JPH0240630B2 - - Google Patents
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- JPH0240630B2 JPH0240630B2 JP61308664A JP30866486A JPH0240630B2 JP H0240630 B2 JPH0240630 B2 JP H0240630B2 JP 61308664 A JP61308664 A JP 61308664A JP 30866486 A JP30866486 A JP 30866486A JP H0240630 B2 JPH0240630 B2 JP H0240630B2
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Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、取鍋、真空脱ガス設備など工業窯炉
の内張り補修に用いる火炎溶射材に関する。 (従来の技術) 最近、製鉄産業における各種工業窯炉の耐火物
部分を熱間で補修する方法として火炎溶射法が導
入され効果を上げている。この方法は耐火物粉末
からなる溶射材を酸素−可燃ガスにより生成され
た高温、高速火炎の中に通し溶融又は半溶融状態
にし、補修個所へ溶射するものである。この火炎
溶射補修方法は、耐火物粉末に結合剤および水を
添加して吹付ける従来の湿式補修方法に比較し、
補修層組織の緻密性、接着性などが格段に優れて
いることから炉の耐用寿命を大幅に向上させるこ
とができる。 この溶射補修方法に用いられる溶射材として
種々の提案がなされている。例えばマグネシアク
リンカーとスラグを組み合せた特公昭56−23950
号の発明、比較的低温で焼成した耐火物粉末を使
用する特公昭60−54258号の発明等がある。一般
に溶射材は溶融させないと付着が不充分であるた
めに低融点物質であるスラグとの組み合せ、耐火
骨材を低温焼成して活性化するなどはいずれも溶
射材を溶融しやすくすることを主目的としてい
る。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、火炎溶射はプラズマ溶射などに比較し
て熱源の温度が低いこと、工業窯炉の補修では、
施工能率の面から材料を一度に多量に噴出させる
ために火炎中における材料濃度がきわめて高くな
ることなどにより従来材質でもなお十分な溶融性
が得られていない。 (問題点を解決するための手段) 溶融性の向上が溶射材の付着性および緻密性を
向上させる不可欠の要因であるため、本発明者は
この点について改良すべく研究を重ねた結果、軽
焼アルミナとスラグを組み合せると溶融性が格段
に優れた溶射材が得られることを知り、本発明を
完成するに到つたものである。 すなわち、本発明の第1発明は重量割合でスラ
グ5〜40%残部が軽焼アルミナよりなる火炎溶射
材である。 ところで、軽焼アルミナとスラグとの組み合せ
は、溶融性に優れる反面、溶射条件によつては溶
融過度になり冷却後組織が多孔化することがあつ
た。第2発明は、第1発明におけるこの問題を解
決した材質であり、重量割合でスラグ5〜40%、
残部軽焼アルミナおよびマグネシアクリンカーよ
りなる溶射材である。 以下、本発明をさらに詳しく説明する。 例えば軽焼アルミナを溶射材として使用するこ
とは特公昭60−54258号公報で公知である。しか
し、一般に軽焼品は焼結品、電融品などに比べて
活性であるが、耐水材料である以上溶融性には限
度がある。また被補修面は一般にスラグが付着し
ており耐火材料のみでは被補修面に対する濡れ性
が悪く、付着性に劣る。 一方、マグネシアクリンカーとスラグとの組み
合せは、特公昭56−2395号公報で公知である。ス
ラグの添加によつて被補修面との濡れ性、溶射材
の溶融性とがかなり改善された。しかし、スラグ
の添加は同時に溶射材の熱間強度の低下を招くた
め、スラグ添加だけで溶融性を向上させるには自
ずと限度があつた。さらにマグネシアクリンカー
を主材とする材質は耐熱衝撃性に劣るという欠点
もあつた。 これに対し本発明による材質は、アルミナが軽
焼品であることで開放気孔の多い多孔質であり、
溶射時において溶融したスラグがこの気孔中に浸
透してアルミナと反応するため、溶射材の溶融性
が格段に向上する。しかもアルミナを主材として
