JP2003306388A - 電融スピネル原料及びこれを用いた耐火物 - Google Patents

電融スピネル原料及びこれを用いた耐火物

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JP2003306388A
JP2003306388A JP2002110763A JP2002110763A JP2003306388A JP 2003306388 A JP2003306388 A JP 2003306388A JP 2002110763 A JP2002110763 A JP 2002110763A JP 2002110763 A JP2002110763 A JP 2002110763A JP 2003306388 A JP2003306388 A JP 2003306388A
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Ryosuke Nakamura
良介 中村
Makoto Nanba
誠 難波
Toshihiko Kanashige
利彦 金重
Hisaharu Sasaki
久晴 佐々木
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Shinagawa Refractories Co Ltd
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Shinagawa Refractories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、スピネル系、マグネシア−
スピネル系、アルミナ−スピネル系、アルミナ−マグネ
シア系等の耐火物をより高性能化するために、アルミナ
原料と比較して格段に高い耐食性を保有しつつ、従来の
高純度スピネル原料に比べて高い耐熱衝撃性並びに熱間
での応力緩和性を有する電融スピネル原料並びに該電融
スピネル原料を用いた耐火物を提供することにある。 【解決手段】 本発明の電融スピネル原料は、MgOと
Alの合量:90質量%以上、MgO:5〜25
質量%、TiO:1〜5質量%、SiO:0.4〜
3質量%、ただし、TiO/SiOの含有比率:
1.2〜4、及びその他の成分が3質量%以下(ゼロを
含む)の組成を有し、且つ主要鉱物相がスピネル結晶及
びコランダム結晶から構成されることを特徴とすること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐火れんがや不定
形耐火物に使用される電融スピネル電融並びに該スピネ
ル質電融原料を用いた耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電融スピネル原料や焼結スピ
ネル原料が、耐火れんがや不定形耐火物のような耐火物
に多く使用されている。特に、電融スピネル原料は、一
般にマグネシア原料と比較して割れ難く、且つ耐食性に
も優れる点で注目され、耐火物の原料として使用されて
いる。確かに、マグネシア原料は非常に高耐食性である
が、熱膨張率が高く、熱衝撃に対して弱く、亀裂を生じ
易いため、割れ易いという欠点があった。これに対し
て、電融スピネル原料は、マグネシア成分を含むものの
耐食性はマグネシア単味より低下するが、耐熱衝撃性は
格段に改善されている。
【0003】しかしながら、従来の電融スピネル原料
は、実質上アルミナとマグネシアとから構成され、その
他の成分をほとんど含有しない純度の高い原料であっ
た。これは、その他の成分が加わることによって耐食性
が低下することを嫌ったためである。このように、従
来、電融スピネル原料は、マグネシア原料との比較で、
できるだけ高耐食性であることが望まれていた。
【0004】しかし、電融スピネル原料とアルミナと組
み合わせたり、電融スピネル原料のみを主原料とした耐
