JPH0256726B2 - - Google Patents

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JPH0256726B2
JPH0256726B2 JP4129784A JP4129784A JPH0256726B2 JP H0256726 B2 JPH0256726 B2 JP H0256726B2 JP 4129784 A JP4129784 A JP 4129784A JP 4129784 A JP4129784 A JP 4129784A JP H0256726 B2 JPH0256726 B2 JP H0256726B2
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JP
Japan
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silicone
based graft
polymer
film
graft polymer
Prior art date
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Expired
Application number
JP4129784A
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English (en)
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JPS60187922A (ja
Inventor
Toshuki Sugano
Hitoshi Watanabe
Yasutaro Yasuda
Shiro Kojima
Hiroyuki Kato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Olympus Corp
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Olympus Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd, Olympus Corp filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP4129784A priority Critical patent/JPS60187922A/ja
Priority to US06/707,046 priority patent/US4759991A/en
Priority to DE19853507987 priority patent/DE3507987A1/de
Publication of JPS60187922A publication Critical patent/JPS60187922A/ja
Publication of JPH0256726B2 publication Critical patent/JPH0256726B2/ja
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  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は基体上に真空蒸着、イオンプレーテイ
ング、スパツタリング又はメツキ法等により設け
た強磁性金属薄膜上及び又は基体の裏面上に潤滑
被覆層を形成させてなる表面改質された磁気記録
媒体に関するものである。 その目的とするところは記録媒体として強磁性
金属薄膜を使用する磁気記録媒体の走行安定性、
耐久性および耐食性を改善する事にある。近年、
強磁性金属粉末をバインダーとともに基体上に塗
布乾燥してつくられた磁気記録媒体に代つて、更
に高密度の磁気記録性に優れている強磁性金属薄
膜の磁性層と基体上に蒸着、スパツタリング等に
よつて被着形成した磁気記録媒体が、オーデイオ
録音、ビデオ録画および8m/mビデオ録画用テ
ープをはじめ、垂直磁気記録、光磁気デイスク等
の記録メモリー等として特に注目されて来てい
る。 しかし、この金属磁性層は空気中の酸素、水分
等によつて腐食し易く、また磁気ヘツド、ドラム
