JPH0148127B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は樹脂を溶融して型内に射出する射出成
形装置の射出装置及びこの射出装置を構成する射
出シリンダユニツトの交換装置に関する。

〔発明の技術的背景〕

樹脂を溶融して射出成形する装置として、加熱
シリンダ内にスクリユを回転可能且つ軸方向に一
定距離だけ進退可能に挿着したインラインスクリ
ユ式横型射出成形機が一般に用いられている。斯
る射出成形機において、材料樹脂の色替え或いは
他の材料を使用した場合には、現在成形に使用し
ている材料を、スクリユを回転せしめることによ
り前方へ移送し、次いで新しい材料をホツパより
投入し、スクリユ回転と射出動作を繰返すこと
で、加熱シリンダ内に残存する材料を洗い出すと
いう、いわゆるパージングを行なつている。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、パージングを行なつてもスクリ
ユやスクリユヘツドの外周、加熱シリンダ内壁、
シリンダヘツド、ノズル内等に融着、固化した樹
脂を簡単に洗い流すことが難しく、万遍なくパー
シングを行なつても古い樹脂が残つてしまい、こ
の為、色ムラの不良品を製造することとなる。

また色ムラの不良品を出さないようにするに
は、ノズルやシリンダヘツドを取り外して分解掃
除を行なう必要があるが、ノズルやシリンダヘツ
ド、或いは加熱シリンダ等は多数の締付ボルトで
強固に締付けられており、その作業が極めて困難
であり、しかもこれらの部材は加熱により熱せら
れているため、高度の熟練をもつてしても尚重労
働であり且つ危険である。更にパーシングを行な
うための洗浄用樹脂を必要とし、樹脂の無駄とな
つており、これがコストアツプにつながつてい
る。

〔発明の目的〕

本発明は、上記従来の問題点を改善すべくなさ
れたものであり、その目的とするところは、樹脂
替え或いは色替えを容易且つ迅速に行なえ、樹脂
の無駄をなくすことを可能とした射出装置及びこ
の射出装置に組込まれる射出シリンダユニツトの
交換装置を備えた射出装置を提供するにある。

〔発明の概要〕

上記目的を達成すべく本発明における第１発明
は、インラインスクリユ式横型射出成形機におい
て、射出シリンダユニツトを射出ブラケツトに対
し、クサビ、ハーフナツト、或いは割カラー等の
固定装置によつて前後方向及び上下方向に固定す
るとともに、これら固定装置をシリンダ等の操作
部材によつて自動的に操作し、更に挿抜装置によ
つて上記射出シリンダユニツトを射出ブラケツト
に対し自動的に挿抜するようにするとともに、前
記一体となつた射出ブラケツトと射出ユニツトを
射出ブラケツトを支点として回動させるか、或い
は射出装置の軸線に対し直角方向へ平行移動させ
て、前記射出ブラケツトに対する射出ユニツトの
挿抜きを助ける移動装置とを設けたことをその概
要とする。また第２発明は上記第１発明の射出装
置に隣接して、射出ブラケツトとの固着状態を解
除された交換を要する射出シリンダユニツトを把
持する把持機構を備えたアームと、予備の射出シ
リンダユニツトを把持する把持機構を備えたアー
ムとを有するスイング式の射出シリンダユニツト
交換装置を設けたことをその概要としている。

〔発明の実施例〕

以下に本発明の実施の一例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は射出成形機全体を示す平面図であり、
射出成形機１の前部（図中左側）には射出ブラケ
ツト２を、後部（図中右側）にはスクリユ駆動部
３を夫々基台４上に架設したガイドロツド５に挿
着し、スクリユ駆動部３を前後方向に夫々別個に
移動可能としている。

