JPH0241187Y2 - - Google Patents
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- JPH0241187Y2 JPH0241187Y2 JP1985190818U JP19081885U JPH0241187Y2 JP H0241187 Y2 JPH0241187 Y2 JP H0241187Y2 JP 1985190818 U JP1985190818 U JP 1985190818U JP 19081885 U JP19081885 U JP 19081885U JP H0241187 Y2 JPH0241187 Y2 JP H0241187Y2
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- filament group
- filament
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- yarn
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本考案は、樹脂加工を要する防水帆布に好滴な
嵩高糸に関する。 (従来の技術) トラツク用幌及び大型テントなど高強力を必要
とする防水帆布の樹脂コーテイング用基布として
は、合繊スパン糸織物、合繊フイラメント糸織物
又は合繊フイラメントのエアージエツト糸織物な
どが知られている。 しかしながら、合繊スパン糸織物を用いた場合
には、塩化ビニル樹脂との接着性は良好である
が、必要な織物強力を得るためには、合繊スパン
糸の強度がフイラメント糸のそれより低いことか
らどうしても織物密度を高くする必要があり、必
然的に織物は重くなる。また、合繊フイラメント
糸織物を用いた場合には、フイラメントの高強力
のため織物密度を低くすることができ、ひいては
軽い織物が得られるが、フイラメントの低接着性
の故に樹脂加工前に接着剤塗布処理が必要とさ
れ、必然的にコストが高くなる。さらに、同一太
さの合繊フイラメントのエアージエツト糸織物を
用いた場合には、樹脂との接着性は良好であるも
のの、このエアージエツト糸自体の強度はその糸
構造のために低いものとなり、フイラメントの強
度を十分に利用できないといつた欠点があつた。 (考案が解決しようとする問題点) 本考案は、防水帆布などの樹脂コーテイング用
基布として前述の如き欠点のない好適な織物を与
えるのに最適な嵩高糸を提供することを目的とす
る。 (問題点を解決するための手段) 本考案は、かかる問題点を解決するために次の
ような構成をとるものである。すなわち、本考案
は、繊度が500デニール以上である大フイラメン
ト群と該大フイラメント群の繊度より小さくしか
も30デニール以上の繊度を有する小フイラメント
群とからなる嵩高糸であつて、前記大フイラメン
ト群が該嵩高糸の中心部に主として存在し、前記
小フイラメント群のフイラメントがコイル、ルー
プ、もつれを形成して前記大フイラメント群にか
らみついており、大フイラメント群のフイラメン
トの繊度は小フイラメント群のフイラメントのそ
れより大であり、糸の強度が5.0g/d以上であ
ることを特徴とする嵩高糸である。 以下に本考案を図にもとづいて説明する。第1
図は、本考案の嵩高糸の略側面図であり、1は大
フイラメント群のフイラメントであり、2は小フ
イラメント群のフイラメントである。フイラメン
ト2の集合体である小フイラメント群の繊度は30
デニール以上でなければならない。30デニール未
満になるとコイル、ループなどが少なくなつて接
着性が低下し、ひいては樹脂剥離強力が低下して
好ましくない。なお、100デニールをこえると接
着性ひいては樹脂剥離強力が高くなるものの嵩高
糸として重くなるので好ましくない。従つて100
デニール以下が好ましい。また、フイラメント1
の重合体である大フイラメント群の繊度は500デ
ニール以上でなければならない。500デニール未
満になると、強力を向上させることが困難となる
ので好ましくない。なお、3000デニールをこえる
ものは織物重量が大となるので、好ましくは3000
デニール以下とする。また、フイラメント1の繊
度はフイラメント2の繊度より大きく大でなけれ
