JPH0248671B2 - Kasadakadekeiryonagoseihikaku - Google Patents
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- JPH0248671B2 JPH0248671B2 JP7051982A JP7051982A JPH0248671B2 JP H0248671 B2 JPH0248671 B2 JP H0248671B2 JP 7051982 A JP7051982 A JP 7051982A JP 7051982 A JP7051982 A JP 7051982A JP H0248671 B2 JPH0248671 B2 JP H0248671B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、嵩高でボリユーム感があり、しかも
軽量な合成皮革、さらに詳しくは、嵩高でボリユ
ーム感があり、かつ軽量という特性と、加工及び
使用に耐える充分な物性とを兼ね備えた合成皮革
に関するものである。 一般に合成皮革は編物、織物、不織布などのよ
うな基体上にナイロン、ポリウレタンのような合
成樹脂の塗膜を形成せしめたものである。ところ
で、これら従来の合成皮革はその基体として、メ
リヤス、起毛布など普通の布地が用いられ、場合
によつては、物性面の要求を満たすべく、基体自
体に合成樹脂を含浸付着せしめることにより、緊
密状に構成されていて、合成皮革一般には嵩高で
ボリユーム感に富み、かつ軽量であるようなもの
はほとんど見当らない。 合成皮革の用途はきわめて広範であつて、衣
料、靴、鞄、袋物、ソフアーなどの家具張り、自
動車内装、その他雑貨等に及んでいる。これらの
ものは用途によつて乱暴に扱われる場合があり、
又加工縫製上においても引張、引伸ばしなど相当
の力が加えられるものであり、したがつて加工条
件、使用条件に耐えられる物性が必要とされる。
そのため、通常の合成皮革はすでに述べたごと
く、緊密状に構成することによつて、これらの条
件を満たそうとするものである。 ところで、各用途物の中には嵩高、軽量で、保
温性に富んだ素材を要望するようなものもある。
このような特性を持つた合成皮革は、バインダー
なしの嵩高な下織繊維質シートを基体として、こ
れに合成樹脂の塗膜を形成すれば見掛け上では得
ることができる。ところが、一般に、ここで用い
られるバインダーなしの嵩高な不織繊維質シート
は嵩高性を損わない程度の適度のニードルパンチ
ングによつて繊維相互を絡らませたものが一般的
であり、これを基体として合成樹脂の塗膜を形成
したものは、一応嵩高、軽量ではあるものの、反
面、引張り強度、モジユラス等の物性面において
劣り、その加工縫製上および使用上充分なもので
はない。 本発明者は先に上記欠点を解消すべく、不織繊
維ウエブの層間に一定の条件を満たす織布を介在
せしめ、これに不織繊維ウエブの構成繊維を絡合
一体化した嵩高な不織繊維質基体を用いてなる軽
量、嵩高な合成皮革を提案した。この提案に係る
合成皮革は一応は嵩高、軽量、及び保温と引張り
強度及びモジユラスとの両性能を兼ね備えたもの
ではあるが、しかし、そこで用いる嵩高な不織繊
維質基体は、その表層部の繊維密度が小さくて、
嵩高な粗状態であるため、その上に設けた合成樹
脂層は、それが仮に基体厚さ方向に多少浸透した
状態で接合しているとしても、基体と合成樹脂層
との一体は充分満足すべきものではなく、しか
も、合成樹脂層が部分的に基体面から浮き上つ
て、大じわが現われるという外観、感触上の欠点
を有するものである。このような欠点、特に塗膜
表面の部分的浮き上りという外観、感触上の欠点
は、これを用いて加工縫製した商品においてもそ
の物性面での欠陥と共に、外観、感触面での商品
価値の低下を期すもので、これを改良することに
よつて、合成皮革としての商品価値を大巾に高め