そして、上記射出ブラケツト２の中央には前後
方向に孔部７を形成し、この孔部７に射出シリン
ダユニツト８を着脱自在に挿入している。この射
出シリンダユニツト８は先端部にシリンダヘツド
９を介してノズル１０を取り付けた加熱シリンダ
１１の内部にスクリユ１２を回転自在且つ軸方向
に所定量だけ移動可能に挿着してなり、加熱シリ
ンダ１１の後部上面には孔１３を穿設し、この孔
１３に射出材料を挿入するためのホツパ１４の下
端部を固着している。

そして、上記射出シリンダユニツト８の中間部
外周にはフランジ部１５が形成され、このフラン
ジ部１５を介して、射出ブラケツト２の孔部７内
に射出シリンダユニツト８を嵌合した状態で、該
フランジ部１５を射出ブラケツト２の前面に設け
た固定装置１６，１６で保持することで、射出シ
リンダユニツト８を前記射出ブラケツトに固定す
るようにしている。

また射出シリンダユニツト８から後方に突出し
たスクリユ１２の後端部はチヤツク１８を介して
駆動部３の軸１９と連結されている。尚２０は固
定ダイプレートである。

第３図は射出シリンダユニツト８を射出ブラケ
ツト２に固定する固定装置１６を詳細に示したも
のであり、この固定装置１６は射出シリンダユニ
ツト８のフランジ部１５を射出ブラケツト２の前
端面に押し付ける爪２１と、この爪２１を操作す
るシリンダユニツト２２とからなる。このシリン
ダユニツト２２は射出ブラケツト２の前端面に固
着されており、内部に傾斜面２３ａを形成したピ
ストンロツド２３を挿着している。またシリンダ
ユニツト２２のケースの前面中央には孔２４を形
成し、この孔２４にピン２５を挿着し、ピン２５
の下端面が上記ピストンロツド２３の傾斜面２３
ａに当接するようにしている。一方シリンダユニ
ツト２２のケースの前面端部には軸２６を介して
爪２１を回転自在且つ軸２６に対し直交する方向
に揺動可能に取り付け、この爪２１の一端が前記
フランジ部１５に、また他端が上記ピン２５の先
端に当接するようにしている。

而して、ピストンロツド２３が図中右方へ摺動
すると、傾斜面２３ａに沿つてピン２５が上昇
し、爪２１が前記軸２６を中心として、図示して
いない向きから回動し、図示したブランジ部１５
を押付る位置となるとともに矢印ａ方向に揺動
し、爪２１の一端が射出シリンダユニツトのフラ
ンジ部１５を射出ブラケツト２の前端面に強く押
し付け、前後方向に固定する。そして、ピストン
ロツド２３が図中左方へ摺動すると、傾斜面２３
ａに沿つてピン２５が下降し、爪２１が矢印ｂ方
向に揺動し、軸２６を中心として回動可能とな
る。したがつて軸２６を中心として爪２１を回動
すれば射出ブラケツト２に対し前後方向に固定さ
れた射出シリンダユニツト８が解除され、前記ブ
ラケツト２の孔部７から前方へ引抜くことが出来
る。

また第２図、第４図ａ，ｂのように射出シリン
ダユニツト８の射出ブラケツト２への固定を固定
装置１７によつてもよく、その詳細を示すと、固
定装置１７は上部の幅を下部の幅より大きくした
クサビ２７とこのクサビ２７を上下動せしめるシ
リンダユニツト２８とからなり、このシリンダユ
ニツト２８は射出ブラケツト２の後端面に設けた
支持部２９に取り付けられ、このシリンダユニツ
ト２８のロツド３０に上記クサビ２７が固着され
ている。そして、このクサビ２７は加熱シリンダ
１１の後端部の両側に形成され、上部に向かうに
従つて深くなる溝３１に挿抜自在となつている。
而してシリンダユニツト２８を駆動してクサビ２
７を下降せしめ、加熱シリンダ１１の溝３１の傾
斜面にクサビ２７の傾斜面を当接せしめるように
すれば、射出シリンダユニツト８は射出ブラケツ
ト２の孔部７に上下方向に固定されるとともに、
軸方向に射出ブラケツト２に固定することとな
る。

