JPH0250917B2 - - Google Patents

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JPH0250917B2
JPH0250917B2 JP56183184A JP18318481A JPH0250917B2 JP H0250917 B2 JPH0250917 B2 JP H0250917B2 JP 56183184 A JP56183184 A JP 56183184A JP 18318481 A JP18318481 A JP 18318481A JP H0250917 B2 JPH0250917 B2 JP H0250917B2
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dihydrate
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Furederitsuku Uiinman Kurisuchan
Adoriaan Fuan Fuerutsuiisen Yoon
Fuan Den Berugu Hendoriku
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SEE SEE AA BIOHEMU BV
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はラクチトール水和物結晶の製造方法、
特にラクチトール水溶液からの結晶化によるラク
チトール一水和物および二水和物結晶の製造方法
に関するものである。 ラクチトールはグルコース部分がソルビトール
に水素化されたラクトースである。ラクチトール
の化合物名は4―β―D−ガラクトピラノシル―
D―ソルビトールである。 ラクチトールの製法は一般に知られている。例
えば「アグリカルチユラル アンド フードケミ
ストリー」1979年7月―8月第27巻680〜686頁に
は、(全量に対し)30〜40重量%のラクトース溶
液を通常出発物質として使用し、このような溶液
を100℃にてラネーニツケルの存在で40気圧の水
素圧のもとに水素化する。触媒を沈降させて、水
素化した溶液を濾過しイオン交換体と活性炭によ
り精製する。 5%のサツカロース溶液の甘味と比較する場
合、ラクチトールの相対甘味度は36%に等しい。
従つてソルビトール(相対甘味度55%)およびキ
シリトール(相対甘味度96%)より甘味が少ない
ことは明らかである(「アグリカルチユラル ア
ンド フード ケミストリー」1979年7月―8月
第27巻680〜686頁参照)。 西独国特許第2133428号明細書(マイツエナ
(Maizena)氏、1974)に報告されているように、
α―グリコシダーゼ(マルターゼ)によるラクチ
トールの加水分解はラクトースおよびマルトース
の加水分解よりも著しく遅い。 これに対して、ラクトースは45分以内でβ―ガ
ラクトシダーゼにより完全に加水分解するが、ラ
クチトールは同じ時間内で10〜15%しか加水分解
するに過ぎない。従つてラクチトールは消化管で
少量が分解するに過ぎず、その結果、糖尿病患者
に用いる糖分として置換えるのに適している。 また、ラクチトールは低カロリー食物として用
いるのに適当である。 ラクチトールはソルビトール,グリセロールお
よびキシリトールよりも吸湿性が少なく、従つて
軽いビスケツトのような糖尿病患者のためのパン
製品の製造に用いることができる(オランダ国特
許出願第78.11204号)。従つて、またラクチトー
ルをチユーインガム,ゼリー,フオンダンのよう
な湿気に鈍感なコーテイングに用いることができ
る。 また、ラクチトールは多くの応用に適する性質
を有する。 カルボニル基が存在しないため、ラクチトール
は熱やアルカリに対して安定である。NaOHを
用いてPH値を13に調節したラクチトールの10重量
%水溶液を加熱(1時間100℃)する場合には少
しも変色を生じないが、ラクトース溶液を同様の
条件で加熱する場合には著しい変色が見られる。 酸性媒質におけるラクチトールの安定性はラク
トースの安定性に比較できる。HClを用いて、そ
れぞれPH値を1および2に調節したラクチトール
の10重量%溶液を加熱(4時間100℃)した後、
それぞれ5.1%および1.4%のラクチトールが加水
分解することが確められている。同様の条件で加
熱する場合に、ラクトース溶液はそれぞれ5.4%
および1.3%加水分解する。 高温(170〜240℃)での加熱はラクチトールの
無水物化(ラクチタンの生成)を生じる。 ラクチトールは水,ジメチルスルホキシドおよ
びジメチルホルムアミドに可溶であり、他のポリ
オール(ソルビトール,グリセロール)と混和す
る。ラクチトールはエタノールおよびジエチルエ
ーテルに僅かに溶ける。 文献(サイジヨンマ・テー(Saijonmaa T.),
ハイコネン・エム(Heikonen M.),リンコ・ピ
ー(Linko P.)氏「Milchwissenschaft」33
(1978)733〜736;およびシウエツク・エイチ
(Schiweck H.)氏「Susswaren」14(1978)13
〜21)には、ラクチトールは結晶化が極めて困難
か、あるいは全く結晶化しない物質であると考え
られているが、結晶性二水和物として報告された
文献(ウオルフロム・エム・エル(Wolfrom M.
