ヘキサメチレンジアンモ
ニウムアジペート120.3重量部、ε−カプロラク
タム17.8重量部およびヨウ化カリウム2重量部を
用いて、実施例1と同様な方法にてナイロン66/
6/PEG・6共重合体を重合し、造粒した。該
共重合体を造粒する際、水冷による固化が不充分
で切断造粒が円滑にできず、冷却水温を0℃近く
まで下げる等の工夫をしても、造粒後のチツプ収
率は低くかつた。また、該共重合体の重合度はや
や低く、未反応のポリアルキレンエーテル成分も
少量検出された。次いで該ブロツクポリエチレン
エーテルアミドチツプ3重量部と実施例1で用い
たポリエチレンテレフタレートチツプ97重量部と
から、実施例1と同じ、紡糸、延伸方法にて、繊
維を製造した。該繊維の制電性を測定したとこ
ろ、半減期は18秒で良好であつた。また該繊維の
光学顕微鏡観察の結果連続的なすじ状分散が認め
られた。 比較例 4 実施例1で用いたヨウ化カリウム含有ブロツク
ポリエチレンエーテルアミドチツプ5重量部と、
実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートチ
ツプ95重量部とを予備混合し、次いで混練スクリ
ユーを有する押出紡糸機へ供給し、290℃にて溶
融混練した。該紡糸機には、24個の吐出孔を有す
る通常の紡糸口金が取りつけてある。紡糸した糸
条物を実施例1と同様な方法条件で巻取り延伸し
て50デニール24フイラメントの繊維を得た。該繊
維の制電性を測定したところ、半減期は90秒を越
えた。又、該繊維は黄色に着色しており、さらに
光学顕微鏡にて観察したところ、すじ状分散は認
められなかつた。 比較例 5 テレフタル酸ジメチル(DMT)63重量部、エ
チレングリコール44重量部、酢酸マンガン二水和
物0.030重量部、および三酸化アンチモン0.100重
量部を加え、180〜230℃でメタノールを留去しつ
つエステル交換を行なつた後、亜リン酸0.010重
量部のエチレングリコール溶液、分子量6000のポ
リエチレングリコール11重量部、抗酸化剤とし
て、イルガノツクス1010(チバ・ガイギー社製)
0.100重量部を加え、徐々に温度を上げると共に
真空度を下げて265℃で0.5〜0.8mmHgの減圧下
に4時間30分重合してブロツクポリエチレンエー
テルエステルのポリマーを得た。 該ポリマーに1.5重量%相当のヨウ化カリウム
を含浸処理して乾燥した。 この様にして得られたヨウ化カリウム含有ブロ
ツクポリエチレンエーテルエステルを用い、ヨウ
化カリウム含有ポリエチレンエーテルエステルを
265℃で溶融し押出た以外は、実施例1と同様な
方法で混合紡糸を行ない、ポリエステル繊維を得
た。該繊維の制電性を測定したところ半減期は90
秒を越え、耐久制電性向上効果は見られなかつ
た。該繊維を光学顕微鏡にて観察したところ、す
じ状分散が認められなかつた。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、ブロツクポリエチレンエー
テルアミド組成物の繊維中の分散状態を模式的に
表わした図であり、図中イがブロツクポリエチレ
ンエーテルアミド組成物、ロが繊維形成性ポリエ
ステルである。第4図は、本発明の制電性繊維の
製造に用いる、静的混練素子部を有する紡糸口金
装置の代表的1例を示す要部断面図である。第5
図は、制電性ポリエステル繊維を光学顕微鏡で観
察した約700倍の拡大写真である。 A……過部、B……合体部、C……混練部、
D……口金部、1……サンドバツク、2……サン
ド保持用の金網、3……サンド、4……ポリエス
テル流路、5……ブロツクポリエチレンエーテル
アミド流路、6……通液板、7……2つのポリマ
ー流を合体させる流路、8……通液目板、9……
静的混練素子、10……静的混練素子を組み込ん
だ孔、11……混練用目板、12……各孔を連続
的に順次結びつけるための溝、13,14……連
結用目板、15……ブロツクポリエチレンエーテ
ルアミド導入孔、16……ポリエステル導入孔。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 繊維成形性ポリエステルAと水溶性の無機電
    解質を含有するブロツクポリアルキレンエーテル
    アミド組成物Bからなり、且つブロツクポリアル
    キレンエーテルアミドがポリヘキサメチレンアジ
    パミド、又はポリヘキサメチレンアジパミドを主
    成分とし、他のポリアミド成分との共重合ポリア
    ミドとポリアルキレンエーエルからなり、ポリア
    ルキレンエーテル成分のブロツクポリアルキレン
    エーテルアミドに占める割合が10〜30重量%であ
    つて、AにBが糸長方向に実質的に連続したすじ
    状で分散して存在してなり、ポリアルキレンエー
    テル成分の該繊維中に占める割合が0.1〜1.5重量
    %であることを特徴とする制電性ポリエステル繊
    維。
JP14379083A 1983-08-08 1983-08-08 制電性ポリエステル繊維 Granted JPS6039413A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14379083A JPS6039413A (ja) 1983-08-08 1983-08-08 制電性ポリエステル繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14379083A JPS6039413A (ja) 1983-08-08 1983-08-08 制電性ポリエステル繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6039413A JPS6039413A (ja) 1985-03-01
JPH0260764B2 true JPH0260764B2 (ja) 1990-12-18

