JPH0255172B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は放電加工用マシニングセンタに関す
る。

放電加工により所要の形状加工を行うには、先
ず希望する加工形状に対応する加工用電極を作ら
なければならない。また電極は放電によつて消耗
するから同一形状電極を多数複製しておかなけれ
ばならない。このため電極製作には手間と費用が
かかるという問題がある。

本発明はこの点に鑑み提案された放電加工用マ
シニングセンタであつて、その目的とするところ
は、放電加工により所要の形状加工を行うには、
加工形状に対応する形状の加工用電極を作る必要
がなく、また同一形状電極を複製したり修正加工
したりする必要もなく、また電極を加工開始前に
人手によりセツトする必要もなく、複雑な加工を
長時間にわたり無人で行うことが可能な放電加工
用マシニングセンタを提供することにある。

而して、その要旨とするところは、ワイヤ状又
はベルト状の電極の供給、回収装置を具備した放
電加工装置と、工具自動交換装置と、工具マガジ
ンと、それぞれ寸法、形状の異なつた電極経路を
形成する複数の電極ガイドを具備し、上記工具マ
ガジン内に収容され、上記工具自動交換装置によ
り選定され、上記放電加工装置の加工ヘツドに装
着され、マガジン内に戻される複数の電極案内具
と、上記放電加工装置の加工ヘツドに上記電極案
内具を取り付けるときは取り付けられた電極案内
具の電極ガイドを順次経由し所定の電極経路に沿
つて上記電極を装着し、上記電極案内具を取り外
すときはその取り外しに先立つて上記電極を電極
案内具から離脱させる電極自動装着装置と、上記
総ての構成の作動を制御する中央制御装置とから
成るマシニングセンタを提供することにある。

以下、図面により本発明を説明する。

第１図は本発明に係るマシニングセンタの一実
施例を示す説明図、第２図は第１図中に示したワ
イヤ電極案内具の側面図、第３図はその先端部分
の拡大断面図、第４図は加工用ベルト電極の作用
例を示す一部破断正面図、第５図はその側面図で
ある。

而して、第１図は本発明に係る放電加工用マシ
ニングセンタを示す説明図で、１は放電加工装
置、２は放電加工に必要な複数の電極案内具５，
５を所定の配列で収納した工具マガジン、３は工
具マガジン２と放電加工装置１との間で電極案内
具５の授受を行うための工具自動交換装置、４は
放電加工装置１、工具マガジン２、工具自動交換
装置３を自動制御する中央制御装置である。

放電加工装置１は、そのアーム６、アーム６に
取り付けられる回動部ケーシング７、加工ヘツド
８、加工ヘツド回動用のモータ９、加工ヘツド回
動軸１０、平歯車１１，１２、ベアリング１３、
ナツト１４から成り、加工ヘツド８内には、ワイ
ヤ電極１５、供給ドラム１６、巻取りドラム１
７、キヤプスタン１８、ブレーキローラ１９、油
圧ユニツト２０、油圧シリンダ２１、ピストンロ
ツド２２、ガイドローラ２３があり、加工ヘツド
８にはチヤツク２４、電極案内具５が取り付けら
れ、被加工体２５、クロススライドテーブル２
６、機台２７とから成る。尚、アーム６は図面の
紙面の表又は裏面側、或いは左又は右端側の機台
２７上又はその側部に立てて設けられた図示しな
いカラムからクロススライドテーブル２６上へ伸
長するように、或いはさらにテーブル２６表面に
対して近接開離の昇降可能に設けられているもの
である。

而して、ワイヤ電極１５を所要形状にガイドす
る電極案内具５は、加工ヘツド８のチヤツク２４
に着脱自在に取り付けられる。ワイヤ電極１５は
加工ヘツド８内の供給ドラム１６から供給され、
電極案内具５をＵ字形に移動通過して加工ヘツド
８内の他の巻取りドラム１７に巻取られる。ワイ
ヤ電極１５の巻取り移動を行わせるキヤプスタン
１８と、ブレーキローラ１９との間をワイヤ電極
１５は所要のテンシヨンをもつて電極案内具５を
移動せしめられる。

