JPH0242657B2

JPH0242657B2 -

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Publication number: JPH0242657B2
Application number: JP62308366A
Authority: JP
Priority date: 1987-12-04
Filing date: 1987-12-04
Publication date: 1990-09-25
Also published as: JPS63153120A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明はモールデイングの製造方法に関し、
特には誘電加熱により塩化ビニル樹脂を主体とす
る発泡性材料を加熱溶融し発泡してモールデイン
グを得る方法に関する。

（従来の技術）例えば自動車の側面パネルおよびドアパネルに
は、他物との接触時における該パネル表面の損傷
を防止し、あわせて車体側面の装飾のためにプラ
スチツク成形品よりなるモールデイングが添着さ
れる。この種モールデイングは、近時モールデイ
ングの軽量化および緩衝性能の向上のために発泡
成形品が多用されるようになり、しかも形状の多
様化、端末処理不要等の要請から従来の押出成形
品に代つて型（モールド）成形品が用いられるよ
うになつた。

近時出願人は、この種発泡成形品を得るのに発
泡成形材料に高周波電圧を印加して誘電加熱によ
つて発泡成形する方法を提案した。

このような誘電加熱によつてモールデイングを
発泡成形する場合には、発泡性成形材料が外部加
熱ではなく内部加熱により加熱溶融され発泡する
ので、成形品の中心部が粗く大きい細胞構造で、
外周に向かうに従つて徐々に小さい細胞となり、
外表面はち密な固い外殻部として構成され、この
種モールデイングに要求される緩衝性、強度なら
びに剛性および耐久性等の物性上極めて好ましい
ものを得ることができる。

（発明が解決しようとする問題点）しかし、前記発泡性材料は化学的発泡剤を混入
することによつて発泡させており、成型された発
泡成形品は、中心部が粗く表面に向かうに従つて
徐々に小さい細胞構造となるとはいえ、表面も僅
かではあるが発泡することは否めなかつた。その
ため表面が粗化し、平滑な美的外観が得られない
きらいがあつた。またこれを自動車のサイドモー
ルデイングとして車体側面に使用したとき、その
粗化した表面にワツクス等が付着したままとなり
美観を損なうとともにそれらの滞留によつて表面
が変質するきらいもあつた。よつてこの発明は、
上のような誘電加熱による発泡成形において、さ
らに外面が美麗でかつその物性を向上させたモー
ルデイングを提供することを目的として提案され
たものである。すなわち、この発明にあつては、
特に、モールデイングの表面光沢を改善し、これ
を美麗に成形する方法を提案するものである。ま
た、この発明は、ワツクスやガソリン、オイル等
に対する耐薬品性あるいは耐熱性、耐水性等のモ
ールデイングの表面特性を向上することができる
モールデイングの製造方法を提案するものであ
る。

（問題点を解決するための手段）すなわち、この発明に係るモールデイングの製
造方法は、所定キヤビテイを有する成形型内に塩
化ビニル樹脂を主体とする表面フイルムを載置
し、該表面フイルム内側に塩化ビニル樹脂を主体
とする発泡性材料を導入し、型締め後誘電加熱に
より前記発泡性材料を加熱溶融するとともに発泡
させ前記表面フイルムと一体に成型することを特
徴とする。

（作用）この発明方法によれば、成形型のキヤビテイに
予め塩化ビニル樹脂を主体とする表面フイルムが
載置される。そして、前記表面フイルム内側に塩
化ビニル樹脂を主体とする発泡性材料が導入さ
れ、型締め後公知の方法で成形型に高周波電圧が
印加される。成形型内の発泡性材料は誘電加熱に
より加熱溶融されるとともに発泡し表面フイルム
と一体に成形される。

この成形時において、表面フイルムは塩化ビニ
ル樹脂を主体とするものであるから軟化し溶融し
キヤビテイ形状に賦形され美麗な表面層を形成す
る。同時に、この表面フイルムと発泡性樹脂材料
とは互いに同種の相溶性のある材質であるから、
当該フイルム自身該発泡体に溶着し一体化され
る。