第５図は固定装置１７のさらに別実施例を示す
ものであり、この固定装置は横方向に配置した一
対のシリンダユニツト３２，３２の内方へ突出し
たロツド３３，３３に割カラー３４，３４を固着
し、射出シリンダユニツトの加熱シリンダ１１を
両側から押え付けるようにしている。

以上の如き構成からなる射出装置の射出シリン
ダユニツトの取り外し及び交換について述べる。

第６図は射出シリンダユニツト８を射出ブラケ
ツト２から取り外す一例を示したものであり、先
ず射出シリンダユニツト８を射出ブラケツト２に
嵌合したまま矢印ｃに示す如く側方へ図示しない
移動手段によつて移動し、次いで前記シリンダユ
ニツト２２を駆動せしめて、固定装置１６を操作
し、射出シリンダユニツト８の射出ブラケツト２
に対する固定状態を解除する。そして図示しない
移動手段によつて矢印ｄに示す如く射出シリンダ
８を引き抜く。

第７図は射出シリンダユニツト８を射出ブラケ
ツト２から取り外す別方法を示したものであり、
射出シリンダユニツト８を嵌合したまま射出ブラ
ケツト２を図示しない回動装置により回動せしめ
射出シリンダユニツト８の先端を固定ダイプレー
ト２０の位置から外し、次いで前記同様固定装置
１６を自動的に操作して、固定状態を解除し、そ
の後、移動手段によつて射出シリンダ８を引き抜
くようにすることもできる。

第８図は射出シリンダユニツト８を取り外す更
なる別方法を示したものであり、先ず前記シリン
ダユニツト２２を駆動して固定装置１６を操作
し、射出ブラケツト２に対する射出シリンダユニ
ツト８の固定状態を解除する。次いで図示しない
シリンダユニツトを駆動して射出ブラケツト２の
みをガイドロツド５に沿つて矢印のように後方へ
移動せしめ、他の移動手段によつて射出シリンダ
８を側方或いは上方へ移動するようにしてもよ
い。この場合、射出ブラケツト２の孔部７は、側
方または上方に射出シリンダユニツト８を抜き出
せるよう、その断面形状をＵ字形に形成しておく
ことはいうまでもない。或いは第９図は示す如
く、射出シリンダユニツト８を射出ブラケツト２
に固定したまま側方に移動した後、固定装置１
６，１７の固定状態を自動的に解除し、次いで射
出ブラケツト２のみを後方に移動せしめるように
してもよい。

第１０図及び第１１図は射出成形機１の近傍に
配置された射出シリンダユニツトの交換装置３５
を示すものであり、交換装置３５は基台４上に本
体３６を載置し、この本体３６をシリンダユニツ
ト３７によつて射出成形機１方向へ摺動自在とし
ている。そして本体３６の上部には夫々90゜の角
度だけ離間した３本のアーム３９，４０，４１を
取り付けた軸４２を回転自在に支持している。こ
れらアーム３９，４０，４１の先端部には前記射
出シリンダユニツト８を把持する機構を備えたチ
ヤツク４３が夫々設けられ、上下のアーム３９，
４１のチヤツク４３は交換用の予備の射出シリン
ダユニツト４４を把持している。