およびポスト等との接触走行により摩耗し易い。
そこで該テーブの表面に対し電磁変換特性を低下
させることなく、耐食性、耐摩耗性を向上させる
と共に、低摩擦性で薄く均一な厚さを有しかつ強
固な密着力と平面性を付与することが可能な、潤
滑性表面処理剤と処理方法について多くの研究開
発がなされている。 従来提案されている方法のひとつとして、金属
薄膜表面との吸着等を利用して、潤滑剤(高級脂
脂酸及びその塩類、脂肪酸アマイドおよびフツ素
系界面活性剤等)、ワツクス、およびシリコーン
系オイル、フツ素系オイル等の処理剤を塗布する
方法も提案されているが、この方法では、磁気ヘ
ツド等に対する摩擦性を減じ、一時的に耐久性を
向上させるが、使用に伴い処理剤が揮発したり、
けずり取られたりして、その効果を長く持続させ
ることは困難である。 又磁性体自体の合金化により高硬度にしたり、
他金属膜やケイ素化合物等の無機化合物の膜を蒸
着やスパツタリング等の方法により形成させ、高
硬度で耐食性を有する被膜を得る方法が提案され
ているが、この方法は、耐食性および耐摩耗性等
の改善に効果はあるけれど、密着力は往々にして
不十分であり、一方高硬度のため急速に記録媒体
およびトランシユーサーの破壊を生ずる等の問題
とともに、複雑な処理を必要とし、コスト的に高
価となり、満足のいく結果は得られていない。 別の方法として磁性層の表面又は基体の裏面
を、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フツ素樹脂、
エポキシ樹脂および放射線、紫外線硬化型樹脂等
の高分子物質で被覆する事が多く提案されてい
る。これは低摩耗性、耐食性および耐久性等にお
いて、一時的に効果があるが、スペーシングロス
と称する電磁変換特性の低下をもたらすことを考
慮すれば、高分子物質被膜はたかだか500Å、望
ましくは200Å程度の膜厚で均一平滑な平面性を
有しなければいけない。ところがかかる膜厚では
完全に水分の浸入を防止する事は困難であり、耐
摩耗性、耐薬品性の点で難点がある。また公知の
高分子物質の塗布による表面処理では出力変動の
少ない均一な薄膜を形成することは困難である。 又基体裏面についても、テープ鳴き、走行安定
性および耐久性を向上させる為に耐摩耗性、潤滑
性の付与が強く要求され、非磁性体金属、Al,
Cu,Ag等の金属層を形成させたり、滑剤を含有
した高分子層を形成させたりして、バツクコート
層を施すことが提案されている。 しかしいずれにしても、従来技術によれば強磁
性金属薄膜の保護層として又、基体の裏面処理剤
として未だ満足なるものは得られていない。 本発明者らは従来より提案された公知の方法の
欠点を克服すべく鋭意研究した結果、本発明に到
達したものである。 本発明の目的は上述の従来技術の諸欠点を解消
し、基体上に真空蒸着、イオンプレーテイング、
スパツタリング又はメツキ法等により設けた強磁
性金属薄膜の磁性層表面及び又は基体の裏面上
に、電磁変換特性を低下させることなく、低摩擦
性で耐摩耗性および耐食性に優れた均一な保護膜
を設けてなる磁気記録媒体を提供せんとするもの
である。 本発明に係る磁気記録媒体の一例は、ポリエチ
レンテレフタレートフイルム(以下PETフイル
ムとする。)ポリイミドフイルム又はポリアミド
フイルム等、或いはポリカーボネート板、アクリ
ル樹脂板又はガラス板等の基体上に、真空蒸着、
イオンプレーテイング、スパツタリング又はメツ
キ法等により、Fe,Co,Ni,Cr,Ga,Ge等を
はじめとした磁性を有した金属等又はこれらを主
成分とする合金の強磁性金属薄膜を磁性層として
設けた後、その表面又は基体の裏面に、シリコー
ン系グラフトポリマー単独で若しくは他の表面処
理剤と併用して保護膜を設けてなるものである。 本発明においては、磁性層を設けた後、所要に
応じて該磁性層の耐久性および密着性を向上させ
るため、磁性層表面上又は基体の裏面に、高分子
化合物、無機化合物(SiO2等)等の形成および
磁性体自体の合金化等の下地処理を施して下地層
を形成させ、ついで潤滑被覆層を形成させてもよ
い。 本発明によれば、磁性層表面に耐摩耗性、潤滑
性、磁性層の耐食性、磁性層との密着性に優れた
トツプコート層を形成でき、又基体裏面には耐摩
耗性、潤滑性、基体との密着性に優れたバツクコ