L.),ハン・レイモンド・エム(Hann Raymond
M.),およびハドソン・シー・エス(Hudson C.
S.)氏「J.Am.Chem.Soc.」74(1952)1105)にも
無水ラクチトールに関して記載されている。 ラクチトールの濃水溶液を無水エタノール(水
を除去)で繰返し抽出して結晶性無水ラクチトー
ルが得られる。このようにして得られた無定形の
吸湿性塊を無水エタノールと混合して、約1ケ月
間で、80%の収率で結晶性ラクチトールが得られ
る。 再結晶の際(少量の水に溶解おつび同量のエタ
ノールの添加)、融点146℃で比旋光度+14゜の小
さい四面体結晶が得られる。これらの結晶を、
P2O5上で、減圧下140℃で54時間にわたり加熱し
ても殆ど重量損失は生じていない。 ラクチトール二水和物の融点は76〜78℃であ
り、これは恐らくはセンデレンス・ジエー・ビー
(Senderens J.B.)氏(「Compt.Rend.」170
(1920)47〜50)によつて最初に発表されたであ
ろう。この研究者は水素化したラクトース溶液を
水浴上でシロツプ状塊を得るまで蒸発し、この塊
を室温に保持して数日後に結晶化させている。生
成物の融点は78℃、および比旋光度は+12.2゜で
あるとしている。 結晶を定量になるまで130℃で乾燥した場合に、
5%(水)の重量損失を生じ、センデレンス氏は
一水和物が得られたことに気付いた。 現在では、ラクチトール二水和物を3日間130
℃で乾燥す場合に、僅か5%の重量損失があるこ
とが明らかにされている。 センデレンス氏による文献ではカール・フイツ
シヤー法による水分の測定に関しては何も開示さ
れておらず、この測定では二水和物(約9.5重量
%の水を含む)に相当する多量の水分を生ずるも
のと思われる。 また、低い融点(78℃)を考慮すると、その時
期のセンデレンス氏が一水和物の代りに二水和物
を取り出したことを思い出す(彼が示した融点は
78℃である。これに対し、ラクチトール一水和物
は121〜123℃の融点を有し、および二水和物は76
〜78℃の融点を有している)。 また、ウオルフロム・エム・エル;ハン・レイ
モンド・エム;ハドソン・シー・エス氏(「J.
Am.Chem.Soc.」74(1952)1105)へ二水和物を
得ており、元素分析により組成を確かめている。
融点は72.5〜74℃および比旋光度は+11.5゜である
ことを確かめている。 本発明は、ラクチトールの水溶液から結晶化す
ることによつてラクチトール水和物結晶、すなわ
ちラクチトール一水和物結晶およびラクチトール
二水和物結晶を工業的規模で製造できる方法を見
出した。本発明の方法は、 a) ラクチトール一水和物をラクチトールの70
〜85重量%、好ましくは78〜82重量%の水溶液
に45℃〜55℃でシード添加し(seeding)、ラク
チトール一水和物を40℃〜50℃、好ましくは43
℃〜47℃で結晶化し、前記ラクチトール一水和
物を回収し、 b) 次いで、母液を15℃〜25℃、好ましくは18
℃〜22℃に随意に冷却し、ラクチトール一水和
物種晶を母液にシード添加し、上記温度でラク
チトール一水和物を結晶化し、前記ラクチトー
ル一水和物結晶を回収し、および c) b)工程により得られた母液を、さらに10
℃〜25℃、好ましくは15℃〜20℃で結晶し、ラ
クチトール二水和物結晶を回収し、または d) ラクチトール二水和物結晶をラクチトール
の57〜76重量%、好ましくは68〜76重量%、特
に72〜74重量%の水溶液にシード添加し、ラク
チトール二水和物を結晶化し、このラクチトー
ル二水和物結晶を回収する ことを特徴とする。 ラクチトールの水溶液はラクトース溶液の水素
化により適当な方法で調製することができる。一
例として、先づ、2200の脱イオン水に1500Kgの
ラクトースを60℃で溶解した溶液を作る。この溶
液を100℃に加熱し、水素を用いて40気圧の水素
圧に加圧し、この加圧溶液に100gのラネーニツ
