JPH0246422B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］ この発明は、門形に形成された洗車機本体内に
ブラシ・ブロワノズル等の自動車車体に沿つて作
用する洗車処理装置を備え、自動車を跨いで走行
しその車体面をブラツシング洗浄するタイプのい
わゆる門形洗車機に関する。 ［従来技術およびその問題点］ 一般に、この種の洗車機はブラシやブロワノズ
ル等の洗車処理装置を自動車の車体形状に沿つて
作用させ洗浄を行なうので、洗車の障害となる車
体から極端に突出するような物、例えばタクシー
の表示灯、折り畳みできないアンテナ、ルーフキ
ヤリア、外方へ著しくはみ出したバツクミラー等
がある場合は、これを破損させてしまつたりブラ
シの著しい摩損を生じる恐れがある。このため、
ブラシを開閉・昇降させる等して回避操作できる
手段を備えて、洗車中に前記障害物との接触を回
避するよう操作する必要があつた。しかし、この
回避操作は、使用者が洗車機に付き添い洗車処理
装置が前記障害物に近付いたのを監視しながら操
作しなければならず、面倒な作業であつた。 これに対し、特開昭57−201747号公報には、前
記障害物のうちタクシー表示灯等の自動車の屋根
中央部に備えられた突起物に対して、その障害物
のおよその位置をプログラムに組み込んで自動回
避するようにした洗車方法が開示されている。し
かし、この方法では回避位置を洗車する自動車に
応じて可変操作することができないため、結果と
して大きさ・形状の異なる自動車や表示灯に対応
できるよう必要以上に広い範囲にわたつて回避動
作させることとなり、広い範囲の洗い残しを生ず
る欠点がある。また、屋根中央部という限られた
部分の回避動作しかできず、自動車およびその使
用形態の多様化に対応した幅広い部分の回避動作
が不可能であつた。 ［問題点を解決するための手段］ この発明は、実行する洗車が第１のモードであ
るか第２のモードであるかを設定する手段と、洗
車する自動車の識別コードを入力する手段と、洗
車中の前記洗車機本体の走行位置を検出する手段
と、前記自動車の洗車に障害となる部分を回避す
るよう入力する手段と、前記洗車処理装置を制御
する制御手段とを備え、前記制御手段では、前記
モード設定手段で第１のモードに設定されて洗車
が実行され、前記回避入力手段において回避入力
があると、前記洗車処理装置を自動車車体から退
避させると共に、その時の前記検出手段で与える
走行位置をそこに具備した記憶手段に記憶し、前
記モード設定手段で第２のモードに設定されて洗
車が実行されると、前記識別コード入力手段に入
力された識別コードに基づき前記記憶手段から第
１のモードで記憶したデータを読み出し、この記
憶データと前記検出手段で与える走行位置とに応
じて、前記洗車処理装置を自動車車体から退避さ
せるよう制御して、回避操作のあつた時点の洗車
機本体の走行位置を記憶しておき、以後の洗車に
おいてはその記憶データに応じて障害物を自動回
避できるよう構成して、上記問題点の解決をはか
つたものである。 なお、下記の実施例において、モード設定手段
はキースイツチ１５に相当し、第１のモードは下
記「管理」モードにおける「障害回避入力」モー
ドに、また第２のモードは「運転」モードにそれ
ぞれ相当する。更に、識別コード入力手段は下記
会員カード挿入口１６およびテンキー２１に、回
避入力手段は下記回避ボタン１２にそれぞれ相当
し、検出手段、制御手段および記憶手段は下記制
御ボード２５に含まれる。 ［実施例］ 以下、その実施例について図面を基に説明す
る。 第１図は本発明一実施例の正面外観図で、１は
門形に形成された洗車機本体であり、一対のレー
ル２，２′上を往復走行して、該レール２，２′の
間に停止された自動車を洗浄する。３，３′は一
対のサイドブラシで、洗浄する自動車の側面形状
に従つて本体１の走行方向と直交する方向に移動
する。このサイドブラシ３，３′は、リミツトス
イツチから成り、ブラシと車体とが接触しブラシ
が前後方向に傾動するのを感知して車体を検知す
る車体検知センサーを備えている。４はトツプブ
ラシで、車の形状に従つて上下動自在に構成され
ている。５，５′は一対のロツカーブラシで、主
に車のタイヤ及び車体側面下半部の洗浄を行な
う。６，６′は乾燥用ブロワノズルで、本体１内
に設けられるブロワーから送出される空気を車体
に吹き付けて車体の水滴を飛散させ乾燥する。こ
のうちノズル６はリンクアームにより昇降自在に
支持され、車体形状に沿つて昇降動作し、主に車
体上面の乾燥を行なう。７は本体前面に備えられ