ることができるものである。 ところで、上記のごとき、合成樹脂層の部分的
浮き上がりによる大じわの現出は、ロール掛けや
プレスを行つた不織繊維質基体を使用することに
よつて、ある程度解消されるが、この方法によれ
ば、嵩高性が失われ風合が硬くなつてしまい、軽
量、嵩高でボリユーム感に富んだ合成皮革を得る
ことはできない。 本発明者は、叙上のごとき問題点に鑑み、これ
らの欠点を全て解消した、軽量、嵩高でボリユー
ム感に富み、保温性に優れた合成皮革を提供すべ
く改良研究の結果、本発明を完成するに至つたも
のである。 本発明は、60デニール以上、450デニール以下
の糸が、経緯ともに8本/cm以上、50本/cm以下
で、かつ投影面積繊維占積率90%以下で織成され
た織布の片面又は両面に、不織繊維ウエブを重
ね、次いで片面又は両面から50パンチ/cm2以上、
300パンチ/cm2以下のニードルパンチングをした
ウエブシートの片面に、一つのエンボス部の面積
が0.03〜10mm2以下であるピンポイントエンボスを
10個/cm2以上、100個/cm2以下であつて、かつピ
ンポイントエンボス部の面積比率が1〜40%とな
るように施した嵩高な不織繊維質基体の片面に発
泡合成樹脂層を設け、さらにその上に、非発泡合
成樹脂表面層を設けてなる、重さ400g/m2以下、
厚さ1.2mm以上、見掛密度0.4g/cm3以下、20%モ
ジユラス8Kg/3cm以上、引張り強度10Kg/3cm
以上であることを特徴とする嵩高で軽量な合成皮
革に関するものである。 すなわち、本発明は、一定の織布を一定のパン
チ密度で、不織繊維ウエブの層間に挾持一体化せ
しめた嵩高な不織繊維質シートを基体として用い
ることによつて、単に不特定のニードルパンチン
グが施されただけの不織繊維質シート(織布の挾
持なし)を基体としてでも一応は得られる軽量・
嵩高な合成皮革の軽量、嵩高という特性は何ら損
うことなく、その物性面における欠点を解消する
ことに成功した結果、各種用途に対して非常に優
れた一定の物性値を持つていると同時に、表面平
滑で全体的にソフト感のある、きわめて優れた外
観と感触とを有する合成皮革を提供するものであ
る。 本発明においては、第一に、不織繊維ウエブの
層間に織布を挾持一体化せしめるのであるが、こ
の場合以下の条件を全て満たさなければならな
い。 まず、使用する織布60デニール以上、450デニ
ール以下の糸が経緯ともに8本/cm以上、50本/
cm以下で、かつ投影面積繊維占積率が90%以下の
ものに限定し、次いで、当該織布を50パンチ/cm2
以上、300パンチ/cm2以下のニードルパンチング
によつて不織繊維ウエブの層間に挾持一体化する
ものである。つまり、不織繊維ウエブの層間への
織布の挾持とニードルパンチングとによつて、不
織繊維ウエブ本来の軽量、嵩高という特性が損わ
れたのでは、本発明の目的は達成されず、反面、
使用する織布の構成とニードルパンチングの条件
如何によつては、強度面の改善向上が困難となる
のである。 まず、使用する織布では、それを織成する糸が
450デニールよりも大きい場合には嵩高性とソフ
ト感とが失われ、60デニールよりも小さい場合に
は物性面での補強効果がなく、又糸の打込み数に
おいて、経、緯それぞれ50本/cmよりも多けれ
ば、糸の太さが仮に450デニール以下であつたと
してもソフト感が失われ、一方経、緯それぞれ8
本/cmよりも少なければ糸の太さが仮に60デニー
ル以上であつたとしても物性面での補強効果がな
いからである。一方、上記打込み数を満たしたと
しても、投影面積繊維占積率が90%以下でなけれ
ば、以下に詳説するニードリングがスムーズに行
い難いのである。 次に、ニードルパンチングでは、これが300パ
ンチ/cm2よりも多ければ嵩高性とソフト感が失わ
れると同時に強度が低下し、50パンチ/cm2よりも
少なければ、織布と不織繊維ウエブとの絡合一体