ばならない。これは、フイラメント1に強度をも
たせ、フイラメント2にコイル、ループ、もつれ
を形成されてからみつかせる役目をもたせるため
であり、フイラメント1とフイラメント2との繊
度が同じ場合、またはフイラメント1の繊度がフ
イラメント2のそれより小である場合には嵩高に
はなるものの引張強力をもたせることができない
ので好ましくない。フイラメント2の繊度は、好
ましくは0.5〜2.0デニールである。他方、フイラ
メント1の繊度は、好ましくは3.0〜8.0デニール
である。これらは、いずれも接着性と強度との観
点から要求されることである。第2図は、本考案
の嵩高糸のある断面を示すものであり、フイラメ
ント2は主として周辺に存在しており、フイラメ
ント1は主として中心部に存在する。これによつ
て、嵩高糸は、フイラメント1の集合体によつて
高強度を有し、フイラメント2のコイル、ルー
プ、もつれによつて接着性を有するのである。さ
らに、嵩高糸自身は5.0g/d以上の強度を有し
なければならない。織物の引張強力を上げるため
である。この観点から6.5g/d以上が好ましく、
さらには7.0g/d以上が好ましい。 次に、本考案の嵩高糸を製造する方法について
説明する。第3図において、大フイラメント群3
はフイードローラー5により、小フイラメント群
4はフイードローラ6により、所定のオーバフイ
ード率でいわゆる撹乱ノズル7に供給され、矢印
方向からの高圧空気の作用をうけて撹乱処理さ
れ、ガイド8、デリベリローラ9をへて嵩高糸Y
として引き出される。大フイラメント群3と小フ
イラメント群4とのオーバフイード率は非常に重
要な要件であり、大フイラメント群3のオーバフ
イード率F1は、2%以上10%以下が良く、また
小フイラメント群4のオーバフイード率F2は10
%以上好ましくは30〜60%である。そして、両オ
ーバフイード率F1,F2との間においてF2/F1は
3以上好ましくは8以下とする。オーバフイード
率F1が2%未満になるとフイラメント1とフイ
ラメント2とが交絡しにくくなり、また10%をこ
えると嵩高糸として強力を発揮できなくなるから
であり、また、オーバフイード率F2が10%未満
になるとコイル、ループ、もつれが形成されにく
くなり、ひいては嵩高糸の接着性が低下する。他
方60%をこえるとコイル、ループ、もつれがあま
りにも多くなつて操業性が低下し、また嵩高糸と
しての糸外観も悪くなり、ひいては接着性も低下
することになる。また、F2/F1が3未満になる
と両オーバフイード率のバランスがくずれ、交絡
しにくくなり、2層構造とはなりにくく、他方、
F2/F1が8をこえると嵩高は得られるものの交
絡が悪くなるので好ましくない。 (実施例) 実施例 1 大フイラメント群3と小フイラメント群4とに
ポリエステルマルチフイラメント糸を用い、その
繊度を種々変えて嵩高糸を製造し、ついて平織物
を製造してその両表面に塩ビ樹脂をコーテイング
して、その引張強力、引裂強力、樹脂剥離強力を
測定して評価した。なお、大フイラメント群3の
オーバフイード率F1、小フイラメント群のオー
バフイード率F2は、次のように設定した。F1=
3%、F2=15%、F2/F1=5、撹乱ノズルの空
気圧は6.0Kg/cm2・Gとした。結果は第1表に示
すとおりである。また、嵩高糸の強度、織物の引
張強力、引裂強力、樹脂剥離強力、厚み、重量は
次のようにして測定した。すなわち、嵩高糸の強
度は、JIS−L−1013−1981の7.5引張強さに準拠
して測定した(定速伸長形試験器を使用し、つか
み間隙は25cmとした。)。また、重量はJIS−L−
1096−1979の6.4、厚みはJIS−L−1096−1979の
6.5、密度はJIS−L−1096−1979の6.6に、引張
強力はJIS−L−1096−1979の6.12に、引裂強力
はJIS−L−1096−1979の6.15.1のA−1法(シ
ングルタング法)に、樹脂剥離強力はJIS−K−
6328−1977の5.3.7(巾30mmとする)に準拠して測
定した。
嵩高糸に関する。 (従来の技術) トラツク用幌及び大型テントなど高強力を必要
とする防水帆布の樹脂コーテイング用基布として
は、合繊スパン糸織物、合繊フイラメント糸織物
又は合繊フイラメントのエアージエツト糸織物な