ケルを触媒として添加する。水素化の終了の際、
かようにして得た溶液をイオン交換体に通して生
成したニツケル イオンおよび有機酸を除去す
る。この処理の終了後、溶液は、7.5のPH値、伝
導率が1.3ミクロシーメンス(20〜25℃)の伝導
率および30゜ブリツクスの屈折計定量密度を示し
た。 測定は、いわゆる、糖またはブリツクス スケ
ールを付した屈折計によつて行つた。目盛は溶液
中のサツカロースの重量%に基づいて付けられて
いる。他の糖の場合、同じスケールを濃度に対し
て指示している(「Kirk―Otmer Encyclopedia
of Chemical Technology」第2版,第19巻158
〜159参照)。 この精製したラクチトール溶液を濃縮する際
に、この溶液からラクチトール二水和物結晶を回
収することができ、結晶化は10〜37℃にて行い、
溶液にラクチトール二水和物種晶をシード添加す
る。または、二水和物を濃縮溶液から時間の経過
中にシード添加しないで得ることもできる(実施
例1参照)。次いで、結晶化をそれ自体、既知の
方法、例えば結晶化容器の壁をこすることにより
誘導することができる。 ラクチトール一水和物は、ラクチトール一水和
物を75〜85重量%のラクチトールの水溶液に45〜
55℃でシード添加し、次いで溶液を40〜50℃で結
晶化することによつて、極めて有利に作ることが
できる。これにより、ラクチトール一水和物を40
〜60%の結晶化収率で回収することができる。特
に、生成母液にラクチトール一水和物を15〜25℃
でシード添加し、この温度で結晶化させるのが有
利である。これにより、さらに20〜25%の結晶化
収率が得られる。 さらに、60〜75重量%の濃度のラクチトール水
溶液1重量部とメタノールまたはエタノール1〜
3重量部とを混合し、次いでこの混合物をかきま
ぜながら15〜25℃に冷却してラクチトール一水和
物を生成することができる。これにより、ラクチ
トール一水和物を結晶化する。65〜70重量%の濃
度のラクチトール溶液1重量部をメタノールまた
はエタノール1〜2重量部と混合するのが有利で
ある。特に、1重量部のラクチトール溶液を用
い、これを1重量部のエタノールと混合し、この
混合溶液をかきまぜながら18〜22℃に冷却し、次
いで晶出したラクチトール一水和物を回収するこ
とができる。 特に、70重量%の濃度のラクチトール溶液1重
量部とエタノール1重量部とを60℃で混合し、次
いでこの混合物をかきまぜながら25℃に冷却して
ラクチトール一水和物を結晶化するのが極めて有
利である。 ラクチトール二水和物の結晶構造を決定するた
めに、その単結晶についてX線回析分析を行つ
た。この分析から、二水和物の結晶が正方晶系に
属しており、その単位格子が8個のラクチトール
分子と16個の水分子から成ることがわかる。第1
図の投影図から明らかなように、第2水分子はソ
ルビトール鎖とガラクトピラノシル環との間の空
間に存在する。単位格子の長さはa=b=8.762
Å,c=45.508Åである。従つて、この単位格子
は非常に細長く伸びている。空間グループは
P43212であり、格子容積は3493.8Å3であり、お
よび結晶の計算密度は1.445g/cm3である。 ラクチトール二水和物の単結晶を最初に調製す
る。今まで知られたラクチトール二水和物は単結
晶の調製には、純度が不十分であつた。このため
に、X線回析分析を行うことができる(第1図参
照)。
【表】 ラクチトール一水和物 二水和物は別として、1分子だけ結晶水を含む
結晶の新しいタイプ、すなわち、一水和物を見出
した。ラクチトール一水和物であることを指摘し
た化合物が「Agricultural and Food
Chemistry Van Velthuysen」に記載されてい
る。しかし、後述するデータから明らかなよう
に、この生成物は不純であり、1重量%のラクト
ウリトール(4β―D―ガラクトシル―D―マニ
トール)および3%のマニトールを含んでおり、
