JPH0249128Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のウインドガラスの取付構
造、特に接着タイプのウインドガラスの取付構造
に関するものである。

（従来技術） 一般に接着タイプのウインドガラスの取付構造
では、ウインドガラスの周縁部をウインドフレー
ムに接着する接着剤と、この接着剤のウインドフ
レーム内縁側への流出を阻止するためのダム部材
と、ウインドフレームとウインドガラスとの間の
間隔を一定に保持するためのスペーサー部材とが
必要となる（例えば、実開昭52−64422号公報参
照）。

ところで、従来のものでは、ダム部材をウイン
ドガラスの内面に接着し、スペーサー部材をウイ
ンドフレーム側に固定していたために、両者の取
合いが仲々に問題であつた。

即ち、ダム部材とスペーサー部材との干渉を避
けるため、スペーサー部材の外側にダム部材を位
置させると、ダム部材の外側に接着剤を塗布する
必要上、ウインドガラスの取付幅は、スペーサー
部材、ダム部材および接着剤の３者の幅の和とな
り、取付幅が広くなつてウインドモールの幅が広
くなり、ウインドガラスの外観が損なわれるとい
つた難点がある。

かかる取付幅の拡大を避けるために、ダム部材
の変形性を利用してダム部材をスペーサー部材と
重なり合う同一位置に設けるようにすればよい
が、その場合には、以下のような取付上の不具合
を生ずる。

即ち、ウインドガラスの接着作業は、現状で
は、吸盤等より保持したウインドガラスを目視に
よりウインドフレームに位置合わせするようにし
ているが、僅かにズレがあつてウインドガラスの
位置を修正する必要がある場合においては、修正
中に、弾性を有するダム部材がスペーサー部材と
干渉して不自然な変形を生じ、そのためウインド
フレームの全周に塗布した接着剤の一部に途切れ
を生じ水洩れの原因となる不具合がある。

（考案の目的） 本考案は、かかる問題に鑑みてなされたもので
あつて、ダム部材とスペーサー部材との間に干渉
を生ずることなく、ウインドガラスの取付幅を狭
くすることができ、しかも接着剤の途切れを生ず
ることがない自動車のウインドガラスの取付構造
を提供することを目的としている。

（考案の構成） 本考案は、かかる目的を達成するため、ウイン
ドガラスの内面でウインドガラスの周縁に沿つて
固着され、接着剤の流出を阻止する発泡体からな
るダム部材とウインドフレームとウインドガラス
内面との間で圧縮されて両者間の距離を規制する
スペーサー部材とを有し、該スペーサー部材はダ
ム部材の幅以下の幅でかつダム部材の長さに比し
て十分短尺に形成されていて、複数個のスペーサ
ー部材を上記ダム部材の延設方向の適宜箇所で該
ダム部材の途中に一体的に組み込まれて形成され
ておりかつスペーサー部材はダム部材よりウイン
ドガラスの圧着方向に変形しにくく形成されてい
ることを特徴とする自動車のウインドガラスの取
付構造を提供するものである。

（考案の効果） 本考案によれば、ダム部材の途中に、ダム部材
の幅内に収まるようにスペーサー部材を設けたの
で、スペーサー部材をダム部材に並設する構造に
比して、窓枠フランジの幅をスペーサー部材の幅
分だけ狭く形成することができ、大きな視界を確
保することができる。また、ウインドガラスを接
着するに際して、接着剤とダム部材との間の空気
はダム部材を通してスムーズに放出されるので、
空気溜まりを生ずることがなく全周に亘り接着性
を良好なものとすることができ、ひいてはシール
性を良好なものとすることができる。さらに、シ
ール部材は実質的にダム部材によつて形成される
ので、曲げやすく、窓枠フランジへの配設が容易
に行える。

（実施例） 以下、本考案の実施例を詳細に説明する。

第２図に第１図に示すフロントウインド１のコ
ーナー部Ａの拡大図を示すように、ウインドガラ
ス２の外周縁よりやや内側の内面にスペーサー部
材３を一体に組み込んで形成したダム部材４がコ
ーナー部の湾曲形状に沿つて接着固定されてい
る。