る操作パネルで、詳説は第２図に示す。 第２図は前記操作パネル７部の拡大説明図で、
上方にデイスプレイ装置９、その下方に入力ボー
ド１０を配している。デイスプレイ装置９は、
LCD（液晶デイスプレイ）表示器からなり、入力
ボード１０に対する入力に応じて対話形式で必要
データや操作手順等を表示し、使用者の希望に応
じた洗車作業及び管理ができるよう案内する。 以下、前記入力ボード１０の各キーについて説
明する。１１は各ボタン毎に異なる洗車シーケン
スが設定された洗車コースの選択ボタンで、ここ
で選択される洗車コースはワツクス処理の有無、
洗車スピードの高低等により区別されている。１
２は上記の障害物を回避操作する等の際に使用す
る回避ボタンで、サイドブラシ３，３′の開閉、
トツプブラシ４及びブロワノズル６の上下、本体
１のリセツト位置への後進をそれぞれ手動で操作
できる。１３は前記選択ボタン１１で選択設定し
た洗車コースを開始するスタートボタン。１４は
水抜きボタンで、水管路内にコンプレツサーから
の圧縮空気を導入して強制排水すると共に各ブラ
シ３，３′，４，５，５′を回転して水切りを行な
う。 １５は電源投入を行なうキースイツチで、「管
理」「運転」の二つのモードを設定でき、「管理」
モードでは主にデイスプレイ９を利用して日計・
月計等の集計や始業点検・終業点検等の点検操
作、更に会員や本発明に係る障害回避データ等の
登録を行ない、「運転」モードでは本来の洗車作
業を行なう。１６は洗車会員の識別コードを記憶
する会員カードを挿入する挿入口で、その内方に
はカードリーダーが設けられている。１７はコイ
ンの投入口である。 上記のうち各ボタン１１，１２，１３，１４に
はそれぞれランプが内蔵されると共に、カード挿
入口１６とコイン投入口１７には補助ランプ１
８，１９がそれぞれ備えられており、操作手順に
従つて操作されるべき部分のランプが点灯もしく
は点滅するよう構成され、この各ランプの点灯も
しくは点滅する順番に操作すれば操作方法を知ら
ない顧客でも簡単にこの洗車機を運転できるよう
構成されている。 ２０はテンキー２１・リターンキー２２・カー
ソルキー２３・登録キー２４・訂正キー３０をそ
れぞれ有する入力キーセツトで、テンキー２１で
は数字による選択入力又は数字データの入力、カ
ーソルキー２３ではデイスプレイ装置９の画面上
でのカーソルの移動、登録キー２４では入力され
たデータのメモリ内への登録、リターンキー２２
では１ステツプ前の画面・モードへの復帰、訂正
キー３０では入力操作の訂正をそれぞれ行ない、
前記「管理」モードにおける各操作入力を行な
う。 ３１は音声出力部で、入力ボード１０における
入力操作に応答して作業指示・操作指示等の音声
出力を行なう。 第３図は上記実施例の制御系を示すブロツク図
で、２５は制御ボード、２６は各ブラシ・ノズル
等を駆動するモーター・電磁弁と云つた出力機器
群のブロツク、２７は該出力機器への継電操作を
集中して行なうリレーボード、２８はデイスプレ
イ装置９及び入力ボード１０との信号授受を行な
い各データを制御ボード２５へ伝送するサブ制御
ボード、２９は前記車体検知センサーをはじめブ
ラシの作動状態、液剤タンクの残量、洗浄する車
の停車位置をそれぞれ感知するセンサー等から成
る入力機器群のブロツクである。 ここでサブ制御ボード２８は、入力ボード１０
に附設され、入力ボード１０におけるキー入力・
カード入力・金銭入力等に対するデイスプレイ表
示や音声出力といつた応答出力を行なつており、
入力されるデータは随時制御ボード２５へ送られ
る。 制御ボード２５は、このサブ制御ボード２８か
ら伝送される入力信号に応じて洗車機全搬の制御
を行なうもので、各洗車コースのシーケンスを始
めとする制御プログラムを保存するROMと、障
害回避位置等の入力ボード１０からの入力データ
を記憶するRAMとを内蔵し、これらメモリされ
たプログラム及びデータに従つて制御信号を出力
する。 ここで、キースイツチ１５で「運転」モードに
設定されているときには、使用者がデイスプレイ
表示及び音声出力される操作指示に従い入力ボー
ド１０において洗車の選択入力を行なうと、この
入力信号はサブ制御ボード２８を介して制御ボー
ド２５へ送られ、制御ボード２５ではこの入力信
号を洗車データとして前記RAMへ書込みを行な
うと共に、選択入力された洗車コースに該当する
シーケンスプログラムを実行し、リレーボード２
７へ制御出力して洗車を行なう。また制御ボード
２５において、カード挿入口１６に挿入された会
員カードまたは入力ボード１０におけるテンキー
入力によりもたらされた識別コードに基づいて前
記RAMより洗車する自動車の障害回避データの
