JPH0248630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、建築物の開口部に取付けるパネルシ
ヤツターにおけるパネル体の横ずれ防止構造に関
する。

〔従来技術及び考案が解決しようとする問題点〕

一般に、この種パネルシヤツターのなかには、
各パネル体を連結チエンで連結し、この連結チエ
ンの巻下し作動によつて、先行するパネル体が接
地し、該接地したパネル体上縁に接続パネル体下
縁が接当することによつて、開口部を閉鎖するよ
うにしたものが知られている。そしてこのものの
場合、隣接する上下のパネル体同志は、上下の框
間を雄雌嵌合方式で互いに接当せしめることによ
つて、パネル面の内外方向のずれをなくすように
している。しかしながらこのものでは、パネル体
の縦框や中框が上下方向に直線状にならず、左右
にずれたものとなつてしまい外観上好ましなく、
さらには連結チエンに無理な負荷が加わつて連結
チエンが損傷してしまう等の欠点がある。そこ
で、パネル体に横ずれ防止部材を設けることが考
えられるが、この場合には、別途専用の部材が必
要になつて部品点数が多くなるばかりでなく、製
造工程が複雑になる等の新たな欠点が生じ問題と
なる。

〔問題を解決する手段〕

本考案は、上記の如き実剤に鑑みこれらの欠点
を一掃することができるパネルシヤツターにおけ
るパネル体の横ずれ防止構造を提供することを目
的として創案されたものであつて、連結チエンに
上下方向所定間隔を存して一連状に連結した複数
のパネル体を、先行パネル体の上縁に後続パネル
体の下縁が接当することによつて順次閉塞作動を
行なわしめるべく構成したパネルシヤツターにお
いて、前記パネル体の左右上端部には、連結チエ
ンが取付けられるブラケツトを設け、該ブラケツ
トには、後端パネル体の左右方向のずれを矯正案
内する傾斜案内部を形成せしめたことを特徴とす
るものである。

そして本考案は、この構成によつて、殊更特殊
な横ずれ防止部材を何ら用いることなく、連結チ
エン取付用のブラケツトを有効利用してパネル体
の横ずれを確実に防止するようにしたものであ
る。

〔実施例〕

次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。図面において、１は建築物の開口部に建て
付けられるパネルシヤツターのシヤツターカーテ
ンであつて、該シヤツターカーテン１を構成して
いる後述のパネル体２は、その左右両端上部側に
それぞれ突設せしめたガイドローラ３の支軸１５
１に連結チエン４が所定間隔を存して一連状に枢
結されている。そしてパネル体２は、開口部の左
右両側に設けたガイドレール５にガイドローラ３
及びパネル体２の両端部がガイドされることによ
つて上下昇降するようになつているが、ガイドレ
ール５の上部が臨むシヤツターケース６内に配設
された駆動スプロケツト７に前記連結チエン４が
噛合されている。さらにシヤツターケース６に
は、一端部が駆動スプロケツト７の巻上げ側を臨
み、他端部が該一端部よりも低くなるように適当
に傾斜した収納レール８が内装されている。そし
て、駆動スプロケツト７のチエン巻上げ作動によ
つて、ガイドレール５を上昇してきたパネル体２
のガイドローラ３が、収納レール８側に持ち回ら
れて該収納レール８上に継送されることとなり、
この様にして収納レール８上に継送せしめられた
パネル体２は、パネル体２の自重によつて収納レ
ール８の他端側に転動しながら横移動し、従来通
り順次シヤツターケース６内に並列状に収納され
るようになつている。

前記パネル体２は、上框９、下框１０、縦框１
１、中框１７、面板（ガラス板や合成樹脂板）１
２等によつて構成されているが、これら框体はい
ずれもアルミニウム等の部材を押出成型して形成
したものである。そして、前記上框９の上縁部に
は上方へ突出した係合凸条９ａが形成されてい
る。一方、下框１０の下縁部には、上框９の係合
凸条９ａとの間で雄雌嵌合状に係合可能な係合凹
溝１０ａが形成されていて、シヤツターカーテン
１の閉鎖時において、隣接する上下パネル体２同
志の内外方向のずれを修正するようになつてい
る。

また、１３はブラケツトであつて、該ブラケツ
ト１３は、ボルト１４を介して縦框１１の上端部
に、上縁部が縦框１１の上縁よりも突出するよう
にして嵌入固定されるものであるが、ブラケツト
１３には、前記支軸１５の基端部が挿通保持せし
められている。そして支軸１５は、上方から螺入
するビス１６を係止溝１５ａに係止することによ
つて抜け止め保持できるようになつている。そし
て、ブラケツト１３の縦框１１の上縁よりも突出
した上縁部は、前記上框９の係合凸条９ａの延長
部となるべく、側面視において係合凸条９ａと同
一形状になつており、しかも、その外端部には、
下側程外方に広がる末広がり状の傾斜案内部１３
ａが形成されている。そして、この傾斜案内部１
３ａは、シヤツターカーテン１が下降する際に接
続パネル体２が先行パネル体２に接当しようとす
るとき、後続パネル体２側の縦框１１の外側辺１
１ａが傾斜案内部１３ａに接当しながら下降する
ことによつて接続パネル体２の左右方向のずれを
矯正案内するものであり、この様にして上下隣接
パネル体２同志は、接当するようになつている。

