JP3009813B2 - マグネシア含有アルミナ質溶射材 - Google Patents

マグネシア含有アルミナ質溶射材

Info

Publication number
JP3009813B2
JP3009813B2 JP5333450A JP33345093A JP3009813B2 JP 3009813 B2 JP3009813 B2 JP 3009813B2 JP 5333450 A JP5333450 A JP 5333450A JP 33345093 A JP33345093 A JP 33345093A JP 3009813 B2 JP3009813 B2 JP 3009813B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
alumina
magnesia
less
spray material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5333450A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07187823A (ja
Inventor
秀行 津田
正孝 松尾
一夫 前田
恒夫 加山
泰造 為廣
和男 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP5333450A priority Critical patent/JP3009813B2/ja
Publication of JPH07187823A publication Critical patent/JPH07187823A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3009813B2 publication Critical patent/JP3009813B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば製鋼容器や溶
融金属の精錬用容器等の工業窯炉及び焼却炉等の耐火ラ
イニングの形成や補修に使用する溶射材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる窯炉の内張り補修に用いる
溶射材として耐スポーリングに優れたアルミナ系のもの
があり、このアルミナ系溶射材の耐蝕性に劣るという欠
点を解消するために、Al2 3 系素材にMgO−Al
2 3 スピネルを配合して耐蝕性を改善した溶射材が、
特開平4−59665号公報、特公平4−37030号
公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、アルミナ自
体は融点が2050℃と高く、そのため、このようなア
ルミナ系溶射材は、溶射火焔による溶融が不充分とな
り、形成された溶射構造体の耐火物基材に対する付着強
度が低くなり、耐用性において劣るという欠点がある。
【0004】本発明の目的は、アルミナの融点を下げ、
溶融性を向上させると共に、アルミナに較べて耐食性及
び容積安定性も同時に向上させることにより、従来のア
ルミナ質溶射材に較べて溶融性,付着性,耐食性を更に
向上させた溶射材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のマグネシア含有
アルミナ質溶射材は、焼成物基準で、全体の75重量%
以99重量%未満のAl2 3 、1重量%以上25重量
%以下のMgO及び2重量%以下の無機化合物を含むク
リンカーを溶射材料として含むことを特徴とする。
【0006】この溶射材は、実質的に粒子を形成するM
gO材料とAl2 3 材料の造粒物を溶射材料として含
み、且つ、クリンカーは、X線回折から求められた格子
定数が8.07A以下であるスピネル構造とコランダム
構造とから実質的になる。
【0007】上記Al2 3 成分は、水酸化アルミニウ
ム,及び該水酸化アルミニウムを焼成して得られた酸化
アルミニウム,天然ボーキサイト及びその焼成物,各種
アルミニウム塩などを挙げることができる。
【0008】上記マグネシア成分としては、例えば、市
販のマグネシアクリンカー,水酸化マグネシウム及びそ
らを仮焼して得られた酸化マグネシウム,天然マグネサ
イト及びそれを仮焼して得られた酸化マグネシウム,各
種マグネシウム塩などを挙げることができる。
【0009】上記アルミナ成分,マグネシア成分の混合
は、通常の粉粒体の混合或いは混練に使用される従来公
知の装置を用いて行うことができる。
【0010】次に、上述の操作で得られた混合物を、乾
燥又は仮焼したのち、造粒又は成形する。上記混合物の
造粒又は成形は、従来公知の装置を用いて行うことがで
きる。
【0011】次いで、上述の操作で得られた造粒物又は
成形物の焼成は、工業的規模で行なう場合にはロータリ
ーキルンを用いて行なうことが好ましいが、小規模に製
造する場合には酸素−プロパン炉等の装置を用いて行な
ってもよい。
【0012】なお、本発明の溶射材として、溶射フレー
ムを通過中に、75重量%以上99重量%未満のAl2
3 、1重量%以上25重量%以下のMgO及び2重量
%以下の無機化合物を含み、X線回折から求められた格
子定数が8.07以下であるスピネル構造とコランダム
構造とから実質的になる粒子を形成するのであれば、上
記クリンカー以外に、例えばMgO材料とAl2 3
料の造粒物を用いることができる。
【0013】本発明の溶射材は、1)マグネシア含有ア
ルミナ−アルミナ,2)マグネシア含有アルミナ−マグ
ネシア・アルミナ質スピネル,3)マグネシア含有アル
ミナとアルミナの配合物−マグネシア・アルミナ質スピ
ネル,4)マグネシア含有アルミナ−クロム系,5)マ
グネシア含有アルミナとアルミナの配合物−クロム系,
6)アルミナ−ジルコン質の組合せが考えられるが、そ
の他アルミナを使用する溶射材には全て適用できる。
【0014】さらに、本発明の溶射材として、その効果
を阻害しない範囲で、コークス粉,各種金属粉,スラグ
粉及びその他の耐火粉末を適量添加してもよい。
【0015】
【作用】スピネル及びスピネル構造からなる鉱物につい
ては、従来から広く研究されており、マグネシア及びア
ルミナからなる鉱物層の状態をこれらの組成と温度との
関係で示した図として、D.M.Roy等が提出したマ
グネシア−アルミナ系相平衡状態図(D.M.Roy,
et al.,J.Amer.Ceram.Soc.,
36「5」149(1953))が知られている。図1
にこの相平衡状態図を示す。
【0016】同図において、「スピネル」とはスピネル
構造からなる鉱物相が単相で存在することを示し、「ス
ピネル+コランダム」とは化学量論組成のスピネル相と
コランダム相とが混在することを示し、「スピネル+液
相」とはスピネル構造からなる鉱物相とこの鉱物相が溶
融した液相が混在することを示し、更に「コランダム+
液相」とはコランダム相とこのコランダム相が溶融した
液相とが混在することを示す。
【0017】この相平衡状態図から、約600〜210
0℃の温度範囲では、マグネシアに対して化学量論組成
