JPH024370B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、構造材として使用されるようなチ
ヤンネル状等のアルミニウムまたは他の金属製押
出型材を、複数個同時に押出成形する方法および
その押出工具として使用されるダイスの構造に関
する。

従来の技術と問題点 チヤンネル状押出型材を製造する場合、製造能
率を上げるためそれを単一のダイスから同時に複
数本ずつ押出成形することは実際上しばしば行わ
れていることである。ところが、この場合、特に
押出型材が断面において左右非対称であるような
異形型材の場合には殊更、押出時における断面の
各部分間でのメタルフロー速度の不均一に原因し
て、整直度が悪いものとなり易いという問題点が
あつた。またダイス自体の製作も、精緻なダイス
孔の開穿加工に多くの手間がかかり、コスト高に
つくというような難点があつた。

而して、この発明は、複数個のソリツドタイプ
のチヤンネル状等の型材を同時に押出し成形する
方法であつて、押出し整直度を向上すると共に、
ダイスの製作も簡易に行いうるものとすることを
目的とする。

問題点を解決する為の手段 この発明は、複数個のチヤンネル状等の型材
を、ポートホールダイスを用いて同時に押出成形
するものであつて、特にダイスの構造に改変を加
えることによつて所期目的を達成し得たものであ
る。

即ち、この発明の１つは、ポートホールダイス
雌型と雄型とのベアリング部間に形成される環状
の成形間〓を、上記雌雄両型間にまたがつて配置
された複数個の着脱自在なブリツジ片により２個
所以上で分断せしめた状態のもとで金属材料の押
出しを行うことにより、上記ブリツジ片間の各成
形間〓において複数個の押出型材を分離状態に同
時成形することを特徴とする金属押出型材の複式
押出成形方法を要旨とする。そして他のもう１つ
の発明は、上記方法の実施に用いるダイスの構造
に関して、ポートホールダイス雌型と、同雄型
と、該雌雄両型のベアリング部間に形成される環
状の成形間〓を複数個所で分断せしめる態様で雌
雄両型間にまたがつて配置された複数個のブリツ
ジ片とからなり、該ブリツジ片は両端の取付部が
前記雌雄両型に対向状に刻設形成された取付溝に
嵌め込まれることにより着脱自在に組付けられて
いることを特徴とする金属押出型材の複式押出成
形用ダイスを要旨とする。

実施例 以下、この発明を図示実施例に基づいて説明す
る。

第１図ないし第３図に示すダイスＡは、第４図
に示すように左右非対称な異形チヤンネル型材
Ｘ，X′を２個以上同時に押出成形する場合のも
のである。

上記ダイスＡは、第１図に示すように、ポート
ホール雌型１と雄型２と２個のブリツジ片３，３
との４つの部品で構成されている。

雌型１は、接合面４の周縁に位置決め用突出縁
部５を有し、上記接合面４の中央部に成形材料を
流入する凹部６が形成されると共に、該凹部６の
中央部に貫通状に成形開孔部７が穿設されてい
る。

一方、雄型２は、上記成形開孔部７内に臨んで
ベアリング部間に環状の成形間〓８を形成する成
形凸部９を有し、かつその凸部９のまわりの位置
において成形材料を導入するための複数個の導入
孔１０が押出方向に貫通状に穿設されたもので、
第２図に示すように、接合面１１の周縁に設けら
れた位置決め用段部１２を前記縁部５に嵌合させ
ることによつて、前記雌型１と組合わされてい
る。

前記ブリツジ片３，３は、第１図に示すよう
に、横断面矩形状の板状片からなるものであつ
て、第３図に示すように雌雄両型１，２間の環状
成形間〓８を２個所で分断する形に配置されてい
る。即ち、これらのブリツジ片３，３は第１図及
び第２図に示すようにそれぞれ一端の取付部３ａ
が前記成形凸部９の先端部両側面に切込み凹部１
３を形成することにより作出された側方突出縁部
９ａの側端部に形成された有底取付溝９ｂに嵌込
まれ、他端の取付部３ｂが前記雌型１の対向位置
に形成された有底取付溝１ｂに嵌込まれることに
より、前記雌型１と前記雄型２とにまたがるよう
にして着脱自在に取付けられ、その中間部が前記
成形間〓８を横断してその一部を閉塞したものと
なされている。

而して、押出型材Ｘ，X′の分離部ａの寸法は、
上記ブリツジ片３の厚さＤに応じて定まるもので
ある。また、上記ブリツジ片３の長さＬおよび幅
Ｗは、強度保持のためにそれぞれ厚さＤの２倍程
度以上とすることが望ましい。材料としては、上
記両型１，２と同一素材からなるものが好適に用
いられるが、それらよりも強度的に優れた、例え
ば高速度綱、セラミツクあるいは超硬合金等を使
用しても良い。