而して、被加工体２５はクロススライドテーブ
ル２６上に固定され、機台２７上でＸ、Ｙ平面内
で移動可能であり、これらはいずれも図示せぬ数
値制御装置からの信号によつて駆動制御される。
またワイヤ電極１５と被加工体２５間に加工用電
圧パルスが印加され、加工液の供給により放電加
工されることになる。この場合、被加工体２５を
加工液中に浸漬して加工したい場合には、機台２
７上に加工タンクを配置し、この加工タンク内に
テーブル２６を設けるよう構成する。

放電加工はワイヤ電極１５が電極案内具５でガ
イドされた輪郭形状及び寸法で被加工体２５の加
工が行われる。即ち放電はワイヤ電極１５が被加
工体２５と対向する部分全体に発生して加工が行
われ、ガイドされる輪郭形状に加工される。図示
しない昇降モータを駆動してアーム６を下降送り
し、所要の切込み加工を行つた後、クロススライ
ドテーブル２６の数値制御をすれば、被加工体２
５はワイヤ電極１５に対してＸ、Ｙ平面上を所要
形状の相対移動をして加工が行われる。

加工ヘツド８は回動軸１０及びベアリング１３
により回動部ケーシング７の下面に回動自在に取
り付けられ、平歯車１１，１２を介してモータ９
により回動軸１０のまわりに回動せしめられる。

また加工中、モータ９を作動して回動させるこ
とにより常に加工方向にワイヤ電極１５を向けて
加工でき、単純な直線加工に限らず複雑な曲線加
工が任意にでき、いずれも制御信号を加工形状に
応じて中央制御装置４にプログラムしておけばよ
く、自動制御により任意の二次、三次元加工する
ことができる。また加工中モータ９により回転を
与えれば、ワイヤがガイドされた輪郭の総型形状
電極と同様の型彫り加工が容易にできる。

工具自動交換装置３は、その胴部３ａに対して
旋回自在に設けられた旋回部３ｂと、旋回部に対
して回動・伸縮自在にもうけられたアーム３ｃ
と、その先端に回動自在に取り付けられた把持部
３ｄとから構成され、所定のプログラムに従つて
放電加工装置１のチヤツク２４から電極案内具５
を取り外し、工具マガジン２との間で電極案内具
５の授受を行い得るようになつている。

而して、放電加工が所定の加工領域の加工を終
了した時点で、電極案内具５の取り外し取り付け
を加工ヘツド８のチヤツク２４から自動着脱する
際には、アーム６、即ち加工ヘツド８を被加工体
２５表面部から必要に応じて適宜の距離引き上
げ、油圧ユニツト２０を介して油圧シリンダ２１
の作動によりピストンロツド２２の先端のガイド
ローラ２３を実線で示した位置から点線で示した
位置２３′まで移動させワイヤ電極１５を電極案
内具５から取り外して引き放した状態にしておい
て、工具自動交換装置３によつて電極案内具５が
取り外され、工具マガジン２の他の電極案内具５
と自動交換されて、新たに電極案内具５が加工ヘ
ツド８のチヤツク２４に取り付けられて、油圧ユ
ニツト２０を介して油圧シリンダ２１の作動によ
りピストンロツド２２の先端のガイドローラ２３
を点線で示した位置２３′から実線で示した位置
まで戻すことによりワイヤ電極１５を新たに取り
付けた電極案内具５の所定位置に摺接させて、再
度放電加工を開始する。

以上説明した如く上記一連の作業は、マシニン
グセンタ全体を統括制御する中央制御装置４のコ
ンピユータに入力されたプログラムに従つて行わ
れるものである。尚、上記の場合、加工ヘツド８
の回動軸１０の廻りの回動を２〜4πラジアン程
度以内の往復回動とすれば、ワイヤ電極１５の供
給ドラム１６と、巻取りドラム１７の一方又は両
方を、例えば前記図示しないカラム等の固定部に
設ける構成とすることができる。

放電加工装置１の電極案内具５は、第２図、第
３図に示されるように板状で先端加工部分はその
幅がワイヤ電極１５の線径より若干広く形成し、
加工に邪魔にならないように構成してある。