かつ融点が94〜97℃であるのに対し、本発明の方
法において生成した生成物は純粋であり、かつ融
点が121〜123℃である。また、溶解度においても
異なつている。室温での純粋な一水和物の水に対
する溶解度(56%)は不純な生成物の溶解度(64
%)よりも低い。 ラクチトール一水和物は、ラクチトール二水和
物とは反対に3日間130℃に加熱する場合に2%
の重量損失を示す。 純粋なラクチトール一水和物はアルコール性媒
体からラクチトールを結晶化させて作ることがで
きる。 また、ラクチトール一水和物は、アルコール性
媒質から得られたラクチトール一水和物の種晶を
ラクチトール水溶液に適当な条件でシード添加す
る場合に、10℃〜50℃の温度でラクチトール水溶
液の結晶化によつて得ることができる。 意外なことに、最初の結晶化によつて一水和物
を得、さらにラクチトール二水和物を母液から晶
出することができる。この事については実施例11
に示した。 同様に、エタノール―水媒質から得たラクチト
ール一水和物の単結晶を、その結晶構造を決定す
るためにX線回析分析した。この分析から、一水
和物結晶は斜方晶系に属し、単位格子は4個のラ
クチトール分子および4個の水分子を含むことが
わかる。単位格子の大きさはa=7.808Å,b=
12.685Åおよびc=15.931Åである。空間グルー
プはP212121であり、単位格子容積は1577.9Å3で、
結晶の計算密度は1.523g/cm3である。構造を第
2図に示している(第1表も参照)。同様にこの
構造は水媒質から結晶化して得られたラクチトー
ル一水和物にあてはまる。結晶の両者の形態での
類似点は、両者共に同一の粉末図形を与え、およ
び示差走査熱量測定により測定した場合に、同じ
融点挙動を示すことから明らかである。 実施例 1 イオン交換体に通して精製した30゜ブリツクス
の屈折率を有するラクチトール溶液を、減圧下で
75゜ブリツクスの屈折率に濃縮した(乾燥固形分
71.6重量%)。このラクチトール濃縮物からシロ
ツプ2500gを取出した。18℃に冷却すると、シロ
ツプから徐々に結晶を分離し、この結晶を遠心機
により母液から除去し、次いで50℃で乾燥した。
収率:ラクチトール二水和物1190g、または乾燥
固形分1791gに対して60%;融点:79〜80℃;水
分(カール・フイツシヤー):9.7重量%。母液は
58゜ブリツクスの屈折率(乾燥固形分55.4重量%)
を有していた。 実施例 2〜5 結晶化条件を実施例1に記載するように制限し
ないで、種々のラクチトール濃度を有するラクチ
トール溶液からラクチトール二水和物結晶を回収
するようにした。いずれの場合においても、1600
gのラクチトール二水和物をそれぞれ930g,730
g,550g,および400gの水に溶解した。25℃に
冷却した際に、各溶液に16gの粉末ラクチトール
二水和物をシード添加し、続いて15℃に冷却し
た。24時間後、生成した結晶を遠心分離によつて
母液から分離し、さらに結晶を遠心機中で50mlの
水で洗浄し、50℃の温度で乾燥した。分析結果を
第2表に示す。%で示した結晶化収率は1重量%
の種晶を含む。 第2表に示した結果から、ラクチトールの初期
濃度の増加は母液における同じラクチトール含量
で結晶化収率が増加することがわかる。57重量%
以下のラクチトールの初期濃度では、結晶化収率
は30%以下になり、すなわち、工業的規模に応用
するには低すぎる。72重量%以上の初期濃度で
は、工業的規模では作業することができない濃厚
な結晶スラリーを生じた。
【表】 実施例 6 225gの水を760gのラクチトール二水和物に添
加し、この混合物をかきまぜながら100℃に加熱
して、透明な70重量%ラクチトール溶液を得た。
60℃に冷却し、かきまぜながら60℃の温度に保ち
ながら1.3のエタノール(96%)を少量づつ添
加した。この混合溶液を45℃に冷却するとラクチ
トールが結晶化し始めた。かきまぜながら室温に
冷却し続けた後、生成物を吸引フイルターに回収