ート層を形成できる。このようにして形成した保
護膜は磁性層に悪影響を及ぼさず、電磁変換特性
を低下させることがなく、低摩擦性で耐食性およ
び耐摩耗性等が優れているので、走行安定性およ
び耐久性に優れた磁気記録媒体が提供される。 本発明に用いられるシリコーン系グラフトポリ
マーは、マクロモノマー法によつて製造されたも
のが好適である。 マクロモノマー法による製法としては、次のよ
うな各種の製法があり、それらのいずれによるも
のも使用できる。 製法の一例は、下記一般式(A)で示される環状シ
ロキサンをアニオン重合してなるリビングポリマ
ーと下記一般式(B)で示されるラジカル重合性シリ
コーン化合物との反応生成物であるラジカル重合
性直鎖シリコーン高分子モノマー(シリコーンマ
クロモノマーと称する)をラジカル重合性モノマ
ーとラジカル重合させることにより、シリコーン
系グラフトポリマーを得る方法である(特願昭58
−1120号)。 ただし、Rはメチル基、エチル基又はフエニル
基であり、Pは3又は4である。 ただし、R2は水素又はメチル基、mは0又は
1、R2,R4はメチル基、エチル基又はフエニル
基、nは1〜3の整数であり、lはm=0の場合
0〜2の整数、m=1の場合2である。 上記環状シロキサンのアニオン重合は常法に従
つて行なえばよく、公知のアニオン重合開始剤を
用い、塊状重合法又は溶液重合法により容易に行
うことができる。 一般式(A)で示される環状シロキサンの例として
は、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン、ヘキサエチルシ
クロトリシロキサン、オクタエチルシクロテトラ
シロキサン、ヘキサフエニルシクロトリシロキサ
ン、オクタフエニルシクロテトラシロキサンがあ
げられるが、このうちヘキサメチルシクロトリシ
ロキサン及びオクタメチルシクロテトラシロキサ
ンがコスト、アニオン重合の容易さの点で特に好
ましい。アニオン重合開始剤としては、有機リチ
ウム化合物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金
属アルコキシド、アルカリ金属シラノレート等の
公知のものがあげられるが、これらのうち有機リ
チウム化合物が特に好ましい。アニオン重合によ
り得られるリビングポリマーの分子量はシリコー
ンマクロモノマーの分子量を支配するものであ
り、環状シロキサンと開始剤のモル比により調節
され、開始剤/環状シロキサンのモル比は0.01〜
0.2が好ましい。0.01未満ではシリコーンマクロ
モノマーが極めて高分量(2万以上)となり、
0.2を越えるとシリコーンマクロモノマーが極め
て低分子量(1000以下)となりやすい。シリコー
ンマクロモノマーの分子量としては、1000〜
20000が好ましい。該分子量が1000未満ではシリ
コーンの効果即ち撥水、撥油性、低摩擦性が低下
し、20000を越えると得られるシリコーン系グラ
フト共重合体がオイル状となりやすく、精製がむ
ずかしくなる。 シリコーンマクロモノマーは、上記のようにし
て得られたリビングポリマーと一般式(B)で示され
るラジカル重合性シリコーン化合物を反応(リビ
ング重合停止反応)することにより得ることがで
きる。該反応は両者を混合することにより容易に
行なわれる。 一般式(B)で示されるラジカル重合性シリコーン
化合物は、公知の方法により容易に得ることがで
き、例えば (R2,l,m,R3は前記に同じ)は、 (R2,l,mは前記に同じ) なる不飽和(メタ)アクリレートと HSi(R33-oClo(R3,nは前記に同じ) とのヒドロシリル化反応により得ることができ
る。該ラジカル重合性シリコーン化合物の使用量
は、リビング重合開始剤1当量(1モル)に対し
一般式(B)のSi−Clが1〜5倍当量となる量が好ま
しい。 シリコーン系グラフトポリマーは、上記のよう
にして得られたシリコーンマクロモノマーをラジ
カル重合性モノマーと常法によつて共重合するこ
とにより容易に得られる。 シリコーン系グラフトポリマーの他の製法の例
は、下記一般式(A)′で示されるシリコーンとその
1モル当り下記一般式(B)′で示されるアクリル化
合物0.25〜1モルとの縮合反応生成物であるアク
リル変性シリコーン(シリコーンマクロモノマー
