JPH024767Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、ダイカスト鋳造機の鋳造サイクル
（１サイクル動作毎）終了後、該鋳造機から製品
取出し装置によつて取り出された直後において製
品の外周に同一体についている湯溜り部分やラン
ナー部を含む押湯部分（ビスケツトと称す）等の
大ばりを自動的に製品から取り除く大ばり取り装
置に関する。

〈従来の技術〉 従来、鋳造サイクル終了後、ダイカスト鋳造機
から取り出された直後において製品の外周につい
ている湯溜り部分やランナーを含む押湯部分等の
大ばりを取る作業（荒ばり取り）は、鋳造作業者
が鋳造サイクル中のキユアリングタイムを利用し
て木ハンマなどの簡単な工具を用いて手作業で折
り取るか、又はプレス機の金型にセツトしてプレ
ス作業で折り取るといつた方法が一般的であつ
た。

しかし乍ら、前者の大ばり取り作業は生産速度
を速く且つ大量生産を目的とする此種ダイカスト
業界において生産性に問題が生じ、しかも製品を
手で保持して行なわなければならないため、手先
の疲労が激しく、作業者に与える疲労度を増大さ
せてしまうなどの不具合があつた。更に作業者に
よつて叩き方が異なるめ、折れ口にバラツキが生
じ後加工の仕上げ作業に悪影響を及ぼすものであ
つた。

一方、後者の大ばり取り作業は成形された製品
を運搬車等でプレス機の設置場所に運んで尚且つ
個々にプレス型にセツトして行なわなければなら
ないため、手間が掛るものであつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案が解決しようとする問題点は、ダイカス
ト鋳造機の鋳造サイクル（１サイクル動作毎）と
連係させて該鋳造機の鋳造作業の流れとして大ば
り取り作業を行なうことができる大ばり取り装置
を提供することにある。

〈問題点を解決するための手段〉 上記問題を解決するために本考案が講じる技術
的手段は、機枠内に取付けて製品取出し装置の動
作方向に対して交差状に動作させるシリンダーの
ロツド先端に製品外周の押湯部分を掴ませる掴持
手段を取付け、このシリンダーの後退動作中に製
品外周の湯溜り部分を突き当てて該部を折り取る
切除手段と、シリンダーの後退動作終了後に製品
を押圧してランナー部を含む押湯部分を製品から
折り取るパンチ手段をシリンダーの動作方向側の
機枠側面に取付けて構成したことを特徴とする。

〈作用〉 本考案は、装置本体をダイカスト鋳造機の鋳造
サイクル（１サイクル動作毎）と電気的に連係さ
せて取り出した製品を掴持する製品取出し装置が
後退限に戻ると同時に掴持手段を取付支持せるシ
リンダーを前進動作させると共に該掴持手段を開
閉動作させて製品取出し装置によつて掴持された
製品の押湯部分を掴ませる。そして掴持手段によ
つて製品を掴持すると同時に製品取出し装置によ
る掴持を解除させると共にシリンダーを後退動作
させ、その後退動作中において機枠に取付けた切
除手段に製品外周の湯溜り部分を突き当てて該湯
溜り部分を折り取ると共に、シリンダーの後退動
作が後退限において停止すると同時にパンチ手段
を前進動作させて製品を押圧させ、ランナー部を
含む押湯部分を製品から折り取ると共に該押湯部
分を掴持せる掴持手段を開示動作させてランナー
部を含む押湯部位を放すこれらの動作をダイカス
ト鋳造機の金型清掃、型締め、注湯、射出、キユ
アリング、型開き、押出し、製品取出し動作中に
終了させて取り出された直後の製品外周から鋳造
サイクルと連係して湯溜り部分やランナーを含む
押湯部分等の大ばりを製品から取り除く。

〈実施例〉 本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、
装置本体Ａは機枠ａ１内に水平に取付けてダイカ
スト鋳造機Ｂの製品取出し装置ｂ１の動作方向に
対して交差状に動作させるシリンダーａ２とロツ
ドａ２′先端に製品Ｃ外周の押湯部分１を掴ませ
る掴持手段ａ３を取付け、このシリンダーａ２の
後退動作中に製品Ｃ外周の湯溜り部分２を突き当
てて該部２を折り取る切除手段ａ４と、シリンダ
ーａ２の後退動作終了後に製品Ｃを押圧してラン
ナー部３を含む押湯部分１を製品Ｃから折り取る
パンチ手段ａ５をシリンダーａ２の動作方向側の
機枠ａ１側面に取付けて構成し、、ダイカスト鋳
造機Ｂの鋳造サイクルに連係させて前記湯溜り部
分２及びランナー部３を含む押湯部分１等の大ば
りを製品Ｃの外周から折り取り該製品Ｃから分離
する。

機枠ａ１は、装置本体Ａを構成するシリンダー
ａ２、掴持手段ａ３、切除手段ａ４、パンチ手段
ａ５それらを取付配備させて図示した様にダイカ
スト鋳造機Ｂの製品取出し装置ｂ１の側方に設置
する。

シリンダーａ２は、製品取出し装置ｂ１によつ
て取り出された製品Ｃを掴持受け取らせる掴持手
段ａ３を取付支持させ、該掴持手段ａ３を、製品
Ｃを掴持する機枠ａ１側方の製品取出し装置ｂ１
のチヤツク４部位まで前進移動させると共に、製
品Ｃを受け取つた後の掴持手段ａ３を機枠ａ１内
の後退限まで後退移動させる動作をなすもので、
ロツドａ２′を機枠ａ１の側方即ち製品取出し装
置ｂ１側に向けた状態で該機枠ａ１内に水平に取
付配備し、製品取出し装置ｂ１の駆動源と電気的
に連係させて該装置ｂ１の動作終了後、追従して
前進動作する様に設定する。