し、乾燥キヤビネツトにおいて50℃で乾燥した。
ラクチトール一水和物の収率は、用いたラクチト
ールに対して684gまたは94%であつた。融点:
121〜123℃、および含水量:5.8重量%(カー
ル・フイツシヤー)。 実施例 7〜10 ラクチトール一水和物結晶を、70〜80重量%の
範囲の異なるラクチトール含量を有する種々のラ
クチトール水溶液から作つた。いづれの場合にお
いても、1700gのラクチトール二水和物を、100
℃の温度にて、それぞれ490g,350g,300gお
よび230gの水に溶解した。これらの水溶液を50
℃に冷却し、溶液に15gの粉末ラクチトール一水
和物にシード添加し、さらに45℃に冷却し続け
た。45℃で24時間にわたり結晶化した後、実験室
用遠心機で母液から結晶を分離し、結晶を遠心機
内で50mlの水で洗浄し、次いで乾燥キヤビネツト
において50℃で乾燥した。さらに、また母液に一
水和物結晶をシード添加した。15℃で24時間にわ
たつて結晶化した後、生成した一水和物の結晶を
遠心機で分離し、25mlの水で洗浄し、50℃で乾燥
した。このようにして得られた生成物についての
試験結果を第3表に示す。
【表】 これらの試験結果から、ラクチトール濃度が70
重量%から80重量%に増加すると、最初の結晶化
の結晶化収率が著しく増加し、これに対し第2の
結晶化収率は減少することがわかる。しかしなが
ら、ラクチトール濃度が増加する場合、全結晶化
収率は大体80%に上昇した。最初の結晶化の母液
から、純粋な一水和物が再び晶出した。 実施例 11 500gの水を3800gのラクチトール二水和物に
添加し、混合物を100℃に加熱し、これにより、
透明な80重量%ラクチトール溶液を得た。45℃に
冷却する際、溶液に36gの粉末ラクチトール一水
和物をシード添加した。溶液の結晶化において熱
の発生を伴つた(45℃から55℃に温度上昇した)。 45℃で24時間にわたり結晶化した後、結晶を実
験用遠心機で母液から分離し、母液を遠心分離に
より除去した後、生成物を遠心機内で全量100ml
の水で洗浄した。50℃で乾燥した生成物は用いた
ラクチトールに対して2010gのラクチトール一水
和物(55%)であつた。生成物の融点は121〜123
℃で、含水量は5.2重量%であつた。 母液(76.5゜ブリツクス、1910g)に、15gの
粉末ラクチトール二水和物をシード添加し、引続
き15℃に冷却した。15℃で24時間にわたり結晶化
した後、結晶を遠心分離により除去し、遠心機内
で40mlの水で洗浄した。 50℃で乾燥したラクチトール二水和物の収率は
用いたラクチトールに対して810gまたは21%で
あつた。融点は78〜79℃および含水量は9.7重量
%であつた。従つて、全結晶化収率は55%+21%
=76%であつた。得られた最終母液は59゜ブリツ
クスが1060gであつた(乾燥固形分56重量%)。 実施例 12〜27 ラクチトール一水和物およびラクチトール二水
和物をそれぞれラクチトールの水溶液から得るこ
とができる条件を実施例12〜27で説明する。いず
れの場合においても、200gのラクチトール二水
和物を出発物質として用い、100℃で40g〜50g
の範囲で変えた水に溶解した。得られた溶液を25
℃〜45℃の範囲で変えた温度に冷却し、2gの一
水和物または2gの二水和物でシード添加した。
結晶化は18〜45℃の温度で生じた。 得られた結晶を小型の実験室用遠心機内で母液
から分離し、遠心機内で5mlの水で洗浄し、50℃
で乾燥した。結晶性ラクチトールの各フラクシヨ
ンの融点を測定した。 第4表において(実施例12〜21を含んでいる)、
結晶化温度をシード添加温度に保持した場合に得
られた結果を示している。一般に、一水和物をシ
ード添加する場合には、再び一水和物を生成し、
これに対し二水和物をシード添加する場合には、
再び二水和物を生成した。しかし、一水和物だけ
を生成した場合以外は、試験を45℃で行つた。こ
