JPH0643361Y2 - 吊り上げ用治具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建設現場等において型枠、その他の建設資材
を下階層より吊り上げるのに使用する吊り上げ治具に関
するものである。

（従来の技術及び考案が解決しようとする課題） 従来より建設現場等において型枠、あるいはその他の建
設資材を吊り上げる手段としてクレーン、リフト等のよ
うな資材を運搬する専用装置が設置利用されている。こ
れら装置は資材を大量に運搬するのに効果のあるもので
あるが、あらかじめ建設現場において設置場所を決めて
おく必要があった。しかし、吊り上げ場所が常に変化
し、かつその吊り上げ量も少量である場合には、上記ク
レーンやリフト等は極めて不便なものとなる。

そこで本考案は吊り上げ手段として、常に移動が簡単に
でき、かつその吊り上げ手段の固定が離れた場所より強
固にかつ確実に行われ、さらにその固定の解除も遠隔操
作により容易に行なえるものを提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 上記の問題点を解決するため、本考案者は種々研究の
末、一側端側に被嵌合物と噛合するための開口部が形成
されたクランプ、そのクランプの下端部の基部に吊り下
げられた滑車と紐状部材等より成る吊り上げ手段、該ク
ランプの他側端に固定された補強鋼板、その補強鋼板の
下端部に装着されたクランプを所定箇所に固定するため
の長尺棒状体、及び上記補強鋼板を介してクランプの固
定を下方より遠隔操作することの出来る取り外し手段と
より成ることを特徴とする吊り上げ用治具を開発した。

（実施例） 本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図面に示したものは、梁型枠を吊り上げる時に使用した
実施例を示している。

１は本考案実施例の吊り上げ用治具で、該吊り上げ用治
具１は、上部梁のフランジ等に係止することのできるク
ランプ２、そのクランプ２の下端部の基部３に吊り下げ
られた滑車４を含む吊り上げ手段、該クランプ２の一側
端に固定された補強鋼板５、その補強鋼板５の下端部に
固定された長尺棒状体６、及び上記補強鋼板５を介して
クランプ２の固定解除を下方より行うことのできる取り
外し手段７とより構成されている。

上記クランプ２としてはレンフロクランプ等の噛合が強
固に行なわれるものが挙げられ、その一側端側が開口さ
れている。その開口部８を梁のフランジ９等の水平部材
に挿入することにより強固に噛み合い固定される。

そして、その基部３を介して滑車４が吊り下げられる吊
り下げ部材10が装着されている。この吊り下げ部材10の
先端部には滑車４の取り付け、取り外しが容易となるよ
うにリング11が形成されている。なお、リング11には滑
車吊り下げ具12が係着自在に取り付けられている。

滑車吊り下げ具12の他端側には滑車４が回動自在に固定
されており、滑車４にはロープ、チェーン等の紐状部材
13が嵌合される。そして、その紐状部材13の一端に型枠
等の建設用資材を固定し、他端側を牽引することにより
建設用資材を所定高さまで持ち上げることが可能とな
る。

クランプ２の開口部８の他側端には、補強鋼板５が溶接
等の手段によって固定され、その補強鋼板５の下端部に
は長尺棒状体６が固定される。

上記補強鋼板５と長尺棒状体６との連結は、その長尺棒
状体６が単管等のものであれば単管クランプを使用して
行われる。その際単管クランプの他端側は補強鋼板５に
溶接等によって固定される。

また、単管のみでは長尺棒状体６が重すぎて取り扱いが
不便となる場合は、単管に短くし、それに軽くて強度の
ある細い棒状体を連結してもよい。

上記補強鋼板５は略コ字型形状をし、その底部側が上記
したようにクランプ２に固定されるが、その両側片間に
は軸体14が掛け渡され、該軸体14にはレバー15が回動自
在に装着されている。

レバー15の一端側には紐16が取り付けられ、その他端側
にはクランプ２の噛み合わせを解除する連結杆17が取り
付けられている。

（作用） 本考案の吊り上げ用治具の使用方法を、梁型枠を吊り上
げる時を例にとって説明する。

まず、第３図の図示のごとく、作業階18上において、梁
型枠19を所定形状に組み立てる。

次に、先行して組み立てられている上方の鉄骨梁等のフ
ランジ９に本考案の吊り上げ用治具１を下方より長尺棒
状体６を使用してクランプ２の噛合開口部８を嵌合させ
る。

さらに、クランプ２に吊り下げ装着されている滑車４に
嵌合されている紐状部材13の先端部を、上記組み立てら
れた梁型枠19に取り付ける。

その後、紐状部材13の他端部を下方から牽引することに
より梁を被覆する位置まで梁型枠を吊り上げる。そこで
梁型枠19を固定する。

梁型枠19の固定が終了した後、紐16を引き下げることに
より、連結杆17を作動させ、クランプ２の噛み合わせを
解除させる。

（考案の効果） 以上に説明したとおり、本考案の吊り上げ用治具は、極
めて簡単にかつ確実に所定箇所に固定することができ
る。

その固定も下方の離れた所より確実、かつ安定に行える
のでその都度固定場所まで行く必要がなく、また、固定
状態の解除も同様に下方の離れた所より行なうことがで
きるので、本考案の治具の固定場所への移動が自由にか
つ迅速に行える。

本考案の吊り上げ用治具を使用すれば、例えば枠組足場
の組み立が不要となり、かつ梁型枠をスラブ上で先行し
て組み立てることができるので施工速度が向上し、また
梁型枠の施工精度も高くなる。そして、足場材損料、足
場の組み立て、その解体、及びそれらの運搬費等を省く
ことができるので従来法の1/30〜1/40の費用で済む。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の吊り上げ用治具の側面図、第２
図は同斜視図、第３図は同治具を使用している状態を示
す概略説明図である。 図中 1:吊り上げ用治具,2:クランプ,3:基部， 4:滑車,5:補強鋼板， 6:長尺棒状体,7:取り外し手段， 8:開口部,9:フランジ， 10:吊り下げ部材,11:リング， 12:滑車吊り下げ具,13:紐状部材， 14:軸体,15:レバー， 16:紐,17:連結杆， 18:作業階,19:梁型枠

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一側端側に被嵌合物と噛合するための開口
   部８が形成されたクランプ２、そのクランプ２の下端部
   の基部３に吊り下げられた滑車４と紐状部材13等より成
   る吊り上げ手段、該クランプ２の他側端に固定された補
   強鋼板５、その補強鋼板５の下端部に装着されたクラン
   プ２を所定箇所に固定するための長尺棒状体６、及び上
   記補強鋼板５を介してクランプ２の固定を下方より遠隔
   操作することの出来る取り外し手段７とより成ることを
   特徴とする吊り上げ用治具。