JPH026045Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 この考案は、エレベータの階床選択器のテープ
車の補修を行なう時に使用するテープ車の補修用
具に関するものである。

〔考案の背景〕

エレベータの機械室に設けられている階床選択
器に取り付けられるテープ車の軸受部は、エレベ
ータの長期間の使用により摩耗するので、一定期
間経過後には交換する必要がある。

第２図はエレベータの全体の構成を示すもの
で、昇降路１の上方に設けられる機械室６に巻き
上げ車４が設けられている。この巻上げ車４には
ロープ５が係装され、ロープ５の一端には重錘３
が固定され、他端にはかご２が固定される。

一方、機械室６には階床選択器７が設けられ、
この階床選択器７にはテープ車８が取り付けられ
ている。このテープ車８にはスチールテープ１０
が係装される。スチールテープ１０の一端は、テ
ープ張装置１１を介して、かご２の天井に固定さ
れる。テープ張装置１１は、図示していないがス
チールテープ１０をばね材を介してかご２の天井
に結合する。

スチールテープ１０の他端は、昇降路１の底部
に設けられた張り車９に係装され、さらにかご２
の床に固定されている。

このようにループ状に巻装されたスチールテー
プ１０により、機械室６内においてかご２の位置
が制御され、その位置が縮尺表示される。

階床選択器に取り付けられるテープ車８の軸受
部は、エレベータの長期間の使用により摩耗する
ので、一定期間経過後には交換する必要がある。

従来この軸受部の交換に際しては、機械室６で
スチールテープ１０が昇降路１内で落下しないよ
うに保持しながら、テープ張装置１１を分解し
て、その後にスチールテープ１０を機械室６まで
引き上げる。機械室６内でスチールテープ１０を
テープ車８から取りはずし、テープ車８の軸受部
を交換することが可能となる。

この従来の方式では、かご２と機械室６とに作
業員を配置し、これら作業員が互に連絡を取りな
がら作業を行なう必要がある。又テープ張装置１
１を分解する際にスチールテープ１０が昇降路１
内に落下するおそれがあり、作業が複雑で安全性
にも欠けるという難点がある。

なお、この種の技術に対しては例えば実公昭56
−10776号に、関連技術が開示されている。

〔考案の目的〕

この考案は、従来のテープ車の補修時における
作業上の難点を解決し、テープ車の補修作業を容
易に且つ安全に行なうことを可能にしたテープ車
の補修用具を提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

この考案のテープ車の補修用具が設けられるエ
レベータでは、機械室に階床選択器が設けられ、
この階床選択器にはテープ車が取り付けられてい
る。テープ車と昇降路底部に設けた張り車との間
には、スチールテープが張設されこのスチールテ
ープは昇降路内を移動するかごに結合され、スチ
ールテープによりかごの移動が階床選択器に伝達
されるように構成されている。

この考案のテープ車の補修用具は、階床選択器
に取付けられるテープ吊り金具と、テープ吊り金
具の係止部により懸吊支持される二個のターンバ
ツクルと、これらのターンバツクルに支持され、
スチールテープを挟持するテープ挟持部とで構成
される。

〔考案の実施例〕

以下、この考案のープ車の補修用具をその実施
例に基づき、図面を使用して詳細に説明する。

第１図はすでに第２図を用いて説明したエレベ
ータの機械室６内に配設される、この考案のテー
プ車の補修用具の要部の構成を示す図である。機
械室の床１６上に、階床選択器７が固定配設さ
れ、この階床選択器７に対してブラケツト１７に
より、テープ吊り金具１５が固定されている。

テープ吊り金具１５の両端には、リング状の係
止部１４が設けられ、これらの係止部１４にはそ
れぞれターンバツクル１３の一端が懸吊支持され
ている。ターンバツクル１３の他端には、それぞ
れ挟持部１２が連結されている。

これらの挟持部１２は、テープ車８に係装され
るスチールテープ１０をそれぞれ挟持している。

エレベータの運転期間が予め定められた期間を
経過し、テープ車８の軸受部が摩耗してその交換
が必要な場合には、ターンバツクル１３を少しづ
つ緊張させて行く。然る時には、テープ張装置１
１のばね材が伸びてスチールテープ１０が吊り上
げられ、テープ車８がスチールテープ１０から係
合が解除される。

従つてこの状態で機械室６内において、テープ
車８の軸受部を簡単な作業で且つ安全に交換する
ことが出来る。

このようにしてテープ車８の補修完了後は、タ
ーンバツクル１３を少しづつ伸ばして行き、スチ
ールテープ１０がテープ車８に係装されるように
する。

作業終了後は、挟持部１２をスチールテープ１
０から取りはずし、テープ吊り金具１５を階床選
択器７から取りはずし、この考案のテープ車の補
修用具を構成するテープ吊り金具１５、ターンバ
ツクル１３、テープ挟持部１２は、機械室６内に
分解した状態で保管される。

この考案のテープ車の補修用具を使用すると、
テープ車８の補修時にテープ張装置１１を分解す
る必要がなく、機械室６内で一人の作業員で簡単
にテープ車８の軸受部を交換する補修作業を行な
うことが出来る。テープ張装置１１を分解しない
ので、スチールテープ１０の昇降路１内への落下
の危険は全くない。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明したように、この考案によると
テープ車の軸受部の交換を行なうテープ車の補修
作業を、機械室内で簡単な作業で且つ安全に行な
うことが可能な、テープ車の補修用具を提供する
ことが出来来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案のテープ車の補修用具の実
施例の構成を示す正面図、第２図は、昇降路内で
のエレベータの全体の構成を示す図である。 １……昇降路、２……かご、３……重錘、４…
…巻上げ車、５……ロープ、６……機械室、７…
…階床選択器、８……テープ車、９……張り車、
１０……スチールテープ、１１……テープ張装
置、１２……挟持部、１３……ターンバツクル、
１４……係止部、１５……テープ吊り金具、１６
……床。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エレベータの機械室に階床選択器が設けられ、
   この階床選択器にテープ車が取り付けられ、この
   テープ車と昇降路底部に設けた張り車との間にス
   チールテープが張設され、このスチールテープは
   前記昇降路内を移動するかごに結合され、前記ス
   チールテープにより前記かごの移動が前記階床選
   択器に伝達されるエレベータに設けられ、前記テ
   ープ車の補修時に前記スチールテープと前記テー
   プ車との係合を解除するテープ車の補修用具にお
   いて、前記階床選択器に取付けられるテープ吊り
   金具と、このテープ吊り金具の係止部により懸吊
   支持される二個のターンバツクルと、これらのタ
   ーンバツクルに支持され、前記スチールテープを
   挟持するテープ挟持部とを有することを特徴とす
   るテープ車の補修用具。