どが知られている。 しかしながら、合繊スパン糸織物を用いた場合
には、塩化ビニル樹脂との接着性は良好である
が、必要な織物強力を得るためには、合繊スパン
糸の強度がフイラメント糸のそれより低いことか
らどうしても織物密度を高くする必要があり、必
然的に織物は重くなる。また、合繊フイラメント
糸織物を用いた場合には、フイラメントの高強力
のため織物密度を低くすることができ、ひいては
軽い織物が得られるが、フイラメントの低接着性
の故に樹脂加工前に接着剤塗布処理が必要とさ
れ、必然的にコストが高くなる。さらに、同一太
さの合繊フイラメントのエアージエツト糸織物を
用いた場合には、樹脂との接着性は良好であるも
のの、このエアージエツト糸自体の強度はその糸
構造のために低いものとなり、フイラメントの強
度を十分に利用できないといつた欠点があつた。 (考案が解決しようとする問題点) 本考案は、防水帆布などの樹脂コーテイング用
基布として前述の如き欠点のない好適な織物を与
えるのに最適な嵩高糸を提供することを目的とす
る。 (問題点を解決するための手段) 本考案は、かかる問題点を解決するために次の
ような構成をとるものである。すなわち、本考案
は、繊度が500デニール以上である大フイラメン
ト群と該大フイラメント群の繊度より小さくしか
も30デニール以上の繊度を有する小フイラメント
群とからなる嵩高糸であつて、前記大フイラメン
ト群が該嵩高糸の中心部に主として存在し、前記
小フイラメント群のフイラメントがコイル、ルー
プ、もつれを形成して前記大フイラメント群にか
らみついており、大フイラメント群のフイラメン
トの繊度は小フイラメント群のフイラメントのそ
れより大であり、糸の強度が5.0g/d以上であ
ることを特徴とする嵩高糸である。 以下に本考案を図にもとづいて説明する。第1
図は、本考案の嵩高糸の略側面図であり、1は大
フイラメント群のフイラメントであり、2は小フ
イラメント群のフイラメントである。フイラメン
ト2の集合体である小フイラメント群の繊度は30
デニール以上でなければならない。30デニール未
満になるとコイル、ループなどが少なくなつて接
着性が低下し、ひいては樹脂剥離強力が低下して
好ましくない。なお、100デニールをこえると接
着性ひいては樹脂剥離強力が高くなるものの嵩高
糸として重くなるので好ましくない。従つて100
デニール以下が好ましい。また、フイラメント1
の重合体である大フイラメント群の繊度は500デ
ニール以上でなければならない。500デニール未
満になると、強力を向上させることが困難となる
ので好ましくない。なお、3000デニールをこえる
ものは織物重量が大となるので、好ましくは3000
デニール以下とする。また、フイラメント1の繊
度はフイラメント2の繊度より大きく大でなけれ
ばならない。これは、フイラメント1に強度をも
たせ、フイラメント2にコイル、ループ、もつれ
を形成されてからみつかせる役目をもたせるため
であり、フイラメント1とフイラメント2との繊
度が同じ場合、またはフイラメント1の繊度がフ
イラメント2のそれより小である場合には嵩高に
はなるものの引張強力をもたせることができない
ので好ましくない。フイラメント2の繊度は、好
ましくは0.5〜2.0デニールである。他方、フイラ
メント1の繊度は、好ましくは3.0〜8.0デニール
である。これらは、いずれも接着性と強度との観
点から要求されることである。第2図は、本考案
の嵩高糸のある断面を示すものであり、フイラメ
ント2は主として周辺に存在しており、フイラメ
ント1は主として中心部に存在する。これによつ
て、嵩高糸は、フイラメント1の集合体によつて
高強度を有し、フイラメント2のコイル、ルー
プ、もつれによつて接着性を有するのである。さ
らに、嵩高糸自身は5.0g/d以上の強度を有し
なければならない。織物の引張強力を上げるため
である。この観点から6.5g/d以上が好ましく、
さらには7.0g/d以上が好ましい。 次に、本考案の嵩高糸を製造する方法について
説明する。第3図において、大フイラメント群3
はフイードローラー5により、小フイラメント群
4はフイードローラ6により、所定のオーバフイ
ード率でいわゆる撹乱ノズル7に供給され、矢印
方向からの高圧空気の作用をうけて撹乱処理さ