Family

ID=15347045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14379083A Granted JPS6039413A (ja) 1983-08-08 1983-08-08 制電性ポリエステル繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6039413A (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5262460A (en) * 1988-08-04 1993-11-16 Teijin Limited Aromatic polyester resin composition and fiber
TW200819569A (en) 2006-07-14 2008-05-01 Teijin Fibers Ltd Antistatic polyester false twist yarn, process for producing the same, and antistatic special composite false twist yarn including the antistatic polyester false twist yarn
EP2078771B1 (en) 2006-10-30 2010-12-08 Teijin Fibers Limited Antistatic core-sheath type ultrafine-denier false-twisted polyester yarn, process for production thereof, and antistatic water-repellent fabrics comprising the yarn
TW201040334A (en) 2008-11-27 2010-11-16 Teijin Fibers Ltd Antistatic ultrafine textured yarn having uv-blocking effect and method for producing the same
JP6362502B2 (ja) * 2014-09-30 2018-07-25 Kbセーレン株式会社 海島型複合繊維

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50107215A (ja) * 1974-02-06 1975-08-23
JPS50112513A (ja) * 1974-02-18 1975-09-04
JPS55158333A (en) * 1979-05-21 1980-12-09 Toray Ind Inc Ultrafine antistatic polyester composite fiber
JPS57176218A (en) * 1981-04-22 1982-10-29 Toray Ind Inc Polyester antistatic composite fiber

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50107215A (ja) * 1974-02-06 1975-08-23
JPS50112513A (ja) * 1974-02-18 1975-09-04
JPS55158333A (en) * 1979-05-21 1980-12-09 Toray Ind Inc Ultrafine antistatic polyester composite fiber
JPS57176218A (en) * 1981-04-22 1982-10-29 Toray Ind Inc Polyester antistatic composite fiber

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6039413A (ja) 1985-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4617235A (en) Antistatic synthetic fibers
EP0918812B1 (en) Wettable polymer fibers
JPH06502694A (ja) ポリアミド顔料分散系
EP1523590A1 (en) Fibers, tapes and films prepared from olefinic and segmented elastomers
JPH0941221A (ja) 快適性に優れた合成繊維
JP3144092B2 (ja) 吸湿性に優れた芯鞘型複合繊維
JPH0260764B2 (ja)
US3553288A (en) Polyamide-polyester composition of improved physical properties
JPS6052616A (ja) ポリアミドモノフイラメントおよびその製造方法
JPS6128016A (ja) 制電性ポリエステル系複合繊維
WO1997046748A1 (fr) Fil elastique en polyurethanne et son procede de fabrication
JPS6312185B2 (ja)
JPS59192718A (ja) 制電ポリエステル系複合繊維
JP4342055B2 (ja) ポリケトン繊維の製造方法およびポリケトン繊維
JPS62125014A (ja) 制電性ポリエステル系複合繊維
JPS59192719A (ja) 制電ポリエステル繊維
JP3784706B2 (ja) 多芯複合繊維
JP2989365B2 (ja) 芯鞘型ポリエステル複合繊維
JPH08113819A (ja) 制電性網状構造繊維及びその製造方法
JP2018071023A (ja) 原着捲縮糸およびカーペット
JPS61246246A (ja) 制電熱可塑性樹脂組成物
JPS61138720A (ja) ポリエステル系制電性複合繊維の製造方法
JP2002348447A (ja) 顔料含有樹脂組成物及びその繊維
JP3728498B2 (ja) 複合繊維
JPS6297919A (ja) 制電性ポリエステル系複合繊維の延伸方法