読出しを行ない、障害回避データが登録されてい
る場合は、このデータに基づき回避動作の命令を
出力する。 一方、キースイツチが「管理」モードに設定さ
れているときは、デイスプレイ装置９の表示に導
かれて入力ボードで選択操作をすることにより制
御ボード２５の前記ROM内に記憶された会員登
録・集計・点検または障害回避入力のプログラム
を読出し、各プログラムに応じて制御ボード２５
内のRAMへの会員データや障害回避データの書
込み、該RAMからの集計データの読出しといつ
た各種管理を行なう。 第４図は上記実施例における障害回避位置の入
力手順を示すフローチヤート図である。 まず、入力ボードにおいて障害回避入力するモ
ードに設定されたか否かを検知し(1)、同モードに
設定されていればデイスプレイ装置９に画面Ａ
（表１参照）を表示して会員カードの挿入もしく
はテンキー２１における車番等の識別コードの入
力を求める(2)。この障害回避入力モードの設定方
法は、キースイツチ１５を「管理」モードにする
とデイスプレイ装置９に管理項目（例えば「１会
員登録 ２集計 ３点検 ４障害回避入力」）が
表示されるので、テンキー２１で「４」を押して
「障害回避入力」を選択すれば良い。

【表】 会員カードまたはテンキー入力により識別コー
ドが読込まれると(3)、画面Ｂ（表１参照）を表示
して、洗車準備をした後スタートボタン１３を押
して洗車を開始するよう求める(4)。スタートボタ
ン１３が押され(5)、洗車が開始されると(6)、サイ
ドブラシ３，３′を洗車機本体１内方へ移動して
閉じると共に洗車機本体１を走行させ、これに伴
いサイドブラシ３，３′が自動車車体に接すると
(7)、これを前記車体検知センサーで検知し、前記
制御ボード２５では内蔵するタイマーのカウント
を開始する(8)。 洗車に伴い使用者が車体の障害回避のため回避
ボタン１２の操作を行なうと、制御ボード２５で
はこれを検知して(9)、操作に応じて前記ブラシま
たはブロワノズルを自動車車体から遠ざけるよう
回避動作すると共に、操作されたブラシまたはブ
ロワノズルの種別と操作開始時及び操作終了時の
前記タイマーのカウント値を障害回避データとし
て読取る(10)〜(12)。洗車作業が自動車の前端から後
端に至る一連の工程、即ち本体フレームの往路も
しくは復路を一工程とする工程が終了すると
（13）、その工程が何番目の工程かをカウントし
（14）、このカウントした工程データを前記の読み
取つたデータに付与する。 工程のカウントにより実行中の洗車コースが終
了したか否かを検知し（15）、終了でなければタ
イマーを一度クリアーした後（16）、上記ステツ
プ(7)より同様な動作を繰り返す。洗車コースガ終
了であれば、デイスプレイ装置９に画面Ｃを表示
しそのコース実行中に読み込んだデータをメモリ
内へ登録するよう入力指示することを求め（17）、
この指示に応じ登録キー２４により登録指示があ
れば（18）、上記各データすなわち識別コード・
障害回避データ・工程データを制御ボード２５の
RAMへ記憶する（19）。一方、登録入力がなく
訂正キー３０により訂正入力があれば（20）、上
記入力データ及びタイマーがクリアーされ（21）、
再度洗車を行ないデータの再入力を行なう。 上記実施例で行なう洗車コースは、少なくとも
ブラシ駆動を行なう往路・復路及びブロワ作動を
伴う復路の各工程を含む定められた障害回避入用
のコースを実行するよう設定されており、一定コ
ースの実行によりデータの統一化を図つている
が、これに限らず通常の選択ボタン１１の入力を
受けて行なう各洗車コースにおいて障害回避入力
するものとし有料洗車中に行なうことも可能であ
る。 第５図は実施例の「運転」モードにおける洗車
動作を示すフローチヤート図である。 まず、キースイツチ１５が「運転」モードであ
るか否かを検知し(1)、「運転」モードであればデ
イスプレイ装置９に画面Ａを表示して会員カード
の挿入またはテンキー入力により識別コードの入
力を求める(2)。識別コードが入力されると(3)、制
御ボード２５ではこのコードを基に前記RAMよ
り障害回避データが読み出される。更に選択ボタ
ン１１において洗車コースの選択入力されると、
デイスプレイ装置９に画面Ｂを表示し、スタート
ボタン１４を押して洗車を開始するよう求める
(4)。スタートボタン１３が押され(5)、洗車が開始
された後(6)、サイドブラシ３，３′の車体検知セ
ンサーで車体を検知すると(7)、制御ボード２５で
はタイマーのカウントを開始する(8)。 タイマーカウントに伴い、そのカウント値が上
記読み出した障害回避データで与える値と一致す
ると(9)、その時点からデータ内容に応じたブラシ