上記ダイスＡにおいて、押出機のコンテナ内で
加熱されたアルミニウム・ビレツト等の金属成形
材料は、雄型２の導入孔１０に流れ込む。そして
導入孔１０に流れ込んだ成形材料は、雌型１の凹
部６を経由してここでいつたん合流し雄型２の成
形凸部９の周囲の成形間〓８から押出されるが、
この間〓８は、２個のブリツジ片３，３により２
個所で分断されているので、該ブリツジ片３，３
間の各独立した成形間〓において第４図に示すよ
うに２つのチヤンネル状型材Ｘ，X′が互いに独
立した状態のもとで同時に押出成形される。

上記の実施例は、成形間〓８を矩形のものとし
た場合を示したが、他の多角形のものに構成して
も良いし、円形その他の形状のものに構成しても
良い。また、ブリツジ片３，３は２つだけでな
く、３個以上設けて、環状成形間〓８を３個所以
上で分断状態にし、３個以上の型材を同時押出し
成形するものとしても良い。更にまた、その場
合、同時に押出成形する各型材の断面形状を相互
に異なるものとすることも可能である。また押出
型材Ｘ，X′の分離部ａの間隔は、可及的狭いも
のとする方が、各型材のメタルフローの安定化、
均一化の上から好ましいが、この間隔を定めるブ
リツジ片３の厚さＤは、これを最小１mm程度に形
成することも可能である。

また、第５図に示すようにブリツジ片３′は、
その一側面または両側面に、成形間〓８に密に嵌
まり込む所要長さの突出部３ｃ，３ｄを有するも
のとすることも許容される。このような突出部３
ｃ，３ｄ付きのブリツジ片３′の使用により、例
えば第１図ないし第３図に示したダイスＡの雌型
１及び雄型２をそのまま用いて、左右に対象な２
個のチヤンネル状押出型材を同時成形することも
可能となる。従つて、雌型及び雄型を共通のもの
としながら、ブリツジ片３，３′の取り替えによ
り、各種断面形状の異なつた押出型材を製造する
ことが可能となる。

発明の効果 この発明は上述のように、ポートホールダイス
雌型と雄型のベアリング部間に形成される環状の
成形間〓を、上記雌雄両型間にまたがつて配置さ
れた複数個の着脱自在なブリツジ片により２個所
以上で分断せしめた状態のもとで金属材料の押出
しを行うことにより、上記ブリツジ片間の各成形
間〓において複数個の押出型材を分離状態に同時
押出成形するものであるから、型材の製造能率が
良いのはもとより、複数個の型材をブリツジ片を
はさんで対向的な配置関係において同時に押出す
ので、ダイスからのメタルフロー速度が全体にう
まくバランスし、各型材の整直性を向上できる。
したがつて、曲がりや歪みのない寸法精度の優れ
た型材を得ることができる。

また、上述のように上記ブリツジ片は、雌雄両
型とは別体に構成され、これらに対し着脱自在に
嵌込まれたものとなされているから、これを容易
に交換することができ、もつて使用回数に応じて
ブリツジ片のみを適宜交換することによつて、ダ
イス全体としての寿命の増大を図り得ると共に、
雌雄両型の組み合わせによるポートホールダイス
を基礎としてこれにブリツジ片を組付けたダイス
を用いるものであるから、単一のダイス部材に型
材形状に対応した精緻なダイス孔の開穿加工を行
う場合に較べ、ダイスの製作も容易化できその製
作コストの低減をはかりうる。更には、上記ブリ
ツジ片の厚さを適宜設定し、これを取替えること
によつて、雌雄型を共通に使用しながら押出型材
の形状変更にもある程度対応できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の適用によるダイスの構成部
材を分離して示す一部切欠き斜視図、第２図は同
ダイスの要部の縦断面図、第３図は第２図−
線の断面図、第４図は上記第１図ないし第３図の
ダイスによつて製造される押出型材の断面図、第
５図はブリツジ片の変形例を示す第３図対応のダ
イスの断面図である。 １……雌型、１ｂ……取付溝、２……雄型、３
……ブリツジ片、３ａ，３ｂ……取付部、８……
成形間〓、９ｂ……取付溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ポートホールダイス雌型と雄型とのベアリン
   グ部間に形成される環状の成形間〓を、上記雌雄
   両型間にまたがつて配置された複数個の着脱自在
   なブリツジ片により２個所以上で分断せしめた状
   態のもとで金属材料の押出しを行うことにより、
   上記ブリツジ片間の各成形間〓において複数個の
   押出型材を分離状態に同時押出成形することを特
   徴とする金属押出型材の複式押出成形方法。 ２ ポートホールダイス雌型と、同雄型と、該雌
   雄両型のベアリング部間に形成される環状の成形
   間〓を複数個所で分断せしめる状態に雌雄両型間
   にまたがつて配置された複数個のブリツジ片とか
   らなり、該ブリツジ片は両端の取付部が前記雌雄
   両型に対向状に刻設形成された取付溝に嵌め込ま
   れることにより着脱自在に組付けられていること
   を特徴とする金属押出型材の複式押出成形用ダイ
   ス。 ３ ブリツジ片は、横断面矩形の板状片からな
   り、その幅方向を雌雄両型の軸線方向と平行にし
   て配置されている特許請求の範囲第２項記載の金
   属押出型材の複式押出成形用ダイス。