JPH0249175B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ワークの据付台の高さの異なる複数
のプレスにおいて、ワークの搬送を行うプレス間
ワーク搬送方法に関するものである。

〔従来の技術〕

薄板の塑性加工においては、１段のプレス作業
では加工が困難である場合、複数のプレスを使用
することになるが、通常、プレスの底面からワー
クの据付高さ（即ち、下部金型の高さ）を調整
し、ワークの据付高さを一定に保持して、一定の
高さだけ上下し、しかも、横方向に移動する搬送
手段によつて、プレス間のワークの搬送を行つて
いた。

ところが、プレスの底面からワークの据付高さ
はプレスの容量あるいは製造メーカによつて異な
るので、ワークの据付高さを調整するには、夫々
のプレスの基礎面の高さを変える必要があり、こ
の為非常な労力を必要としていた。

更には、製造方法を変えてプレスの並び変えを
する場合は、再度、各プレスのワーク据付高さを
同一水平面にあるように調整する必要があり、従
つて非常な手間な工事をする必要があるという問
題点があつた。

そこで、特開昭57−152329号公報に記載のよう
に、プレス間に高さを調整できる中間ステーシヨ
ンを配置することが提案されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、特開昭57−152329号公報記載の
中間ステーシヨンにおいては、第１プレスに付属
の自動搬送装置によつて中間ステーシヨンにワー
クを搬送した後、第２プレスに付属している自動
搬送装置によつて中間ステーシヨンに載つたワー
クを取り込むようにしているので、連続的に作業
を行なえるが、ワークは第１プレスから中間ステ
ーシヨンに載置され、次に高さ調整を行つて、第
２プレスに送られるので、工程が複雑となつて時
間がかかるという問題点があつた。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、各プレスの据付高さが異なつていても、加工
されるワークを自由に第１のプレスから第２のプ
レスに搬送することができ、しかも各プレスがワ
ークを取り込んで加工し、次のワークを取込むま
での時間が少なくて済むプレス間ワーク搬送方法
を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的に沿う本発明に係るプレス間ワーク搬
送方法は、プレス対象物であるワークを取持する
第１及び第２のワーク取持手段が第１及び第２の
プレス間距離の半分の間隔で両側部に取付られて
いる水平支持部材と、該水平支持部材を水平横方
向に移動させる横方向搬送手段と、上記水平支持
部材を縦方向に移動させる縦方向搬送手段と、上
記第１及び第２のプレスの中間部に配設され、上
記それぞれのワーク取持手段が搬送するワークを
一時的に載置し隣合うプレスの作業台高さに対応
して所定長上下する載置台とを備え、上記第１の
ワーク取持手段によつて第１のプレスのワーク据
付部からワークを把持すると同時に、上記第２の
ワーク取持手段によつて該第１の金型のワーク据
付高さに調整された上記載置台の上に乗つたワー
クを取持し、上記縦方向搬送手段を駆動して第１
及び第２のワーク取持手段によつて取持されたワ
ークを上昇させると共に上記横方向搬送手段を駆
動して搬送し、しかる後、上記第１のワーク取持
手段に取持されたワークを第２のプレスのワーク
据付高さに調整された載置台の上に載せると同時
に第２のワーク取持手段に取持されたワークを第
２のプレスのワーク据付部に載置し、作業高さの
異なる第１のプレスから第２のプレスにワークを
順次連続的に搬送するようにして構成されてい
る。

ここに、第１及び第２のワーク取持手段とは、
真空力を利用し所定の信号によつて物を吸着する
吸着パツト、電磁石あるいは物理的にアーム等に
よつてワークをつかむものであつても良い。

また、第１及び第のプレスの内、一方が例えば
ベルトコンベア等の搬送装置であつて、所定の位
置にワークを載置できるものも含まれるものであ
る。

〔作用〕

本発明に係るプレス間ワーク搬送方法は、水平
支持部材の両側部にワーク取持手段所定間隔で設
けられている。従つて、まず水平支持部材を水平
横方向及び縦方向に移動させることによつて、第
１のワーク取持手段を第１のプレスのワーク据付
部からワークを捕まえて搬送する。この場合、載
置台の高さは第１のプレスのワーク据付部の高さ
に調整することによつて、第２のワーク取持手段
を載置台に衝突させることなく下ろすことが可能
であると共に、載置台に乗つているワークを第２
のワーク取持手段によつて捕まえることができ
る。

この状態で、第１のワーク取持手段で捕まえた
ワークを上記水平支持部材を上方及び横方向に移
動することによつて、載置台の上まで搬送すると
同時に、載置台の高さを第２のプレスのワーク高
さに調整しておく。ここで第１のワーク取持手段
を操作することによつてワークを載置台の上に載
せる。この場合、第２のワーク取持手段がワーク
を捕まえている場合は、第２のプレスのワーク据
付部に置いてくることにする。この状態で水平支
持部材を上昇及び横移動させて、第１及び第２の
プレスが操作できる必要な距離戻して、第１及び
第２のプレス作業を完了する。

