JPH0320830Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はフイルム自動現像装置におけるフイ
ルムの蛇行防止装置に関するものである。

〔従来の技術〕

現像槽、漂白槽、定着槽、水洗槽、および安定
化槽を工程順に並べ、これら処理槽内の処理液中
にフイルムを順に浸漬して現像処理を行なうフイ
ルム自動現像装置においては、上記各処理槽の内
部に角筒形のラツクを配置し、そのラツクの内部
に送り込まれるフイルムをラツクの内部に組込ん
だ搬送機構の作動によつて一方向に移送してい
る。

その搬送に際して、第６図に示すように、フイ
ルムＦの先端に、フイルムＦより幅が広いリーダ
Ｌを接続し、そのリーダＬを先行してフイルムを
一方向に移送するようにしており、上記リーダＬ
には移動方向に角孔Ｈを等間隔に設けてある。

ところで、フイルムが移送中に蛇行すると、傷
が付く危険があり、あるいは移送路の途中に引つ
掛るおそれがあるため、ラツクの内部にはフイル
ム搬送機構の他に、フイルム蛇行防止装置を設け
てフイルムの移動を案内するようにしている。

フイルム蛇行防止装置の従来技術として、例え
ば、第７図および第８図に示すものが存在する。
このフイルム蛇行防止装置は、角筒形ラツク３０
の側板３１間にシヤフト３２を渡し、そのシヤフ
ト３２を中心として揺動可能に支持されたフイル
ム蛇行防止部材３３を上記シヤフト３２に支持さ
れたキツクばね３４の弾力によりフイルムの移送
路に向けて偏向してフイルムの移送路から蛇行防
止部材３３の先端部を退避可能とし、フイルムの
移送路に臨む蛇行防止部材３３の先端部でフイル
ムの側縁の移動を案内するようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、従来のフイルム蛇行防止装置におけ
るフイルム蛇行防止部材３３は、フイルムの通過
可能な間隔をおいて平行に配置した一対のアーム
３５，３５を二組備え、各アーム３５をスラー３
６で連絡しており、各アーム３５の一端部に形成
した挿入孔にシヤフト３２を挿入して支持する構
成であるため、フイルム蛇行防止装置の組み立て
に非常に手間がかかるという不都合がある。そこ
で、この考案は上記の不都合を解消し、組も立て
の容易なフイルム蛇行防止装置を提供することを
目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この考案におい
ては、一対のラツクプレートを有する角筒形ラツ
クの内部に、各ラツクプレートの内面に沿つて移
送されるリーダおよびそのリーダに接続されたフ
イルムの移送案内用のガイドブロツクと、一方ラ
ツクプレートの内面に沿つて下向きに移送される
リーダの移送方向を180゜変換するターンガイドと
を設け、上記ガイドブロツクの表裏両面の中央部
に取付けられる弾性板の後端部に割り溝を有する
挿入片を設け、その挿入片をガイドブロツクに形
成した挿入孔に挿入し、上記挿入片の先端部外周
には挿入孔の開口部周囲に係合する鈎部を設け、
上記弾性板をその先端部が移送されるフイルムの
側縁に位置するようフイルムの移送方向に傾斜さ
せた構成を採用したのである。

〔作用〕

上記弾性板の挿入片をガイドブロツクに設けた
挿入孔に挿入することにより、挿入片の先端部が
挿入孔から突出して鈎部が挿入孔の開口部周囲に
係合し、ガイドブロツクに弾性板を取付けること
ができる。このとき、弾性板はフイルムの移送方
向に向けて傾斜し、先端部がフイルムの側縁と対
向する位置に臨む。

このような弾性板の取付け状態においてラツク
プレートの内面に沿つてリーダを先行してフイル
ムを移送すると、フイルムの移送路に先端部が臨
む弾性板は先行するリーダによつて押されて変形
し、先端部が移送路から退避する。上記リーダが
弾性板の先端部を通過すると、弾性板は変形復元
しとて先端部がフイルムの移送路に臨み、リーダ
に続くフイルムの側縁が弾性板の先端部で案内さ
れる。このため、フイルムは蛇行することなく移
送される。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を第１図乃至第５図に
基づいて説明する。

第１図及び第２図に示すように、処理槽の内部
に組込まれる角筒形ラツク１の上部には一対の上
部ターンガイド２，２が設けられ、一方のターン
ガイド２からラツク１の内部に導入される第６図
のリーダＬは、ラツク１の内部に設けたフイルム
搬送機構１０の作動により、ラツク１の内部を一
方向に搬送される。

ここで、ラツク１は、第３図に示すように、合
成樹脂によつて成形された一対のラツクプレート
３，３から成り、各ラツクプレート３の両側部に
は一対の側板４が設けられ、その側板４を対向し
て角筒形に組み合わせた一対のラツクプレート３
はビス（図示省略）の締付けによつて互に係合さ
れる。また、各ラツクプレート３の内面には、長
さ方向に一対の突条５，５が設けられ、その突条
５の外側方に弧状面６が形成されている。

ラツク１の内部に設けたフイルム搬送機構１０
は、第１図乃至第３図に示すように、ラツク１の
側板４間上下方向に複数のシヤフト１１を渡し、
各シヤフト１１の中央部にスプロケツト１２を取
付け、その両側に一対のクラウンローラ１３，１
３を取付けてあり、上記クラウンローラ１３の外
周でフイルムＦの両側縁を案内するようになつて
いる。各シヤフト１１は、ギヤ伝動機構１４を介
して互に連動し、同方向に同速度で回転され、ラ
ツク１の内部にリーダＬを導入すると、そのリー
ダＬの角孔Ｈにスプロケツト１２が係合し、上記
スプロケツト１２の回転により、リーダＬは一方
ラツクプレート３の内面に沿つ下向きに搬送され
る。そのリーダＬがラツク１の下部まで搬送され
ると、ラツク１の内側下部に設けた下部ターンガ
イド１５によつて180゜向きが変換され、次に他方
ラツクプレート３の内面に沿つて上方に搬送され
る。リーダＬの上向き移送路の上部には一対のス
クイズローラ１６が配置され、そのスクイズロー
ラ１６間を通過したリーダＬは前記上部ターンガ
イド２に誘導されて次の処理槽に導入される。

なお、シヤフト１１の組立てを容易とするた
め、一対のラツクプレート３，３のうち、一方の
ラツクプレート３の側板４に切欠部１７を形成
し、その切欠部１７にシヤフト１１の端部に嵌合
した軸受１８を嵌め合わせて一対のラツクプレー
ト３，３を互に結合している。

上記ラツク１の内部には、隣接するシヤフト１
１間にガイドブロツク１９が設けられ、そのガイ
ドブロツク１９の両側面に形成した突出部２０
は、一方ラツクプレート３に側板４に形成した切
欠部２１に嵌合されている。

各ガイドブロツク１９には、ラツクプレート３
の弧状面６に対向して一対の円弧面２２が設けら
れ、その円弧面２２に縦に長い貫通孔２３が形成
されている。

また、ガイドブロツク１９の表裏両面における
中央部には一対の弾性板２４が取付けられてい
る。その弾性板２４の取付けにおいて、第５図に
示すように、ガイドブロツク１９に挿入孔２５を
形成し、弾性板２４の片面後端部には挿入片２６
を設け、その挿入片２６に割り溝２７を形成し、
上記挿入片２６を挿入孔２５に挿入し、挿入片２
６の先端部外周に設けた鈎部２８を挿入孔２５の
開口部周囲に係合させるようにしている。

上記弾性板２４は、先端に二股片２９を備え、
その二股片２９はリーダＬに接続された二本のフ
イルムＦ間に挿入可能になつている。この二股片
２９は、フイルムＦの移送方向に傾斜してフイル
ムＦの移送方向に位置するスプロケツト１２の外
周部に嵌合している。また、二股片２９の先端部
は、フイルムＦの移送路に臨み、その先端部でフ
イルムＦの側縁を案内するようになつている。

このため、ラツク１の内部に導入されたリーダ
Ｌがスプロケツト１２の回転によつて一方向に移
送され、そのリーダＬがフイルムＦの移送路に臨
む弾性板２４の位置まで移動すると、二股片２９
はリーダＬの先端で押されて変形し、フイルムＦ
移送路から退避する。

上記リーダＬが二股片２９の先端部を通過する
と、弾性板２４は変形による復元力によつてもと
の状態に戻り、二股片２９の先端部がフイルムＦ
の移送路に臨む。このため、リーダＬに続くフイ
ルムＦの側縁は二股片２９の先端部で案内され、
蛇行することなく移送される。

〔効果〕

以上のように、この考案によれば、ガイドブロ
ツクに弾性板を取付ける部品点数の少ない構成で
あり、しかも弾性板に設けた挿入片を弾性板支持
部に形成した挿入孔に挿入することによつて弾性
板を取付けることができるため、組立てがきわめ
て容易である。

また、弾性板を取付けると、その先端部がフイ
ルムの移送路に臨むため、フイルムの蛇行を確実
に防止することができる。

さらに、弾性板に設けた挿入片には割り溝が形
成されているため、挿入孔に対して挿入片を容易
に挿入することができると共に、挿入時には挿入
片が変形し、挿入孔に対して挿入片を完全に差し
込むと変形による復元弾性によつて元の状態に戻
るため、挿入片先端の鈎部を挿入孔の開口部周囲
に係合し、弾性板を確実に取付けることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係るフイルム蛇行防止装
置を組込んだラツクの縦断正面図、第２図は同上
の縦断側面図、第３図は第１図の−線に沿つ
た断面図、第４図は第１図の−線に沿つた断
面図、第５図は同上のガイドブロツクと弾性板と
を示す分解斜視図、第６図はリーダにフイルムを
接続した状態を示す斜視図、第７図は従来のフイ
ルム蛇行防止装置を示す断面図、第８図は同上の
斜視図である。 Ｌ……リーダ、Ｆ……フイルム、１……ラツ
ク、３……ラツクプレート、１５……ターンガイ
ド、１９……ガイドブロツク、２４……弾性板、
２６……挿入片、２７……割り溝、２８……鈎
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対のラツクプレートを有する角筒形ラツクの
   内部に、各ラツクプレートの内面に沿つて移送さ
   れるリーダおよびそのリーダに接続されたフイル
   ムの移送案内用のガイドブロツクと、一方ラツク
   プレートの内面に沿つて下向きに移送されるリー
   ダの移送方向を180゜変換するターンガイドとを設
   け、上記ガイドブロツクの表裏両面の中央部に取
   付けられる弾性板の後端部に割り溝を有する挿入
   片を設け、その挿入片をガイドブロツクに形成し
   た挿入孔に挿入し、上記挿入片の先端部外周に挿
   入孔の開口部周囲に係合する鈎部を設け、上記弾
   性板をその先端部が移送されるフイルムの側縁に
   位置するようフイルムの移送方向に傾斜させたフ
   イルム自動現像装置のフイルム蛇行防止装置。