JP3009084B2 - マグネシア・アルミナ質溶射材料 - Google Patents
マグネシア・アルミナ質溶射材料Info
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- JP3009084B2 JP3009084B2 JP5184076A JP18407693A JP3009084B2 JP 3009084 B2 JP3009084 B2 JP 3009084B2 JP 5184076 A JP5184076 A JP 5184076A JP 18407693 A JP18407693 A JP 18407693A JP 3009084 B2 JP3009084 B2 JP 3009084B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、製鋼容器、溶融金属の
精練用容器等の工業窯炉の耐火ライニングの形成あるい
は補修に使用する溶射材料に関する。
精練用容器等の工業窯炉の耐火ライニングの形成あるい
は補修に使用する溶射材料に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、かかる工業窯炉の耐火ライニング
の形成あるいは補修に際して、耐火粉末を高温の火炎中
を飛行させることで溶融し吹付ける溶射方法が利用され
るようになった。この溶射に際しての溶融源として、Ｌ
ＰＧ−酸素，灯油−酸素，及びコークス粉−酸素炎等に
よる、火炎あるいはプラズマ法等が採用されている。
の形成あるいは補修に際して、耐火粉末を高温の火炎中
を飛行させることで溶融し吹付ける溶射方法が利用され
るようになった。この溶射に際しての溶融源として、Ｌ
ＰＧ−酸素，灯油−酸素，及びコークス粉−酸素炎等に
よる、火炎あるいはプラズマ法等が採用されている。
【０００３】また、使用される溶射材料として、古くは
特公昭６０−３５３１１号公報に開示されるように、ア
ルミナ，クロム鉱原料，ＭｇＯ・Ａｌ2 Ｏ3 スピネルを
組合わせた材質が、補修面がスラグで覆われている場合
でも接着性がよく、また、耐熱衝撃性においても優れた
ものとして知られている。
特公昭６０−３５３１１号公報に開示されるように、ア
ルミナ，クロム鉱原料，ＭｇＯ・Ａｌ2 Ｏ3 スピネルを
組合わせた材質が、補修面がスラグで覆われている場合
でも接着性がよく、また、耐熱衝撃性においても優れた
ものとして知られている。
【０００４】また、最近では、特公平４−３７０３０号
公報に開示されるように、アルミナ，ＭｇＯ・Ａｌ2 Ｏ
3 スピネル，マグネシア等を組合わせた材質が、アルミ
ナが有する耐スポーリング性に劣るという欠点と、マグ
ネシアにおける耐食性に劣るという欠点を無くして、そ
れぞれ、アルミナが有する優れた耐スポーリング性とマ
グネシアが有する優れた耐食性とを併せて発揮できる材
質が知られている。
公報に開示されるように、アルミナ，ＭｇＯ・Ａｌ2 Ｏ
3 スピネル，マグネシア等を組合わせた材質が、アルミ
ナが有する耐スポーリング性に劣るという欠点と、マグ
ネシアにおける耐食性に劣るという欠点を無くして、そ
れぞれ、アルミナが有する優れた耐スポーリング性とマ
グネシアが有する優れた耐食性とを併せて発揮できる材
質が知られている。
【０００５】さらに、アルミナとマグネシアとの単純組
合わせ材も考えられたが、アルミナ・マグネシア質溶射
材料は、耐スポーリング性には問題はないが、アルミナ
とマグネシアが反応してスピネルを生成し、そのスピネ
ル生成の際に溶射体組織のぜい弱化が起こり、このため
耐食性に劣るとされている。
合わせ材も考えられたが、アルミナ・マグネシア質溶射
材料は、耐スポーリング性には問題はないが、アルミナ
とマグネシアが反応してスピネルを生成し、そのスピネ
ル生成の際に溶射体組織のぜい弱化が起こり、このため
耐食性に劣るとされている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題は、比表面積が大きいアルミナとマグネシアを組
合わせた材質で、アルミナ，クロム鉱原料，ＭｇＯ・Ａ
ｌ2 Ｏ3 スピネル材質や、アルミナ，ＭｇＯ・Ａｌ2 Ｏ
3 スピネル，マグネシア等を組合わせた材質に劣らない
接着性と耐用性に優れた基本的にアルミナとマグネシア