第４図及び第５図は加工用ベルト電極の使用例
を示す一部破断正面図と、その側面図であり、２
８はベルト電極、２９はこれを所要形状にガイド
する電極案内具で、加工ヘツド３０のチヤツク３
１に着脱自在に取り付けられる。ベルト電極２８
は加工ヘツド３０内の供給ドラム３２から供給さ
れ、電極案内具２９をＵ字形に移動通過して加工
ヘツド３０内の他の巻取りドラム３３に巻取られ
る。３４はベルト電極２８の巻取り移動を行わせ
るキヤプスタン、３５はブレーキローラで、この
間をベルト電極２８は所要のテンシヨンをもつて
電極案内具２９の表面形状に沿つて移動せしめら
れる。第５図に示されるように電極案内具２９は
板状で先端加工部分はその幅がベルト電極２８の
幅より若干広く形成し、加工に邪魔にならないよ
うに構成してある。

以上の各種成電極を使用した放電加工は、従来
の総型電極や単純棒状電極を使用した放電加工と
同様にして行う。

本発明は叙上の如く構成されるから、本発明に
よるときは、ワイヤ電極を所望の電極案内具によ
りガイドさせ、そのガイドされた輪郭を利用して
加工することにより任意の形状の、複数形状の電
極が自動的に容易に得られ、これを２軸、３軸若
しくは多軸方向の移動制御して加工するから従来
の縦型電極を用いたときと同等以上の３次元加工
もすることができ、極めて効果の大きいものであ
るが、更にワイヤ電極は電極案内具を供給ドラム
から供給され、他の巻取りドラムに巻取り移動す
る構成になつているから放電によりワイヤ電極が
消耗しても加工部分には常に新しいワイヤが供給
されるので加工電極の輪郭形状は消耗変形するこ
となく半永久的に高精度を維持し加工することが
できる。各種各様の電極案内具を任意に選択交換
可能にしてあるので加工形状に対応した複雑な加
工が長時間にわたつて無人で行うことができる、
大変利用価値の高いマシニングセンタであると言
えよう。

尚、本発明の構成は叙上の実施例に限定される
ものでなく、ワイヤ電極とベルト電極とを併用す
ることもでき、回動装置、電極自動装着装置等は
本発明の目的の範囲内で自由に設計変更できるも
のであり、本発明はそれらの総てを包摂するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るマシニングセンタの一実
施例を示す説明図、第２図は第１図中に示したワ
イヤ電極案内具の側面図、第３図はその先端部分
の拡大断面図、第４図は加工用ベルト電極の使用
例を示す一部破断正面図、第５図はその側面図で
ある。 １……放電加工装置、２……工具マガジン、３
……工具自動交換装置、４……中央制御装置、
５，２９……電極案内具、６……アーム、７……
回動部ケーシング、８，３０……加工ヘツド、９
……モータ、１０……回動軸、１１，１２……平
歯車、１３……ベアリング、１４……ナツト、１
５……ワイヤ電極、１６，３２……供給ドラム、
１７，３３……巻取りドラム、１８，３４……キ
ヤプスタン、１９，３５……ブレーキローラ、２
０……油圧ユニツト、２１……油圧シリンダ、２
２……ピストンロツド、２３……ガイドローラ、
２４，３１……チヤツク、２５……被加工体、２
６……クロススライドテーブル、２７……機台、
２８……ベルト電極。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下記(a)項乃至(f)項記載の構成要素から成る放
   電加工用マシニングセンタ。 (a) ワイヤ状又はベルト状の電極の供給、回収装
   置を具備した放電加工装置。 (b) 工具自動交換装置。 (c) 工具マガジン。 (d) それぞれ寸法、形状の異なつた電極経路を形
   成する複数の電極ガイドを具備し、上記工具マ
   ガジン内に収容され、上記工具自動交換装置に
   より選定され、上記放電加工装置の加工ヘツド
   に装着され、マガジン内に戻される複数の電極
   案内具。 (e) 上記放電加工装置の加工ヘツドに上記電極案
   内具を取り付けるときは取り付けられた電極案
   内具の電極ガイドを順次経由し所定の電極経路
   に沿つて上記電極を装着し、上記電極案内具を
   取り外すときはその取り外しに先立つて上記電
   極を電極案内具から離脱させる電極自動装着装
   置。 (f) 上記総ての構成要素の作動を制御する中央制
   御装置。