JPH0245669B2 - - Google Patents
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- JPH0245669B2 JPH0245669B2 JP57015521A JP1552182A JPH0245669B2 JP H0245669 B2 JPH0245669 B2 JP H0245669B2 JP 57015521 A JP57015521 A JP 57015521A JP 1552182 A JP1552182 A JP 1552182A JP H0245669 B2 JPH0245669 B2 JP H0245669B2
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Landscapes
- Inorganic Fibers (AREA)
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Description
本発明は高強度高弾性炭素繊維用の原料として
の100%メソフエーズのピツチの製造に係るもの
で、特に複合材料の原料として好適な高強度高弾
性炭素繊維を高能率で低廉なコストで製造する方
法を提供することを目的とする。 本発明は、減圧軽油の熱接触分解(FCC)或
はナフサの熱分解によつて副生された残渣炭素物
質の石油系ピツチを360℃乃至450℃の温度で常圧
或は加圧下で非酸化性気流下で撹拌加熱処理し、
メソフエーズを10%乃至50%含有するピツチを製
造し、後之を非酸化性気流下で加熱処理温度より
低温280℃乃至350℃で静置保持して上層の非メソ
層と下層のメソ層(偏光顕微鏡にて容易に測定出
来る)とに分離区分し、Q.I.成分とQ.S.成分のみ
によつて構成されている100%メソフエーズピツ
チ(偏光顕微鏡によつて容易に確認することがで
きる)を製造する方法にある。 近年航空機、自動車その他の輸送機製作工業の
急速な成長の結果それに必要な材料として、特別
な物質の組合せからなり、そのいくつかの物理的
性質が極めて勝れておつて特異性を発揮しうる材
料を望む声が大きくなつているが特に、高い強度
及び弾性を具備し、同時に軽量で安価な材料の出
現が強く要求されている。しかるに現在の技術で
かゝる要望にかなつた材料を安定して供給するこ
とが出来ないので、これに答えるため複合物質
(強化樹脂)の製造に関する研究が盛んに行われ
ている。 強化樹脂に使用される最も有望な材料の1つと
して高強度高弾性の炭素繊維がある。この材料は
前述の産業の急速な成長が始まりかけた頃から市
場に現われたもので、この炭素繊維を樹脂と組合
せて使用すると、他に全くその類例を見ないよう
な特性を発揮する強化樹脂を製造することが出来
る。しかし残念ながら上記の様な強化樹脂用の高
強度高弾性炭素繊維は価格が極めて高価なため、
これを使用した強化樹脂が極めて顕著な特性を発
揮するにもかゝわらずそれの需要があまり開拓さ
れていない。 現在入手出来る高強度高弾性の炭素繊維の原料
は特殊な製造法及び紡糸法によつて製糸されたポ
リアクリロニトリル繊維が主であることが知られ
ているが、このポリアクリロニトリル繊維は炭素
繊維の前駆体として高価であるばかりでなく更に
この前駆体からの炭素繊維の収率は45%以下で極
めて悪い。このことが優れた炭素繊維を製造する
処理工程を複雑にし、最終製品の炭素繊維の製造
コストを益々高めることになつている。 特に安価な炭素繊維用の原料を造り出すため
に、本発明の発明者は広はんな研究を実施した。
その結果、極めて安価な石油系ピツチを非酸化性
気流下で360℃乃至450℃に撹拌加熱処理して加熱
生成ピツチ中にメソ成分を生成せしめ、後加熱生
成ピツチを非酸化性気流下で加熱処理温度より低
温の280℃乃至350℃に静置保持し、その温度に充
分保持することによつてのみ始めてメソ成分が加
熱生成ピツチ中で相互に融着巨大化して成長する
ことが可能となり、非メソピツチとメソ(異方
性)ピツチの比重の差、その他物性例えば粘度の
差によつて、その静置保持条件下に於て上層の非
メソピツチと下層のメソピツチとに劃然と区分分
離し、Q.I.成分とQ.S.成分のみによつて構成され
ている100%メソピツチを分離製造しうることを
見い出し本発明を完成した。尚加熱生成ピツチを
280℃乃至350℃に保持する場合ピツチ中のメソ球
の融着巨大化を促進するため非メソ層とメソ層と
の分離を妨げない程度でゆるやかに撹拌すること
もありうる。 炭素繊維用の安価な原料の製法はU.S.
P.3974264(1976);U.S.P.3995014(1976);U.S.