の温度では(または恐らく、さらに高い温度で
は)一水和物は明らかに唯一の安定な変態であつ
た。
【表】
【表】 第5表に示す結果(実施例22〜27)は、同じ結
晶温度(18℃)に対してシード添加温度は45℃〜
25℃の範囲で変えた。一水和物をシード添加した
場合には一水和物を再び生成し、二水和物をシー
ド添加した場合には再び二水和物を生成すること
がわかる。実施例13と比較して、45℃で二水和物
をシード添加し、次いで18℃で結晶化する場合
(実施例23)は実施例13のような一水和物の代り
に二水和物を生成することがわかる。45℃から18
℃に急冷すると、シード添加物質が二水和物から
一水和物に転化する機会がないことがわかる。 実施例12〜27の試験によつて得られた一水和物
の生成物の全部から混合試料を作り、この試料を
カール・フイツシヤ法により含水量について分析
した。含水量は5.2重量%であつた。二水和物の
混合試料は含水量が10.0重量%であつた。 実施例 28 950gのラクチトール二水和物(860gの無水ラ
クチトール)を125gの水に100℃で溶解した。50
℃に冷却する際に、80重量%のラクチトール溶液
に9.5gの粉末二水和物(ラクチトールに対して
1重量%溶解)をシード添加した。45℃で48時間
にわたり結晶化した後、生成した結晶を実験室用
遠心機内で母液から分離して、25mlの水で洗浄
し、45℃(乾燥キヤビネツト)で乾燥した。次い
でラクチトール一水和物440g(使用したラクチ
トールに対して49%)を得た。(融点:118〜120
℃,含水量:4.9%)。 15℃で24時間にわたり結晶化した後、4gの粉
末二水和物をシード添加した母液から、さらにラ
クチトール二水和物240g(使用したラクチトー
ルに対して25%)を回収した(融点:80〜8℃,
含水量:10.0%)。 全結晶化収率は49%+25%=74%であつた。 実施例 29 この実施例では、ラクチトール一水和物を精製
し、かつ濃縮した水素化ラクチトール溶液から直
接生成することについて説明する。 2500gの精製し、濃縮したラクチトールシロツ
プ(80゜ブリツクス、76.4重量%の乾燥固形分)
に15gの粉末ラクチトール一水和物を45℃でシー
ド添加した。45℃で48時間にわたり結晶化した
後、結晶を実験室用遠心機内で母液から分離し、
50mlの水で洗浄し、45℃(乾燥キヤビネツト)で
乾燥した。収率:875g一水和物、またはラクチ
トールシロツプの乾燥固形分に対して43.5重量
%、融点:110〜120℃、含水量:5.7重量%。 約5gの粉末一水和物をシード添加する場合、
母液からさらに446gのラクチトール一水和物
(または乾燥固形分に対して22.2重量%)が結晶
化した。融点:115〜120℃および含水量:5.5重
量%。 18〜20℃で約1週間後、第2の母液から、さら
に202gのラクチトール二水和物(乾燥固形分に
対して9.6重量%)が結晶化した。融点:82〜84
℃および含水量:9.8重量%。 全結晶化収率は種結晶1gを含めて75.3%であ
つた。 最終母液は、まだ57゜ブリツクスの屈折率を示
した(乾燥固形分54重量%)。 実施例 30 実施例29に記載した水素化ラクトース溶液を出
発物質として用いた。 この溶液を75゜ブリツクスに濃縮した(乾燥固
形分72重量%)。溶液に、室温においてラクチト
ール二水和物をシード添加した。これにより、ラ
クチトール二水和物のみが晶出した。結晶化収率
は60%であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図はソルビトール鎖とガラクトピラノシル
環との間の空間内にある第2水分子を示すX線回
析図、第2図はラクチトール一水和物の単結晶を
示すX線回析図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ラクチトールを水溶液から結晶化することに
    よつてラクチトール水和物結晶を製造するに当