以上において、前記した如く固定装置１６，１
７による射出ブラケツト２に対する固定状態が解
かれた射出シリンダユニツト８を、シリンダユニ
ツト３７を駆動せしめて交換装置３５を射出成形
機１側に移動せしめ、アーム４０のチヤツク４３
によつて射出シリンダユニツト８のフランジ部１
５を把持する。そして交換装置３５を前後方向に
移動等せしめることによつて射出ブラケツト２か
ら射出シリンダユニツト８を引き抜き、次いでシ
リンダユニツト３７を再度駆動せしめ交換装置３
５を射出成形機１から離れる方向（図中右方）へ
移動せしめ射出成形機１から射出シリンダユニツ
ト８を離す。その後軸４２を90゜回転せしめるこ
とによりアーム３９のチヤツク４３或いはアーム
４１のチヤツク４３に把持された予備の射出シリ
ンダユニツト４４を射出成形機１の射出ブラケツ
ト２の高さとし、次いで交換装置３５を射出成形
機１側に移動せしめ、更に交換装置３５或いはア
ーム３９，４０，４１を前後方向に移動せしめる
ことで新たな射出シリンダユニツト４４を射出ブ
ラケツト２の溝部７に嵌合し、固定装置１６，１
７によつて前後方向及び上下方向に固定する。斯
る一連の作業をシリンダユニツト等により自動的
に行なう。

なお、第１０図と第１１図は、第８図と第９図
に示す射出シリンダユニツトの引き抜き方法の実
施例に適用する交換装置の正面図と側面図を示し
ている。さらに、第６図の実施例の引き抜き方法
に適用するよう、射出シリンダユニツト８を射出
ブケツト２から引き抜くためには、射出ブラケツ
ト２の孔部７の軸方向に作動するようなシリンダ
ユニツトを第１０図のシリンダユニツト３７に代
えて設置する。また第７図の実施例の引き抜き方
法に適用するには、第１０図と第１１図に示す本
体３６と射出ブラケツト２を同一ベース上に載置
し、これらを回動させる駆動ユニツトを別途設け
る。

さらに、第１２図と第１３図に射出シリンダユ
ニツトを射出ブラケツトに対し自動的に挿抜させ
る挿抜装置と、射出ユニツトと射出ブラケツトを
一体とし射出装置の軸に対して直角方向へ平行移
動させて射出ブラケツトに対する射出ユニツトの
挿抜を助ける移動装置の詳細を示す。まず、射出
ブラケツト２は、これに一体となつた中間台５０
を介して基台４上に射出シリンダ８の軸方向に移
動可能に載置されている。ここで、基台４はガイ
ドブレート４７に案内されて射出装置の軸に対し
て直角方向へ平行移動できるようになつていて、
これにより射出シリンダユニツトの挿抜を助ける
移動装置を構成する。すなわち、中間台５０を介
して基台４上に載置された射出ブラケツト２は、
第１３図に示すように、基台４に連結されたピス
トンロツド４６Ａを移動シリンダ４６で往復動さ
せることにより、ガイドプレート４７に案内され
て機台４５上を摺動する。また、固定ダイプレー
ト２０の射出シリンダ８側の側面に固設されたガ
イドプレート４９に一端が嵌挿され、かつ、他端
がピストンロツド５１を介して中間台５０に連結
された移動シリンダ４８が付設されて射出シリン
ダユニツトの挿抜装置を構成する。この移動シリ
ンダ４８を作動させることにより、射出ブラケツ
ト２は基台４上で案内されて射出装置の軸方向に
移動する。射出シリンダユニツト８を射出ブラケ
ツト２から自動的に挿抜させるためには、まず、
移動シリンダ４６を作動させて射出ブラケツト２
を、第１２図の二点鎖線に示す位置に、基台４と
ともに射出装置の軸に対して直角方向に平行移動
させる。この際、別の移動シリンダ４８は、基台
４の直角方向平行移動に同期してガイドプレート
４９に案内されて移動する。さらに射出シリンダ
ユニツト８をブラケツト２から挿抜するために
は、第１３図に示すように把持機構のチヤツク４
３により射出シリンダユニツト８を把持したま
ま、移動シリンダ４８を作動させて矢印の方向に
ピストンロツド５１により射出ブラケツト２を後
退させると、第９図に示すように、射出シリンダ
ユニツト８を射出ブラケツト２から挿抜できるよ
うになる。