P.4021788(1977);U.S.P.4032430(1977)等その
他多くの特許公報に報告されている。これらの製
法では石油系及びタール系ピツチを温度380℃乃
至440℃に加熱処理してメソフエーズを40%乃至
90%好ましくは50%乃至65%含有するピツチを製
造し、これをそのまゝ炭素繊維用の原料としてい
る。従つてこのピツチは非メソピツチを多く含有
し、高強度高弾性の炭素繊維用の原料として要求
される100%メソフエーズピツチとは云えずその
特性を充分具備していない。 更らに本質上100%のメソフエーズを含有する
ピツチを製造する方法が特開昭54−55625の公報
に報告されている。即ち等方性ピツチに窒素、ア
ルゴン、キセノン、ヘリウム、水蒸気等の不活性
ガスを原料Kg当り少なくとも8/分以上極めて
多量に圧入し、強く撹拌しつゝ380℃乃至430℃で
5時間乃至44時間も加熱して単一相の系に変換さ
れるまで加熱処理して、所謂100%のメソフエー
ズのピツチの製造を試みている。しかるに原料の
等方性ピツチは所謂巨大分子で複雑で純粋な化合
物でなく、不純物も含有し、エマルジヨンを形成
していて如何に長時間不活性ガスを圧入して強く
撹拌し処理しつくしても該エマルジヨンを完全に
単一化することは不可能で、如何にしても未反応
の等方性ピツチの混在を完全に無くすることは出
来ない。従つて得られるものは純粋に100%メソ
フエーズとは云えない。 減圧軽油の熱接触分解(FCC)によつて副生
された残渣炭素物質を常圧下非酸化性気流下で必
要に応じて予備加熱処理して前駆体をつくり、こ
の前駆体を温度360℃乃至450℃で30分乃至30時間
で撹拌処理して加熱生成ピツチ中のメソフエーズ
の含有量が10%乃至50%になる様な加熱処理をす
る、好ましくは撹拌加熱処理条件を合理化するた
め加熱温度380℃乃至440℃、反応時間1時間乃至
6時間の条件を選んで加熱処理することによつて
メソフエーズを20%乃至40%含有する加熱生成ピ
ツチを製造できる。この加熱生成ピツチを非酸化
性気流下で加熱処理温度より低温の280℃乃至350
℃で5時間乃至30時間静置保持してメソフエーズ
のみを融着成長させ巨大化させ加熱生成ピツチを
非メソ層とメソ層とに劃然と区別できる。尚静置
加温々度が280℃以下では加熱生成ピツチを非メ
ソ層とメソ層とに区分分離することは出来ない。
加熱処理する時並に加熱生成ピツチを非メソ層と
メソ層とに分離する時に使用する非酸化性気流ガ
スとして使用し得るものはメタン、エタン、プロ
パン、ブタン等炭素数の少ない炭化水素、沸点の
低く重質化しないナフサ留分を挙げることができ
る。しかしながら経済的は最もすぐれているガス
は原料を加熱処理して副生するドライガス(主と
しての炭素数少ない炭化水素の混合物)である。 尚メソ層は偏光顕微鏡で100%メソフエーズで
あることは容易に確認することが出来る。静置保
持条件を合理化するため、静置温度300℃乃至340
℃、保持時間5時間乃至25時間の静置保持条件を
選んで非メソ層とメソ層とに分離することが好ま
しい。 更に本発明の発明者は上記の静置保持条件を設
定することにより区分分離されたメソ層はQ.I.
(キノリン不溶分、80℃でキノリン抽出によつて
測定する)とQ.S.(キノリン溶解分)との2つの
メソ成分によつて構成され、しかもこの100%メ
ソフエーズはQ.I.成分が75%乃至87%及びQ.S.成
分が13%乃至25%によつても構成せることによ
り、このメソフエーズの紡糸性を極めて良くする
ことを見付けた。 本発明の特徴は100%メソフエーズを製造する
と同時にこのメソフエーズはQ.I.メソ成分とQ.S.