いることから耐熱衝撃性にも優れている。アルミ
ナとスラグとは材質の相違から濡れ性が悪いが、
アルミナが軽焼品の場合気孔中に、スラグが浸透
して両者が一体化し、この状態で被補修面に付着
するので付着性がさらに優れたものとなる。 本発明で使用する軽焼アルミナは、バイヤー法
により得られた水酸化アルミニウムを700〜1600
℃程度、一般には約1000〜1300℃で焼成した重量
平均径50〜80μm程度の微粉状耐火原料である。
この軽焼アルミナをさらに成形、焼成した焼成
品、あるいは電気炉で溶融させる電融品などとは
同じアルミナであつても結晶が異なり、本発明で
いう軽焼アルミナとは完全に区別される。 スラグは転炉スラグ、高炉スラグ、電気炉スラ
グ、脱硫スラグなどから選ばれ一種又は二種以上
を使用する。形態は粉砕品、球状化品、微粉をバ
インダーで固めた造粒品などいずれでもよい。粒
径が例えば500μm以下好ましくは300〜10μmと
する。割合は重量で5%未満では溶融性に劣り、
40%を超えると熱間強度に劣る。好ましくは、10
〜30%である。軽焼アルミナの割合はその残部と
する。 第2発明では、さらにマグネシアクリンカーを
組み合せる。 すなわち軽焼アルミナとスラグとからなる材質
では多孔質化するがマグネシアクリンカーがその
気孔内の充填材的役割をはたす。その結果溶射層
を緻密化し耐蝕性が向上する。 マグネシアクリンカーは天然に産するマグネサ
イトを焼成したものと海水から抽出した水酸化マ
グネシウムを焼成したものとがあるが、純度など
の品質の点から後者の使用が好ましい。 粒度は例えば500μm以下、好ましくは10〜
300μmとする。マグネシアの好ましい割合は重
量で60%以下さらに好ましくは5〜50%である。
この場合軽焼アルミナの好ましい割合はマグネシ
ア割合の変化に合わせ10〜70%、さらに好ましく
は20〜50%とする。 60%を超えるとマグネシアクリンカーの融点が
高いことにより溶射材の溶融性に劣る。 本発明の溶射材は、以上の各原料よりなること
はもちろんこの他に本発明の効果を阻害しない限
度において他の耐火原料、添加剤などを加えたも
のも含まれる。 本発明の溶射材は、例えば次のようにして使用
される。炉の使用後、その損耗個所を火炎溶射を
もつて補修する。火炎溶射装置は例えば特開昭59
−147986号公報などに示されたものを使用するこ
とができる。すなわち、溶射材をプロパンガス、
アセチレンガスなどの可燃ガスと酸素により生成
させた火炎中に通し、溶融又は半溶融状態にして
被補修面に溶着させる。火炎の温度は最高の部分
で2500℃以上である。 補修対象炉は、例えば転炉、取鍋、真空脱ガス
設備、高炉熱風炉、高炉樋、混銑車、混銑炉など
である。 (実施例) スラグが表面に付着したDH式真空脱ガス設備
の吸上管の内壁に使用後のマグネシア−クロム質
レンガを表面温度1200℃に加熱し、溶射実験を行
つた。 その結果を第1表に比較例と共に示す。 耐用性の試験は、実際にDH式真空脱ガス設備
の吸上管の内壁面を熱間で溶射補修し、操業に供
した結果である。 第1表における溶射材の成分組成は第2表、第
3表のとおりである。 第1表に示すように本発明の溶射材を使用した
場合には、例えば比較例としての焼成アルミナと
転炉スラグによりなる溶射料等に比較して特に緻
密で接着性、付着性、耐用性において格段にすぐ
れた値を示した。
の内張り補修に用いる火炎溶射材に関する。 (従来の技術) 最近、製鉄産業における各種工業窯炉の耐火物
部分を熱間で補修する方法として火炎溶射法が導
入され効果を上げている。この方法は耐火物粉末
からなる溶射材を酸素−可燃ガスにより生成され
た高温、高速火炎の中に通し溶融又は半溶融状態
にし、補修個所へ溶射するものである。この火炎
溶射補修方法は、耐火物粉末に結合剤および水を
添加して吹付ける従来の湿式補修方法に比較し、
補修層組織の緻密性、接着性などが格段に優れて
いることから炉の耐用寿命を大幅に向上させるこ
とができる。 この溶射補修方法に用いられる溶射材として
種々の提案がなされている。例えばマグネシアク
リンカーとスラグを組み合せた特公昭56−23950
号の発明、比較的低温で焼成した耐火物粉末を使
用する特公昭60−54258号の発明等がある。一般
に溶射材は溶融させないと付着が不充分であるた
めに低融点物質であるスラグとの組み合せ、耐火