化が弱く、これを基体として使用した合成皮革に
おいて充分な物性が得られないのである。なお、
本発明において用いられるニードルパンチング用
の針は#36〜#42が好ましい。 第二に、ニードルパンチングによつて得られた
ウエブシートの片面にピンポイントエンボスを施
すのであるが、その目的は嵩高性を残し、平滑な
合成樹脂表面層を形成せしめ得るにあり、この場
合以下の条件を全て満たさなければならない。 すなわち、一つのエンボス部の面積が0.03〜10
mm2であるピンポイントエンボスを、そのエンボス
密度が10個/cm2以上、100個/cm2以下であつて、
かつピンポイントエンボス部の面積比率が1〜40
%となるように実施しなければならない。つまり
このピンポイントエンボスでは、そのピンによつ
て押さえこのれる一つのエンボス部の面積が10mm2
よりも大きければ、たとえピンポイントエンボス
とはいえ、そのエンボスによつてウエブシートの
ソフト感が失われてしまうのであり、したがつて
本発明においては一つのエンボス部の面積が10mm2
以下でなければならないのである。反面0.03mm2よ
りも小さければピンポイントエンボスによるエン
ボス効果がなく平滑な合成樹脂表面層を形成せし
めるという目的を達成し得ないのである。 又エンボス密度が100個/cm2以上では、、たとえ
一つのエンボス部の面積が10mm2以下であるとして
もウエブシートのソフト感が失われてしまい、一
方10個/cm2以下ではエンボス効果がなく、平滑な
表面層を付与するという目的が達成され得ないの
であり、したがつて本発明においては、ピンポイ
ントエンボスの密度が10個/cm2以上、100個/cm2
以下でなければならないのである。本発明におけ
るピンポイントエンボスは、以上のごとき条件の
他に、エンボス部の総面積の面積比率が1〜40%
であることを要する。 すなわち本発明においては、一つのエンボス部
の面積の大きさ、エンボス密度およびエンボス部
の面積比率の3者の相乗効果によつて、ピンポイ
ントエンボスの目的が達成されるのである。 なお、本発明における一つのエンボス部の面積
とは、エンボスされた凹部の谷の面積を指すもの
である。 さらに又本発明のピンポイントエンボスは、そ
の押圧、凹部の深さをウエブシート厚さの1/3以
下の表層部にとどめておくのが好ましく、ピンポ
イントエンボスロールはウエブシートを構成する
繊維の融点付近に加熱されている場合がある。例
えば、ナイロン繊維の場合は190〜198℃、ポリエ
ステル繊維の場合は205〜220℃である。 ピンポイントエンボスロールとバツクロールと
では、ピンポイントエンボスロールよりもバツク
ロール(一般にはフラツトロール)の方を10℃以
上低く設定するのが好ましく、また両者の間隔
(クリヤランス)を0.05mm以上に設定するのが望
ましい。 このようにして得られた不織繊維質基体のいづ
れかの面に合成樹脂を設けるのであるが、この場
合ピンポイントエンボスの施されたのとは反対の
面に設けるのが平滑な合成皮革表面を得る上にお
いてより効果的である。 本発明において用いる織布は、その織成の条件
を満たすものならば、特に限定する必要はなく、
例えばナイロン、ポリエステル、レーヨン、綿な
どの合成繊維、天然繊維の単独あるいは混合によ
り織成されたものが上げられる。又これら織布に
対して絡合一体化させる不織繊維ウエブの構成繊
維としてもこれを限定するものではなく、合成繊
維、天繊維の単独あるいは混綿が用いられそのウ
エブ形成は、例えば通常のカード方式によつて行
われる。 本発明において、嵩高な不織繊維質基体上に形
成される合成樹脂の層は、その第1層を発泡層と
するのであるが、これは、基体面の凹凸を隠蔽し
て合成皮革としての最外表面を平滑化すると共に
ソフト感を付与するものであり、この場合の発泡
合成樹脂層の厚さは0.1〜0.3mmが好ましい。この