れ、ガイド8、デリベリローラ9をへて嵩高糸Y
として引き出される。大フイラメント群3と小フ
イラメント群4とのオーバフイード率は非常に重
要な要件であり、大フイラメント群3のオーバフ
イード率F1は、2%以上10%以下が良く、また
小フイラメント群4のオーバフイード率F2は10
%以上好ましくは30〜60%である。そして、両オ
ーバフイード率F1,F2との間においてF2/F1は
3以上好ましくは8以下とする。オーバフイード
率F1が2%未満になるとフイラメント1とフイ
ラメント2とが交絡しにくくなり、また10%をこ
えると嵩高糸として強力を発揮できなくなるから
であり、また、オーバフイード率F2が10%未満
になるとコイル、ループ、もつれが形成されにく
くなり、ひいては嵩高糸の接着性が低下する。他
方60%をこえるとコイル、ループ、もつれがあま
りにも多くなつて操業性が低下し、また嵩高糸と
しての糸外観も悪くなり、ひいては接着性も低下
することになる。また、F2/F1が3未満になる
と両オーバフイード率のバランスがくずれ、交絡
しにくくなり、2層構造とはなりにくく、他方、
F2/F1が8をこえると嵩高は得られるものの交
絡が悪くなるので好ましくない。 (実施例) 実施例 1 大フイラメント群3と小フイラメント群4とに
ポリエステルマルチフイラメント糸を用い、その
繊度を種々変えて嵩高糸を製造し、ついて平織物
を製造してその両表面に塩ビ樹脂をコーテイング
して、その引張強力、引裂強力、樹脂剥離強力を
測定して評価した。なお、大フイラメント群3の
オーバフイード率F1、小フイラメント群のオー
バフイード率F2は、次のように設定した。F1=
3%、F2=15%、F2/F1=5、撹乱ノズルの空
気圧は6.0Kg/cm2・Gとした。結果は第1表に示
すとおりである。また、嵩高糸の強度、織物の引
張強力、引裂強力、樹脂剥離強力、厚み、重量は
次のようにして測定した。すなわち、嵩高糸の強
度は、JIS−L−1013−1981の7.5引張強さに準拠
して測定した(定速伸長形試験器を使用し、つか
み間隙は25cmとした。)。また、重量はJIS−L−
1096−1979の6.4、厚みはJIS−L−1096−1979の
6.5、密度はJIS−L−1096−1979の6.6に、引張
強力はJIS−L−1096−1979の6.12に、引裂強力
はJIS−L−1096−1979の6.15.1のA−1法(シ
ングルタング法)に、樹脂剥離強力はJIS−K−
6328−1977の5.3.7(巾30mmとする)に準拠して測
定した。
【表】
【表】
この第1表から次のことが判明した。No.1〜
3,8,13は比較例であり、No.4〜7,9〜12,
14〜16が本考案の実施例である。No.1は、大フイ
ラメント群の繊度が500デニールより小さく、小
フイラメント群の繊度が30デニールより小さいた
めに、嵩高糸の強度が5.0g/dより小さく、し
かも引張強力、引裂強力、樹脂剥離強力のいずれ
も小さく本考案の範囲外であつた。No.2は、大フ
イラメント群の繊度が500デニールより小さいが
小フイラメント群の繊度が30デニールより大きい
ために嵩高糸の強度は低いが樹脂剥離強力は若干
高くなつた。No.3は、大フイラメント群の繊度が
500デニールより大きく、小フイラメント群の繊
度が小さいために樹脂剥離強力はNo.2に比して低
かつた。No.4〜7は、大フイラメント群の繊度が
500デニールより大きく小フイラメント群の繊度
が30デニール以上の範囲にあるために嵩高糸の強
度が5.0g/dより大きく、また、引張強力も135
Kg/3cm以上を、引裂強力も20シングルタングKg
以上を、樹脂剥離強力も5.0Kg/3cm以上を示し
防水帆布として良好であつた。No.8は、小フイラ
メント群の繊度が30デニールより小さいために樹
脂剥離強力が小さく、防水帆布として不適であつ
た。No.9〜12は嵩高糸の強度も大きく、引張強
力、引裂強力、樹脂剥離強力のいずれも大きく良
好であつた。No.13は、小フイラメント群の繊度が
30デニールより小さいために樹脂剥離強力が低か
つた。No.14〜16は、引張強力、引裂強力、樹脂剥
離強力も申し分なかつた。 実施例 2 大フイラメント群としてポリエステルマルチフ
イラメント糸(500デニール/96フイラメント、