（実施例）以下添付の図面に従つてこの発明方法を実施例
を説明する。添付の図面第１図はこの発明方法に
よつて得られた自動車用モールデイングの一例を
示した斜視図、第２図はその断面図、第３図は他
の例を示す実施例の断面図、第４図はこの発明方
法を実施する一例を示す成形型の断面図、第５図
は成形状態を示す同じ成形型の断面図である。

第１図および第２図に図示したように、実施例
の自動車用モールデイング１０は、本体が塩化ビ
ニル樹脂材料を誘電加熱によつて発泡させた塩化
ビニル樹脂発泡体２０よりなるもので、その可視
部となる外表面は塩化ビニル樹脂よりなる表面フ
イルム３０によつて形成されてなるものである。
塩化ビニル樹脂発泡体２０は、前にも述べたよう
に、発泡性材料が誘電加熱によつて内部加熱され
発泡成形されているので、成形品の中心部が粗く
大きい細胞構造で、外周に向かうに従つて徐々に
小さい細胞となり、外表面はち密な固い外殻部と
して構成され、この種モールデイングに要求され
る緩衝性、強度ならびに剛性および耐久性等にお
いて好ましい物性を有している。

第２図の符号１６は車体添着用の粘着層、１７
はその保護剥離シートである。

第３図は表面フイルム３０の上側所定位置に文
字等の表示部３５が形成されたモールデイング１
１の断面図である。

第４図はこの発明方法を実施する成形型の一例
を示す断面図である。この成形型５０は高周波電
極を備えたもので、所定形状のキヤビテイ５５を
有する下型５１と、上型５２よりなる。この種の
成形型５０は力率の小さいシリコン樹脂または弗
素樹脂等によつて構成される。

そして、この成形型のキヤビテイ５５全面に非
発泡の塩化ビニル樹脂よりなる表面フイルム３０
が載置される。

表面フイルム３０は、透明もしくは着色されて
おり、塩化ビニル樹脂単独よるなるもののほか、
塩化ビニル樹脂とABS樹脂またはNBR（ニトリ
ルゴム）等のブレンド品からシート（フイルム）
状に成形したもの等を用いることができる。表面
フイルム３０は、好ましくは、あらかじめ真空成
形等によつてキヤビテイ５５形状に賦形される。

キヤビテイ５５内に表面フイルム３０をセツト
した後、図のように、該表面フイルム３０内側に
塩化ビニル樹脂発泡性材料２５が導入される。

この成形材料としては、通常の誘電加熱成形に
使用されるパウダー、ペレツトのほか、次の素材
成形品が有利に使用される。

すなわち、実施例の塩化ビニル樹脂発泡性材料
２５は、原料樹脂に発泡剤を添加し混捏し、該混
捏物を押出成形機またはカレンダーロールによつ
て棒状または板状の素材成形品に連続的に成形
し、次いでこれを所定形状となるように裁断して
素材単片となしたものである。

この発明において用いられる塩化ビニル樹脂材
料は、誘電率の大きい、塩化ビニル樹脂のホモポ
リマーもしくは塩化ビニルと酢酸ビニルあるいは
ビニリデンクロライド等とのコポリマーまたは塩
化ビニルとゴムあるいはABS樹脂等のポリマー
ブレンドである。

また発泡成形に使用される化学的発泡剤は公知
のものを使用しうるが、約200℃前後の分解温度
を有する、例えばアゾジカーボンアミド、Ｎ，
N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等が
好ましく用いられる。これらの発泡剤であつても
材料中では混入された安定剤等との相互作用によ
り実際の分解が140℃程度の温度から始まること
がある。発泡剤の混合割合は発泡体の所望最終比
重によつて異なるが、例えば中実のモールデイン
グと同等の物性を得るための好ましい比重とされ
る0.6〜0.8のモールデイングを得る場合には、原
料樹脂100重量部に対して0.5〜３部程度混入され
る。なお、本発明では型成形の特質および微細な
細胞構造の製品を得るという目的から、発泡剤の
発泡効率は通常70〜90％程度に押えられる。