発泡合成樹脂層の形成は、いわゆる湿式成膜法、
あるいは乾式成膜法(発泡剤発泡によるもの、機
械発泡によるもの)のいずれでも可能である。こ
の発泡合成樹脂層の上には、さらに非発泡合成樹
脂表面層を設けるのであるが、これは耐引掻等の
表面強度を補強するために重要なものである。 ところで、使用する合成樹脂は、これを特に限
定するものではなく、例えばポリウレタン樹脂、
ポリアクリル樹脂、ポリアマイド樹脂等が用いら
れるが、中でもポリウレタンが最も一般的であ
る。 本発明の合成皮革は、嵩高ソフト感、軽量、保
温性を全て備えているので、特に、靴、椅子張り
等の素材として有用である。 以下実施例を上げて本発明をさらに具体的に説
明する。 実施例 ポリエステル/綿混紡の177デニールの糸を経
17本/cm、同133デニールの糸を緯22本/cmで織
成された投影面積縫維占積率42%の手織布の上
に、3デニール、51mmのポリエステル、レーヨン
の混綿で構成された140g/m2の不織繊維ウエブ
を重ね、当該不織繊維ウエブの上から#40の針を
用いて200パンチ/cm2のニードルパンチングを施
してウエブシートを形成、さらにこのウエブシー
トの片面に、一つのエンボス部の面積が0.07mm2の
ピンポイントエンボスを、エンボス密度44個/cm2
で、かつエンボス部の面積比率が3%となるよう
に、ピンポイントエンボスロールの温度215℃、
バツクロールの温度180℃、クリヤランス0.1mm、
スピード10m/minの条件下で実施することによ
つて、嵩高な不織繊維質基体を得た。 別に工程紙に、下記配合Aのポリウレタンエラ
ストマーの溶液を100g/m2となるように塗布し、
これを乾燥皮膜化した。 さらに、この皮膜上に、下記配合Bの加熱発泡
性のウレタンポリマー塗料を、200g/m2となる
ように塗布し、次いで120℃、2分間加熱発泡せ
しめ、直ちに前記嵩高な不織繊維質基体に発泡ポ
リウレタン塗料層を貼合して、これを70℃で1時
間加熱した後、冷却し工程紙を剥離して合成皮革
を得た。 配合Aペタル4933 100(東洋ポリマー製、 ポリウレタン) ヂメチルホルムアミド 20 メチルエチルケトン 20 有機着色剤 5 配合B エコール2200
100(東洋ポリマー製、ウレタンポリマー) EP−1
10( 〃 、整泡剤 ) EOT−A
1( 〃 、触媒 ) ADD−15B
1( 〃 、 〃 ) 以上により得られた合成皮革は、下記物性表に
示すとおり嵩高でボリユーム感に優れると共に軽
量で、保温性に富んだものであつて、これを用い
て小児用ブーツを作つたところ、縫製上の問題も
なく、きわめて良好なものであつた。 【表】
軽量な合成皮革、さらに詳しくは、嵩高でボリユ
ーム感があり、かつ軽量という特性と、加工及び
使用に耐える充分な物性とを兼ね備えた合成皮革
に関するものである。 一般に合成皮革は編物、織物、不織布などのよ
うな基体上にナイロン、ポリウレタンのような合
成樹脂の塗膜を形成せしめたものである。ところ
で、これら従来の合成皮革はその基体として、メ
リヤス、起毛布など普通の布地が用いられ、場合
によつては、物性面の要求を満たすべく、基体自
体に合成樹脂を含浸付着せしめることにより、緊
密状に構成されていて、合成皮革一般には嵩高で
ボリユーム感に富み、かつ軽量であるようなもの
はほとんど見当らない。 合成皮革の用途はきわめて広範であつて、衣
料、靴、鞄、袋物、ソフアーなどの家具張り、自
動車内装、その他雑貨等に及んでいる。これらの
ものは用途によつて乱暴に扱われる場合があり、
又加工縫製上においても引張、引伸ばしなど相当
の力が加えられるものであり、したがつて加工条
件、使用条件に耐えられる物性が必要とされる。
そのため、通常の合成皮革はすでに述べたごと
く、緊密状に構成することによつて、これらの条
件を満たそうとするものである。 ところで、各用途物の中には嵩高、軽量で、保
温性に富んだ素材を要望するようなものもある。
このような特性を持つた合成皮革は、バインダー
なしの嵩高な下織繊維質シートを基体として、こ
れに合成樹脂の塗膜を形成すれば見掛け上では得
ることができる。ところが、一般に、ここで用い
られるバインダーなしの嵩高な不織繊維質シート
は嵩高性を損わない程度の適度のニードルパンチ
ングによつて繊維相互を絡らませたものが一般的
であり、これを基体として合成樹脂の塗膜を形成
したものは、一応嵩高、軽量ではあるものの、反
面、引張り強度、モジユラス等の物性面において
劣り、その加工縫製上および使用上充分なもので
はない。 本発明者は先に上記欠点を解消すべく、不織繊
維ウエブの層間に一定の条件を満たす織布を介在
せしめ、これに不織繊維ウエブの構成繊維を絡合
一体化した嵩高な不織繊維質基体を用いてなる軽
量、嵩高な合成皮革を提案した。この提案に係る
合成皮革は一応は嵩高、軽量、及び保温と引張り
強度及びモジユラスとの両性能を兼ね備えたもの
ではあるが、しかし、そこで用いる嵩高な不織繊
維質基体は、その表層部の繊維密度が小さくて、
嵩高な粗状態であるため、その上に設けた合成樹
脂層は、それが仮に基体厚さ方向に多少浸透した
状態で接合しているとしても、基体と合成樹脂層
との一体は充分満足すべきものではなく、しか
も、合成樹脂層が部分的に基体面から浮き上つ
て、大じわが現われるという外観、感触上の欠点
を有するものである。このような欠点、特に塗膜
表面の部分的浮き上りという外観、感触上の欠点
は、これを用いて加工縫製した商品においてもそ
の物性面での欠陥と共に、外観、感触面での商品
価値の低下を期すもので、これを改良することに
よつて、合成皮革としての商品価値を大巾に高め
ることができるものである。 ところで、上記のごとき、合成樹脂層の部分的
浮き上がりによる大じわの現出は、ロール掛けや
プレスを行つた不織繊維質基体を使用することに
よつて、ある程度解消されるが、この方法によれ
ば、嵩高性が失われ風合が硬くなつてしまい、軽
量、嵩高でボリユーム感に富んだ合成皮革を得る
ことはできない。 本発明者は、叙上のごとき問題点に鑑み、これ
らの欠点を全て解消した、軽量、嵩高でボリユー
ム感に富み、保温性に優れた合成皮革を提供すべ
く改良研究の結果、本発明を完成するに至つたも
のである。 本発明は、60デニール以上、450デニール以下
の糸が、経緯ともに8本/cm以上、50本/cm以下
で、かつ投影面積繊維占積率90%以下で織成され
た織布の片面又は両面に、不織繊維ウエブを重
ね、次いで片面又は両面から50パンチ/cm2以上、
300パンチ/cm2以下のニードルパンチングをした
ウエブシートの片面に、一つのエンボス部の面積
が0.03〜10mm2以下であるピンポイントエンボスを
10個/cm2以上、100個/cm2以下であつて、かつピ
ンポイントエンボス部の面積比率が1〜40%とな
るように施した嵩高な不織繊維質基体の片面に発
泡合成樹脂層を設け、さらにその上に、非発泡合
成樹脂表面層を設けてなる、重さ400g/m2以下、
厚さ1.2mm以上、見掛密度0.4g/cm3以下、20%モ
ジユラス8Kg/3cm以上、引張り強度10Kg/3cm
以上であることを特徴とする嵩高で軽量な合成皮
革に関するものである。 すなわち、本発明は、一定の織布を一定のパン
チ密度で、不織繊維ウエブの層間に挾持一体化せ
しめた嵩高な不織繊維質シートを基体として用い
ることによつて、単に不特定のニードルパンチン
グが施されただけの不織繊維質シート(織布の挾
持なし)を基体としてでも一応は得られる軽量・
嵩高な合成皮革の軽量、嵩高という特性は何ら損
うことなく、その物性面における欠点を解消する
ことに成功した結果、各種用途に対して非常に優
れた一定の物性値を持つていると同時に、表面平
滑で全体的にソフト感のある、きわめて優れた外
観と感触とを有する合成皮革を提供するものであ
る。 本発明においては、第一に、不織繊維ウエブの
層間に織布を挾持一体化せしめるのであるが、こ
の場合以下の条件を全て満たさなければならな
い。 まず、使用する織布60デニール以上、450デニ
ール以下の糸が経緯ともに8本/cm以上、50本/
cm以下で、かつ投影面積繊維占積率が90%以下の
ものに限定し、次いで、当該織布を50パンチ/cm2
以上、300パンチ/cm2以下のニードルパンチング
によつて不織繊維ウエブの層間に挾持一体化する
ものである。つまり、不織繊維ウエブの層間への
織布の挾持とニードルパンチングとによつて、不
織繊維ウエブ本来の軽量、嵩高という特性が損わ
れたのでは、本発明の目的は達成されず、反面、
使用する織布の構成とニードルパンチングの条件
如何によつては、強度面の改善向上が困難となる
のである。 まず、使用する織布では、それを織成する糸が
450デニールよりも大きい場合には嵩高性とソフ
ト感とが失われ、60デニールよりも小さい場合に
は物性面での補強効果がなく、又糸の打込み数に
おいて、経、緯それぞれ50本/cmよりも多けれ
ば、糸の太さが仮に450デニール以下であつたと
してもソフト感が失われ、一方経、緯それぞれ8
本/cmよりも少なければ糸の太さが仮に60デニー
ル以上であつたとしても物性面での補強効果がな
いからである。一方、上記打込み数を満たしたと
しても、投影面積繊維占積率が90%以下でなけれ
ば、以下に詳説するニードリングがスムーズに行
い難いのである。 次に、ニードルパンチングでは、これが300パ
ンチ/cm2よりも多ければ嵩高性とソフト感が失わ
れると同時に強度が低下し、50パンチ/cm2よりも
少なければ、織布と不織繊維ウエブとの絡合一体
化が弱く、これを基体として使用した合成皮革に
おいて充分な物性が得られないのである。なお、
本発明において用いられるニードルパンチング用
の針は#36〜#42が好ましい。 第二に、ニードルパンチングによつて得られた
ウエブシートの片面にピンポイントエンボスを施
すのであるが、その目的は嵩高性を残し、平滑な
合成樹脂表面層を形成せしめ得るにあり、この場
合以下の条件を全て満たさなければならない。 すなわち、一つのエンボス部の面積が0.03〜10
mm2であるピンポイントエンボスを、そのエンボス
密度が10個/cm2以上、100個/cm2以下であつて、
かつピンポイントエンボス部の面積比率が1〜40
%となるように実施しなければならない。つまり
このピンポイントエンボスでは、そのピンによつ
て押さえこのれる一つのエンボス部の面積が10mm2
よりも大きければ、たとえピンポイントエンボス
とはいえ、そのエンボスによつてウエブシートの
ソフト感が失われてしまうのであり、したがつて
本発明においては一つのエンボス部の面積が10mm2
以下でなければならないのである。反面0.03mm2よ
りも小さければピンポイントエンボスによるエン
ボス効果がなく平滑な合成樹脂表面層を形成せし
めるという目的を達成し得ないのである。 又エンボス密度が100個/cm2以上では、、たとえ
一つのエンボス部の面積が10mm2以下であるとして
もウエブシートのソフト感が失われてしまい、一
方10個/cm2以下ではエンボス効果がなく、平滑な
表面層を付与するという目的が達成され得ないの
であり、したがつて本発明においては、ピンポイ
ントエンボスの密度が10個/cm2以上、100個/cm2
以下でなければならないのである。本発明におけ
るピンポイントエンボスは、以上のごとき条件の
他に、エンボス部の総面積の面積比率が1〜40%
であることを要する。 すなわち本発明においては、一つのエンボス部
の面積の大きさ、エンボス密度およびエンボス部
の面積比率の3者の相乗効果によつて、ピンポイ
ントエンボスの目的が達成されるのである。 なお、本発明における一つのエンボス部の面積
とは、エンボスされた凹部の谷の面積を指すもの
である。 さらに又本発明のピンポイントエンボスは、そ
の押圧、凹部の深さをウエブシート厚さの1/3以
下の表層部にとどめておくのが好ましく、ピンポ
イントエンボスロールはウエブシートを構成する
繊維の融点付近に加熱されている場合がある。例
えば、ナイロン繊維の場合は190〜198℃、ポリエ
ステル繊維の場合は205〜220℃である。 ピンポイントエンボスロールとバツクロールと
では、ピンポイントエンボスロールよりもバツク
ロール(一般にはフラツトロール)の方を10℃以
上低く設定するのが好ましく、また両者の間隔
(クリヤランス)を0.05mm以上に設定するのが望
ましい。 このようにして得られた不織繊維質基体のいづ
れかの面に合成樹脂を設けるのであるが、この場
合ピンポイントエンボスの施されたのとは反対の
面に設けるのが平滑な合成皮革表面を得る上にお
いてより効果的である。 本発明において用いる織布は、その織成の条件
を満たすものならば、特に限定する必要はなく、
例えばナイロン、ポリエステル、レーヨン、綿な
どの合成繊維、天然繊維の単独あるいは混合によ
り織成されたものが上げられる。又これら織布に
対して絡合一体化させる不織繊維ウエブの構成繊
維としてもこれを限定するものではなく、合成繊
維、天繊維の単独あるいは混綿が用いられそのウ
エブ形成は、例えば通常のカード方式によつて行
われる。 本発明において、嵩高な不織繊維質基体上に形
成される合成樹脂の層は、その第1層を発泡層と
するのであるが、これは、基体面の凹凸を隠蔽し
て合成皮革としての最外表面を平滑化すると共に
ソフト感を付与するものであり、この場合の発泡
合成樹脂層の厚さは0.1〜0.3mmが好ましい。この
発泡合成樹脂層の形成は、いわゆる湿式成膜法、
あるいは乾式成膜法(発泡剤発泡によるもの、機
械発泡によるもの)のいずれでも可能である。こ
の発泡合成樹脂層の上には、さらに非発泡合成樹
脂表面層を設けるのであるが、これは耐引掻等の
表面強度を補強するために重要なものである。 ところで、使用する合成樹脂は、これを特に限
定するものではなく、例えばポリウレタン樹脂、
ポリアクリル樹脂、ポリアマイド樹脂等が用いら
れるが、中でもポリウレタンが最も一般的であ
る。 本発明の合成皮革は、嵩高ソフト感、軽量、保
温性を全て備えているので、特に、靴、椅子張り
等の素材として有用である。 以下実施例を上げて本発明をさらに具体的に説
明する。 実施例 ポリエステル/綿混紡の177デニールの糸を経
17本/cm、同133デニールの糸を緯22本/cmで織
成された投影面積縫維占積率42%の手織布の上
に、3デニール、51mmのポリエステル、レーヨン
の混綿で構成された140g/m2の不織繊維ウエブ
を重ね、当該不織繊維ウエブの上から#40の針を
用いて200パンチ/cm2のニードルパンチングを施
してウエブシートを形成、さらにこのウエブシー
トの片面に、一つのエンボス部の面積が0.07mm2の
ピンポイントエンボスを、エンボス密度44個/cm2
で、かつエンボス部の面積比率が3%となるよう
に、ピンポイントエンボスロールの温度215℃、
バツクロールの温度180℃、クリヤランス0.1mm、
スピード10m/minの条件下で実施することによ
つて、嵩高な不織繊維質基体を得た。 別に工程紙に、下記配合Aのポリウレタンエラ
ストマーの溶液を100g/m2となるように塗布し、
これを乾燥皮膜化した。 さらに、この皮膜上に、下記配合Bの加熱発泡
性のウレタンポリマー塗料を、200g/m2となる
ように塗布し、次いで120℃、2分間加熱発泡せ
しめ、直ちに前記嵩高な不織繊維質基体に発泡ポ
リウレタン塗料層を貼合して、これを70℃で1時
間加熱した後、冷却し工程紙を剥離して合成皮革
を得た。 配合Aペタル4933 100(東洋ポリマー製、 ポリウレタン) ヂメチルホルムアミド 20 メチルエチルケトン 20 有機着色剤 5 配合B エコール2200
100(東洋ポリマー製、ウレタンポリマー) EP−1
10( 〃 、整泡剤 ) EOT−A
1( 〃 、触媒 ) ADD−15B
1( 〃 、 〃 ) 以上により得られた合成皮革は、下記物性表に
示すとおり嵩高でボリユーム感に優れると共に軽
量で、保温性に富んだものであつて、これを用い
て小児用ブーツを作つたところ、縫製上の問題も
なく、きわめて良好なものであつた。 【表】
Claims (1)
- 1 60デニール以上、450デニール以下の糸が、
経緯ともに8本/cm以上、50本/cm以下で、かつ
投影面積繊維占積率90%以下で織成された織布の
片面又は両面に不織繊維ウエブを重ね、次いで、
片面又は両面から50パンチ/cm2以上、300パン
チ/cm2以下のニードルパンチングをしたウエブシ
ートの片面に、一つのエンボス部の面積が0.03〜
10mm2以下であるピンポイントエンボスを10個/cm2
以上、100個/cm2以下であつて、かつピンポイン
トエンボス部の面積比率が1〜40%となるように
施した嵩高な不織繊維質基体の片面に、発泡合成
樹脂層を設け、さらにその上に非発泡合成樹脂表
面層を設けてなる、重さ400g/m2以下、厚さ1.2
mm以上、見掛密度0.4g/cm3以下、20%モジユラ
ス8Kg/3cm以上、引張り強度10Kg/3cm以上で
あることを特徴とする嵩高で軽量な合成皮革。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7051982A JPH0248671B2 (ja) | 1982-04-28 | 1982-04-28 | Kasadakadekeiryonagoseihikaku |
CA000432987A CA1249400A (en) | 1982-04-28 | 1983-07-22 | Muramyldipeptide derivatives |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7051982A JPH0248671B2 (ja) | 1982-04-28 | 1982-04-28 | Kasadakadekeiryonagoseihikaku |
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---|---|
JPS58191282A JPS58191282A (ja) | 1983-11-08 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7051982A Expired - Lifetime JPH0248671B2 (ja) | 1982-04-28 | 1982-04-28 | Kasadakadekeiryonagoseihikaku |
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---|---|---|---|---|
JPH0694627B2 (ja) * | 1989-04-19 | 1994-11-24 | 帝人コードレ株式会社 | 皮革様シート状物 |
-
1982
- 1982-04-28 JP JP7051982A patent/JPH0248671B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1983
- 1983-07-22 CA CA000432987A patent/CA1249400A/en not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA1249400A (en) | 1989-01-24 |
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