メソ成分とのみによつて構成させることにある。 この100%メソフエーズを紡糸した炭素繊維を
製造する1例を挙げると次の如くである。紡糸温
度320℃粘度50ポイズ(紡糸温度にて)、紡糸速度
100m/分で紡糸して得られた糸を300℃で15分間
空気で不融化(架橋化)し、後昇温速度10℃/分
で最終温度1400℃で15分間炭化して長繊維の高強
度高弾性の炭素繊維を製造することが出来る。 実施例 1 減圧軽油の熱接触分解(FCC)によつて副生
される残渣炭素物質を非酸化性気流下で400℃で
2時間加熱処理して前駆体ピツチを製造した。 前駆体の収率54%前駆体の軟化点(R&B相
当)67℃であつた。 この前駆体を次の加熱処理条件で処理し、その
後加熱生成ピツチを300℃で24時間静置保持して
非メソ層とメソ層とに区分分離した。尚非酸化性
気流として加熱処理反応に於て生成するドライガ
スを循環させたものを使用した。
の100%メソフエーズのピツチの製造に係るもの
で、特に複合材料の原料として好適な高強度高弾
性炭素繊維を高能率で低廉なコストで製造する方
法を提供することを目的とする。 本発明は、減圧軽油の熱接触分解(FCC)或
はナフサの熱分解によつて副生された残渣炭素物
質の石油系ピツチを360℃乃至450℃の温度で常圧
或は加圧下で非酸化性気流下で撹拌加熱処理し、
メソフエーズを10%乃至50%含有するピツチを製
造し、後之を非酸化性気流下で加熱処理温度より
低温280℃乃至350℃で静置保持して上層の非メソ
層と下層のメソ層(偏光顕微鏡にて容易に測定出
来る)とに分離区分し、Q.I.成分とQ.S.成分のみ
によつて構成されている100%メソフエーズピツ
チ(偏光顕微鏡によつて容易に確認することがで
きる)を製造する方法にある。 近年航空機、自動車その他の輸送機製作工業の
急速な成長の結果それに必要な材料として、特別
な物質の組合せからなり、そのいくつかの物理的
性質が極めて勝れておつて特異性を発揮しうる材
料を望む声が大きくなつているが特に、高い強度
及び弾性を具備し、同時に軽量で安価な材料の出
現が強く要求されている。しかるに現在の技術で
かゝる要望にかなつた材料を安定して供給するこ
とが出来ないので、これに答えるため複合物質
(強化樹脂)の製造に関する研究が盛んに行われ
ている。 強化樹脂に使用される最も有望な材料の1つと
して高強度高弾性の炭素繊維がある。この材料は
前述の産業の急速な成長が始まりかけた頃から市
場に現われたもので、この炭素繊維を樹脂と組合
せて使用すると、他に全くその類例を見ないよう
な特性を発揮する強化樹脂を製造することが出来
る。しかし残念ながら上記の様な強化樹脂用の高
強度高弾性炭素繊維は価格が極めて高価なため、
これを使用した強化樹脂が極めて顕著な特性を発
揮するにもかゝわらずそれの需要があまり開拓さ
れていない。 現在入手出来る高強度高弾性の炭素繊維の原料
は特殊な製造法及び紡糸法によつて製糸されたポ
リアクリロニトリル繊維が主であることが知られ
ているが、このポリアクリロニトリル繊維は炭素
繊維の前駆体として高価であるばかりでなく更に
この前駆体からの炭素繊維の収率は45%以下で極
めて悪い。このことが優れた炭素繊維を製造する
処理工程を複雑にし、最終製品の炭素繊維の製造
コストを益々高めることになつている。 特に安価な炭素繊維用の原料を造り出すため
に、本発明の発明者は広はんな研究を実施した。
その結果、極めて安価な石油系ピツチを非酸化性
気流下で360℃乃至450℃に撹拌加熱処理して加熱
生成ピツチ中にメソ成分を生成せしめ、後加熱生
成ピツチを非酸化性気流下で加熱処理温度より低
温の280℃乃至350℃に静置保持し、その温度に充
分保持することによつてのみ始めてメソ成分が加
熱生成ピツチ中で相互に融着巨大化して成長する
ことが可能となり、非メソピツチとメソ(異方
性)ピツチの比重の差、その他物性例えば粘度の
差によつて、その静置保持条件下に於て上層の非
メソピツチと下層のメソピツチとに劃然と区分分
離し、Q.I.成分とQ.S.成分のみによつて構成され
ている100%メソピツチを分離製造しうることを
見い出し本発明を完成した。尚加熱生成ピツチを
280℃乃至350℃に保持する場合ピツチ中のメソ球
の融着巨大化を促進するため非メソ層とメソ層と
の分離を妨げない程度でゆるやかに撹拌すること
もありうる。 炭素繊維用の安価な原料の製法はU.S.
P.3974264(1976);U.S.P.3995014(1976);U.S.