〔発明の効果〕

以上の説明で明らかな如く本発明によれば、イ
ンラインスクリユ式模型射出成形機の加熱シリン
ダとスクリユとからなる射出シリンダユニツト
を、射出ブラケツトに対し、クサビ、割カラ或い
はハーフナツト等の固定装置によつて前後方向及
び上下方向に固定するとともに、これら固定装置
をシリンダユニツト等の操作部材によつて自動的
に操作するとともに、固定状態の解除された射出
シリンダユニツトを交換装置によつて自動的に交
換するようにしたので、樹脂替え（色替え）等を
容易且つ迅速に行なえ、更に樹脂替え毎に加熱シ
リンダスクリユ或いはノズル等を掃除する必要が
なく、樹脂の無駄がなく、コストダウンを図るこ
とができる等多大の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る射出成形機の全体平面
図、第２図は本発明に係る他の実施例を示す全体
側面図、第３図乃至第５図は固定装置の構造を示
す図、第６図乃至第９図は射出シリンダユニツト
の引き抜き方法を示した平面図、第１０図は交換
装置の正面図、第１１図は同交換装置の側面図、
第１２図は射出シリンダブラケツトの挿抜装置と
移動装置の正面図、第１３図はその側面図であ
る。 １……射出成形機、２……射出ブラケツト、８
……射出シリンダユニツト、１１……加熱シリン
ダ、１２……スクリユ、１６，１７……固定装
置、２２，２８，３２……操作部材、３５……射
出シリンダユニツト交換装置、４３……把持機
構。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加熱シリンダ内にスクリユを回転可能にか
   つ、軸方向に所定範囲内を進退可能に挿着してな
   る射出シリンダユニツトと、この射出シリンダユ
   ニツトがその射出圧力を受けとめられるように装
   着される射出ブラケツトと、この射出ブラケツト
   に対し射出シリンダユニツトを前後方向に固定す
   る固定装置と、これら固定装置を自動的に操作す
   る操作部材と、上記射出シリンダユニツトを射出
   ブラケツトに対し自動的に挿抜せしめる挿抜装置
   と前記射出シリンダユニツトと射出ブラケツトを
   一体とし、前記射出ブラケツトを支点として回動
   させるか、或いは、射出装置の軸に対し、直角方
   向へ平行移動させて、前記射出ブラケツトに対す
   る射出シリンダユニツトの挿抜を助ける移動装置
   とからなる射出装置。 ２ 加熱シリンダ内にスクリユを回転可能にか
   つ、軸方向に所定範囲のみ進退可能に挿着してな
   る射出シリンダユニツトと、この射出シリンダユ
   ニツトがその射出圧力を受けとめられるように挿
   着される射出ブラケツトと、この射出ブラケツト
   に対し射出シリンダユニツトを前後方向に固定す
   る固定装置と、これら固定装置を自動的に操作す
   る操作部材と、上記射出シリンダユニツトを射出
   ブラケツトに対し自動的に挿抜せしめる挿抜装置
   と、前記射出ユニツトと射出ブラケツトを一体と
   し、前記射出ブラケツトを支点として回動させる
   か、或いは射出装置の軸に対し、直角方向へ平行
   移動させて、前記射出ブラケツトに対する射出ユ
   ニツトの挿抜を助ける移動装置と、これら装置の
   近傍に配設され、射出ブラケツトとの固着状態が
   解除された交換を要する射出シリンダユニツトを
   把持する把持機構を備えたアームおよび予備の射
   出シリンダユニツトを把持する把持機構を備えた
   アームからなるスイング式の射出シリンダユニツ
   ト交換装置とを有することを特徴とする射出装
   置。 ３ 前記移動装置は射出ブラケツトのみ、前記射
   出ユニツトを挿抜するに十分な距離だけ後退させ
   ることを特徴とする前記特許請求の範囲第１項又
   は第２項記載の射出装置。