JP3209842B2 - 不定形耐火物 - Google Patents

不定形耐火物

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龍夫 山崎
慎一 安部
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大光炉材株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として溶融金属容器
の内張りとして使用される流し込み用の不定形耐火物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、溶融金属用容器、例えば高炉の出
銑大樋などはスラグライン部とメタルライン部を別々の
材料で打ち分けるゾーンライニング方式での施工が多く
なつている。出銑大樋のメタルライン部は、スラグと銑
鉄の境界部分に相当し、損傷要因が固・液2相界面での
マランゴニ現象やスラグ・メタル界面に介在するFeO
の影響などであると言われており、そのためメタルライ
ン部に使用される材料として、最近はMgO−Al
スピネル質原料を使用した樋材が適用され好成績を
上げている。
【0003】スピネル質原料を使用した材料には公開特
許公報昭58−99177号あるいは公開特許公報昭6
4−87577号のようにシリカ微粉を併用したり、ア
ルミナセメントをバインダーとして使用したものがあ
る。しかしながらそれらは酸化物であり、いわゆる白物
と称されるもので、非酸化物であるSiCやCなどを含
まず、溶融金属容器内張り用不定形耐火物としては不向
きである上、MgO−Al23−SiO2系やCaO−
Al23−SiO2系あるいはそれらの複合系の低融点
化合物が生成し易く、耐蝕性や耐スポール性が低下する
と云った欠点があった。
【0004】他方、スピネルを使用した溶融金属容器内
張り材として特許公報昭57−38554号や、公開特
許公報平4−2665号などに記載があるが、前者は粘
土を必須用件としており、後者はスピネル骨材のMgO
の量について種々検討しそれを利用した材料についての
発明で、やはりシリカを含む組成となっている。従って
これらは、組成としては不完全で、前述と同様に低融点
化合物の生成は避けられず、耐蝕性や耐スポール性の面
で満足な結果が得られなかった。
【0005】以上のような問題の解決手段として、特許
公報昭60−22679号に耐火性粒子とアルミナセメ
ント1〜15%およびTiO 粉末1〜20%からな
る不定形耐火組成物が開示されている。しかしながらこ
のような耐火組成物も完璧と言えず、繰り返し加熱によ
って大きな体積変化を生じ、耐スポール性が不十分にな
ること、ならびにアルミナセメントが多い領域では先に
述べた低融点化合物の生成が容易であることなど、問題
点が多く存在していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
の欠点を解消し、焼結性や耐蝕性はもとより施工性や容
積安定性に格段に優れた溶融金属容器内張り用の不定形
耐火物を提供しようとするものである。
【0007】
【問題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに鋭意研究を重ねた結果、不定形耐火物のマトリック
スの主要部分をアルミナおよび少量のチタニア微粉から
構成させること、更に焼結性向上策としてチタンおよび
/またはアルミニウム金属の粉末を添加することによ
り、耐火性や耐蝕性はもとより施工性や容積安定性を高
め得ることを見出し、本知見に基づいて本発明をなすに
至ったものである。即ち、本発明の不定形耐火物は、
ピネルおよびアルミナを含有する粒度調整を施した耐火
性粉末に、5μm以下のチタニア微粉を0.1重量%以
上1重量%未満、10μm以下のアルミナ微粉を5〜2
5重量%配合するものである。また、本発明の不定形耐
火物は、スピネル、アルミナおよび炭化珪素を含有する
粒度調整を施した耐火性粉末に、5μm以下のチタニア
微粉を0.1重量%以上1重量%未満、10μm以下の
アルミナ微粉を5〜25重量%配合するものである。
さらに、本発明の不定形耐火物は、上記発明において、
チタンおよび/又はアルミニウム金属の粉末を5重量%
以下を添加するものである。
【0008】本発明に使用する耐火性粉末は、溶融アル
ミナ、焼結アルミナ、溶融スピネル、焼結スピネル、溶
融ムライト、焼結ムライトなどの酸化物原料と炭化珪素
やピッチ、カーボンなどの非酸化物原料を用いる。ま
た、本発明は特にスピネルを使用する場合において効果
が顕著である。即ち組成物として全くSiO を含ま
ず、アルミナ微粉及び少量のチタニア微粉を使用するこ
とで低融点化合物の生成を抑制し、溶融金属容器内張り
用の不定形耐火物の組成に有害なFeOに対して耐蝕性
のあるスピネルの特性を最大限に引き出すことを可能と
したものである。
【0009】また、本発明ではチタニヤ微粉の使用量を
を0.1重量%以上、1重量%未満とした。この理由
は、0.1重量%未満のアルミナ単一組成に近い領域の
マトリックス構成とした場合は、高温耐火性は高いもの
の、焼結性が低いため施工体内部での温度勾配によって
強度ギャップが生じ易く、割れや剥離が生じやすいこ
と、施工時の流動性が悪いこと、また少量のAl23
TiO2を生成させ耐蝕性(緻密化)と強度向上を図
る、と云ったチタニヤの添加効果が現われないことが上
げられる。また、1重量%以上では、繰り返し焼成によ
って体積膨張が大きくなり過ぎ、耐火構造物としての機
能を満足できないとの理由による。即ち、チタニヤの使
用量を1重量%未満に規定することで、多量添加による
使用途中での施工体の異常膨張、亀裂および剥離等の発
生を抑制する効果を見出したものである。この異常膨張
はAl23・TiO2の生成によって生じるものと考え
られ、チタニヤ使用量が多すぎる場合に顕著になる。ま
た更にAl23・TiO2は還元雰囲気中ではAl23
とAl23・3TiO2を生成することが考えられ、繰
り返し焼成によって生じる600〜800℃での異常膨
張がその要因の一つとも推定できる。チタニヤ微粉の粒
度を5μm以下に規定した理由は、材料組織を緻密にす
るためであり、それを超える場合は施工時の材料の流動
性が悪く混練水量が増加することや使用時の焼結性が低
下することなどの理由から、強度および耐蝕性が不足す
ることが上げられる。
【0010】アルミナ微粉の粒度を10μm以下、量を
5〜25重量%に規定した理由は、チタニ微粉同様、
材料組織の緻密化と耐蝕性の向上を目的としたものであ
る。すなわち、粒度が10μmを超えると施工時の材料
の流動性が悪く混練水量が増加すること、使用時の燒結
性が低下することなどの弊害が顕著になる。また添加量
については、5重量%未満では、材料のマトリックスを
構成する微粉量が少なくなり過ぎて良好な作業性や物性
が得られなくなること、25重量%をえる場合は、微
粉量が多くなり過ぎ作業性が低下したり耐蝕性や耐スポ
ール性が低下することなどがその理由である。
【0011】更に、本発明は、上記配合物にチタンおよ
び/又はアルミニウム金属の粉末を5重量%以下添加す
ることである。その効果は材料の焼結及び緻密化を促進
して熱間強度ならびに耐蝕性を大きく改善することにあ
る。それらの作用の詳細は未だ明らかにされていない
が、大略次のように考えられる。一つはチタンおよび/
又はアルミニウムの金属粉が熱を受けることで直接ある
いは反応性の高い酸化物を形成することで、マトリック
スのTiO2やAl23の焼結を促進すると共に、Al2
3・TiO2の生成をも促進させること。もう一つは材
料中のカーボンとの反応により炭化物あるいは酸炭化物
を形成されることで、耐蝕性の向上に寄与することであ
る。添加量を5重量%以下に規定したのは、それ以上で
は過焼結し易いことや金属酸化物の生成過多となるため
材料の耐スポーリング性が低下してしまうためである。
【0012】
【実施例】以下に本発明の詳細について実施例をもって
説明する。表1に本発明による実施例1〜6を示す。
【0013】使用するスピネルやアルミナの骨材は、電
融品あるいは焼結品の何ずれでも使用可能である。実施
例1〜4はスピネル骨材を単独で、実施例5、6はアル
ミナ骨材との併用で示したが、それら骨材の使用割合に
ついては特に限定するものではない。
【0014】炭化珪素は、100メッシュ以下の微粉
で、純度は耐蝕性の面から90重量%の高純度品が望ま
しい。使用量は15重量%を例示したが、状況に応じ1
0〜25重量%の範囲で使用できる。
【0015】アルミナ微粉は、仮焼アルミナの10μm
以下のものであり、中心粒径が3〜5μmや0.3〜2
μmのものを単独あるいは併用で使用する。しかし作業
性や強度の面から1μmの以下の粒子を5重量%以上使
用することが好ましい。
【0016】チタニヤ微粉にはルチルとアナターゼなど
