JPH025160Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、セラミツクス製の２枚の弁板をケー
ス内に重合配置し、この弁板を回転して流路の開
閉を行なう構成の水栓に関する。

〔従来の技術〕

従来、上記のようなセラミツク製の弁板を応用
した水栓として実開昭57−176973号公報に記載さ
れたものがある。

これは、ハンドルに連係するスピンドルを筒状
のケースに回転可能に取付けかつ下端にセラミツ
ク製の弁板を配置したもので、ケースを水栓本体
内に簡単に装着できる構成である。

この弁板には夫々孔が設けられ、一方はケース
に固定され、他方はスピンドルに係合してケース
に一部が摺接しながら回動可能に保持されてい
る。

このような弁板を重合配置する構造では、その
重合面からの洩水を防ぎバルブとしての機能を損
うことがないように、２枚の弁板は夫々大きな圧
接力を相互に作用しあうような状態に保持するこ
とが必要である。

このため、弁板同志が互いに大きな面圧下で密
着するように配置し、脆性の弱いセラミツク製の
弁板を保護するために、ケースと弁板との摺接面
に弾性を有したマツトを介設する構成となつてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のような従来構造では、回動する側の弁板
とケース間に弾性マツトを設けた場合、開閉弁操
作時にはこの弾性力が回動抵抗となつて、弁操作
が円滑でなく、ハンドル回転に大きな力を必要で
あるという問題がある。

本考案の目的は、セラミツク製弁板を重合配置
する構成の水詮において、弁板間の圧着力を低減
することなく弁板を保護し、かつ開閉弁操作を軽
快に行なえるようにすることである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の構成は、流路に重合配置されるセラミ
ツク製の一対の弁板と、同弁板を回動自在に保持
するケースとを有し、同弁板の一方を回動して流
路開閉を行なう水詮において、操作用のスピンド
ルの先端を回動可能な弁板に係合させると共にこ
の弁板とケースとの間に合成樹脂製のスリツプワ
ツシヤを設け、このスリツプワツシヤによつて弁
板をケース内で回転可能に拘束したものである。

〔作用〕

上記構成により、弁板を大きな圧接力で重合さ
せていても、可動側の弁板は低摩擦係数のスリツ
プワツシヤ面を摺動するので、回動低抗を少なく
することができる。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基いて本考案を説明
する。

第１図は本考案に係る水栓Ａを洗髪器Ｂの取付
穴Ｃに固定した状態を示す断面図、第２図は同第
１図の−線矢視による断面図、第３図は弁ユ
ニツトの分解斜視図である。

水詮Ａの本体１下部には、側方に開口する流入
口２と下方に開口する流出口３、及び同様に下向
きに開口する弁ユニツト装着口４を夫々開設し、
弁ユニツト装着口４と同軸上で上方に伸延する筒
部５を中途にフランジ６を有して形成している。
流入口２と流出口３間の流路中途には隔壁７を弁
ユニツト装着口４及び筒部５と同軸上となる環状
座８を貫設して形成している。

本体１は洗髪器Ｂの下位から取付穴Ｃに挿入さ
れ、締付具９を螺合してフランジ６とともに洗髪
器Ｂの取付面を挟圧して固定され、弁ユニツト装
着口４から弁ユニツトを組み込んだ後キヤツプ１
０をこの弁ユニツト装着口４に螺着する構成であ
り、内周には後述するケースを保持するためのス
プライン１１を形成している。

Ｕは弁ユニツト装着口４から本体１に着脱可能
な弁ユニツトで、筒部５及び環状座８により支持
されるケース２０、同ケース２０内に回動自在に
配置され本体１の上端から突出してハンドル１２
に接続されるスピンドル２１、及びケース２０の
下端に位置してスピンドル２１の回動により流路
を開閉するセラミツク製の可動弁板２２及び固定
弁板２３を主要素として構成される。

ケース２０は上下両端開口の異径中空状で、下
位側にはケース２０内と流出口３間を連通させる
流路孔２４を開設し、下端には弁板２２，２３の
夫々の対向面を圧着するスプリング２５を着脱自
在に装着する切欠２６を形成している。