またはブロワノズルを自動車車体から遠ざけるよ
う移動させて回避動作を開始し(10)、障害回避位置
が終われば(11)、回避作業を終了する(12)。 こうして、自動車の前端から後端に及ぶ一工程
が終了すると（13）、その工程をカウントし
（14）、このカウント値に応じた工程の障害回避位
置データをセツトする。この工程カウント値によ
り実行中の洗車コースが終了か否かを検知し
（15）、終了であればリターンし、終了でなければ
タイマーをクリアーし（16）、ステツプ(7)より同
様な動作を繰り返して次工程に移る。 このように識別コードにより障害回避データが
読み出され、この読み出されたデータのタイミン
グに応じて自動的に障害回避動作を行なう。 以上のようにこの実施例では、入力ボード１０
において第１のモードたる「障害回避入力」モー
ドに設定して洗車を行なうと、洗車開始からタイ
マーカウントして洗車機本体１の走行位置を検出
し、回避ボタン１２において回避入力された時点
のカウント値を記憶手段たる制御ボード２５の
RAMへ記憶する。一方、第２のモードたる「運
転」モードに設定して洗車を行なうと、会員カー
ドまたはテンキー入力により与えられる識別コー
ドに基づいて前記RAMより記憶データを読み出
し、洗車開始からのタイマーカウント値とこの記
憶データとを比較し、一致した時点で回避動作を
行なう。なお、自動車車体に複数の障害物がある
場合も上記方法で複数のデータを入力しておけば
同様にそれぞれの回避動作が可能である。 ［発明の効果］ この発明は以上のように構成され、次のような
顕著な効果を奏する。 第１のモードにおいて洗車を実行し、障害回避
位置を記憶させておけば、以後第２のモードにお
いて障害物を自動的に回避して洗車を行なうこと
ができ、従来のように洗車機に付き添つて回避操
作する必要がない。 第２のモードでなされる回避動作は、第１のモ
ードで各自動車毎に実地に回避入力された位置に
基づいて行なわれるので、障害物に応じた適切な
回避ができ、従来のように必要以上に広い範囲を
回避して洗い残しを生じる不都合がない。 また、第１のモードで障害回避位置を記憶させ
ておけば、不特性の箇所の多様な障害物の回避を
自動的に行なうことができ、多様な自動車に対応
し安全に洗車することができる。 更に、第１のモードにおける障害回避位置の記
憶は、実地に洗車をしながら行なうので正確に回
避位置を与えることができると共に、別個に回避
位置を測定したり入力したりする必要がなく、便
利でかつ経済的に使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の正面外観図。第２図は
同実施例の要部拡大図。第３図は同実施例の制御
系を示すブロツク図。第４図は実施例の第１のモ
ードにおける動作を示すフローチヤート図。第５
図は実施例の第２のモードにおける動作を示すフ
ローチヤート図。 １は洗車機本体、３，３′，４，６は洗車処理
装置、１０は入力ボード、１２は回避入力手段た
る回避ボタン、１５はモード設定手段たるキース
イツチ、１６，２１は識別コード入力手段たるカ
ード挿入口およびテンキー、２５は制御手段たる
制御ボードである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 門形に形成された洗車機本体内にブラシ・ブ
   ロワノズル等の自動車車体に沿つて作用する洗車
   処理装置を備え、自動車を跨いで走行しその車体
   面をブラツシング洗浄する門形洗車機において、 実行する洗車が第１のモードであるか第２のモ
   ードであるかを設定する手段と、洗車する自動車
   の識別コードを入力する手段と、洗車中の前記洗
   車機本体の走行位置を検出する手段と、前記自動
   車の洗車に障害となる部分を回避するよう入力す
   る手段と、前記洗車処理装置を制御する制御手段
   とを備え、 前記制御手段では、前記モード設定手段で第１
   のモードに設定されて洗車が実行され、前記回避
   入力手段において回避入力があると、前記洗車処
   理装置を自動車車体から退避させると共に、その
   時の前記検出手段で与える走行位置をそこに具備
   した記憶手段に記憶し、前記モード設定手段で第
   ２のモードに設定されて洗車が実行されると、前
   記識別コード入力手段に入力された識別コードに
   基づき前記記憶手段から第１のモードで記憶した
   データを読み出し、この記憶データと前記検出手
   段で与える走行位置とに応じて、前記洗車処理装
   置を自動車車体から退避させるよう制御すること
   を特徴とする門形洗車機。