JPH0256468B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電柱支線用防護管及びその製造方法に
関するものである。

従来、電柱支線用防護管として、支線とアンカ
ーとの接続部を被覆保護するための大径の筒状体
の両端部に小径の筒状体が嵌合、ビス止め等によ
り連結されたものがある。

しかしながら、かかる防護管は大径の筒状体と
小径の筒状体が別々に製造されて嵌合、ビス止め
等により連結一体化されているので、製造に手間
がかかると共にコスト高になる欠点があり、又、
筒状体の連結部分に外力がかかると連結部分がは
ずれやすい欠点がある。

本発明者はかかる従来の欠点に鑑み鋭意研究の
結果、電柱支線とアンカーの接続部を被覆保護す
る大径部を合成樹脂製筒状長尺体の一部を膨出さ
せて一体的に形成することにより、上述の欠点を
解消した電柱支線用防護管及びその製造方法を完
成するに至つたのである。

以下、図面を参照しながら本発明について説明
する。

図面において、１は筒状長尺体であつて、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等適
宜の合成樹脂から作製され、地上から支線の所定
高さまでを覆う長さとなされている。該長尺体１
は通常断面円形となされ、長さ方向に亘つて切欠
１１が形成されている。又、該長尺体１は支線と
アンカーとの接続部に位置する所定部分の外周壁
が一体成形により外方に膨出されて大径部１２が
形成されている。たとえば第１〜２図の場合は長
尺体１の所定部分の外周壁全体がほぼ均一に外方
に膨出されて大径部１２が形成されている。又、
第３〜４図の場合は長尺体１の所定部分の外周壁
の一部が外方に膨出されて大径部１２が形成され
ている。又、第５〜６図の場合には第１〜２図の
場合と同様に大径部１２が形成され、大径部１２
の断面形状が異形となされている。なお、長尺体
１の外周壁は黄色等の単一色であつてもよいし、
黄色、黒色等の縞模様が施されていてもよい。
又、長尺体１内部に長さ方向に沿つてガラス繊維
等の補強材が埋設されていてもよい。

筒状長尺体１は切欠１１が開口されて電柱２の
支線３に被覆され、切欠１１の開口縁部が適宜形
状の固定片１３によつて連結されるようになされ
ている。又、長尺体１の大径部１２は第７図の如
く支線３とアンカー３１の接続部３２を被覆保護
するようになされている。又、長尺体１はそのま
ま支線３に被覆されてもよいが、支線３との間の
がたつきをなくすために端部にキヤツプ（図示せ
ず）が嵌合され、支線３がキヤツプを貫通するよ
うにして支線３に被覆されてもよい。

次に本発明製造方法について説明する。

第８図において、１′は合成樹脂製筒状長尺体
であつて、押出機等によつて成形されている。

４は外型であつて、分割可能な筒状となされ、
両端部内径が長尺体１′の外径とほぼ等しく、ほ
ぼ中央部内径が長尺体１′の外径より大径となさ
れている。４１は外型４のほぼ中央部の大径部で
ある。

５は内型であつて、多数の透孔５２，５２……
が穿設されると共に端部が閉塞された金属管５１
にシリコンチユーブ５３が被せられ、シリコンチ
ユーブ５３の両端部が金属管５１に密着されてい
る。又、金属管５１の端部には空気、液体等の流
体の圧入管５４が連結されている。なお、シリコ
ンチユーブ５３は伸縮性のあるものであればよく
他の材質のチユーブでもよい。

次に本発明防護管を製造するには、まず押出成
形等により製造した合成樹脂製筒状長尺体１′を
加熱して該長尺体１′の少くとも両端部を除く所
定部分を溶融状態とし、該長尺体１′を外型４内
に挿入し、長尺体１′の上記所定部分を外型４の
大径部４１に対応させる。なお長尺体１′の加熱
は外型４に加熱装置を設けておき、外型４内で加
熱してもよい。次いで、長尺体１′の加熱した所
定部分を外型４の大径部４１に沿つて膨出させる
のであるが、その方法を第８図について順次説明
する。

第８図の場合は長尺体１′の内部に内型５を挿
入し、外型４と内型５を対応させ、圧入管５４か
ら金属管５１内に空気、液体等の流体を圧入し、
さらに金属管５１内の流体を透孔５２，５２……
からシリコンチユーブ５３内に圧入する。さらに
流体を圧入して流体圧によりシリコンチユーブ５
３を膨張させて第８図ロの如く長尺体１′の容融
した所定部分の外周壁を外型４の大径部４１に沿
つて膨出させ、該所定部分を冷却して固化する。