強度8.1g/d)を、小フイラメント群として
(100デニール/96フイラメント、強度5.1g/d)
を用いて実施例1と同じ撹乱ノズルで同じ圧力で
撹乱処理した。得られた嵩高糸を用いて平織物を
製造し、ついで塩化ビニール樹脂でコーテイング
した布帛の物性を評価した。同じく合繊スパン糸
織物、合繊フイラメント糸織物、同一デニールの
デニール使いのタスラン糸織物も同様にしてコー
テイングして布帛の物性を評価した。その結果
は、第2表に示すとおりである。塩化ビニール樹
脂のコーテイング量は、およそ400g/m2であり、
その内訳はデイツプ時には250g/m2であり、さ
らに片面トツピングのフイルム厚み0.13mmで170
g/m2であつた。 なお、接着剤についてはいずれの試料No.につい
ても使用しなかつた。試料No.7についてのオーバ
フイード率は+30%とした。
3,8,13は比較例であり、No.4〜7,9〜12,
14〜16が本考案の実施例である。No.1は、大フイ
ラメント群の繊度が500デニールより小さく、小
フイラメント群の繊度が30デニールより小さいた
めに、嵩高糸の強度が5.0g/dより小さく、し
かも引張強力、引裂強力、樹脂剥離強力のいずれ
も小さく本考案の範囲外であつた。No.2は、大フ
イラメント群の繊度が500デニールより小さいが
小フイラメント群の繊度が30デニールより大きい
ために嵩高糸の強度は低いが樹脂剥離強力は若干
高くなつた。No.3は、大フイラメント群の繊度が
500デニールより大きく、小フイラメント群の繊
度が小さいために樹脂剥離強力はNo.2に比して低
かつた。No.4〜7は、大フイラメント群の繊度が
500デニールより大きく小フイラメント群の繊度
が30デニール以上の範囲にあるために嵩高糸の強
度が5.0g/dより大きく、また、引張強力も135
Kg/3cm以上を、引裂強力も20シングルタングKg
以上を、樹脂剥離強力も5.0Kg/3cm以上を示し
防水帆布として良好であつた。No.8は、小フイラ
メント群の繊度が30デニールより小さいために樹
脂剥離強力が小さく、防水帆布として不適であつ
た。No.9〜12は嵩高糸の強度も大きく、引張強
力、引裂強力、樹脂剥離強力のいずれも大きく良
好であつた。No.13は、小フイラメント群の繊度が
30デニールより小さいために樹脂剥離強力が低か
つた。No.14〜16は、引張強力、引裂強力、樹脂剥
離強力も申し分なかつた。 実施例 2 大フイラメント群としてポリエステルマルチフ
イラメント糸(500デニール/96フイラメント、
強度8.1g/d)を、小フイラメント群として
(100デニール/96フイラメント、強度5.1g/d)
を用いて実施例1と同じ撹乱ノズルで同じ圧力で
撹乱処理した。得られた嵩高糸を用いて平織物を
製造し、ついで塩化ビニール樹脂でコーテイング
した布帛の物性を評価した。同じく合繊スパン糸
織物、合繊フイラメント糸織物、同一デニールの
デニール使いのタスラン糸織物も同様にしてコー
テイングして布帛の物性を評価した。その結果
は、第2表に示すとおりである。塩化ビニール樹
脂のコーテイング量は、およそ400g/m2であり、
その内訳はデイツプ時には250g/m2であり、さ
らに片面トツピングのフイルム厚み0.13mmで170
g/m2であつた。 なお、接着剤についてはいずれの試料No.につい
ても使用しなかつた。試料No.7についてのオーバ
フイード率は+30%とした。
【表】
第2表においてNo.1〜4は本考案に係るもの
で、そのうちNo.1は、嵩高糸の強度も高く、また
コイル、ループ、もつれが適度にあるものであつ
た。このため、塩化ビニール樹脂でコーテイング
された布帛は、引張強力、引裂強力、樹脂剥離強
力のいずれの点においてもすぐれていた。No.2
は、小フイラメント群のオーバフイード率が8%
と小さいために嵩高糸の強度は高いが、樹脂剥離
強力が低かつた。No.3は、嵩高糸の強度も高く、
布帛物性もまあまあであつた。No.4は、大フイラ
メント群のオーバフイード率が高いためにNo.1〜
3に比べて強度が低く引張強力も低かつた。No.5
のものは、引裂強力が低く帆布として不適であつ
た。No.6のものは、特に樹脂剥離強力が低く接着
剤なしでは実用品を得ることはできなかつた。No.