P.4021788(1977);U.S.P.4032430(1977)等その
他多くの特許公報に報告されている。これらの製
法では石油系及びタール系ピツチを温度380℃乃
至440℃に加熱処理してメソフエーズを40%乃至
90%好ましくは50%乃至65%含有するピツチを製
造し、これをそのまゝ炭素繊維用の原料としてい
る。従つてこのピツチは非メソピツチを多く含有
し、高強度高弾性の炭素繊維用の原料として要求
される100%メソフエーズピツチとは云えずその
特性を充分具備していない。 更らに本質上100%のメソフエーズを含有する
ピツチを製造する方法が特開昭54−55625の公報
に報告されている。即ち等方性ピツチに窒素、ア
ルゴン、キセノン、ヘリウム、水蒸気等の不活性
ガスを原料Kg当り少なくとも8/分以上極めて
多量に圧入し、強く撹拌しつゝ380℃乃至430℃で
5時間乃至44時間も加熱して単一相の系に変換さ
れるまで加熱処理して、所謂100%のメソフエー
ズのピツチの製造を試みている。しかるに原料の
等方性ピツチは所謂巨大分子で複雑で純粋な化合
物でなく、不純物も含有し、エマルジヨンを形成
していて如何に長時間不活性ガスを圧入して強く
撹拌し処理しつくしても該エマルジヨンを完全に
単一化することは不可能で、如何にしても未反応
の等方性ピツチの混在を完全に無くすることは出
来ない。従つて得られるものは純粋に100%メソ
フエーズとは云えない。 減圧軽油の熱接触分解(FCC)によつて副生
された残渣炭素物質を常圧下非酸化性気流下で必
要に応じて予備加熱処理して前駆体をつくり、こ
の前駆体を温度360℃乃至450℃で30分乃至30時間
で撹拌処理して加熱生成ピツチ中のメソフエーズ
の含有量が10%乃至50%になる様な加熱処理をす
る、好ましくは撹拌加熱処理条件を合理化するた
め加熱温度380℃乃至440℃、反応時間1時間乃至
6時間の条件を選んで加熱処理することによつて
メソフエーズを20%乃至40%含有する加熱生成ピ
ツチを製造できる。この加熱生成ピツチを非酸化
性気流下で加熱処理温度より低温の280℃乃至350
℃で5時間乃至30時間静置保持してメソフエーズ
のみを融着成長させ巨大化させ加熱生成ピツチを
非メソ層とメソ層とに劃然と区別できる。尚静置
加温々度が280℃以下では加熱生成ピツチを非メ
ソ層とメソ層とに区分分離することは出来ない。
加熱処理する時並に加熱生成ピツチを非メソ層と
メソ層とに分離する時に使用する非酸化性気流ガ
スとして使用し得るものはメタン、エタン、プロ
パン、ブタン等炭素数の少ない炭化水素、沸点の
低く重質化しないナフサ留分を挙げることができ
る。しかしながら経済的は最もすぐれているガス
は原料を加熱処理して副生するドライガス(主と
しての炭素数少ない炭化水素の混合物)である。 尚メソ層は偏光顕微鏡で100%メソフエーズで
あることは容易に確認することが出来る。静置保
持条件を合理化するため、静置温度300℃乃至340
℃、保持時間5時間乃至25時間の静置保持条件を
選んで非メソ層とメソ層とに分離することが好ま
しい。 更に本発明の発明者は上記の静置保持条件を設
定することにより区分分離されたメソ層はQ.I.
(キノリン不溶分、80℃でキノリン抽出によつて
測定する)とQ.S.(キノリン溶解分)との2つの
メソ成分によつて構成され、しかもこの100%メ
ソフエーズはQ.I.成分が75%乃至87%及びQ.S.成
分が13%乃至25%によつても構成せることによ
り、このメソフエーズの紡糸性を極めて良くする
ことを見付けた。 本発明の特徴は100%メソフエーズを製造する
と同時にこのメソフエーズはQ.I.メソ成分とQ.S.