上記工程を繰り返して、プレス作業を行うの
で、第１及び第２のプレスのワーク据付台の高さ
が多少の差異があつても、載置台を上下させるこ
とによつて、第１及び第２のワーク取持手段を同
時に動作させてワークを捕まえ、更には第１及び
第２のワーク取持手段を共動させてワークの搬送
を行うので、プレスの加工周期が短くなる。

〔実施例〕

続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を
具体化した一実施例につき説明し、本発明の理解
に供する。

ここに、第１図は本発明の一実施例に係るプレ
ス間ワーク搬送方法を適用した装置の正面図、第
２図は同装置の側面図、第３図は上記実施例に係
るプレス間ワーク搬送方法の作動状況を示す概略
説明図である。

第１図、第２図に示すように、本発明の一実施
例に係るプレス間ワーク搬送方法を適用したワー
ク搬送装置１０は、プレス対象物であるワークを
把持する第１及び第２のワーク取持手段の一例で
あるパツト１１（実施例においては４個）及び１
２（実施例においては４個）と、該パツト１１，
１２が取付られている水平支持部材１３と、該水
平支持部材１３を水平横方向に移動させる横方向
搬送手段１４と、該横方向搬送手段１４を水平支
持部材１３と共に縦方向に移動させる縦方向搬送
手段１５と、第３図に示す第１及び第２のプレス
１６，１７の中間部に配設される載置台１８とを
有して構成されている。

第１のワーク取持手段の一例であるパツト１１
と、第２のワーク取持手段の一例であるパツト１
２には、図示しないホースによつて接続される真
空電磁弁と真空ポンプが接続され、図示しない制
御装置からの信号によつて、パツト１１，１２、
によつてワーク１９を吸着したりあるいは外すこ
とができるようになつている。

上記パツト１１，１２は夫々水平支持部材１３
に板材２０，２１を介して第１及び第２のプレス
間距離の半分の長さの間隔で固定されている。

上記水平支持部材１３の上下はレール面となつ
てその上面下面には横方向にスライドするスライ
ドベアリング２２，２３が配設されていると共
に、背部にはラツク２４が取付られ、横方向搬送
手段１４を構成する減速電動機２５の出力軸に取
付られたピニオン２６によつて所定長水平横方向
に移動できる構造となつている。

なお、上記減速電動機２５には回転数を計測す
る図示しないロータリエンコーダが取付られ、該
ロータリエンコーダの出力は、上記制御装置に接
続されている。

上記横方向搬送手段１４は、縦方向に配設され
た板部材２６に取付られ、該板部材２６は側部に
設けられた図示しないスライドベアリンクによつ
て縦方向に自由に移動できる構造となつていると
共に、板部材２６の上端及び下端にはスプロケツ
ト２７，２８によつて上下方向に駆動されるチエ
ン２９の端部が接続されている。

上記スプロケツト２８の駆動軸３０には、スプ
ロケツト３１が取付られ、該スプロケツト３１は
チエン３２によつて減速電動機３３の出力軸に取
付られているスプロケツト３４に連結され、減速
電動機３３が回転することによつて上記横方向搬
送手段１４全体が縦方向に動くようになつて、縦
方向搬送手段１５を構成している。

上記減速電動機３３は本体架台３５に取付られ
ていると共に、該減速電動機３３には図示しない
ロータリエンコーダが取付られていて、その出力
は上記制御装置に接続されている。

上記載置台１８には、載置テーブル３６の下部
にガイド部材３７，３８，３９によつて摺動自在
に支持されるガイド軸４０，４１，４２が設けら
れ、縦方向に自由に移動できる構造となつている
と共に、ガイド軸４１の下部にはラツク４３が刻
設され、減速電動機４４の出力軸に取付られてい
るピニオン４５によつて上下方向に移動できる構
造となつている。なお、この減速電動機４４にも
モータの回転を検出する為のロータリエンコーダ
が設けられ、該ロータリエンコーダは、上記制御
装置に接続されている。

続いて、上記ワーク搬送装置１０の動作に説明
しながら、本発明の一実施例に係るプレス間ワー
ク搬送方法について更に詳しく説明する。

第１及び第２のプレス１６，１７の中間部に上
記ワーク搬送装置１０を配設する。このとき、第
１のプレス１６のワーク据付部４６の高さの方が
ワーク据付部４７の高さより高いものとする。第
１のプレス１６によつてプレス作業の完了したワ
ークを、縦方向搬送手段１５を駆動してパツト１
１を所定位置まで下げて、しかる後図示しない真
空電磁弁を操作してワークを吸着する。この場
合、載置台１８は第１のプレスのワーク据付部４
６の高さと同じ高さに合わせておく。このように
することによつて、載置台１８の上に搬送された
ワークが残つている場合、ワーク据付部４６に載
つているワークを吸着すると同時に、載置台１８
に載つているワークを搬送することが可能とな
る。