    り、 a) ラクチトール一水和物をラクチトールの70
    〜85重量%の水溶液に45℃〜55℃でシード添加
    し、ラクチトール一水和物を40℃〜50℃で結晶
    化し、前記ラクチトール一水和物結晶を回収
    し、 b) 次いで、母液を15℃〜25℃に冷却し、ラク
    チトール一水和物種晶を母液にシード添加し、
    前記温度でラクチトール一水和物結晶を回収
    し、 c) b)工程より得られた母液を、さらに10℃
    〜25℃で結晶化し、ラクチトール二水和物結晶
    を回収し、または d) ラクチトール二水和物種晶をラクチトール
    の57〜76重量%の水溶液にシード添加し、ラク
    チトール二水和物を結晶化し、このラクチトー
    ル二水和物結晶を回収する各工程から成ること
    を特徴とするラクチトール水和物結晶の製造方
    法。 2 a)工程を78〜82重量%のラクチトール溶液
    により出発する特許請求の範囲第1項記載の方
    法。 3 a)工程において、ラクチトール一水和物を
    43℃〜47℃で結晶化する特許請求の範囲第1項記
    載の方法。 4 b)工程において、母液を18℃〜22℃に冷却
    し、ラクチトール一水和物種晶を母液にシード添
    加する特許請求の範囲第1項記載の方法。 5 b)工程において、ラクチトール一水和物を
    18〜22℃で結晶化する特許請求の範囲第1項記載
    の方法。 6 c)工程において、ラクチトール二水和物を
    15℃〜20℃で結晶化する特許請求の範囲第1項記
    載の方法。 7 d)工程において、ラクチトール二水和物を
    68〜76重量%のラクチトールの溶液から回収する
    特許請求の範囲第1項記載の方法。 8 ラクチトールの72〜74重量%の溶液を用いる
    特許請求の範囲第7項記載の方法。 9 d)工程において、ラクチトール二水和物を
    15℃〜20℃で結晶化する特許請求の範囲第1項記
    載の方法。 10 ラクトース溶液の水素化によつて得られた
    ラクチトール溶液から出発する特許請求の範囲第
    1項記載の方法。 11 ラクチトール一水和物をラクチトールの78
    〜82重量%の水溶液に45℃〜55℃でシード添加
    し、前記溶液を40℃〜50℃で結晶化してラクチト
    ール一水和物結晶を回収する特許請求の範囲第1
    項記載の方法。 12 特許請求の範囲第11項において得られた
    母液にラクチトール一水和物を15℃〜25℃でシー
    ド添加し、次いでこの温度で母液を結晶化し、ラ
    クチトール一水和物を回収する特許請求の範囲第
    11項記載の方法。 13 60〜75重量%の濃度を有するラクチトール
    水溶液1重量部と、メタノールまたはエタノール
    1〜3重量部とを混合し、混合物をかきまぜなが
    ら15℃〜25℃に冷却し、結晶化したラクチトール
    一水和物を回収する特許請求の範囲第1項記載の
    方法。 14 65〜70重量%の濃度を有するラクチトール
    溶液1重量部とメタノールまたはエタノール1〜
    2重量部とを混合する特許請求の範囲第13項記
    載の方法。 15 ラクチトール溶液1重量部とエタノール1
    重量部とを混合し、この混合物をかきまぜならが
    18℃〜22℃まで冷却し、ラクチトール一水和物を
    結晶化して、これを回収する特許請求の範囲第1
    3項記載の方法。 16 70重量%の濃度を有するラクチトール溶液
    1重量部とエタノール1重量部とを混合し、この
    混合液をかきまぜながら20℃まで冷却し、ラクチ
    トール一水和物を結晶化する特許請求の範囲第1
    3項記載の方法。
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