との単純組合せの溶射材料を提供することにある。
る課題は、比表面積が大きいアルミナとマグネシアを組
合わせた材質で、アルミナ，クロム鉱原料，ＭｇＯ・Ａ
ｌ2 Ｏ3 スピネル材質や、アルミナ，ＭｇＯ・Ａｌ2 Ｏ
3 スピネル，マグネシア等を組合わせた材質に劣らない
接着性と耐用性に優れた基本的にアルミナとマグネシア
との単純組合せの溶射材料を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明のマグネシア・ア
ルミナ質溶射材料は、マグネシア質材料１０〜５０重量
％と、比表面積が０．５ｍ2 ／ｇ以上のアルミナ５０〜
９０重量％とを組み合わせて含有することを特徴とす
る。
ルミナ質溶射材料は、マグネシア質材料１０〜５０重量
％と、比表面積が０．５ｍ2 ／ｇ以上のアルミナ５０〜
９０重量％とを組み合わせて含有することを特徴とす
る。
【０００８】本発明に使用するマグネシアは、天然マグ
ネシアクリンカー，海水マグネシアクリンカー，電融マ
グネシアクリンカーのいずれでも良い。
ネシアクリンカー，海水マグネシアクリンカー，電融マ
グネシアクリンカーのいずれでも良い。
【０００９】また、アルミナは比表面積が０．５ｍ2 ／
ｇ以上有れば、仮焼アルミナ，焼結アルミナ，電融アル
ミナ等のアルミナ材を使用できる。
ｇ以上有れば、仮焼アルミナ，焼結アルミナ，電融アル
ミナ等のアルミナ材を使用できる。
【００１０】さらに、上記配合物以外にも、本発明の効
果を阻害しない範囲で、火炎溶射材料として公知である
コークス粉、各種金属粉、スラグや焼結スピネル、クロ
ム鉄鉱、その他耐火物粉等を添加することができる。
果を阻害しない範囲で、火炎溶射材料として公知である
コークス粉、各種金属粉、スラグや焼結スピネル、クロ
ム鉄鉱、その他耐火物粉等を添加することができる。
【００１１】
【作用】マグネシアとアルミナを組合わせることによる
接着性の向上原因として、溶射に際しての高温下でマグ
ネシアとアルミナが反応してスピネル（ＭｇＯ・Ａｌ2
Ｏ3 ）を生成する。この際、理論上＋８．９％の体積膨
脹が生じる。
接着性の向上原因として、溶射に際しての高温下でマグ
ネシアとアルミナが反応してスピネル（ＭｇＯ・Ａｌ2
Ｏ3 ）を生成する。この際、理論上＋８．９％の体積膨
脹が生じる。
【００１２】特公平４−３７０３０号公報においては、
この高温化でのスピネル反応が組織のぜい弱化となるた
め良くないとしているが、本発明においては、マグネシ
アと比表面積の大きなアルミナを用いたことによって、
スピネルを生成することによる体積膨脹は、かえって接
着性の向上につながることを見出だした。
この高温化でのスピネル反応が組織のぜい弱化となるた
め良くないとしているが、本発明においては、マグネシ
アと比表面積の大きなアルミナを用いたことによって、
スピネルを生成することによる体積膨脹は、かえって接
着性の向上につながることを見出だした。
【００１３】すなわち、溶射直後には１８００〜２００
０℃の高温にある溶射施工体は、数分以内に窯炉壁の温
度、例えば８００〜１０００℃まで冷却される。この冷
却過程での収縮によって施工体周囲にソリ，ウキが見ら
れるが、本発明の場合のように、スピネルの生成過程で
の体積膨脹が生じると冷却収縮と相殺されて、ソリ，ウ
キがなくなり接着性は向上する。
０℃の高温にある溶射施工体は、数分以内に窯炉壁の温
度、例えば８００〜１０００℃まで冷却される。この冷
却過程での収縮によって施工体周囲にソリ，ウキが見ら
れるが、本発明の場合のように、スピネルの生成過程で
の体積膨脹が生じると冷却収縮と相殺されて、ソリ，ウ
キがなくなり接着性は向上する。
【００１４】マグネシア質材料が１０重量未満でアルミ
ナが９０重量％を越えると、スピネルの生成量が少なく
なり、接着性向上に寄与しない。一方マグネシアが５０
重量％を越えてアルミナが５０重量％未満の時は、溶融
性に劣り付着率が下がるため作業性に劣る。
ナが９０重量％を越えると、スピネルの生成量が少なく
なり、接着性向上に寄与しない。一方マグネシアが５０
重量％を越えてアルミナが５０重量％未満の時は、溶融
性に劣り付着率が下がるため作業性に劣る。
【００１５】アルミナの比表面積は０．５ｍ2 ／ｇ以上
必要である。０．５ｍ2 ／ｇ以上あればマグネシアとの
反応は十分に行われ、生成するスピネルの体積膨張量は
