JPH0246473Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自転車用ブレーキレバー装置の、特に
ハウジング部分の改良に関する。

（従来の技術） 一般に、自転車、特にドロツブハンドルを有す
る自転車を高速で走行させる場合には、ブレーキ
レバー装置のハウジングを強力に握持して走行す
るのが通例である。この場合、ハウジングは通常
金属製であるためクツシヨン効果が少ないためハ
ウジングをゴム製カバーで被包している。

このものはクツシヨン効果が高いという利点を
有するが、ハウジングとカバーの結合がそれ程強
固でないので、カバーを介してハウジングを強力
に握持した際、カバーがずれて移動することがあ
り、従つて強力に握持することができず、しかも
安全上の問題がある上、握りごこちが悪いという
問題点があつた。

このためハウジングとカバーを接着剤で一体化
することも考えられるが、ブレーキの調整時や、
カバーが破れたりした場合にその取替えができな
いという不具合がある。

そこで、従来ハンドルの直杆部に少孔を形成す
る一方、カバーと一体の杆添の杆体の裏面に、先
端を大径とした突起を設け、該突起を前記小孔に
押込んで、該突起の大径先端部を小孔の縁部内面
に係合させることによつてカバーの杆添体を固定
するものが提案されている（実公昭56−17272号
公報参照）。

（考案が解決しようとする課題） しかし、上記従来例では、ハウジングとカバー
の一体化を図りつつカバーの取替えを可能となる
が、カバーの取替えは依然として容易ではないと
いう欠点があつた。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決することを目的として
ハンドル１に突設されるブレーキレバー取付用の
ハウジング４をゴム等の弾性材よりなるカバー１
１により締着状に被包するようにした自転車用ブ
レーキレバー装置２において、前記ハウジング４
の左右側壁７，７の外周面にハウジング高さ方向
の長溝状凹部１０を少なくとも一対形成し、前記
カバー１１内周面に該凹部１０に遊嵌状に嵌合す
る凸条１２を突設して嵌合部となすと共に、少な
くとも１つの嵌合部に対応するカバー１１外周面
の部分を肉厚状とした構成を採用したものであ
る。

（作用） 本考案は、ハンドル１に突設されるブレーキレ
バー取付用のハウジング４の左右側壁７，７の外
周面に少なくとも一対のハウジング高さ方向の長
溝状凹部１０を形成すると共に、該ハウジング４
を被包するカバー１１の内周面に、前記長溝状凹
部１０に遊嵌状に嵌合する凸条１２を突設して嵌
合部としたため、嵌合状態がゆるやかであり、カ
バー１１取替え時の取外しが容易に行なえる。一
方、カバー１１を介してハウジング４を握持した
際には、カバー１１とハウジング４は嵌合部にお
いて密嵌状に嵌合するので、カバー１１がずれる
ことがない。殊に、嵌合部は長溝状凹部１０とこ
れに嵌合する凸条１２とから成るため、カバー１
１がハウジング４周りに回動してずれるのを有効
に防ぐことができる。更に、少なくとも１つの嵌
合部に対応するカバー１１の外周面の部分が肉厚
状とされているので、カバー１１を握持した際に
握持力が嵌合部に効果的に及び、ハウジング４と
カバー１１の結合が一層強固なものとされ、カバ
ー１１がずれて移動することがない。

（実施例） 第１図乃至第４図に本考案の実施例を示す。第
１図は本考案に係わる自転車のドロツプハンドル
のブレーキレバー装置のハウジングをカバーで被
包した状態を示しており、１はドロツプハンドル
であり、該ハンドル１にブレーキレバー装置２が
固定される。このブレーキレバー装置２はハンド
ル１の屈曲部に締着バンド３を介して固定される
ハウジング４と、該ハウジング４にピン軸４′に
より回動自在に枢支されるブレーキレバー５から
なる。そして、ブレーキレバー５の回動操作によ
りボーデンワイヤ６を介してリム制動用ブレーキ
装置（図示省略）を作動させる。前記ハウジング
４は左右一対の側壁７，７と、上壁８と、底壁９
からなる。１０はハウジング高さ方向の長溝状凹
部であり、本実施例ではハウジングの左右側壁
７，７の外周面に、上下２段に並列状に形成され
ている。なお、凹部１０は少なくとも一箇所設け
られていればよい。