叙述の如く構成された本考案の実施例におい
て、開口部はシヤツターカーテン１の上下昇降に
よつて開閉せしめることができるものであるが、
ここで開口部を閉鎖する場合、隣接するパネル体
２は連結チエン４によつて所定の間隔をおいた吊
持状態で順次降下し、先行するパネル体２が先ず
床面側に接地した後、連結チエン４が撓んだ状態
で後続パネル体２が先行パネル体２上に重なり合
うようにして下降し、この様にして次々とパネル
体２が重なり合うことで開口部は閉鎖されること
となる。

この様なシヤツターカーテン１の閉鎖作動にお
いて、パネル体２が左右横ずれを生じながら下降
したとしても、本考案にあつてはその左右横ずれ
は矯正されることになる。即ち、後続パネル体２
が左右横ずれを生じている場合、後続パネル体２
は、その縦框１１における外側辺１１ａの下端部
が、先行パネル体２側のブラケツト１３の傾斜案
内部１３ａに接当しながら下降することになる。
従つて、後続パネル体２は、傾斜案内部１３ａに
よる案内作用を受けて左右方向の横ずれが矯正せ
しめられた状態で下降し、先行パネル体２に重な
り合うことになる。このため全閉した状態で、各
パネル体２同志の横ずれが殆んどなく、縦框１１
や中框１７は略直線状に連続することになるばか
りでなく、横ずれに起因するパネル体２の端縁や
連結チエン４の損傷を確実に防止することができ
る。

この様に、本考案にあつては、パネル体２の横
ずれを防止することができるものであるがこのパ
ネル体２の横ずれ防止を、パネル体２を形成する
ために必要なブラケツト１３と、側辺となる縦框
１１とを利用して、ブラケツト１３に傾斜案内部
１３ａを形成しただけの極めて簡単な構造によつ
て行なうことができて、部品点数を増やすことも
なく部品の兼用化が図れ、かつ製造工程を殊更に
複雑にすることもなく、もつて極めて安価で簡単
に実施することができる。

〔作用効果〕

以上要するに、本考案は叙述の如く構成したも
のであるから、パネルシヤツターの閉鎖作動時に
おいて、後続パネル体が先行パネル体に対して左
右方向にずれている場合に、該後続パネル体は、
側辺が先行パネル体側ブラケツトの傾斜案内部に
接当することで左右方向のずれが確実に矯正せし
められることとなり、従つて、正規の閉鎖姿勢で
重なり合い、外観的にも優れるばかりか、連結チ
エンが損傷を受けたりするようなこともない。し
かもこの左右方向のずれ矯正作用は、何ら専用の
部材を別途設けることなく、連結チエンを取付け
るために必要なブラケツトを用い、該ブラケツト
に傾斜案内部を形成しただけの極めて簡単な構造
によつて行なうことができ、もつて部品の兼用化
が図れるうえに構造の簡略化、低価格化等を達成
できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係るパネルシヤツターにおけ
るパネル体の横ずれ防止構造の一実施例を示した
ものであつて、第１図はパネルシヤツターの概略
斜視図、第２図、第３図は要部正面図、第４図は
要部平面図、第５図は要部側面図、第６図はブラ
ケツトの正面図、第７図はブラケツトの側面図、
第８図は上下框の断面図である。 図中、１はシヤツターカーテン、２はパネル
体、３はガイドローラ、４は連結チエン、５はガ
イドレール、６はシヤツターケース、７は駆動ス
プロケツト、８は収納レール、９は上框、９ａは
係合凸条、１０は下框、１０ａは係合凹溝、１１
は縦框、１１ａは外側辺、１２は面板、１３はブ
ラケツト、１３ａは傾斜案内部、１４はボルト、
１５は支軸、１６はビス、１７は中框である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連結チエンに上下方向所定間隔を存して一連状
   に連結した複数のパネル体を、先行パネル体の上
   縁に後続パネル体の下縁が接当することによつて
   順次閉塞作動を行なわしめるべく構成したパネル
   シヤツターにおいて、前記パネル体の左右上端部
   には、連結チエンが取付けられるブラケツトを設
   け、該ブラケツトには、後続パネル体の左右方向
   のずれを矯正案内する傾斜案内部を形成せしめた
   ことを特徴とするパネルシヤツターにおけるパネ
   ル体の横ずれ防止構造。