JPH0248845Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、フイルム自動現像装置におけるフ
イルムの蛇行防止装置に関するものである。

〔従来の技術〕

現像槽、漂白槽、定着槽および安定化槽を工程
順に並べ、必要に応じて水洗槽を配置し、これら
処理槽内の処理液中に現像フイルムを順に浸漬し
て現像処理を行なうフイルム自動現像装置におい
ては、上記各処理槽の内部に角筒形のラツクを配
置し、そのラツクの内部に送り込まれるフイルム
をラツクの内部に組込んだ搬送機構の作動によつ
て一方向に移送している。

その移送に際して、第５図に示すように、フイ
ルムＦの先端に、そのフイルムＦより幅が広いリ
ーダＬを接続し、そのリーダＬを先行してフイル
ムＦを一方向に移送するようにしており、上記リ
ーダＬには移動方向に角孔Ｈを等間隔を設けてあ
る。

ところで、フイルムが移送中に蛇行すると、傷
が付く危険があり、あるいは移送路の途中に引つ
掛るおそれがあるため、ラツク内部のフイルム移
送路には、フイルム蛇行防止装置を設けてフイル
ムの移動を案内する必要がある。この場合、フイ
ルムは、前記のように、リーダＬを先行して移送
させるため、フイルム蛇行防止装置は、リーダの
通過時にフイルム移送路から退避するものでなけ
ればならない。

上記フイルム蛇行防止装置の従来技術として、
例えば、第６図に示したものがある。このフイル
ム蛇行防止装置は、ラツク２０の上部に一対のタ
ーンガイド２１を設け、一方のターンガイド２１
からラツク２０の内部に送り込まれるフイルムＦ
の移送路一側に、フイルム蛇行防止部材２２を配
置してある。このフイルム蛇行防止部材２２は、
フイルムＦの通過可能な間隔をおいて平行に配置
した一対のアーム２３を二組備え、各アーム２３
をシヤフト２４で支持してある。このフイルム蛇
行防止部材２２のシヤフト２４の端部をラツク２
０の側板２５で回動可能に支持し、上記シヤフト
２４に支持されたキツクばね２６の弾力によつて
フイルム蛇行防止部材２２をフイルム移送方向に
偏向し、フイルム移送路に突出するアーム２３の
先端部でリーダＬに続くフイルムＦの両側縁の移
動を案内するようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、上記従来のフイルム蛇行防止装置に
おいては、シヤフト２４に支持されたキツクばね
２６の壱端をアーム２３に係合し、キツクばね２
６の他端をフイルム蛇行防止部材２２のまわりに
配置したピン等の係止部２７に係止する構成であ
るため、フイルム蛇行防止装置の組立てに非常に
手間がかかるという不都合がある。

そこで、この考案は上記の不都合を解消し、組
立ての容易なフイルム蛇行防止装置を提供するこ
とを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この考案は、フ
イルム移送路の一側方に配置された揺動可能なフ
イルム蛇行防止部材に弾性片を設け、フイルム蛇
行防止部材の先端をフイルム蛇行部材のまわりに
設けた係止部に係止し、その係止によつてフイル
ム蛇行防止部材の先端部がフイルム移送路に臨む
状態にフイルム蛇行防止部材を保持するように構
成したのである。

〔作用〕

上記の構成において、フイルムに接続したリー
ダがフイルム蛇行防止部材の先端部に臨むと、フ
イルム蛇行防止部材が揺動し、フイルム蛇行防止
部材の先端部がフイルム移送路から退避する。こ
のとき、弾性片が弧状に変形し、上記リーダがフ
イルム蛇行防止部材の先端を通過すると、弾性片
の変形による復元弾性によつてフイルム蛇行防止
部材が援動し、フイルム移送路に臨む先端部でフ
イルムの両側縁の移動を案内する。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図および第２図に示すように、処理槽の内
部に配置されるラツク１の上部には、そのラツク
１の内部に向けてリーダＬを誘導する上部ターン
ガイド２が設けられ、その上部ターンガイド２か
らラツク１の内部にリーダＬを導入すると、リー
ダＬの角孔Ｈにラツク１の内部に配置したスプロ
ケツト３が係合し、そのスプロケツト３の回転に
よつてリーダＬはラツク１の前側ガイド板４の内
面に沿つて下向きに移送される。上記スプロケツ
ト３は、ラツク１の内部上下方向に複数設けら
れ、各スプロケツト３の回転によつてラツク１の
下部までリーダＬが移送されると、ラツク１の内
側下部に設けた下部ターンガイド５によつて、
180゜向きが変換され、次にラツク１の後部ガイド
板６の内面に沿つて上向きに搬送される。そのリ
ーダＬがラツク１の上部まで移送されると、ラツ
ク１の上部に配置した上部ターンガイド７によつ
て、次のラツクに向けて搬送される。