パツト１１で吸着されたワークは一端、縦方向
搬送手段１５を駆動して上昇させた後、横方向搬
送手段１４によつて載置台１８の上まで搬送され
る。この後、縦方向搬送手段１４を駆動して、ワ
ークを載置台１８の上に置くのであるが、ここで
載置台１８は第２のプレス１７のワーク据付部４
７の高さに合わせておき、従つて、縦方向搬送手
段１４も高さが下がつた載置台１８の上にワーク
を置けるまで下がることになる。

このようにすることによつて、パツト１２によ
つて吸着されたワークは、パツト１１，１２の間
隔が第１及び第２のプレス間距離の半分になつて
いるので、丁度第２のワーク据付部４７の上に載
ることになる。

この状態で、パツト１１，１２に接続されてい
る真空電磁弁を遮断してワークを離すと、パツト
１１によつて搬送されたワークは載置台１８の所
定位置に載り、パツト１２によつて搬送されたワ
ークは第２のプレスのワーク据付部４７に載るこ
とになり、ここで、空のパツト１１，１２を上昇
させた後、横方向搬送手段１４を駆動して、水平
支持部材１３を載置台１８の丁度中央部にある位
置で停止させて、第１及び第２のプレス作業を行
う。

次に、第１のプレスのワーク据付部４６に載つ
ているワークをパツト１１で、載置台１８に載つ
ているワークをパツト１２で取りに行くのである
が、この場合は、載置台１８の高さを第１のプレ
ス４６のワーク据付部４６の高さに合わせてお
く。以上の工程を経てワークは第１のプレス１６
から第２のプレス１７に移動することができる。

上記実施例においては、プレスが２台の場合に
ついて説明したが、上記ワーク搬送装置１０を複
数台使用して３台、４台のプレス間のワークの搬
送を行うことも可能である。また、上記装置にお
いては、横方向搬送手段１４、縦方向搬送手段１
５、載置台１８の制御はその回転をロータリエン
コーダで検出して、マイクロコンピユータによつ
て制御しているが、例えば、位置設定が可能なリ
ミツトスイツチによつて位置を停止位置を検出す
ることも可能であり、またその駆動源に油圧のシ
リンダーあるいはモータを使用することも可能で
ある。

〔発明の効果〕

本発明に係るプレス間ワーク搬送方法は、以上
の説明からも明らかなように、中間部にその高さ
を変えることのできる載置台を有し、しかも両側
に第１及び第２のワーク取持手段を備える水平支
持部材を有し、該水平支持部材を横方向搬送手段
によつて横方向に移動させると共に、縦方向移動
手段によつて該水平支持部材を縦方向に移動さ
せ、第１及び第２のワーク取持手段にそれぞれワ
ークを保持しながら、水平及び縦移動を行つて、
ワークを第１プレスから載置台に、そして載置台
から第１のプレスとは高さの異なる第２のプレス
にワークを搬送しているので、短時間でワークの
搬送を行なえ、これによつてプレスの稼働率を向
上させることができる。

また、第１及び第２のプレスの高さを調整する
必要がないので、基礎工事が簡略化され、プレス
の据え付け作業も簡便に行なえるという利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係るプレス間ワー
ク搬送方法を適用した装置の正面図、第２図は同
装置の側面図、第３図は上記実施例に係るプレス
間ワーク搬送方法の作動状況を示す概略説明図で
ある。 〔符号の説明〕、１０……ワーク搬送装置、１
１……パツト（第１のワーク取持手段）、１２…
…パツト（第２のワーク取持手段）、１３……水
平支持部材、１４……横方向搬送手段、１５……
縦方向搬送手段、１６……第１のプレス、１７…
…第２のプレス、１８……載置台、１９……ワー
ク、４６，４７……ワーク据付部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プレス対象物であるワークを取持する第１及
   び第２のワーク取持手段が第１及び第２のプレス
   間距離の半分の間隔で両側部に取付られている水
   平支持部材と、該水平支持部材を水平横方向に移
   動させる横方向搬送手段と、上記水平支持部材を
   縦方向に移動させる縦方向搬送手段と、上記第１
   及び第２のプレスの中間部に配設され、上記それ
   ぞれのワーク取持手段が搬送するワークを一時的
   に載置し隣合うプレスの作業台高さに対応して所
   定長上下する載置台とを備え、上記第１のワーク
   取持手段によつて第１のプレスのワーク据付部か
   らワークを把持すると同時に、上記第２のワーク
   取持手段によつて該第１の金型のワーク据付高さ
   に調整された上記載置台の上に乗つたワークを取
   持し、上記縦方向搬送手段を駆動して第１及び第
   ２のワーク取持手段によつて取持されたワークを
   上昇させると共に上記横方向搬送手段を駆動して
   搬送し、しかる後、上記第１のワーク取持手段に
   取持されたワークを第２のプレスのワーク据付高
   さに調整された載置台の上に載せると同時に第２
   のワーク取持手段に取持されたワークを第２のプ
   レスのワーク据付部に載置し、作業高さの異なる
   第１のプレスから第２のプレスにワークを順次連
   続的に搬送することを特徴とするプレス間ワーク
   搬送方法。 ２ ワーク取持手段が真空によつてワークを吸着
   するパツトである特許請求の範囲第１項記載のプ
   レス間ワーク搬送方法。