掴持手段ａ３は、取り出した製品Ｃを後退限で
掴持する製品取出し装置ｂ１のチヤツク４から製
品Ｃを受け取る動作をなすと共に、シリンダーａ
２の後退動作によつて製品Ｃを機枠ａ１内に掴持
移送するもので、図面にあつては平面略Ｌ形に形
成し、シリンダーａ２のロツドａ２′先端に一方
を該ロツドａ２′の延長方向に向けた状態で一体
的に取付けた支持具５の一方側に押え板６を揺動
自在に取付け、該押え板６をもう一方側に押圧揺
動させる押圧シリンダー７を該押え板６の背面か
ら一方側の端部に渉り取付装備する。そして押え
板６とにより製品Ｃの押湯部分１を掴ませる受け
部８をもう一方側の端部内面にその突出高が調整
可能に取付配備し、前記押圧シリンダー７の駆動
源とシリンダーａ２の駆動源とを電気的に連係さ
せて該シリンダーａ２が前進限まで前進動作して
停止すると同時に追従して押え板６を受け部８
側、即ち閉方向に揺動させる様にその動作を設定
する。

切除手段ａ４は、掴持手段ａ３により受け取ら
れてシリンダーａ２の後退動作に伴つて掴持移送
されてきた製品Ｃ外周の湯溜り部分２をシリンダ
ーａ２の後退力で突き当てて該湯溜り部分２を折
り取るためのもので、機枠ａ１の側面枠９間にア
タツチメント方法で取付ける切除枠より、又は図
示した様に枠９間に一体的に横架取付ける。尚、
機枠ａ１の側面への切除手段ａ４の取付位置は掴
持手段ａ３により起立状に掴持移送される製品Ｃ
外周の湯溜り部分２が突出せる外周との間に若干
のクリアランスを持たせて湯溜り部分２の基部部
位が確実に突き当る様に図る。

パンチ手段ａ５は、起立状に掴持させてシリン
ダーａ２の後退限に移送されてきた製品Ｃを後方
に押圧、パンチ打ちして掴持手段ａ３により掴ま
れている押湯部分１をランナー部３の基部より折
り取つて製品Ｃから分離させるためのもので、図
面にあつては機枠ａ１の側面上部の枠９間に渉り
傾斜状に横架取付けられた取付板１０に、ロツド
１１ａを機枠ａ１内方に傾斜状に向けた状態でパ
ンチ打ちシリンダー１１を取付配備すると共に、
ロツド１１ａの先端には製品Ｃに打ちキズ等を付
ける恐れのない例えば硬質ゴムや木材等によつて
形成した頭部１２を弾性部材１３を介して一体的
に取付け、パンチ打ちシリンダー１１の駆動源を
前記シリンダーａ２の駆動源に電気的に連係させ
て該シリンダーａ２の後退動作がその後退限で停
止すると同時に追従してパンチ動作をなす様に設
定する。尚、パンチ打ちシリンダー１１の駆動源
と掴持手段ａ３を構成する押圧シリンダー７の駆
動源とを電気的に連係させてパンチ打ちシリンダ
ー１１の前進に伴うパンチ動作終了後の後退動作
開始と同時に追従動作して押え板６を開方向に揺
動させる様に設定する。

尚、上述した各部ｂ１，ａ２，７，１１の追従
動作（連係動作）は各部ｂ１，ａ２，７，８に配
備した近接スイツチやリミツトスイツチ等のスイ
ツチ部のON，OFF切り換えにより信号が送られ
て順次動作するものである。

図中１４は製品Ｃから分離された湯溜り部分２
を受ける受け皿、１５は湯溜り部分２と同様に分
離させたランナー部３を含む押湯部分１を受ける
受け樋、１６は製品Ｃを受ける受け樋である。

〈考案の効果〉 本考案大ばり取り装置は叙上の如く構成したの
で、ダイカスト鋳造機の鋳造サイクル（１サイク
ル動作毎）における鋳造作業の流れの一工程とし
て製品外周の湯溜り部分及びランナー部を含む押
湯部分を自動的に取り除くことが出来る。よつ
て、従来の様な面倒で且つ手間の掛る大ばり取り
作業が行なう必要がなくなり生産速度を速く且つ
大量生産を目的とする此種ダイカスト業界に画期
的な大ばり取り装置を提供出来る。

依つて、所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は平面図
で切欠断面して示す。第２図は掴持手段をロツド
先端で取付支持せるシリンダーを前進限まで動作
させた状態を示す要部の拡大図、第３図はシリン
ダーを後退限まで動作させた状態を示す要部の拡
大図、第４図は同縦断正面図である。尚図中 Ａ：装置本体、ａ１：機枠、ａ２：シリンダ
ー、ａ３：掴持手段、ａ４：切除手段、ａ５：パ
ンチ手段、Ｂ：ダイカスト鋳造機、ｂ１：製品取
出し装置、Ｃ：製品、１：押湯部分、２：湯溜り
部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機枠内に取付けて製品取出し装置の動作方向に
   対して交差状に動作させるシリンダーのロツド先
   端に製品外周の押湯部分を掴ませる掴持手段を取
   付け、このシリンダーの後退動作中に製品外周の
   湯溜り部分を突き当てて該部を折り取る切除手段
   と、シリンダーの後退動作終了後に製品を押圧し
   てランナー部を含む押湯部分を製品から折り取る
   パンチ手段をシリンダーの動作方向側の機枠側面
   に取付けて構成したダイカスト製品の大ばり取り
   装置。