火物では、耐食性と耐熱衝撃性とのバランスは最良では
なく、特に、粗粒部の原料自体の特性が耐火物全体に影
響を及ぼす傾向が見られ、従来の電融スピネル原料、即
ち、高純度電融スピネル原料の欠点が表面化することが
多かった。
【0005】マグネシアと電融スピネル原料を組み合わ
せた耐火れんがとしては、例えば、国際公開番号WO9
5/15932には、マグネシア質原料および/または
マグネシア・アルミナ系スピネル質原料を主原料とし、
チタニアを1〜10wt%(質量%)、アルミナを1〜
15wt%(質量%)含有することを特徴とするクロム
フリーれんがが開示されている。また、特開平9−20
550号公報には、少なくともマグネシア質原料、マグ
ネシア−カルシア質原料、チタニア質原料及び/または
カルシア質原料から構成され、化学成分としてMgO7
0〜98重量%(質量%)、TiO0.1〜20重量
%(質量%)、CaO0.2〜10重量%(質量%)及
びその他の成分10重量%(質量%)以下を含有してな
り、TiO/CaO重量比(質量比)が0.8以上で
あり、且つ少なくとも耐火物組織中にCaO・TiO
結晶を含んでなることを特徴とする塩基性耐火物が開示
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電融ス
ピネル原料を使用した耐火物、例えば電融スピネル原料
とアルミナ原料とを混合使用したり、電融スピネル原料
単味または少量のマグネシア原料を使用するような耐火
物において、特に、使用中に発生する割れを最小限に抑
制しつつ、耐食性を向上させたいことが多いが、通常市
販されている高純度の電融スピネル原料を使用すると、
耐熱衝撃性及び熱間での応力緩和性に乏しく、耐食性は
向上するが、同時に割れが発生することが多かった。
【0007】実際の耐火物においては、耐食性と耐割れ
性を両立するために、種々の添加剤を加えたり、耐火物
組織を制御して割れ性を改善する手法が採られている。
前記公報は耐火れんがに関するものであり、このような
添加成分による耐火物特性の改善を行なったものであ
る。
【0008】耐火物は、粗粒、中粒、微粉の各種耐火原
料を配合して、れんがの場合、一般にプレス成形して製
造され、不定形耐火物の例えば流し込み材では流し込み
によって成形される。この時に、各原料の粒度や配合量
を適正化して、成分や成形体組織を制御し、耐火物とし
て要求される耐食性や耐スポーリング性を高めるよう工
夫が払われる。前記公報にもあるように、主として添加
成分原料を加えることにより、マトリックス構成部ある
いは結合組織を改善することがなされている。しかしな
がら、特に、粗粒ないし中粒部分は耐火原料自体の性質
に左右されることが多く、従来のマトリックス構成部の
改善方法では、耐割れ性を現在以上に向上させることは
困難であった。
【0009】従って、本発明の目的は、スピネル系、マ
グネシア−スピネル系、アルミナ−スピネル系、アルミ
ナ−マグネシア系等の耐火物をより高性能化するため
に、アルミナ原料と比較して格段に高い耐食性を保有し
つつ、従来の高純度スピネル原料に比べて高い耐熱衝撃
性並びに熱間での応力緩和性を有する電融スピネル原料
並びに該電融スピネル原料を用いた耐火物を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の電融スピ
ネル原料は、MgOとAlの合量:90質量%以
上、MgO:5〜25質量%、TiO:1〜5質量
%、SiO:0.4〜3質量%、ただし、TiO
SiOの含有比率:1.2〜4、及びその他の成分が
3質量%以下(ゼロを含む)の組成を有し、且つ主要鉱
物相がスピネル結晶及びコランダム結晶から構成される
ことを特徴とすることを特徴とする。
【0011】更に、本発明の電融スピネル原料は、Mg
OとAlの合量:90質量%以上、MgO:5〜
25質量%、TiO:1〜5質量%、SiO:0.
4〜3質量%、ただし、TiO/SiOの含有比
率:1.2〜4、CaO:0.05〜1質量%、及びそ
の他の不可避成分が2質量%以下(ゼロを含む)の組成
を有し、且つ主要鉱物相がスピネル結晶及びコランダム
結晶から構成されることを特徴とすることを特徴とす
る。
【0012】また、本発明の耐火物は、上記電融スピネ
ル原料を10質量%以上含有してなることを特徴とす
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の電融スピネル原料は、高
純度電融スピネル原料固有の溶融金属やスラグに対する
耐食性を保持させるために、マグネシア(MgO)とア
ルミナ(Al )の合量を90質量%以上とする。
MgOとAlの合量が90質量%未満であると、
本発明の電融スピネル原料では、その他の必須成分の含
有量が多くなり過ぎるため、電融スピネル原料自体の耐
熱性が低下し、更に、耐食性も著しく低下することがあ
るために好ましくない。
【0014】上述のように、本発明の電融スピネル原料
は、MgOとAlの合量が90質量%以上でなけ
ればならないが、そのうち、MgOが5〜25質量%で
あることが良い。MgOが5質量%未満であると、スピ
ネル結晶の生成が少なく、耐食性が高純度アルミナ原料
より劣ってしまうことがあるので好ましくない。より好
ましいMgO含有量は6質量%以上である。一方、Mg
Oが25質量%を超えて含有されていると、フリーのペ
リクレーズ結晶が析出する場合があり、ペリクレーズ結
晶が析出した電融スピネル原料を耐火物に用いると、ペ
リクレーズ結晶が消化することによる崩壊を生じること
があるので好ましくない。なお、MgOが20質量%以
下であると、Al成分過剰のスピネル結晶が生成
するのでより好ましいといえる。
【0015】即ち、MgO含有量が5〜25質量%であ
り、MgOとAlの合量が90質量%以上であれ
ば、本発明の電融スピネル原料の主要鉱物相は、スピネ
ル結晶またはスピネル結晶とコランダム結晶とから構成
されるものとなる。
【0016】なお、電融スピネル原料が完全に安定化し
たスピネル結晶のみから構成される場合には、該電融ス
ピネル原料を用いた耐火物を形成する時に、いわゆる焼
結性が低い傾向になる。これとは異なり、Al
分過剰なスピネル結晶、あるいはスピネル結晶とコラン
ダム結晶とが共存する場合、該電融スピネル原料は、耐
火物に使用されるアルミナ原料やマグネシア原料等のよ
うな他の原料との反応が生じ易く、焼結し易い。それ
故、Al成分過剰なスピネル結晶あるいはスピネ
ル結晶とコランダム結晶とが共存している方がより好ま
しいといえる。
【0017】本発明の電融スピネル原料は、出発原料が
溶融され、均質に溶解されたものが冷却される過程でス
ピネル結晶またはスピネル結晶とコランダム結晶を析出
し、これらスピネル結晶とコランダム結晶を主体とする
結晶からなる電融品である。なお、電融スピネル原料中
にペリクレーズ結晶が析出すると、原料として保管中、
あるいは耐火物として使用した時に、ペリクレーズの水
和反応が生じ、これにより原料粒子の強度が低下した
り、耐火物成形体が崩壊したりする場合があるので好ま
しくない。
【0018】本発明の電融スピネル原料は、スピネル結
晶、コランダム結晶を形成するMgOとAl以外
に、TiO、SiOを含有していなければならな
い。電融スピネル原料中に、TiOとSiOとが適
正な比率で存在すると、1550℃付近で少量の液相を
生成する。一般に、スピネル原料を用いて製造される耐
火物は、1400℃以上で使用されることが多く、丁度
使用される温度域において、液相が生成されれば、原料
粒のフレキシビリティー(変形能)が向上する。ここ
で、耐火物には熱膨張に起因する熱応力や窯炉の傾動等
による機械的応力が発生し、亀裂や割れを生じるが、本
発明の電融スピネル原料を用いた耐火物では、電融スピ
ネル原料粒のもつ応力緩和効果により応力を吸収し、耐
火物に発生する亀裂や割れを抑制できる。
【0019】本発明の電融スピネル原料において、Ti
含有量は、SiOとの反応でフレキシビリティー
を確保するために必要な液相量を生成させるために1.