スピンドル２１はケース２０内を挿通して一定
角度範囲（本例では90゜）内で回動自在に配置さ
れる。この回動角規制は、第２図に示すストツパ
リング３０をスピンドル２１に取付け、同ストツ
パリング３０をケース２０の流路孔２４に位置さ
せることにより行なう。ストツパリング３０は両
端面のなす中心角が90゜の扇状突起３１を有し、
この突起３１が流路孔２４内に位置する。そし
て、流路孔２４は半円弧状の180゜の領域で形成さ
れているから、突起３１が流路孔２４の両端に当
接して回動不可となり、スピンドル２１は90゜の
角度範囲で回動する。

可動弁板２２と固定弁板２３は同形状のもの
で、２位置に中心角が略90゜の扇形状の孔３２を
開設し、一面には直径方向にスピンドル２１の平
板状の弁体係合部２９が嵌まり込んでスピンドル
２１の回転と共に可動弁体２２を回動させるため
の溝３３を半径方向に凹設するとともに重合面に
はグリースを封入可能な凹部３４を形成してい
る。これら両弁板２２，２３は平坦面を対向させ
て重合状態にケース２０内下部に挿入され、弓形
のスプリング２５により両者を圧着保持して取付
けられる。

３５はたとえばポリアセタール等の合成樹脂製
のスリツプワツシヤであり、第１図に示すよう
に、可動弁板２２の上面の縁部に沿つて走るよう
に組み込まれている。そして、このスリツプワツ
シヤ３５は可動弁板２２の上面とケース２０の内
壁との間に挟まれ、可動弁板２２はケース２０と
接触することなく回転可能となつている。このス
リツプワツシヤ３５は可動弁板２２の摩耗を防止
するとともに回動時の抵抗を低減するためのもの
で、開閉弁時の摩擦抵抗を小さくし、両弁板２
２，２３の圧着力を低減することなく両弁板２
２，２３からの漏水を防止できる。

弁ユニツトＵの組立ては、まずスピンドル２１
をケース２０内に挿入し、優弧状の固定リング３
７をスピンドル２１周面に嵌合して同リング３７
をケース２０上端面に係止させ、さらに凹部３４
内にグリースを充填した後両弁板２２，２３をそ
の溝３３がスピンドル２１の弁体係合部２９に整
合するように位置させ、さらにスプリング２５で
保持することにより行なう。

上記構成の弁ユニツトＵは、弁ユニツト装着口
４から筒部５に挿入され、図示の状態の位置とな
つた時、本体１の内径より大きいリング３８をス
ピンドル２１に外挿するとともに固定リング３９
をその上から配置する。これにより、リング３８
が本体１の上端に係止され、弁ユニツトＵは本体
１に固定される。

上記構成において、スピンドル２１が回動によ
り可動弁板２２も回転し夫々の孔３２を整合・非
整合となして流路の開閉を行なうことができる。

そして、可動弁板２２とケース２０間に摩擦係
数の小さいスリツプワツシヤ３５を設けて可動弁
板２２がケース２０の内壁に接触しないで円滑に
回転できるようにしているので、可動弁板２２の
動作が円滑で開閉弁操作が軽快に行え、可動弁板
２２の摩耗を防ぐこともできる。

〔考案の効果〕

本考案は、回動する側の弁板とこれを保持する
ケースとの間に摩擦係数の小さい合成樹脂製のス
リツプワツシヤを設けたので、開閉弁操作が軽快
に行なえ、しかも弁板の摩耗を防いで耐久性を向
上させることができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る水詮を洗髪器に取付けた
要部断面図、第２図は同第１図の−線による
断面図、第３図は弁ユニツトの分解斜視図であ
る。 １……本体、２２……可動弁板、２０……ケー
ス、２３……固定弁板、２１……スピンドル、３
５……スリツプワツシヤ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 水栓本体１内の流路に重合配置され夫々に孔３
   ２を開設したセラミツク製の一対の弁板２２，２
   ３と、これらの弁板２２，２３を収納するケース
   ２０とを有し、一方の弁板２３をケース２０内に
   固定すると共に他方の弁板２２をスピンドル２１
   により回動して流路開閉を行う水栓であつて、 前記回動する弁板２２は、固定された弁板２３
   との摺動面と反対側の面を前記スピンドル２１の
   先端に連結可能とし、 更に該弁板２２と前記ケース２０の内壁との間
   に合成樹脂製のスリツプワツシヤ３５を設け、該
   スリツプワツシヤ３５により前記弁板２２をケー
   ス２０内で回転可能に拘束したことを特徴とする
   水栓。