よりも過剰のアルミナを含有する、例えば全組成の約7
5〜90重量%がアルミナであるスピネル構造からなる
鉱物が安定に存在することが判る。
【0018】要するに、この相平衡状態図は、高温度領
域にて上記安定に存在する領域の過剰のアルミナを含む
スピネル構造からなる鉱物をその組成のまま冷却した場
合には、コランダム相を生じて化学量論組成のスピネル
相との混合物になることを示している。
【0019】クリンカーに含まれるスピネル構造は、化
学量論的組成より過剰のAl2 3を含むスピネル構造
である。クリンカーのスピネル構造に含まれるAl2
3 の含有量は、該クリンカーのX線回折から格子定数を
算出することにより求めることができ、該スピネル構造
に含まれるAl2 3 の含有量と該スピネル構造の格子
定数の関係については、Reed.J.S.の「スピネ
ルマトリックスにおける転移金属イオンの構造の−考
察」(Reed.J.S.,”An Investig
ation of the Con−stitutio
n of Transition Metal Ion
s in Spinel Matrix”,Alfre
d Univ.Monthly Rept.,No.3
47,May,1965)に詳細な記載がある。上記刊
行物の記載によれば、化学量論的組成を有するスピネル
の格子定数は8.08Aであり、スピネル構造に含まれ
るAl2 3 の含有量が増加するにつれて、格子定数が
減少する。
【0020】本発明のクリンカーにおいて、上記スピネ
ル構造の格子定数は、8.07A以下の範囲であること
が必要である。上記スピネル構造の格子定数が8.07
Aより大きいときには、上記クリンカーに含まれるスピ
ネル構造は、化学量論的組成に非常に近い組成となり、
得られるクリンカーの耐スポーリング性が充分ではなく
なるので好ましくない。
【0021】アルミナにマグネシアを含有することによ
って、先の相平衡状態図から明らかなように、その組織
中にはマグネシア・アルミナ質スピネルが存在する。そ
して、マグネシアの割合は、重量比で、マグネシア:ア
ルミナが30:70のスピネルの理論組成よりも少ない
ことから、組織中にはアルミナも存在することになる。
このため、マグネシアの化学特性によって、これを含有
するアルミナは通常のものよりも融点が低くなる。特に
マグネシアを1〜25重量%含むアルミナでは、通常の
アルミナよりも融点が約100℃程度低い傾向にある。
したがって、溶射火炎による溶射材の溶融が促進され、
補修面等への溶射材の付着性の向上も可能となる。ま
た、アルミナ中にマグネシア・アルミナ質スピネルが存
在するため、通常のアルミナに較べて耐食性及び容積安
定性に優れたものとなる。
【0022】また、Al2 3 成分及びMgO成分以外
の無機化合物は2重量%以下であることが必要である。
2重量%よりも多いときにはクリンカーの耐スラグ溶損
性が低下することがあるため好ましくない。
【0023】
【実施例】表1は、マグネシア含有アルミナ−マグネシ
ア・アルミナ質スピネルの配合とその特性を比較例と共
に示すものである。なお、表中の比較例4は特開平1−
264976号公報に記載された溶射材を試料としたも
のである。
【0024】溶射材の粒度はいずれも1mm以下であ
り、溶射をLPG,灯油等の気体または液体燃料やコー
クス等の固形燃料を熱源とする火炎法によって行った。
そして、溶射材を搬送するガスは、O2 ,空気,N2
CO,CO2 ,Arや工場で発生するたとえば高炉ガ
ス,コークス炉ガス,熱風炉ガスまたは転炉ガス等のう
ちの1種又は2種以上の組合せのものを用いた。
【0025】
【表1】 実施例3及び4で使用したMgO含有アルミナはAl2
3 材料を造粒したもので、溶射フレーム中に加熱され
て請求項3で述べたような粒子を形成した。
【0026】この表から判るように、本発明による溶射
材は比較例のものに比べて、付着性,耐食性及び熱間強
度のいずれの点でも良好な結果が得られた。マグネシア
を10重量%含むアルミナとマグネシア・アルミナ質ス
ピネルを70:30の量比としたものでは、付着性,耐
食性及び熱間強度のいずれもが大幅に向上した。
【0027】表2は、マグネシア含有アルミナ−クロム
系の配合とその特性を比較例と共に示すものであり、ク
ロム鉄を配合材とした例である。
【0028】なお、表中の比較例3は特開平1−264
976号公報に記載の溶射材である。また、溶射条件も
先の例と同じである。
【0029】
【表2】 この例においても、比較例に比べると付着性,耐食性及
び熱間強度はいずれもが良好な結果が得られた。特に、
マグネシアを10重量%含有するアルミナとクロム鉄鉱
の量比を50:50としたものでは、付着性,耐食性及
び熱間強度の全てが大幅に改善された良好な特性を示し
た。また、クロム鉄鉱の量が半分以下であれば、マグネ
シア含有のアルミナの量比が大きいほど付着率が向上す
ることも確かめられた。
【0030】表3は、アルミナ−ジルコン質系の配合と
その特性を比較例と共に示すものであり、ジルコンとク
ロム鉄を配合材とした例である。
【0031】なお、表中の比較例3は特開平2−856
92号公報に記載された溶射材である。また、溶射条件
も先の例と同じである。
【0032】
【表3】 この例においても、比較例に対して耐食性も含めて付着
性及び熱間強度の改善が認められる。特に、マグネシア
20重量%含有のアルミナとジルコンの量比が60:4
0のものでは、付着性,耐食性及び熱間強度のいずれも
が良好な特性を示した。
【0033】
【発明の効果】本発明により以下の効果を奏する。
【0034】(1)溶射条件を格別に変更することな
く、付着性,耐食性及び熱間強度を大幅に向上させた溶
射体の施工できる。
【0035】(2)ライニング及び補修による溶射体の
施工が確実に効率的に行われるので、工業窯炉の稼働率
の向上及び補修工数の低減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マグネシア−アルミナ系相平衡状態図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 正孝 福岡県北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎窯業株式会社内 (72)発明者 前田 一夫 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 加山 恒夫 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 為廣 泰造 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内 (72)発明者 高橋 和男 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−264976(JP,A) 特開 平2−85692(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/66