上記スペーサー部材３は、第１図に示すよう
に、ウインドガラス２の上縁部の左右および下縁
部の左右の計４個をダム部材４に組み込んでおい
て、ウインドガラス２の全周をウインドフレーム
５に対し均一な間隔を保持しうるようにする。

より具体的に、第３図、第４図に第１図の−
線方向、−線方向の断面図を夫々示すよう
に、ウインドガラス２は、ダム部材４の外周に塗
布された接着剤６によりウインドフレーム５に接
着され、接着剤６の内側への洩れ出しは、ダム部
材４およびスペーサー部材３によつて阻止され
る。

そして、ウインドガラス２とウインドフレーム
５との間の間隙および接着剤６、ダム部材４（ス
ペーサー部材３）はウインドモール７によつて外
側からカバーされている。

また、接着剤６の硬化にともなうウインドガラ
ス２の沈み込みは、前述したようにダム部材４の
適所に組み込んだスペーサー部材３，……，３の
圧縮によつて受合われる。

上記ダム部材４としては、容易に折曲もしくは
湾曲させることができ、しかも接着剤６に対し有
効なシール性を有する材料、例えばEPDM（エチ
レン・プロピレン・ダー・モノマー）を発砲化処
理したスポンジラバーを好適にもちいることがで
きる。また、このダム部材４に一体に組み込むス
ペーサー部材３は、ウインドガラス２の圧着方向
においてダム部材４より圧縮変形されにくい材
料、例えば発砲化処理をしない通常のEPDM製
ラバーを用いることができる。

スペーサー部材３を一体に組み込んだダム部材
４は、例えば、第５図に示すように、EPDM製
スポンジラバー板８を用意して、このスポンジラ
バー板８の幅方向に平行に切り込んで設けた溝
９，９には、EPDM製ラバーよりなる矩形断面
の棒材１０，１０を嵌合面に接着剤を塗布したう
えで嵌合し、スポンジラバー板８を長手方向に所
定のピツチ幅で切断することにより容易に製作す
ることができる。

この実施例では、第６図に示すように、スペー
サー部材３の部分においても、ダム部材４は切り
残されているが、第７図〜第９図に示すように、
スペーサー部材３′，３″，３はダム部材４に対
し種々の態様で一体に組み込むことができる。

以上では、自動車のフロントウインドについて
説明したが、本考案はリヤウインドにも適用しう
ることはいうまでもない。

また、ラバー材料としては、前記EPDMのほ
か、SBR（スチレン・ブタジエン・ラバー）を好
適に用いることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車車体のフロントウインド部を示
す部分斜視図、第２図は第１図に示すフロントウ
インドのコーナー部Ａの部分斜視図、第３図、第
４図は夫々第１図の−線、−線方向断面
図、第５図はスペーサー部材を組み込んだダム部
材の製造方法を示す斜視説明図、第６図は第５図
に示す方法で製造されたダム部材の部分斜視図、
第７図、第８図、第９図はスペーサー部材の他の
組み込み構造を夫々示す第６図と同様の部分斜視
図である。 ２……ウインドガラス、３……スペーサー部
材、４……ダム部材、５……ウインドフレーム、
６……接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ウインドガラスの内面でウインドガラスの周縁
   に沿つて固着され、接着剤の流出を阻止する発泡
   体からなるダム部材とウインドフレームとウイン
   ドガラス内面との間で圧縮されて両者間の距離を
   規制するスペーサー部材とを有し、該スペーサー
   部材はダム部材の幅以下の幅でかつダム部材の長
   さに比して十分短尺に形成されていて、複数個の
   スペーサー部材を上記ダム部材の延設方向の適宜
   箇所で該ダム部材の途中に一体的に組み込まれて
   形成されておりかつスペーサー部材はダム部材よ
   りウインドガラスの圧着方向に変形しにくく形成
   されていることを特徴とする自動車のウインドガ
   ラスの取付構造。