2質量%以上必要である。TiO含有量が1.2質量
%未満であると、液相の生成量が不足して効果に乏し
い。しかし、5質量%を超えると電融スピネル原料自体
には大きな問題はないものの、耐火物の原料として使用
した時、TiO成分が加熱中に周囲に拡散し、過焼結
を招くことがあり、耐火物が過焼結すると収縮を生じた
り、耐火物全体の弾性率が上昇し、かえって機械的応力
に対して割れ易くなることがあるので好ましくない。従
って、TiO含有量は、1.2〜5質量%、より好ま
しくは1.5〜4質量%である。
【0020】また、本発明の電融スピネル原料におい
て、SiO含有量は、TiOと共に液相を生成させ
るために、少なくとも0.4質量%必要である。SiO
含有量が0.4質量%未満であると、液相の生成量が
不足し、満足な応力緩和効果が得られない。一方、Si
含有量が3質量%を超えると、液相の生成量が過多
となり、耐火性やスラグなどの外来成分に対する耐食性
が低下するので好ましくない。従って、SiO含有量
は0.4〜3質量%、好ましくは0.5〜2質量%であ
る。
【0021】TiOとSiOの含有量は重要であ
り、各々上記含有量の範囲内でなければならないが、更
に両者の含有比率が異なると、液相組成が変化し、生成
する液相の粘性が変化する。このため、電融スピネル原
料粒が、充分なフレキシビリティーを有し、且つ熱間で
の強度を著しく低下させることのない範囲として、Ti
/SiOの含有比率を1.2〜4.0の範囲とす
る必要がある。ここで、TiO/SiOの含有比率
が1.2より低いと、液相の生成量が減少すると共に粘
性が増し、フレキシビリティー性が低下する。また。T
iO/SiOの含有比率が4より高いと、液相の粘
性が低下し、熱間での強度低下が大きくなり好ましくな
い。TiO/SiOの含有比率のより好ましい範囲
は、1.4〜3.5である。
【0022】その他の成分は、3質量%以下(ゼロを含
む)である。その他の成分が3質量%を超えると液相の
生成量や液相粘度に影響を及ぼし、適度な応力緩和効果
が得られなくなるために好ましくない。
【0023】更に、本発明の電融スピネル原料は、Ca
Oを0.05〜1質量%含有することができる。TiO
とSiO成分に極少量のCaO成分が加わることに
よって、1365℃で少量の液相を生成し、更に温度が
上昇すると1535℃でもう1つの液相を生成して2液
相となる。耐火物が使用される温度域付近において、効
率的に2段階で極少量の液相を生成することにより、電
融スピネル原料粒のフレキシビリティー(変形能)、即
ち、応力緩和能力が格段に上昇する。耐火物には。熱膨
張に起因する熱応力や、窯炉の傾動等による機械的応力
が発生し、亀裂や割れが生じるが、本発明の電融スピネ
ル原料を用いた耐火物では、原料粒のもつ応力緩和効果
により応力を吸収して耐火物に発生する亀裂や割れを抑
制することができる。
【0024】上述のように、CaOを含有する本発明の
電融スピネル原料は、ある一定温度で液相を生成するの
ではなく、2段階に異なる組成の液相生成が生じるとこ
ろに特徴があり、しかも、この2段階の温度は、スピネ
ル原料を用いる耐火物の使用温度域の直前及び使用温度
域の中に当たるため、効果的に耐火物の割れを抑制する
ことができるものと考えられる。
【0025】また、本発明の電融スピネル原料にCaO
が少量含まれることにより、高温でTiO、SiO
及びCaO成分の液相を容易に生成するようになる。即
ち、液相生成は成分反応によって生じるので、反応速度
によってある温度での液相生成量が左右されるが、少量
のCaOが存在すると、安定して液相生成が得られるの
である。しかし、TiO、SiO含有量及びTiO
/SiOの含有比率が前記した範囲であっても、C
aO含有量が1質量%を超えていると、液相の生成量が
過剰になり、熱間強度の低下が著しくなるために好まし
くない。
【0026】本発明の電融スピネル原料においては、A
、MgO、TiO、SiO、CaO以外の
成分は不在であることが好ましく、存在する場合であっ
ても2質量%以下とすべきである。不可避成分の量が2
質量%を超えると、意図した液相を生成せず、不可避成
分の影響を受けて液組成が変わったり、液相生成温度が
変わってしまうので好ましくない。より好ましくは1.