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成物基準で、全体の75重量%以上、
    99重量%未満のAl2 3 、1重量%以上25重量%
    以下のMgO及び2重量%以下の無機化合物を含むクリ
    ンカーを溶射材料として含むマグネシア含有アルミナ質
    溶射材。
  2. 【請求項2】 焼成物基準で、全体の75重量%以上の
    99重量%未満のAl2 3 、1重量%以上25重量%
    以下のMgO及び2重量%以下の無機化合物を含み、X
    線回折から求められた格子定数が8.07A以下である
    スピネル構造とコランダム構造とから実質的になるクリ
    ンカーを溶射材料として含むマグネシア含有アルミナ質
    溶射材。
  3. 【請求項3】 溶射フレームを通過中に75重量%以上
    99重量%未満のAl2 3 、1重量%以上25重量%
    以下のMgO及び2重量%以下の無機化合物を含み、X
    線回折から求められた格子定数が8.07以下であるス
    ピネル構造とコランダム構造とから実質的になる粒子を
    形成するMgO材料とAl2 3 材料の造粒物を溶射材
    料として含むマグネシア含有アルミナ質溶射材。
JP5333450A 1993-12-27 1993-12-27 マグネシア含有アルミナ質溶射材 Expired - Fee Related JP3009813B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333450A JP3009813B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 マグネシア含有アルミナ質溶射材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333450A JP3009813B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 マグネシア含有アルミナ質溶射材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07187823A JPH07187823A (ja) 1995-07-25
JP3009813B2 true JP3009813B2 (ja) 2000-02-14