溶射施工体の冷却収縮量を相殺するに十分なだけ得ら
れ、ソリ、ウキがなくなり接着性は向上する。しかし、
比表面積が０．５ｍ2 ／ｇ未満になると、マグネシアと
の反応が低く、生成するスピネルの量が減少する。スピ
ネル生成量が減少すると、生成に伴う体積膨張の量が少
なくなり、溶射施工体の冷却収縮量を相殺することがで
きず、その結果冷却収縮による溶射施工体周囲にソリ、
ウキの現象が見られ接着性に劣る。
必要である。０．５ｍ2 ／ｇ以上あればマグネシアとの
反応は十分に行われ、生成するスピネルの体積膨張量は
溶射施工体の冷却収縮量を相殺するに十分なだけ得ら
れ、ソリ、ウキがなくなり接着性は向上する。しかし、
比表面積が０．５ｍ2 ／ｇ未満になると、マグネシアと
の反応が低く、生成するスピネルの量が減少する。スピ
ネル生成量が減少すると、生成に伴う体積膨張の量が少
なくなり、溶射施工体の冷却収縮量を相殺することがで
きず、その結果冷却収縮による溶射施工体周囲にソリ、
ウキの現象が見られ接着性に劣る。
【００１６】
【実施例】表１は、本発明の実施例に係る配合組成とそ
の特性を、比較例と共に示す。溶射材料の粒度はいずれ
も３００μｍ以下であり、プロパン・酸素の火炎を熱源
としたものである。
の特性を、比較例と共に示す。溶射材料の粒度はいずれ
も３００μｍ以下であり、プロパン・酸素の火炎を熱源
としたものである。
【００１７】
【表１】 同表の実施例１〜１０に示す、マグネシア質材料を１０
〜５０重量％、アルミナ５０〜９０重量％の範囲で配合
したものは、比較例に比べ、付着性，接着性のいずれに
おいても優れている。
〜５０重量％、アルミナ５０〜９０重量％の範囲で配合
したものは、比較例に比べ、付着性，接着性のいずれに
おいても優れている。
【００１８】これらに対し、マグネシア質材料が１０重
量％未満の１，４比較例では接着強度が低く、溶射施工
体にウキ、ソリが見られ、比較例２，５のように５０重
量％を越えると付着性に劣る。
量％未満の１，４比較例では接着強度が低く、溶射施工
体にウキ、ソリが見られ、比較例２，５のように５０重
量％を越えると付着性に劣る。
【００１９】比較例３は、比表面積が０．１ｍ2 ／ｇの
アルミナを用いた例であるが、付着性と特に接着性で劣
る。
アルミナを用いた例であるが、付着性と特に接着性で劣
る。
【００２０】また、比較例６，７に示すようにマグネシ
ア・アルミナ質材料以外のものも一緒に使用した場合
も、マグネシアの割合が少ないと、実施例に比べ接着強
度は低くウキ、ソリが見られる。
ア・アルミナ質材料以外のものも一緒に使用した場合
も、マグネシアの割合が少ないと、実施例に比べ接着強
度は低くウキ、ソリが見られる。
【００２１】なお、仮焼アルミナに代わる他の比表面積
が０．５ｍ2 ／ｇの焼結アルミナ，電融アルミナ等を使
用した場合も付着率、接着強度のいずれについても、ほ
ぼ同等の効果が得られた。
が０．５ｍ2 ／ｇの焼結アルミナ，電融アルミナ等を使
用した場合も付着率、接着強度のいずれについても、ほ
ぼ同等の効果が得られた。
【００２２】実施例１に示した配合を実際の製鋼用取鍋
の炉底に溶射施工したところ、従来のアルミナ−クロム
質溶射材料は耐用が２ｃｈであったが、本発明の溶射材
料は耐用が６ｃｈと大幅に延びた。
の炉底に溶射施工したところ、従来のアルミナ−クロム
質溶射材料は耐用が２ｃｈであったが、本発明の溶射材
料は耐用が６ｃｈと大幅に延びた。
【００２３】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏する。
【００２４】（１）格別、溶射条件を変更することな
く、耐食性、熱間強度を大幅に向上させた溶射体を形成
できる。
く、耐食性、熱間強度を大幅に向上させた溶射体を形成
できる。
【００２５】（２）ライニングの形成と補修効果を上げ
ることができ、工業炉の稼働率向上、補修工数の低減な
どに貢献する。
ることができ、工業炉の稼働率向上、補修工数の低減な