骨材を低温焼成して活性化するなどはいずれも溶
射材を溶融しやすくすることを主目的としてい
る。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、火炎溶射はプラズマ溶射などに比較し
て熱源の温度が低いこと、工業窯炉の補修では、
施工能率の面から材料を一度に多量に噴出させる
ために火炎中における材料濃度がきわめて高くな
ることなどにより従来材質でもなお十分な溶融性
が得られていない。 (問題点を解決するための手段) 溶融性の向上が溶射材の付着性および緻密性を
向上させる不可欠の要因であるため、本発明者は
この点について改良すべく研究を重ねた結果、軽
焼アルミナとスラグを組み合せると溶融性が格段
に優れた溶射材が得られることを知り、本発明を
完成するに到つたものである。 すなわち、本発明の第1発明は重量割合でスラ
グ5〜40%残部が軽焼アルミナよりなる火炎溶射
材である。 ところで、軽焼アルミナとスラグとの組み合せ
は、溶融性に優れる反面、溶射条件によつては溶
融過度になり冷却後組織が多孔化することがあつ
た。第2発明は、第1発明におけるこの問題を解
決した材質であり、重量割合でスラグ5〜40%、
残部軽焼アルミナおよびマグネシアクリンカーよ
りなる溶射材である。 以下、本発明をさらに詳しく説明する。 例えば軽焼アルミナを溶射材として使用するこ
とは特公昭60−54258号公報で公知である。しか
し、一般に軽焼品は焼結品、電融品などに比べて
活性であるが、耐水材料である以上溶融性には限
度がある。また被補修面は一般にスラグが付着し
ており耐火材料のみでは被補修面に対する濡れ性
が悪く、付着性に劣る。 一方、マグネシアクリンカーとスラグとの組み
合せは、特公昭56−2395号公報で公知である。ス
ラグの添加によつて被補修面との濡れ性、溶射材
の溶融性とがかなり改善された。しかし、スラグ
の添加は同時に溶射材の熱間強度の低下を招くた
め、スラグ添加だけで溶融性を向上させるには自
ずと限度があつた。さらにマグネシアクリンカー
を主材とする材質は耐熱衝撃性に劣るという欠点
もあつた。 これに対し本発明による材質は、アルミナが軽
焼品であることで開放気孔の多い多孔質であり、
溶射時において溶融したスラグがこの気孔中に浸
透してアルミナと反応するため、溶射材の溶融性
が格段に向上する。しかもアルミナを主材として
いることから耐熱衝撃性にも優れている。アルミ
ナとスラグとは材質の相違から濡れ性が悪いが、
アルミナが軽焼品の場合気孔中に、スラグが浸透
して両者が一体化し、この状態で被補修面に付着
するので付着性がさらに優れたものとなる。 本発明で使用する軽焼アルミナは、バイヤー法
により得られた水酸化アルミニウムを700〜1600
℃程度、一般には約1000〜1300℃で焼成した重量
平均径50〜80μm程度の微粉状耐火原料である。
この軽焼アルミナをさらに成形、焼成した焼成
品、あるいは電気炉で溶融させる電融品などとは
同じアルミナであつても結晶が異なり、本発明で
いう軽焼アルミナとは完全に区別される。 スラグは転炉スラグ、高炉スラグ、電気炉スラ
グ、脱硫スラグなどから選ばれ一種又は二種以上
を使用する。形態は粉砕品、球状化品、微粉をバ
インダーで固めた造粒品などいずれでもよい。粒
径が例えば500μm以下好ましくは300〜10μmと
する。割合は重量で5%未満では溶融性に劣り、
40%を超えると熱間強度に劣る。好ましくは、10
〜30%である。軽焼アルミナの割合はその残部と
する。 第2発明では、さらにマグネシアクリンカーを
組み合せる。 すなわち軽焼アルミナとスラグとからなる材質
では多孔質化するがマグネシアクリンカーがその
気孔内の充填材的役割をはたす。その結果溶射層
を緻密化し耐蝕性が向上する。 マグネシアクリンカーは天然に産するマグネサ
イトを焼成したものと海水から抽出した水酸化マ
グネシウムを焼成したものとがあるが、純度など
の品質の点から後者の使用が好ましい。 粒度は例えば500μm以下、好ましくは10〜
300μmとする。マグネシアの好ましい割合は重
量で60%以下さらに好ましくは5〜50%である。
この場合軽焼アルミナの好ましい割合はマグネシ
ア割合の変化に合わせ10〜70%、さらに好ましく
は20〜50%とする。 60%を超えるとマグネシアクリンカーの融点が