Family

ID=18266231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5333450A Expired - Fee Related JP3009813B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 マグネシア含有アルミナ質溶射材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3009813B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07187823A (ja) 1995-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060266268A1 (en) Industrial ceramic shaped body and process for producing same
US3278320A (en) Refractory
TWI554484B (zh) 耐火性陶瓷批料、此種批料之用途及冶金熔融容器
JP3009813B2 (ja) マグネシア含有アルミナ質溶射材
GB2234502A (en) Ceramic welding process and powder mixture for use in same
CA1221987A (en) Chrome-magnesite refractories
JP3009084B2 (ja) マグネシア・アルミナ質溶射材料
JP2885630B2 (ja) 火炎溶射材
JPS58145660A (ja) 塩基性耐火組成物
JP2885629B2 (ja) 火炎溶射材
JP3009814B2 (ja) アルミナ−チタニア質溶射材
JPH07277842A (ja) MgO−CaO系溶射材
JP2003246683A (ja) 不定形耐火物
JP3018057B2 (ja) MgO−ZrO2 −SiO2 系溶射材料
JP2596668B2 (ja) マグネシア−マグ・ライム質溶射材
KR940007226B1 (ko) 공업요로의 열간 보수용 MgO-Al₂O₃계 분말용사재료
US265069A (en) James henderson
JPH0421563A (ja) マグネシア―クロム質耐火物
JP3209842B2 (ja) 不定形耐火物
JPH01264976A (ja) 火炎溶射材
JPH10287479A (ja) アルミナ質火炎溶射材料および窯炉の内張り耐火物の補修方法
JPH02274370A (ja) 溶銑予備処理容器用耐火物
JPH05148610A (ja) 溶射材
JPH0558713A (ja) セメント及び石灰焼成キルン用ノンクロム質耐火物
JPH10316479A (ja) 火炎溶射材

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19991029

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees