JPH06280145A - 皮革様シート状物 - Google Patents

皮革様シート状物

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JPH06280145A
JPH06280145A JP5089162A JP8916293A JPH06280145A JP H06280145 A JPH06280145 A JP H06280145A JP 5089162 A JP5089162 A JP 5089162A JP 8916293 A JP8916293 A JP 8916293A JP H06280145 A JPH06280145 A JP H06280145A
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JP
Japan
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polyurethane
sheet
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leather
fiber
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JP5089162A
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Katsuyuki Tomita
克幸 富田
Ayako Koori
彩子 郡
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06NWALL, FLOOR, OR LIKE COVERING MATERIALS, e.g. LINOLEUM, OILCLOTH, ARTIFICIAL LEATHER, ROOFING FELT, CONSISTING OF A FIBROUS WEB COATED WITH A LAYER OF MACROMOLECULAR MATERIAL; FLEXIBLE SHEET MATERIAL NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06N3/00Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof
    • D06N3/0002Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof characterised by the substrate
    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の皮革様シート状物は、3次元絡合し
た不織布とミクロポーラス状に凝固したポリウレタンバ
インダーとからなるシート状物において、厚み方向に見
掛け密度勾配を有する不織布に、ポリウレタンバインダ
ーを多層に含有せしめることにより、繊維とポリウレタ
ンバインダーの両者がシート状物の厚み方向において、
同一方向の見掛け密度勾配を有することを特徴とする。 【目的】 柔軟で、充実感に優れ、銀付きシート状物に
したときの折れしわ感に優れ、更に上述したような片面
側の突っ張り感のない、一体感のある天然皮革様の風合
いを有するシート状物を提供するにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性に優れ、皮革様
の充実感に富む風合いを有するシート状物に関し、更に
詳しくは折り曲げたとき微細で皮革に極似した折れしわ
を有するシート状物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より天然皮革の代替品として、3次
元絡合した不織布に弾性樹脂を含浸、湿式凝固してなる
皮革様シート状物はよく知られている。そしてこのシー
ト状物に、重合体被覆層を設けたものが、皮革の代替品
として好適なものであることもよく知られている。
【0003】しかし、このようなシート状物は、一般に
は内部の構造が均一であって、皮革のようにその厚み方
向で緻密な部分から疎な部分へといった見掛け密度勾配
(JIS L−1096で測定した厚みから求める)を
有していないため、見掛け密度の低いシート状物は、柔
軟性には優れるものの充実感、折れしわ感に劣り、ま
た、見掛け密度の高いシート状物は、充実感、折れしわ
感には優れるものの、柔軟性、風合いに劣るという欠点
があった。
【0004】このような欠点を解決するため、不織布に
組成の異なる重合体溶液を多層に含浸することにより、
シート状物内部の重合体層に密度勾配をつける方法(た
とえば特公昭51−14563号公報)がある。しかし
ながらこの方法では、シート状物の厚み方向において繊
維と重合体の重量比が異なり、高密度側では重合体の比
率が高く、低密度側では重合体の比率が低くなっている
ため、高密度側は重合体の反発弾性が強く、突っ張った
感じになりやすい。特に効果的な密度勾配をつけようと
すればするほど、高密度側の重合体比率が高くなるた
め、ゴムライクな反発弾性が強くなり、皮革様の風合い
からは遠ざかる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、柔軟
で、充実感に優れ、銀付きシート状物にしたときの折れ
しわ感に優れ、更に上述したような片面側の突っ張り感
のない、一体感のある天然皮革様の風合いを有するシー
ト状物を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の皮革様シート状
物は、3次元絡合した不織布とミクロポーラス状に凝固
したポリウレタンバインダーとからなるシート状物にお
いて、厚み方向に見掛け密度勾配を有する不織布に、ポ
リウレタンバインダーを多層に含有せしめることによ
り、繊維とポリウレタンバインダーの両者がシート状物
の厚み方向において、同一方向の見掛け密度勾配を有す
ることを特徴とする。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
皮革様シート状物は、天然皮革の構造である表面側が高
密度で、裏面側が低密度となるような密度勾配を有した
ものであり、この構造を、厚み方向に見掛け密度勾配を
有する不織布の高密度側にポリウレタンバインダーを高
密度に、不織布の低密度側にポリウレタンバインダーを
低密度に、ポリウレタンバインダーの緻密度が厚み方向
に順次変化するように含有せしめることにより再現す
る。つまり、天然皮革の構造を、繊維とポリウレタンの
両者の見掛け密度勾配により再現し、柔軟で、充実感、
折れしわ感に優れ、片面側に突っ張り感のない、一体感
のある天然皮革様の風合いを有することに特徴がある。
【0008】本発明に使用する繊維は特に限定されるも
のではなく、綿、羊毛、絹、レーヨン、アクリル、ナイ
ロン、ポリエステル等周知の繊維が用いられる。緻密で
柔軟なより天然皮革に近い風合いを得るためには、ナイ
ロン、ポリエステル等公知の極細繊維を用いることが望
ましい。(単糸繊度0.5デニール)
【0009】繊維を3次元絡合させるには通常の方法が
利用でき、解繊後、ランダムウェバーあるいはクロスラ
ッパーにて積層ウェブをつくり、ニードルパンチングあ
るいは水流絡合法等により3次元絡合させる。
【0010】不織布の厚み方向に密度勾配をつける方法
は、公知の種々の方法が利用でき、不織布の作製時に密
度勾配をつけても、不織布作製後に密度勾配をつけて
も、これらの両者を用いて密度勾配をつけてもよい。特
に、表面側の密度は裏面側より(通常0.02g/cm
3 以上)大きくすることにより、シート状物で表面側の
ゴムライクな風合を解消することができるので好まし
い。
【0011】不織布の作製時に密度勾配をつける方法と
しては、例えば、繊度の異なる繊維ウェブを複数枚積層
してニードルパンチなどの方法で繊維を絡合させて一体
化させた繊維層とする方法がある。不織布作製後に密度
勾配をつける方法としては、通常の方法で得られた不織
布に、一方側の加圧面を繊維の軟化もしくは変形可能温
度範囲である加熱面とし、もう一方側の加圧面を上記加
熱面温度よりも十分低い低温面として加圧を施す方法
(以後、片面ホットプレスと呼称する)がある。
【0012】不織布の厚み方向に見掛け密度勾配をつけ
る方法としては、好ましくは上記片面ホットプレスを施
す方法であり、更に好ましくは、不織布にポリウレタン
と溶剤を異にする糊剤高分子物質を付与し、あらかじめ
繊維の一部を被覆或は繊維空間の一部を充填した後、上
記片面ホットプレスを施す方法である。
【0013】ここで使用される糊剤高分子物質として
は、ポリビニルアルコール、及びその誘導体、カルボキ
シメチルセルロース、水溶性デンプン、アクリル酸エス
テル部分ケン化物、酢酸セルロース、ポリ酢酸ビニル
等、繊維を接着固定し、ポリウレタン及び繊維を溶かさ
ない溶剤で抽出除去し得るものであれば特に限定されず
使用可能である。
【0014】本発明で用いられるポリウレタンバインダ
ーは、特に限定するものではなく公知のものが使用でき
る。ポリウレタンとは、ポリオールと有機ジイソシアネ
ートと鎖伸長剤からなる主としてウレタン結合により高
分子化されたポリマーをいう。
【0015】ポリオール成分は、両末端に水酸基を有す
る分子量500〜3000の化合物であり、ポリエステ
ルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネート
ジオールあるいはこれらの共重合物である。
【0016】有機ジイソシアネートとしては、4,4−
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4
−トリレンジイソシアネート等がよく用いられるが、耐
光性の良好なものが必要な場合にはイソホロンジイソシ
アネートあるいは水添MDIが用いられる。
【0017】さらに鎖伸長剤としては2以上の活性水素
を有する炭素数が2ないし6の低分子ジオールあるいは
ジアミン化合物が用いられる。
【0018】不織布にポリウレタンバインダーを多層
に、厚み方向に見掛け密度勾配を持つように含有せしめ
る好ましい方法は、組成の異なる2種類以上のポリウレ
タン溶液を表裏より含浸することである。例えば一対の
スリットロールを使用し、一方の側のロールに供給する
ポリウレタン溶液と組成の異なるポリウレタン溶液を他
方の側のロールに供給し、そのスリット内に不織布を通
過させ、強制的にポリウレタン溶液を不織布内に含浸
し、ポリウレタンを凝固させる方法である。またスリッ
トロールを多段にすることにより、順次組成の異なるポ
リウレタン溶液を表裏より含浸してもよい。
【0019】組成の異なるポリウレタン溶液としては、
たとえばおのおのの溶液のポリウレタン濃度を変化させ
たものであり、本発明においては、溶液のポリウレタン
濃度は不織布の平均見掛け密度、および厚み方向の見掛
け密度勾配により適宜選択し、不織布の高密度側に高濃
度のポリウレタン溶液を、低密度側に低濃度ポリウレタ
ン溶液を含浸する必要がある。その際、繊維とポリウレ
タンの重量比が厚み方向においてほぼ一定(10%以
内)になるようにすることが望ましい。繊維とポリウレ
タンの重量比が厚み方向において大きく異なると、ポリ
ウレタンの重量比が大きい面でゴムライクな反発弾性が
強くなり、風合いが悪化し、またシート状物の厚み方向
に密度勾配を付けにくい。
【0020】さらに、おのおのの溶液の凝固構造を変化
させうる添加剤(凝固調節剤)の種類もしくは量を変化
させ、ポリウレタンの緻密度を厚み方向で変化させても
よい。凝固調整剤としては、各種高分子物質、炭素数が
14から22の高級脂肪族アルコール等が有用である。
ポリウレタン溶液を調整するための有機溶剤としては、
ジメチルホルムアミド(DMF)が好適であり、その他
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が使用
できる。該ポリウレタン溶液には他のポリマーを少量例
えば5〜30重量%混合してもよい。他のポリマーとし
てはその目的によって種々考えられるが、本質的にポリ
ウレタンの溶媒に溶解することが必要である。更に必要
に応じて無機、有機系の充填剤や着色剤、その他公知の
添加物を混合してもよい。
【0021】不織布にポリウレタンバインダーをミクロ
ポーラス状に凝固させる方法は、ポリウレタンを含浸し
た不織布を、ポリウレタンの溶媒と親和性を有するポリ
ウレタンの非溶媒中に導入するいわゆる湿式凝固法によ
り行うことができる。
【0022】このようにして不織布にミクロポーラス状
にポリウレタンバインダーを付与した後、必要に応じて
さらに柔軟性を付与するために柔軟化処理を行ってもよ
い。柔軟化処理には機械的なもみを行う方法、高圧液流
染色機を用い、熱水液流と共に狭いノズルを通過させる
方法、あるいは柔軟化効果を持つ薬液を含浸する方法な
どが用いられる。
【0023】なお、本発明の皮革様シート状物の表面
に、さらに重合体被覆層を付与してもよい。この際、皮
革様シート状物の高密度側に重合体被覆層を付与してや
ると、風合い、ドレープ性および折り曲げたときのしわ
感をより一層皮革に類似させることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の皮革様シート状物は、厚み方向
に見掛け密度勾配を有する不織布に、ポリウレタンバイ
ンダーを多層に含有せしめ、繊維とポリウレタンバイン
ダーの両者が厚み方向において、同一方向の見掛け密度
勾配を持ち、天然皮革の構造に類似しており、柔軟性優
れ、充実感のある皮革様の風合い、丸み感を有し、さら
に銀付きシート状物にしたときの折れしわ感に優れるも
のである。
【0025】本発明の皮革様シート状物は、靴甲革、靴
裏材等の靴用素材、鞄等の袋物類、衣料用素材、家具等
のインテリア用素材等、天然皮革に代わるべき幅広い用
途を有する。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、実施例中の%はことわりのない限り重量に
関するものである。
【0027】実施例1 繊度1.5デニール、繊維長51mm、沸水収縮率30
%の収縮性ポリエステルステープルを用いて、カード、
クロスラッパーによりウェブを作製し、ニードルパンチ
ングを行い、厚さ2.0mm、重量280g/m2 、見
掛け密度0.140g/cm3 の3次元絡合不織布とな
し、熱水収縮処理を施し、マングルで絞液した。次に、
重合度1000、ケン化度96.4モル%のポリビニル
アルコールの5%水溶液に浸漬し、絞液後、乾燥しポリ
ビニルアルコールが10%付着した不織布を得た。
【0028】該不織布に、表面150℃、裏面90℃、
圧力50kg/cm2 にて片面ホットプレスを行い、厚
さ1.5mm、重量495g/m2 、繊維の平均見掛け
密度0.300g/cm3 、表面より厚さ0.75mm
までの繊維の平均見掛け密度0.324g/cm3 、裏
面より厚さ0.75mmまでの繊維の平均見掛け密度
0.276g/cm3 の不織布を得た。
【0029】次に、一対のロールよりなるスリットロー
ルの一方側のロールにポリエステル系ポリウレタンの1
5%DMF溶液、他方のロールに同一のポリエステル系
ポリウレタンの10%DMF溶液を定常的に均一に、両
方のロールに同量のポリウレタン溶液が供給させるよう
にしたスリットロールに、上記見掛け密度勾配を有する
不織布の表面側に15%ポリウレタン溶液、裏面側に1
0%ポリウレタン溶液が含浸されるように通した。スリ
ットロールの段数は3段とした。
【0030】このポリウレタン溶液を含浸させた不織布
を30℃、濃度10%のDMF水溶液中に浸漬し、ポリ
ウレタンを湿式凝固せしめた後、60℃の温水中でDM
Fを水と置換して除去すると共に、ポリビニルアルコー
ルを溶出除去させ、130℃の熱風にて乾燥させた。
【0031】得られたシート状物は、厚さ1.50m
m、重量571g/m2 、平均見掛け密度0.381g
/cm3 であり、表面より厚さ0.75mmまでの平均
見掛け密度0.415g/cm3 、繊維とポリウレタン
の重量比78/22であり、一方裏面より厚さ0.75
mmまでの平均見掛け密度0.346g/cm3 、繊維
とポリウレタンの重量比79/21である。断面を見る
と繊維とポリウレタンが共に表面に行くにしたがって緻
密度を増す、良好な密度勾配がついていた。
【0032】このシート状物は柔軟性に優れ、皮革に類
似した構造、充実感、風合いを有し、折れしわ感にも優
れるものであった。
【0033】実施例2 図1のごとく、放射状のセグメント(1)が易加水分解
性ポリエステル、該放射状部を補完するくさび状セグメ
ント(2)が6ナイロンであり、易加水分解性ポリエス
テルと6ナイロンの比率が1/3である、繊度2.0デ
ニール、繊維長51mmの極細繊維発現型ステープルを
用いて、カード、クロスラッパーによりウェブを作製
し、次いでニードルパンチングを行い、厚さ2.0m
m、重量380g/m2 、見掛け密度0.190g/c
3 の3次元絡合不織布を得た。これに、実施例1と同
様にして片面ホットプレスを行い、厚さ1.40mm、
繊維の平均見掛け密度0.272g/cm3 、表面より
厚さ0.70mmまでの繊維の平均見掛け密度0.31
7g/cm3 、裏面より厚さ0.70mmまでの繊維の
平均見掛け密度0.227g/cm3 の不織布を得た。
【0034】次に、一対のロールよりなるスリットロー
ルの一方側のロールにポリカーボネート系ポリウレタン
の25%DMF溶液、他方のロールに同一のポリカーボ
ネート系ポリウレタンの17%DMF溶液を定常的に均
一に、両方のロールに同量のポリウレタン溶液が供給さ
れるようにしたスリットロールに、上記見掛け密度勾配
を有する不織布の表面側に25%ポリウレタン溶液、裏
面側に17%ポリウレタン溶液が含浸されるように通し
た。尚、スリットロールの段数は5段とした。
【0035】このポリウレタン溶液を含浸させた不織布
を30℃、濃度10%のDMF水溶液中に浸漬し、ポリ
ウレタンを湿式凝固せしめた後、60℃の温水中でDM
Fを水と置換して除去させ、130℃の熱風にて乾燥さ
せた。
【0036】得られたシート状物を80℃、1%水酸化
ナトリウム水溶液に浸漬し、不織布の繊維を構成してい
る易加水分解性ポリエステル成分を分解除去して、6ナ
イロン成分のみからなる、繊度0.17デニールのナイ
ロン極細繊維とした。乾燥して得られたシート状物は、
厚さ1.30mm、重量458g/m2 、平均見掛け密
度0.352g/cm3 であり、表面より厚さ0.65
mmまでの平均見掛け密度0.403g/cm3 、繊維
とポリウレタンの重量比59/41であり、裏面より厚
さ0.65mmまでの平均見掛け密度0.301g/c
3 、繊維とポリウレタンの重量比57/43であり、
断面を見ると繊維とポリウレタンが共に表面に行くにし
たがって緻密度を増す、良好な密度勾配がついていた。
【0037】このシート状物は柔軟性に優れ、皮革に極
めて類似した構造、充実感、丸み感、風合いを有し、折
れしわ感にも優れる(微細な絞を有する乾式ポリウレタ
ン膜を貼合せて折り曲げたとき、その絞に沿って折れし
わが入ることで評価する)ものであった。
【0038】比較例1 実施例1と同様にして、見掛け密度勾配を有する不織布
を得た。これに実施例1と同一のポリエステル系ポリウ
レタンの15%DMF溶液を、自然飽充により均一に含
浸させ、実施例1と同様にして、ポリウレタンを湿式凝
固、DMF、ポリビニルアルコールを除去した後、乾燥
しシート状物を得た。
【0039】得られたシート状物は、厚さ1.50m
m、重量597g/m2 、平均見掛け密度0.398g
/cm3 であり、表面より厚さ0.75mmまでの平均
見掛け密度0.414g/cm3 、繊維とポリウレタン
の重量比78/22であり、裏面より厚さ0.75mm
までの平均見掛け密度0.381g/cm3 、繊維とポ
リウレタンの重量比72/28であり、厚み方向におい
て十分な密度勾配がなく、むしろポリウレタンの含浸に
よって密度勾配が減少するという結果になっており、実
施例1に比べると柔軟性、風合いに劣るものであった。
【0040】比較例2 実施例1と同様にして、ポリビニルアルコールが付着し
た不織布を得た。これに、両面を150℃、圧力50k
g/cm2 でプレスし、実施例1と同様にして、スリッ
トロールにより実施例1と同じ2種類の濃度の異なるポ
リウレタンを含浸し、シート状物を得た。
【0041】得られたシート状物は、厚さ1.50m
m、重量578g/m2 、平均見掛け密度0.385g
/cm3 であり、表面より厚さ0.75mmまでの平均
見掛け密度0.399g/cm3 、繊維とポリウレタン
の重量比75/25であり、裏面より厚さ0.75mm
までの平均見掛け密度0.370g/cm3 、繊維とポ
リウレタンの重量比81/19であり、厚み方向におい
て十分な密度勾配がなく、実施例1に比べると風合い、
折れしわ感に劣るものであった。
【0042】比較例3 実施例1と同様にして、ポリビニルアルコールが付着し
た不織布を得た。これに、両面を150℃、圧力50k
g/cm2 でプレスし、実施例1と同様にして、スリッ
トロールによりポリウレタンを含浸した。ただしここで
は、片面よりポリエステル系ポリウレタン溶液20%、
もう片面より10%とした。
【0043】得られたシート状物は、厚さ1.50m
m、重量600g/m2 、平均見掛け密度0.400g
/cm3 であり、表面より厚さ0.75mmまでの平均
見掛け密度0.434g/cm3 、繊維とポリウレタン
の重量比68/32であり、裏面より厚さ0.75mm
までの平均見掛け密度0.367g/cm3 、繊維とポ
リウレタンの重量比82/18であり、厚み方向におい
て十分な密度勾配を有するものの、表面側のポリウレタ
ンの比率が裏面のそれに比べ大きすぎ、表面がゴムライ
クな突っ張り感があり、実施例1に比べると風合いが劣
っていた。
【0044】比較例4 実施例1と同様にして、ポリビニルアルコールが付着し
た不織布を得た。これに、両面を150℃、圧力50k
g/cm2 でプレスし、これに実施例1と同一のポリエ
ステル系ポリウレタンの15%DMF溶液を、自然飽充
により均一に含浸させ、実施例1と同様にして、ポリウ
レタンを湿式凝固、DMF、ポリビニルアルコールを除
去した後、乾燥しシート状物を得た。
【0045】得られたシート状物は、厚さ1.50m
m、重量598g/m2 、平均見掛け密度0.399g
/cm3 で、繊維、ポリウレタン共に厚み方向に密度勾
配を持たず、実施例1に比べると柔軟性、風合い、丸み
感、折れしわ感に劣るものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な極細繊維発現型ステープルの繊
維横断面図である。
【図2】ベンジルアルコール処理によって2成分の極細
繊維に分割する複合繊維の繊維横断面図である。
【符号の説明】
1 易加水分解性ポリエステル 2 6ナイロン 3 ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元絡合した不織布とミクロポーラス
    状に凝固したポリウレタンバインダーとからなるシート
    状物において、厚み方向に見掛け密度勾配を有する不織
    布に、ポリウレタンバインダーを多層に含有せしめるこ
    とにより、繊維とポリウレタンバインダーの両者がシー
    ト状物の厚み方向において、同一方向の見掛け密度勾配
    を有することを特徴とする皮革様シート状物。
  2. 【請求項2】 不織布を構成する繊維が極細繊維である
    請求項1記載の皮革様シート状物。
  3. 【請求項3】 繊維とポリウレタンバインダーの重量比
    が厚み方向においてほぼ一定である請求項1記載の皮革
    様シート状物。
JP5089162A 1993-03-23 1993-03-23 皮革様シート状物 Pending JPH06280145A (ja)

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JP5089162A JPH06280145A (ja) 1993-03-23 1993-03-23 皮革様シート状物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006085522A1 (ja) * 2005-02-08 2006-08-17 Tradik Co., Ltd. 人工皮革及びそれに用いる基体、並びにそれらの製造方法
WO2008013206A1 (fr) 2006-07-27 2008-01-31 Tradik Co., Ltd. Cuir synthétique, base à utiliser dans le cuir et procédés pour leur production
WO2011121940A1 (ja) 2010-03-31 2011-10-06 株式会社クラレ 皮革様シート
CN116005462A (zh) * 2022-12-29 2023-04-25 江苏华峰超纤材料有限公司 一种仿真皮水性聚氨酯超纤基布的制备方法

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