上記一対の上部ターンガイド２，７間にはリー
ダＬに続くフイルムＦの蛇行防止部材１０が配置
されている。この蛇行防止部材１０は、第３図に
示すように、フイルムＦの通過可能な間隔をおい
て平行に配置した一対のアーム１１を二組備え、
その各アーム１１をシヤフト１２で支持し、上記
シヤフト１２の両端部を、ラツク１の両側板１３
で回動可能に支持してある。

なお、シヤフト１２の支持を容易とするためラ
ツク１の側板１３を幅方向に分割し、その分割面
の一方に切欠部１４を設け、その切欠部１４にシ
ヤフト１２の端部を嵌合して側板１３を互いに結
合するようにしている。

上記フイルム蛇行防止部材１０のシヤフト１２
には、弾性片１５が設けられ、その弾性片１５の
先端に形成したフツク１６がラツク１の側板１３
間に渡した間隔規制軸１７に係止され、その係止
によつて、フイルム蛇行防止部材１０のアーム１
１はフイルムＦの移送方向に傾斜し、アーム１１
の先端部がフイルムＦの移送路に臨む状態に保持
される。

なお、弾性片１５の数は任意であり、少なくと
も一つあればよい。

いま、上部ターンガイド２からラツク１の内部
にリーダＬが送られ、そのリーダＬがフイルム蛇
行防止部材１０のアーム１１の先端部上縁に当接
すると、シヤフト１２を中心としてフイルム蛇行
防止部材１０が揺動する。このとき、弾性片１５
は、第４図に示すように、弧状に変形し、上記リ
ーダＬがアーム１１の先端を通過すると、弾性片
１５の変形による復元弾性によつてフイルム蛇行
防止部材１０が上記の逆方向に揺動し、アーム１
１の先端部がフイルムＦの移送路に臨む。このた
め、リーダＬに続くフイルムＦの側縁は、アーム
１１の先端部で案内され、フイルムＦは、蛇行す
ることなく移送される。

なお、シヤフト１２の回転角を大きくするた
め、第４図に示すように、ラツク１の内面にアー
ム１１の先端部が嵌合可能な凹部１８を設けてお
くのが好ましい。

実施例の場合は、ラツク１の側板１３間に渡し
た間隔規制軸１７をフツク１６に対する係止部と
したが、係止部を別に設けてもよい。また、係止
部はフイルム蛇行防止部材１０の上方位置に限定
されるものではなく、フイルム蛇行防止部材１０
のまわりにおいて、フイルムＦの移動およびフイ
ルム蛇行防止部材１０の揺動を阻害しない位置で
あればどこでもよい。

〔効果〕

以上のように、この考案によれば、揺動可能に
支持されたフイルム蛇行防止部材に弾性片を設
け、その弾性片の先端に設けたフツクをフイルム
蛇行防止部材のまわりに設けた係止部に係合して
フイルム蛇行防止部材の先端部がフイルムの移送
路に臨むようにしたので、フイルム蛇行防止部材
をキツクばねの弾力によつて偏向するようにした
従来のフイルム蛇行防止装置と同等のフイルム蛇
行防止効果を得ることができると共に、弾性片の
先端のフツクを係止部に係合させることによつて
フイルム蛇行防止部材の姿勢を規制することがで
きるため、組立てがきわめて容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るフイルム蛇行防止装置
の一実施例を示す一部切欠正面図、第２図は同上
の一部切欠側面図、第３図は同上のラツク上部を
示す斜視図、第４図は同上の作動状態を示す断面
図、第５図はリーダの斜視図、第６図は従来のフ
イルム蛇行防止装置を示す縦断側面図である。 Ｌ……リーダ、Ｆ……フイルム、１０……フイ
ルム蛇行防止部材、１５……弾性片、１６……フ
ツク、１７……間隔規制軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リーダに接続され、そのリーダに先導されて処
   理槽内を移動するフイルムの移送路一側にフイル
   ムの側縁の案内部を先端部に備えるフイルム蛇行
   防止部材を配置して揺動可能に支持し、そのフイ
   ルム蛇行防止部材に弾性片を設け、この弾性片の
   先端に設けたフツクをフイルム蛇行防止部材のま
   わりに配置した係止部に係合してフイルム蛇行防
   止部材の先端部がフイルム移送路に臨む状態にフ
   イルム蛇行防止部材を保持するようにしたフイル
   ム自動現像装置のフイルム蛇行防止装置。