また、上壁８若しくは底壁９の外面或いはハウ
ジング４外周の全面に亘り設けても良く、またハ
ウジング高さ方向でなく該高さ方向に直交する方
向に設けても良い。また、凹部１０の形状は長孔
に限定されず任意の形状に形成しても良い。１１
は前記ハウジング４を締着状に被包するカバーで
あり、例えばゴム又は弾性を有する合成樹脂で形
成されている。ハウジング４をカバー１１で被包
したので、走行中に車体からハウジング４に伝わ
る衝撃又は振動を和らげるクツシヨン効果が高め
られる。１２は前記凹部１０に遊嵌状に嵌合され
る凸条であり、嵌合した際に凹部１０との間に空
間１３が形成されるようにカバー１１内壁面に形
成されている。ハウジング４に凹部１０を、カバ
ー１１に凸条１２を設けたので、カバー１１を握
持した際にハウジング４とカバー１１の結合が強
固なものとされ、従つてカバー１１がずれて移動
することがない。

一方、カバー１１を握持しない場合は、凹部１
０と凸条１２は遊嵌状に嵌合しているので、カバ
ー１１を容易に取外すことができる。

また前記空間１３によりクツシヨン効果がなお
一層高められる。１４は指掛用凹部であり、前記
カバー１１のレバー５側の外面にハウジング高さ
方向と直交する方向に２箇所並列状に形成されて
いる。なお、凹部１４を２箇所でなく３箇所形成
しても良い。前記カバー１１に凹部１４を設けた
ので、カバー１１を介してハウジング４を強力に
握持できかつ指に合つた握りができ好適な握持感
が得られる。１５は突条群であり、前記凹部１４
とは直交状に多数設けられ、握持した際のすべり
止めとなる。なお、すべり止めとしては突条群１
５ではなく小突起群でも良く、またこれらに限定
されず任意に設けても良い。

（考案の効果） 本考案はハウジング４の左右側壁７，７の外周
面に、ハウジング高さ方向の長溝状凹部１０を少
なくとも一対形成し、該ハウジング４を被包する
カバー１１の内周面に、前記長溝状凹部１０に遊
嵌状に嵌合する凸条１２を突設して嵌合部となす
と共に、少なくとも１つの嵌合部に対応するカバ
ー１１外周面の部分を肉厚状としたため、カバー
１１を介してハウジング４を握持した際に嵌合部
において密嵌状に嵌合してカバー１１とハウジン
グ４の結合が強固なものとされ、カバー１１がず
れて移動することがなく、ハウジング４を強力か
つ良好に握持できるので安全にハンドルを操作で
きる。

他方、カバー１１を握持しない場合には、嵌合
部の嵌合状態がゆるやかであるので、カバー１１
取替えに際しての取外しが極めて容易に行なえ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の実施例を示してお
り、第１図は本考案に係わる自転車用のドロツブ
ハンドルのブレーキレバー装置のハウジングをカ
バーで被包した状態を示す一部断面側面図、第２
図は第１図の−線断面図、第３図及び第４図
は夫々カバーの側面側、底面側の斜視図である。 １…ハンドル、２…ブレーキレバー装置、４…
ハウジング、１０…嵌合凹部、１１…カバー、１
２…嵌合凸条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドル１に突設されるブレーキレバー取付用
   のハウジング４をゴム等の弾性材よりなるカバー
   １１により締着状に被包するようにした自転車用
   ブレーキレバー装置２において、前記ハウジング
   ４の左右側壁７，７の外周面にハウジング高さ方
   向の長溝状凹部１０を少なくとも一対形成し、前
   記カバー１１内周面に該凹部１０に遊嵌状に嵌合
   する凸状１２を突設して嵌合部となすと共に、少
   なくとも１つの嵌合部に対応するカバー１１外周
   面の部分を肉厚状としたことを特徴とする自転車
   用ブレーキレバー装置。