と称する)を、ラジカル重合性モノマーとラジカ
ル共重合させる製法である(特開昭58−154766号
公報)。
【式】(R1およびR2は炭素数1〜 10の一価の脂肪族炭化水素基、フエニル基又は一
価のハロゲン化炭化水素基。nは1以上の正数。) (R3は水素原子、又はメチル基。R4はメチル基、
エチル基又はフエニル基。Xは塩素原子、メトキ
シ基又はエトキシ基。) この製法の詳細は、上記公開特許公報に記載さ
れているとおりであつて、一般式(A)′で示される
シリコーンとしては各種のものを容易に入手で
き、それらの中から目的に合つたものを使用すれ
ばよいが、R1,R2がメチル基のシリコーンが特
に好ましい。一般式(A)′におけるnはシリコーン
の分子量を決める因子であり、このnは1〜500
が好ましく、10〜300がさらに好ましい。nが1
未満ではシリコーンの効果即ち撥水、撥油性、低
摩擦性が得られず、nが500を越えると得られる
シリコーングラフト共重合体がオイル状となつて
精製がむつかしくなる。 一般式(B)′で示されるアクリル化合物としては、
例えばγ−メタクリルオキシプロピルメチルジク
ロロシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルフエニルジクロロシラン、γ−メタクリルオ
キシプロピルエチルジクロロシラン、γ−アクリ
ルオキシプロピルメチルジクロロシラン等があげ
られる。これらのアクリル化合物は公知であり、
ケイ素化合物と脂肪族性多重結合を有する化合物
を塩化白金酸の存在下で反応させることにより容
易に得られる。 一般式(A)′で示されるシリコーンと一般式(B)′で
示されるアクリル化合物の反応は常法により円滑
に進行しシリコーンマクロモノマー法が得られ
る。即ち、アクリル化合物のXが塩素原子の場合
は脱塩酸反応、Xがメトキシ基又はエトキシ基の
場合は脱アルコール縮合反応が進行する。 シリコーンとアクリル化合物の反応割合は、シ
リコーン1モルに対し、アクリル化合物0.25〜1
モルである。0.25モル未満ではシリコーン系グラ
フトポリマー製造の際未反応シリコーンが多量残
ることになり、1モルを越えるとシリコーン系グ
ラフトポリマー製造の際ゲル化が生じやすくな
る。 シリコーン系グラフトポリマーは、上記のよう
にして得られたシリコーンマクロモノマーをラジ
カル重合性モノマーと常法により共重合すること
により得られる。 さらに本発明で好適に使用されるシリコーン系
グラフトポリマーの製法としては、特開昭58−
154766号に開示されている方法の一つの原料であ
る一般式(B)′で示されるアクリル化合物の代りに、
下記一般式(B)″で示されるアクリル化合物を用い、
その他の原料化合物、反応条件などは特開昭58−
154766号開示の方法と同様にしてシリコーンマク
ロモノマーを合成し、これをラジカル重合性モノ
マーとラジカル重合させる方法がある(特願昭57
−129075号)。 (上記一般式においてnは1又は3の整数であ
り、その他のR3,R4及びXの意味は、前記一般
式(B)′におけるものと同じである。) 上記の特開昭58−154766号あるいは特願昭57−
129075号で提案されている製法による生成物は、
シリコーン系グラフトポリマーを主成分とし、そ
の他に未反応の原料シリコーン及び副生する交叉
結合した架橋ポリマーを従成分として含有してい
るが、該生成物はそのままシリコーン系グラフト
ポリマーとして、本発明において有用に使用する
ことができる。上記各製法において、シリコーン
マクロモノマーとラジカル共重合すべきラジカル
重合性モノマーとしては、オレフイン系化合物の
例として、エチレン、プロピレンなどの低分子量
直鎖状不飽和炭化水素、塩化ビニル及びフツ化ビ
ニルの如きハロゲン化ビニル、酢酸ビニルの如き
有機酸のビニルエステル、スチレン、スチレン置
換体並びにビニルピリジン及びビニルナフタレン
の如きその他のビニル芳香族化合物、アクリル
酸、メタクリル酸、並びにそれらのエステル、ア
ミドを含むアクリル酸、メタクリル酸の誘導体、
アクロレイン、アクリロニトリル、N−ビニルピ
ロリドン及びN−ビニルカプロラクタムの如きN
−ビニル化合物、ビニルトリエトキシシランの如
きビニルケイ素化合物、γ−メタクリルオキシプ
ロピルトリメトキシシランの如きアクリルケイ素
化合物等があげられる。ジ置換エチレンも使用で
き、その例としてフツ化ビニリデン、塩化ビニリ
デン等をあげることができる。又無水マレイン
酸、マレイン酸及びフマル酸のエステル等もあげ
る事ができる。ラジカル重合性モノマーは単独又
は2種以上のモノマーを組み合わせて使用するこ
とができる。これらのラジカル重合性モノマーを
多元共重合して得られたシリコーン系グラフトポ
リマーは一般に成膜性に優れており、単独使用が
可能になる。 このラジカル重合性モノマーとラジカル重合性
シリコーンとのラジカル共重合割合は、両モノマ
ーの合計量100重量部に対してラジカル重合性シ
リコーンが2〜90重量部が好ましく10〜40重量部
がさらに好ましい。2重量部未満では、十分な低
摩擦性、耐摩耗性、耐食性等が得られにくく、90
重量部を越えると溶剤への溶解性が悪くなる傾向
があり、シリコーンによる改質効果も向上しなく
なる。 この両者のラジカル共重合の方法は従来公知の
方法を使用でき、例えば放射線照射法、ラジカル
重合開始剤を用いる法等使用できるが、ラジカル
重合開始剤を用いる方法が重合操作の容易さ、生
成するシリコーン系グラフト共重合体の分子量調
節の容易さの点で好ましく、具体的に溶媒を用い
る溶液重合法、バルク重合法、エマルジヨン重合
法等いずれの方法も行なうことができる。重合性
のシリコーンオリゴマーを用いて得られたシリコ
ーン系グラフトポリマーは、主として幹がラジカ
ル重合性モノマーの重合体で枝がシリコーンとみ
なすことができる。 上記によつて得られたシリコーン系グラフトポ
リマーは、単独でも所期の優れた性能を具備して
いるが、シリコーン系グラフトポリマーを、詳細
は後述する表面処理剤に添加溶解し、このシリコ
ーン系グラフトポリマーを含む表面処理剤を磁性
層の表面及び又は基体の裏面に塗布しても、優れ
た結果をもつて所期の目的を達成できる。何故な
らば、本発明に使用されるシリコーン系グラフト
ポリマーは表面移行能力に極めて優れているた
め、該シリコーン系グラフトポリマーを表面処理
剤に添加し、通常の環境即ち空気中あるいは不活
性ガス例えば窒素中で成膜すれば、塗膜表面に該
シリコーン系グラフトポリマーが移行濃縮し、塗
膜表面を容易に改質できるからである。 シリコーン系グラフトポリマーを単独で使用す
る場合には、成膜性に優れる物がより好ましく、
又磁性層と親和性のある成分例えばアクリル酸及
び又はメタクリル酸(以下(メタ)アクリル酸と
称する)のアルキルエステルのポリマー、ヒドロ
キシル基、カルボキシル基等の官能基をもつよう
なシリコーン系グラフトポリマーが好ましい。こ
のようなシリコーン系グラフトポリマーは、例え
ばラジカル重合性シリコーンと上記磁性層又は基
体と親和性のある化学構造を有するモノマー例え
ば(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリル酸などとの共重合により容易に得ることが
できる。 シリコーン系グラフトポリマーを溶解した表面
処理剤をトツプコートあるいはバツクコートに用
いる場合、使用できる表面処理剤としては、シリ
コーン系グラフトポリマーを溶解する表面処理剤
であれば、いずれの表面処理剤でも使用できる。
表面処理剤はポリマーまたはポリマーと溶剤とで
構成される。ポリマーとしては、例えばα,β−
エチレン性不飽和単量体、α,β−エチレン性不
飽和カルボン酸およびこれらの誘導体の多元重合
体、重縮合反応による重合体、重付加反応による
重合体等のごときポリマーそれ自体を使用できる
他、ラジカル重合性成分からなる硬化性組成物等
をポリマー前駆物質として用いる事もできる。ポ
リマーの具体例を示せばα,β−エチレン不飽和
単量体としてはスチレン、アクリロニトリル、塩
化ビニル等があげられ、α,β−エチレン性不飽
和カルボン酸として(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸等の一価及び二価のカルボン酸があげられ
る。又α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の誘
導体としては(メタ)アクリル酸のアルキルエス
テル例えばエチル、ブチル、2−エチルヘキシル
等のエステルであり、又アクリル酸又はメタクリ
ル酸のヒドロキシアルキルエステルとしては(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、ヒド
ロキシプロピルエステル等をあげることができ
る。これらの単量体を組み合わせて重合すること
により得られる常乾型ラツカーあるいは焼付型ク
リヤーエナメルが表面処理剤の例として挙げられ
る。 上記重縮合反応による重合体としては通常の重
縮合反応により得られる線状ポリエステル樹脂、
アルキツド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂
等を挙げることができる。 また重付加反応による重合体としては通常の重
付加反応により得られるポリウレタン樹脂、ポリ
尿素樹脂等を挙げることができる。その他シリコ
ーン樹脂およびフツ素樹脂コーテイング剤も挙げ
ることができる。 またエチルセルローズ、ブチルセルローズ、ニ
トロセルローズ等のセルローズ誘導体等をこれら
ポリマーと併用する事もできる。ポリマー前駆物
質としてのラジカル重合性成分からなる硬化性組
成物を用いる場合は、ラジカル重合開始剤を用い
て加熱重合硬化する方法、ラジカル重合開始剤と
重合硬化促進剤を併用し、常温付近でレドツクス
重合硬化する方法や、光重合開始剤を用いた紫外
線硬化又は重合開始剤を用いても、用いなくても
よい電子線硬化等の種々の硬化手段があり、かか
る手段によつて重合硬化する組成物であればいず
れも使用できる。ラジカル重合性成分としては、
具体的には(メタ)アクリル酸エステル単量体、
不飽和ポリエステル、ポリエステル(メタ)アク
リレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポ
キシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)
アクリレートおよびチオール/エン系ポリマー等
を挙げる事ができる。 このシリコーン系グラフトポリマーの表面処理
剤への添加量は表面処理剤のポリマー又はラジカ
ル重合性成分に対して0.01重量%以上が好まし
い。添加量が001重量%未満では塗膜表面に所期
の目的の効果を充分発揮できない。 これら表面処理剤は有機溶剤に溶解して用いて
も、又有機溶剤に溶解しなくても用いることはで
きるが、一般には有機溶剤型表面処理剤として用
いた方が好ましい。それは、シリコーン系グラフ
トポリマーの溶解性を高め、シリコーン系グラフ
トポリマーの被膜表面への移行性を高め、本発明
の一つの目的である電磁変換特性に悪影響を与え
ない薄膜を形成させる事ができるとともに、粘度
低下による均一な平滑面を得ることができるから
である。使用可能な溶剤としてはトルエン、キシ
レン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤や酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤あるいは
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ等があり、これらの各種溶剤の一種又は二
種以上が好まし用いられる。又処理剤を塗布する
際の手段によつては帯電防止剤、体質顔料、ワツ
クスおよびレベリング剤等の添加剤を添加しても
よい。 上述したシリコーン系グラフトポリマー単独又
は上記各種処理剤とを併用してなる潤滑特性を有
した処理剤を、各種プラスチツクおよびガラス等
の基体上に真空蒸着、イオンプレーテイング、ス
パツタリングおよびメツキ法等によつて設けられ
た強磁性金属薄膜からなる、テープ、垂直磁気記
録及び光磁気デイスク等の各種記録媒体の表面又
は基体の裏面に塗布するが、この方法は記録媒体
の形状によつて異なり、公知の方法即ちグラビヤ
コート、グラビヤオフセツトコート、スリートリ
バースコート、スプレーコート、スピンナーコー
ト、デイツピングコートおよびカーテンフローコ
ート等の方法により表面に塗布、乾燥し、しかる
後用いる処理剤に応じて又所望によりイソシアネ
ート系樹脂により架橋したり、ラジカル重合性組
成物を用いた場合は、熱、紫外線あるいは電子線
により重合硬化し強固な塗膜とすれば、磁性層の
表面及び又は基体の裏面に数+Å以上の平滑な膜
で所期の目的に合つた被覆層を形成させる事がで
き、今までに得られなかつた優れた効果が発現で
きるのである。 次に本発明を参考例、実施例及び比較例をもつ
てさらに具体的に説明するが、多くの実験の中の
一部を挙げたのみで、これに限定されるべきもの
ではない。なお各例における部は重量部を、%は
重量%を意味する。 参考例 1 フラスコにカリウム金属0.5g(0.0128mol)とn
−ヘキサン約5mlを入れ、乾燥窒素気流下、氷浴
中でメタノール10mlを30分かけて滴下した。更に
30分撹拌した後、過剰メタノール及びn−ヘキサ
ンを減圧留去した。続いて、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン40g(0.135mol)及びモリキユ
ラーシーブで十分脱水したテトラヒドロフラン
40gを加え、4時間加熱環流させた。 カリウム塩/オクタメチルシクロテトラシロキサン=
0.095 (モル比)であつた。 反応液温度が室温まで下がつた後、γ−メタク
リルオキシプロピルジメチルクロロシランの10%
テトラヒドロフラン溶液31g(γ−メタクリルオ
キシプロピルジメチルクロルシラン0.0141mol)
を徐々に滴下し、滴下終了後、更に室温で30分撹
拌した。 γ−メタクリルオキシプロピルジメチルクロルシラン
のSi−Cl/カリウム塩=1.10(当量比) であつた。生成した塩化カリウムの沈澱をろ別し
た後、ろ液を1のメタノール中へ注ぎシリコー
ンマクロモノマーを沈澱させた。デカンテーシヨ
ンし、乾燥すると無色透明オイル状のシリコーン
マクロモノマーが26.0g得られた。 該シリコーンマクロモノマーはゲル浸透クロマ
トグラフイー(以下GPCと略称する)によるポ
リスチレン換算数平均分子量が8.900のものであ
つた。 次に得られたシリコーンマクロモノマーとメチ
ルメタクリレート(以下MMAと称する)を共重
合した共重合は該シリコーンマクロモノマー50
部、MMA50部、AIBN1.0部、トルエン300部を
コンデンサー、撹拌機を備えたフラスコに入れ窒
素ふん囲気中80℃の温度で24時間反応させた。 反応後減圧蒸留でトルエンと未反応MMAを除
去すると白色固体状反応生成物が得られた。 次に該反応生成物からn−ヘキサンで未反応シ
リコーンマクロモノマーを抽出し、減圧乾燥する
と白色粉末状のシリコーン系グラフト共重合体82
部が得られた。このシリコーン系グラフト共重合
体はトルエン、キシレン、シンナーに溶解可能で
あつた。 又、分析の結果このシリコーン系グラフト共重
合体中に含まれるシリコーン量(ジメチルポリシ
ロキサンとして)35%であり、GPCによるポリ
スチレン換算数平均分子量は32000であつた。 尚、シリコーンの分析は白金ルツボにシリコー
ン系グラフト共重合体約0.2gを精秤し、濃硫酸約
3mlを加え電気炉に入れ700℃で2時間加熱しシ
リコーンをSiO2として求めた。 参考例 2 撹拌機、温度計、コンデンサー、N2導入管を
備えた4ツ口フラスコにα,ω−ジヒドロキシポ
リジメチルシロキサン〔
【式】のnが 平均30〕336g(0.15モル)、γ−メタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン12.4g(0.05モル)、
酢酸カリウム3.5gを仕込みN2下150℃の温度で20
時間反応させた。冷却後該反応物をトルエン
1360gに注ぎ、酢酸カリウムを沈澱させ、濾過に
より酢酸カリウムを除去した。 かくして得られたアクリル変性シリコーン20%
トルエン溶液1000部あたり、400部、エチルアク
リレート(以下EAと略称する)400部、AIBN10
部、トルエン1530部を加え、均一溶液となしN2
下75℃の温度で7時間反応し、シリコーン系グラ
フト共重合体33%トルエン溶液を得た。該シリコ
ーン系グラフト共重合体中のシリコーン量(ジメ
チルポリシロキサンとして)は20%であつた。 参考例 3 シリコーンとしてα,ω−ジヒドロキシジメチ
ルポリシロキサン〔
【式】のnが平均 30〕を用い、その220g(0.1モル)とピリジン
9.49g(0.12モル)をジエチルエーテル400mlに溶
解した溶液に、γ−メタクルオキシプロピルジメ
チルクロロシラン22.06g(0.1モル)の10%ジエチ
ルエーテル溶液を室温で20分間かけて徐々に滴下
した。 反応は直ちに進行しピリジン塩酸塩の白色結晶
が沈澱した。滴下終了後、室温にて更に1時間撹
拌し、ピリジン塩酸塩の結晶をろ過により除去し
た。 次にこのろ液を分液ロートに入れ、更に水500
mlを入れてよく振とうし水洗を行なつた。水洗後
分液ロートを静置し上層のエーテル層と下層の水
層を分離し、得られたエーテル層に無水芒硝を入
れ、室温で1晩放置し脱水した。その後濾過によ
り無水芒硝を除去し、得られた濾液を減圧蒸留し
てエーテルを除くと無色透明のアクリル変性シリ
コーン205gが得られた。 次に得られたアクリル変性シリコーンとMMA
を共重合した。共重合は該アクリル変性シリコー
ン50部、MMA50部、AIBN10部、トルエン300
部をコンデンサー、撹拌機を備えたフラスコに入
れ窒素ふん囲気中80℃の温度で24時間反応してシ
リコーン系グラフトポリマーが得られた。該シリ
コーン系グラフト共重合体中のシリコーン量(ジ
メチルポリシロキサンとして)は34%であつた。 実施例1〜3、比較例1〜3 12μ厚のPETフイルム上に強制的に酸素ガスを
導入しながら真空蒸着法により80%のCo−20%
Niよりなる強磁性金属薄膜の磁性層を形成して
蒸着テープを得た。この蒸着テープの表面又は基
体の裏面に下記の組成よりなる処理剤をスリツト
バースコート法により塗布し、熱風乾燥硬化およ
び紫外線照射によつて硬化させた。磁性層の表面
には約300Åの膜を形成し、裏面側には約1μの膜
を実施例、比較例共に形成させた。得られた蒸着
テープについて磁性層の表面側と基体の裏面側の
特性を測定し、その結果を表1に示した。
【表】
【表】
【表】 以上の結果より本発明によつて得られた磁気記
録媒体は電磁変換特性を低下させる事なく、低摩
擦性、低摩耗性および耐食性等を向上させる事が
でき、耐久且つ走行安定性に優れている。又基体
の裏面側においてもリール、ハブなどにおいてキ
ズが付いたり、裏面との間で結露したりブロツキ
ング等を起す事のない良好な結果を得た。 実施例 4 非常に良好な表面性を有した(表面粗さ約
0005μ)ポリイミド樹脂からなる基体の上にCo−
Crの垂直異方性をもつ磁性膜がスパツタ法によ
り形成された垂直磁気記録媒体の表面に下記の組
成よりなる処理剤をスピンナーコートにより塗布
して約100Å厚の保護膜を有する垂直磁気媒体を
得た。 ●参考例2より得たシリコーン系グラフトポリマ
ー 30部 ●高硬度を有した紫外線硬化型樹脂(大日本イン
キ化学工業(株)製ユニデイツク17−824) 64部 ●光重合開始剤(イルガーキユアー651 2部 ク
ロルチオキサントン 1部) 3部 ●メタアクリロキシエチルフオフエート 3部 をトルエン/MIBK/酢酸エチル=1/1/1
(重量比)の混合溶剤系(上記組成物5%)で塗
布し紫外線照射(オーク製作所製水冷式高圧水銀
灯ジエツトライトJL−4300)によつて30秒間で
硬化した。 以上によつて得られた本発明の垂直磁気記録媒
体は優れた耐食性あるいは耐環境性を有してい
る。更にコンタクトスタートスイツチ試験結果良
好なる結果を得、表面の傷および摩耗跡など全く
異常は見られなかつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 基体上に設けられた強磁性金属薄膜からなる
    磁性層の表面及び又は基体の裏面にシリコーン系
    グラフトポリマーから成る潤滑被覆層を形成して
    なる磁気記録媒体。
JP4129784A 1984-03-06 1984-03-06 磁気記録媒体 Granted JPS60187922A (ja)

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DE19853507987 DE3507987A1 (de) 1984-03-06 1985-03-06 Magnetisches aufzeichnungsmedium mit einer gleitbeschichtung

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