の結晶型がある。本発明ではその何れも使用可能で混合
使用しても良いが、容積安定性の面から好ましくはルチ
ル型を多用すべきである。粒度は作業性や強度の面から
中心粒径が1μm以下の粒子で中心粒径が0.3μm前
後のものを使用する。また、更に作業性改善や早期焼結
性を賦与する目的で一次粒子径が30μm程度である超
微粉を併用し、本発明をより効果的なものとすることが
可能である。
【0017】表2は、表1に従って溶融金属容器内張り
用不定形耐火物を配合し、所定の形状に成形し乾燥を行
った後、下記の要領にて物性ならびに耐蝕性を測定した
結果をまとめたものである。繰り返し焼成試験は、試料
をコークスを詰めたボックスに入れ略還元雰囲気中で
1,450℃にて3時間焼成し、室温まで自然冷却させ
た後、更にこれを5回繰り返すという方法にて実施し
た。試験後、各試料の線変化率を測定した。スポーリン
グ試験は、大気中で1,450℃にて3時間焼成した
後、炉外に取り出した直後からフアンによる強制空冷を
行い、室温まで冷却する方法を採用した。これを5回繰
り返し、試験前後での圧縮強度の低下率の比較を行い評
価した。侵食試験は、誘導炉法を用いた。試料は110
℃にて24時間乾燥したものと、繰り返し焼成試験を行
ったものの2通りについて実施した。試験温度は1,6
00℃前後で銑鉄及び高炉スラグを溶融させ、その界面
部分の溶損速度をもって比較した。溶損速度の測定方法
は試料の試験前後の寸法差を試験時間で除して算出し
た。
【0018】繰り返し焼成では、比較例1の残存膨脹率
が0.77%と極めて大きいのに対し、実施例1〜6は
0.09〜0.15%の小さい範囲にあり、容積安定性
に優れるとの結果を得た。スポーリング試験では、5サ
イクル後の強度低下率が比較例1〜2が60%を越える
のに対し、本発明品は45%以下と小さいことが確認さ
れた。また、侵食試験では、比較例に比べ本発明品の溶
損速度が小さく耐蝕性が優れているとの結果であった
が、110℃乾燥後の通常試片の場合よりも、繰り返し
焼成後の試片の方が、より大きな優位性を示しており、
長時間のヒートサイクルに対しても安定であるとの結論
を得た。なお、チタンやアルミニウム金属の粉末を添加
した実施例2,3,4および6は、無添加のものより耐
蝕性に優れるが、スポーリング抵抗性に関しては無添加
の方が有利との結果であった。
【0019】
【発明の効果】前述の実施例で明らかなように、本発明
品は、耐蝕性に優れかつ容積安定性の高い溶融金属容器
内張り用不定形耐火物を供給することを可能としてお
り、A製鉄所の出銑大樋メタルゾーンにて実施例4を実
機使用したところ、表3に記載のように溶損速度の大幅
な低下を見ると共に、亀裂・剥離のない良好な損耗プロ
フィールを呈する、との結果を得た。なお、本発明は、
高炉出銑樋材を対象とした一例を示したが、マトリック
ス構成そのものは樋材組成に限らず溶融金属容器内張り
用耐火物について広く有効であることは言うまでもな
い。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−199070(JP,A) 特開 平5−221737(JP,A) 特開 平4−367571(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/66 B22D 41/02 F27D 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピネルおよびアルミナを含有する粒度
    調整を施した耐火性粉末に5μm以下のチタニア微粉
    を0.1重量%以上1重量%未満、10μm以下のアル
    ミナ微粉を5〜25重量%配合することを特徴とする不
    定形耐火物。
  2. 【請求項2】 スピネル、アルミナおよび炭化珪素を含
    有する粒度調整を施した耐火性粉末に、5μm以下のチ
    タニア微粉を0.1重量%以上1重量%未満、10μm
    以下のアルミナ微粉を5〜25重量%配合することを特
    徴とする不定形耐火物。
  3. 【請求項3】 チタンおよび/又はアルミニウム金属の
    粉末を5重量%以下添加することを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の不定形耐火物。
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