高いことにより溶射材の溶融性に劣る。 本発明の溶射材は、以上の各原料よりなること
はもちろんこの他に本発明の効果を阻害しない限
度において他の耐火原料、添加剤などを加えたも
のも含まれる。 本発明の溶射材は、例えば次のようにして使用
される。炉の使用後、その損耗個所を火炎溶射を
もつて補修する。火炎溶射装置は例えば特開昭59
−147986号公報などに示されたものを使用するこ
とができる。すなわち、溶射材をプロパンガス、
アセチレンガスなどの可燃ガスと酸素により生成
させた火炎中に通し、溶融又は半溶融状態にして
被補修面に溶着させる。火炎の温度は最高の部分
で2500℃以上である。 補修対象炉は、例えば転炉、取鍋、真空脱ガス
設備、高炉熱風炉、高炉樋、混銑車、混銑炉など
である。 (実施例) スラグが表面に付着したDH式真空脱ガス設備
の吸上管の内壁に使用後のマグネシア−クロム質
レンガを表面温度1200℃に加熱し、溶射実験を行
つた。 その結果を第1表に比較例と共に示す。 耐用性の試験は、実際にDH式真空脱ガス設備
の吸上管の内壁面を熱間で溶射補修し、操業に供
した結果である。 第1表における溶射材の成分組成は第2表、第
3表のとおりである。 第1表に示すように本発明の溶射材を使用した
場合には、例えば比較例としての焼成アルミナと
転炉スラグによりなる溶射料等に比較して特に緻
密で接着性、付着性、耐用性において格段にすぐ
れた値を示した。
【表】
【表】
【表】
【表】
(発明の効果)
本発明の溶射材は軽焼アルミナにスラグを組み
合せることによつて、溶射時、軽焼アルミナの気
孔中にスラグが侵透し溶融性の向上、骨材とスラ
グとの一体化促進という、従来材質からは予想し
得ない現象により付着性、接着性および耐蝕性が
きわめて優れたものとなる。例えば第3表の試験
結果を見ると、本発明実施例は比較例に比べてい
ずれも3倍以上の耐用性を示しており、その効果
は明らかである。
合せることによつて、溶射時、軽焼アルミナの気
孔中にスラグが侵透し溶融性の向上、骨材とスラ
グとの一体化促進という、従来材質からは予想し
得ない現象により付着性、接着性および耐蝕性が
きわめて優れたものとなる。例えば第3表の試験
結果を見ると、本発明実施例は比較例に比べてい
ずれも3倍以上の耐用性を示しており、その効果
は明らかである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量割合でスラグ5〜40%残部軽焼アルミナ
よりなる火炎溶射材。 2 重量割合でスラグ5〜40%残部軽焼アルミナ
およびマグネシアクリンカーよりなる火炎溶射
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61308664A JPS63162581A (ja) | 1986-12-26 | 1986-12-26 | 火炎溶射材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61308664A JPS63162581A (ja) | 1986-12-26 | 1986-12-26 | 火炎溶射材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63162581A JPS63162581A (ja) | 1988-07-06 |
JPH0240630B2 true JPH0240630B2 (ja) | 1990-09-12 |
Family
ID=17983795
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61308664A Granted JPS63162581A (ja) | 1986-12-26 | 1986-12-26 | 火炎溶射材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63162581A (ja) |
-
1986
- 1986-12-26 JP JP61308664A patent/JPS63162581A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63162581A (ja) | 1988-07-06 |
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