メソ成分とのみによつて構成させることにある。 この100%メソフエーズを紡糸した炭素繊維を
製造する1例を挙げると次の如くである。紡糸温
度320℃粘度50ポイズ(紡糸温度にて)、紡糸速度
100m/分で紡糸して得られた糸を300℃で15分間
空気で不融化(架橋化)し、後昇温速度10℃/分
で最終温度1400℃で15分間炭化して長繊維の高強
度高弾性の炭素繊維を製造することが出来る。 実施例 1 減圧軽油の熱接触分解(FCC)によつて副生
される残渣炭素物質を非酸化性気流下で400℃で
2時間加熱処理して前駆体ピツチを製造した。 前駆体の収率54%前駆体の軟化点(R&B相
当)67℃であつた。 この前駆体を次の加熱処理条件で処理し、その
後加熱生成ピツチを300℃で24時間静置保持して
非メソ層とメソ層とに区分分離した。尚非酸化性
気流として加熱処理反応に於て生成するドライガ
スを循環させたものを使用した。
【表】
実施例 2
実施例1の実験番号2によつて生成された加熱
生成ピツチを生成後直接次の如き静置保持条件で
メソ層の分離試験を実施した。
生成ピツチを生成後直接次の如き静置保持条件で
メソ層の分離試験を実施した。
【表】
実験番号6の静置保持条件では、非メソ層とメ
ソ層との2層に劃然と分離せず3つの層にやつと
区分が出来る程度で、静置保持条件として不充分
なものであつた。 参考例 ナフサの熱分解によつて副生されるB.P.200℃
以上の残渣炭素物質をメタンガスの非酸化性気流
下で次の加熱処理条件で処理した。
ソ層との2層に劃然と分離せず3つの層にやつと
区分が出来る程度で、静置保持条件として不充分
なものであつた。 参考例 ナフサの熱分解によつて副生されるB.P.200℃
以上の残渣炭素物質をメタンガスの非酸化性気流
下で次の加熱処理条件で処理した。
【表】
【表】
実験番号11によつて生成された加熱生成ピツチ
を生成後直接メタンガスの非酸化性気流下で次の
如き静置保持条件でメソ層の分離試験を実施し
た。
を生成後直接メタンガスの非酸化性気流下で次の
如き静置保持条件でメソ層の分離試験を実施し
た。
【表】
Claims (1)
- 1 石油系ピツチを360℃〜450℃の温度で常圧あ
るいは加圧下で30分〜30時間非酸化性ガスの気流
下で撹拌加熱処理して生成するピツチ中のメソフ
エーズの含有量を10%〜50%にし、かつこの間上
記非酸化性ガスとして原料の石油系ピツチの加熱
処理中に副生する主として炭素数の少ない炭化水
素の混合物であるドライガスを再循環して使用
し、撹拌加熱処理されたピツチを280℃以上350℃
を越えない温度で5時間〜30時間非酸化性ガスの
気流下で又は気流を使用せずに加熱生成ピツチ中
のメソフエーズのみを成長融着させキノリン不溶
成分2.6%以下しか含まない上層の非メソ層光学
的異方性分と100%の下層のメソ層とに画然と区
分させ、同じ温度で即ち280℃以上350℃を越えな
い温度で両層を分離することを特徴とする高強
度、高弾性炭素繊維用の100%メソフエーズピツ
チの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1552182A JPS58134179A (ja) | 1982-02-04 | 1982-02-04 | メソフエ−ズピツチの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1552182A JPS58134179A (ja) | 1982-02-04 | 1982-02-04 | メソフエ−ズピツチの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58134179A JPS58134179A (ja) | 1983-08-10 |
JPH0245669B2 true JPH0245669B2 (ja) | 1990-10-11 |
Family
ID=11891112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1552182A Granted JPS58134179A (ja) | 1982-02-04 | 1982-02-04 | メソフエ−ズピツチの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58134179A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57119984A (en) * | 1980-07-21 | 1982-07-26 | Toa Nenryo Kogyo Kk | Preparation of meso-phase pitch |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5238855A (en) * | 1975-09-22 | 1977-03-25 | Nec Corp | Error correcting unit |
JPS5386717A (en) * | 1973-12-11 | 1978-07-31 | Union Carbide Corp | Manufacture of mesoophase pitch by using inert gas |
US4303631A (en) * | 1980-06-26 | 1981-12-01 | Union Carbide Corporation | Process for producing carbon fibers |
-
1982
- 1982-02-04 JP JP1552182A patent/JPS58134179A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5386717A (en) * | 1973-12-11 | 1978-07-31 | Union Carbide Corp | Manufacture of mesoophase pitch by using inert gas |
JPS5238855A (en) * | 1975-09-22 | 1977-03-25 | Nec Corp | Error correcting unit |
US4303631A (en) * | 1980-06-26 | 1981-12-01 | Union Carbide Corporation | Process for producing carbon fibers |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58134179A (ja) | 1983-08-10 |
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