どに貢献する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水摩 好博 福岡県北九州市八幡西区東浜町１番１号 黒崎窯業株式会社内 (72)発明者 麻生 誠二 大分県大分市大字西ノ洲１番地 新日本 製鐵株式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 宮川 義和 大分県大分市大字西ノ洲１番地 新日本 製鐵株式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 黒土 裕一 大分県大分市大字西ノ洲１番地 新日本 製鐵株式会社 大分製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭56−109822（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C04B 35/66
Claims (1)
- 【請求項１】 マグネシア質材料１０〜５０重量％と、
比表面積が０．５ｍ2 ／ｇ以上のアルミナ５０〜９０重
量％とを含有するマグネシア・アルミナ質溶射材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5184076A JP3009084B2 (ja) | 1993-07-26 | 1993-07-26 | マグネシア・アルミナ質溶射材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5184076A JP3009084B2 (ja) | 1993-07-26 | 1993-07-26 | マグネシア・アルミナ質溶射材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0733538A JPH0733538A (ja) | 1995-02-03 |
| JP3009084B2 true JP3009084B2 (ja) | 2000-02-14 |
Family
ID=16146973
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5184076A Expired - Fee Related JP3009084B2 (ja) | 1993-07-26 | 1993-07-26 | マグネシア・アルミナ質溶射材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3009084B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104072163A (zh) * | 2014-06-23 | 2014-10-01 | 鞍山市和丰耐火材料有限公司 | 一种炼钢rh真空精炼槽用高强无铬砖的制备方法 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| ES2340037T3 (es) * | 2003-12-17 | 2010-05-28 | Sulzer Metco (Us) Inc. | Turbo maquina con capa ceramica de abrasion.. |
| WO2014130202A1 (en) | 2013-02-20 | 2014-08-28 | Sulzer Metco (Us) Inc. | Electrically insulating material for thermal sprayed coatings |
-
1993
- 1993-07-26 JP JP5184076A patent/JP3009084B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104072163A (zh) * | 2014-06-23 | 2014-10-01 | 鞍山市和丰耐火材料有限公司 | 一种炼钢rh真空精炼槽用高强无铬砖的制备方法 |
| CN104072163B (zh) * | 2014-06-23 | 2015-07-22 | 鞍山市和丰耐火材料有限公司 | 一种炼钢rh真空精炼槽用高强无铬砖的制备方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0733538A (ja) | 1995-02-03 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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