発泡助剤としては、尿素、ほう砂、エタノール
アミン、酸化亜鉛、炭酸鉛が用いられる。その他
の配合剤は必要に応じて通常実施されている配合
比率で用いられる。次に原料樹脂の配合例とその
モールデイング製品の比重を示す。

配合例１（重量部）ポリ塩化ビニル樹脂（一般用レジン） 100 ジ２−エチルヘキシルフタレート※ 20 ジブチルフタレート※ 10 エポキシ系可塑剤５バリウムおよび亜鉛系安定剤 2.0 アゾジカ−ボンアミド 0.8 顔料所望量〔比重 0.82〕配合例２ポリ塩化ビニル樹脂 100 ジ２−エチルヘキシルフタレート※ 30 ジエチルヘキシルアジベート※ 10 バリウムおよび亜鉛系安定剤 2.0 アゾジカーボンアミド 1.0 〔比重 0.75〕配合例３塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100 ポリプロピレンアジペート※ 10 エポキシ系可塑剤 10 ジ２−エチルヘキシルフタレート※ 10 バリウムおよび亜鉛系安定剤 2.5 アゾジカーボンアミド 1.5 〔比重 0.61〕（※印は可塑剤を示す。）第５図に図示したように塩化ビニル樹脂発泡性
材料２５の導入後、成形型５０が型締めされ高周
波電圧が印加される。高周波電圧の印加に伴なつ
て成形型内の発泡性材料は誘電加熱により加熱溶
融される。この加熱は通常160〜190℃で５秒間か
ら肉厚に大きいもので２、30秒間である。発泡性
材料２５内に含まれる発泡剤は加熱により自己分
解し材料は内部から発泡、膨張する。

同時に、キヤビテイに配された表面フイルム３
０も加熱によつて軟化し溶解し、発泡性材料２５
の発泡成形とともに該成形品表面を被覆しつつキ
ヤビテイ形状に賦形され、美麗な表面層を形成す
る。

（効果）以上図示し説明したように、この発明によれ
ば、誘電加熱による内部加熱によつてモールデイ
ングを発泡成形するので、成形品の中心部が粗く
大きい細胞構造で、外周に向かうに従つて徐々に
小さくなり、外側はち密な固い外殻部として構成
され、緩衝性、強度ならびに剛性および耐久性等
のモールデイングとしての物性に優れたものを得
ることができる。

また、この発明によれば、モールデイングの外
表面は溶融した表面フイルムによつて形成される
ものであるから、発泡体自体によつて形成された
表面皮膜に比して、表面光沢等の外観性を改善す
ると同時に、ワツクスやガソリン、オイル等に対
する耐薬品性あるいは耐熱性、耐水性等のモール
デイングの表面特性を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明方法によつて得られた自動車
用モールデイングの一例を示した斜視図、第２図
はその断面図、第３図は他の例を示す実施例の断
面図、第４図は発明方法を実施する一例を示す成
形型の断面図、第５図は成形状態を示す同じ成形
型の断面図である。１０，１１……自動車用モールデイング、２０
……塩化ビニル樹脂発泡体、２５……塩化ビニル
樹脂発泡材料、３０……表面フイルム、５０……
成形型、５５……キヤビテイ。

Claims

【特許請求の範囲】

１所定キヤビテイを有する成形型内に塩化ビニ
ル樹脂を主体とする表面フイルムを載置し、該表
面フイルム内側に塩化ビニル樹脂を主体とする発
泡性材料を導入し、型締め後誘電加熱により前記
発泡性材料を加熱溶融するとともに発泡させ前記
表面フイルムと一体に成形することを特徴とする
モールデイングの製造方法。