なお、長尺体１′を外型４内において溶融した
所定部分を膨出させる際、長尺体１′を該長尺体
１′の長さ方向を軸として回転させながら流体圧
を加えると長尺体１′の所定部分が均一に膨出し
好ましい。

以上詳述した如く、本発明電柱支線用防護管は
地上から支線の所定高さまでを覆う長さとなされ
た合成樹脂製筒状長尺体の支線とアンカーとの接
続部に位置する所定部分の外周壁が一体成形によ
り外方に膨出されて大径部が形成されているの
で、該大径部により支線とアンカーとの接合部を
円滑に被覆保護することができると共に長尺体の
大径部と他の部分とを連結するビス等が必要な
く、従来の如く長尺体の連結部分がはずれるよう
なことがない。

また本発明電柱支線用防護管の製造方法は地上
から支線の所定高さまでを覆う長さとなされた合
成樹脂製筒状長尺体の支線とアンカーとの接続部
に位置する所定部分を加熱して溶融状態とし、ほ
ぼ中央部内径が長尺体外径より大径となされた分
割可能な筒状外型内に挿入し、長尺体の上記所定
部分を外型の大径部に対応させ、次いで多数の透
孔が穿設されると共に一端部が閉塞され、他端部
に圧入管が連結された金属管に伸縮性チユーブが
被せられ、該伸縮性チユーブの両端部が金属管に
密着された内型を上記外型と対応する如く長尺体
内に挿入し、圧入管から金属管内に流体を圧入
し、該流体を金属管の透孔から伸縮性チユーブ内
に圧入して伸縮性チユーブを膨張させて長尺体の
所定部分の外周壁を外型の大径部に沿つて膨出さ
せるので、長尺体と外型および内型とを密接させ
なくてもよく、大径部の成形が容易であると共
に、外型の内壁が平滑であり、長尺体の大径部外
壁に凹凸等がつかず仕上りが良好であり、かつ従
来の如く大径の筒状体と小径の筒状体とを別途に
製造して連結する手間がいらず、生産性がよいと
共にコストも低減化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明防護管の一実施例を示す斜視
図、第２図は第１図の防護管の要部を示す断面
図、第３図は本発明防護管の他の実施例を示す斜
視図、第４図は第３図−線における断面図、
第５図は本発明防護管のさらに他の実施例を示す
斜視図、第６図は第５図−線における断面
図、第７図は本発明防護管の使用状態を示す正面
図、第８図は本発明製造方法の一実施例を示し、
イは成形前の状態を示す断面図、ロは成形後の状
態を示す断面図である。 １，１′……筒状長尺体、１１……切欠、１２
……大径部、１３……固定片、２……電柱、３…
…支線、３１……アンカー、３２……接続部、４
……外型、４１……大径部、５……内型、５１…
…金属管、５２……透孔、５３……シリコンチユ
ーブ、５４……圧入管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 地上から支線の所定高さまでを覆う長さとな
   された合成樹脂製筒状長尺体からなり、支線とア
   ンカーとの接続部に位置する該長尺体の所定部分
   の外周壁が一体成形により外方に膨出されて大径
   部が形成された電柱支線用防護管。 ２ 地上から支線の所定高さまでを覆う長さとな
   された合成樹脂製筒状長尺体を加熱して支線とア
   ンカーとの接続部に位置する該長尺体の所定部分
   を溶融状態とし、該長尺体を、両端部内径が長尺
   体外径とほぼ等しく、ほぼ中央部内径が長尺体外
   径より大径となされた分割可能な筒状外型内に挿
   入し、長尺体の上記所定部分を外型の大径部に対
   応させ、次いで多数の透孔が穿設されると共に一
   端部が閉塞され、他端部に圧入管が連結された金
   属管に伸縮性チユーブが被せられ、該伸縮性チユ
   ーブの両端部が金属管に密着されてなる内型を上
   記外型と対応する如く長尺体内に挿入し、圧入管
   から金属管内に流体を圧入し、該流体を金属管の
   透孔から伸縮性チユーブ内に圧入して伸縮性チユ
   ーブを膨張することにより、長尺体の所定部分の
   外周壁を外型の大径部に沿つて膨出させる電柱支
   線用防護管の製造方法。