7のものは強度が低く、従つて引張強力が低くて
不充分なものであつた。また、No.5〜7のもの
は、いずれも布帛の重量が大きく帆布として好ま
しくなかつた。 (考案の効果) このように本考案の嵩高糸は、強度及び接着性
の点においてすぐれ、コーテイングした布帛にお
いて引張強度、引裂強力、樹脂剥離強力の点にお
いて大きな値を示し、帆布などの分野の用途に好
適であることを示した。このような優れた嵩高糸
の物性は、本考案の嵩高糸の特有な構造に由来す
るものである。
で、そのうちNo.1は、嵩高糸の強度も高く、また
コイル、ループ、もつれが適度にあるものであつ
た。このため、塩化ビニール樹脂でコーテイング
された布帛は、引張強力、引裂強力、樹脂剥離強
力のいずれの点においてもすぐれていた。No.2
は、小フイラメント群のオーバフイード率が8%
と小さいために嵩高糸の強度は高いが、樹脂剥離
強力が低かつた。No.3は、嵩高糸の強度も高く、
布帛物性もまあまあであつた。No.4は、大フイラ
メント群のオーバフイード率が高いためにNo.1〜
3に比べて強度が低く引張強力も低かつた。No.5
のものは、引裂強力が低く帆布として不適であつ
た。No.6のものは、特に樹脂剥離強力が低く接着
剤なしでは実用品を得ることはできなかつた。No.
7のものは強度が低く、従つて引張強力が低くて
不充分なものであつた。また、No.5〜7のもの
は、いずれも布帛の重量が大きく帆布として好ま
しくなかつた。 (考案の効果) このように本考案の嵩高糸は、強度及び接着性
の点においてすぐれ、コーテイングした布帛にお
いて引張強度、引裂強力、樹脂剥離強力の点にお
いて大きな値を示し、帆布などの分野の用途に好
適であることを示した。このような優れた嵩高糸
の物性は、本考案の嵩高糸の特有な構造に由来す
るものである。
第1図は、本考案の嵩高糸の略側面図であり、
第2図はその断面図、第3図はその製造方法に用
いた装置の側面図である。 1,2……フイラメント、3……大フイラメン
ト群、4……小フイラメント群、7……撹乱ノズ
ル。
第2図はその断面図、第3図はその製造方法に用
いた装置の側面図である。 1,2……フイラメント、3……大フイラメン
ト群、4……小フイラメント群、7……撹乱ノズ
ル。
Claims (1)
- 繊度が500デニール以上である大フイラメント
群と該大フイラメント群の繊度より小さくしかも
30デニール以上の繊度を有する小フイラメント群
とからなる嵩高糸であつて、前記大フイラメント
群が該嵩高糸の中心部に主として存在し、前記小
フイラメント群のフイラメントがコイル、ルー
プ、もつれを形成して前記大フイラメント群にか
らみついており、大フイラメント群のフイラメン
トの繊度は小フイラメント群のフイラメントのそ
れより大であり、糸の強度が5.0g/d以上であ
ることを特徴とする嵩高糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1985190818U JPH0241187Y2 (ja) | 1985-12-10 | 1985-12-10 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1985190818U JPH0241187Y2 (ja) | 1985-12-10 | 1985-12-10 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6297190U JPS6297190U (ja) | 1987-06-20 |
JPH0241187Y2 true JPH0241187Y2 (ja) | 1990-11-01 |
Family
ID=31144389
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1985190818U Expired JPH0241187Y2 (ja) | 1985-12-10 | 1985-12-10 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0241187Y2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5637340A (en) * | 1979-06-22 | 1981-04-11 | Sulzer Morat Gmbh | Yarn guide apparatus |
JPS56154530A (en) * | 1980-04-23 | 1981-11-30 | Teijin Ltd | False twisted spun yarn and method |
-
1985
- 1985-12-10 JP JP1985190818U patent/JPH0241187Y2/ja not_active Expired
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5637340A (en) * | 1979-06-22 | 1981-04-11 | Sulzer Morat Gmbh | Yarn guide apparatus |
JPS56154530A (en) * | 1980-04-23 | 1981-11-30 | Teijin Ltd | False twisted spun yarn and method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6297190U (ja) | 1987-06-20 |
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