5質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下であ
る。
【0027】一般に、耐火物用原料としてスピネル原料
は、焼結させて緻密化したものも用いられるが、本発明
のようなAl及びMgO以外の成分をある程度多
く含む組成のスピネル原料の場合、耐火物用原料として
の粒子強度や溶融スラグに対する耐食性の面から電融品
として製造される。
【0028】ここで、本発明の電融スピネル原料は、各
種の出発原料を用いて化学成分を所定の範囲内となるよ
うに調整し、アーク式電気炉等炉で2000℃以上、好
ましくは2100℃以上の温度で加熱溶解した後、冷
却、固化してインゴットとする。得られたインゴットを
粉砕し、不純物の少ない部分を選別して耐火物原料とす
ることが好ましい。
【0029】本発明の電融スピネル原料を製造するため
の出発原料は特に限定されるものではないが、アルミ
ナ、マグネシア、チタニア、シリカ、カルシア等の各成
分を出発原料として組み合わせても良いし、例えばバン
土頁岩やボーキサイトのように主としてAlから
なり、適当量のTiO、SiOを含有するものを出
発原料としても良い。後者の方がコストの面でも効率的
である。また、MgO成分も同様に高純度ペリクレーズ
を用いることはできるが、仮焼あるいは軽焼マグネサイ
トなどを用いることができる。更に、本発明の電融スピ
ネル原料において、CaO含有量は少量であり、マグネ
サイト中の混入成分としてのCaOを利用しCaO含有
量を調整することもできる。必要に応じて、最終的な成
分調整のために少量の高純度原料を使用することがコス
ト的に有利である。
【0030】本発明の耐火物は、本発明の電融スピネル
原料を10質量%以上含有した耐火物であり、本発明の
電融スピネル原料のもつフレキシビリティー、即ち、応
力に対する変形能を利用し、耐火物に発生する亀裂や割
れを抑制するものである。本発明の電融スピネル原料の
使用効果は、焼成れんが、不焼成れんが、不定形耐火物
のいずれかでも得られるが、本発明の電融スピネル原料
のもつフレキシビリティーを遺憾なく発揮するために
は、焼成工程を経ない不焼成れんがまたは不定形耐火物
に使用することが好ましい。
【0031】本発明の電融スピネル原料の含有量が10
質量%未満であると、フレキシビリティー性能を充分に
発揮することができず、応力に対する割れ抑制の効果に
乏しい。本発明の耐火物において、より好ましい電融ス
ピネル原料の含有量は20質量%以上、更に好ましくは
30質量%以上であり、30質量%以上含有していれ
ば、本発明の電融スピネル原料の特徴を遺憾なく発揮さ
せることができる。電融スピネル原料の含有量は多くて
も特に問題はないが、通常、耐火れんがでも、不定形耐
火物でも、成形性を改善するための添加剤や結合剤が添
加使用されるので、自ずと上限は95質量%程度とな
る。
【0032】また、本発明の電融スピネル原料は、原料
粒自体がフレキシビリティーを有することにより、耐火
物の割れ性を改善する効果があるので、どちらかといえ
ば、微粉域で使用するよりも、およそ0.3mm以上の
粗粒、中粒域で使用する方が効果的である。
【0033】本発明の耐火物には、本発明の電融スピネ
ル原料以外に、公知である種々の耐火性原料を組み合わ
せて使用することが可能である。電融アルミナ、焼結ア
ルミナ、仮焼アルミナ、ボーキサイト、バン土頁岩、カ
イヤナイト、シリマナイト、アンダルサイト、ムライ
ト、シャモット、溶融シリカ、高純度電融スピネル、焼
結スピネル、電融マグネシア、焼結マグネシア、ジルコ
ン、ジルコニア、クロム鉱、電融マグクロ、炭化珪素、
窒化珪素、無定形シリカ(シリカフラワー)、ベントナ
イト、粘土、黒鉛、コークス、カーボンブラックなどの
各種耐火骨材及び耐火微粉が挙げられ、これらを単独ま
たは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0034】また、結合剤も特に限定されるものではな
く、糖蜜、リグニンスルフォン酸ソーダ、フェノール樹
脂、アルミナセメント等の公知の結合剤を使用すること
が可能である。なお、結合剤の配合量は特に限定される
ものではなく、慣用の配合量の範囲内である。
【0035】その他添加剤として、金属粉や不定形耐火
物の分散剤、凝集剤、硬化調整剤等の公知慣用のものが
使用できる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の電融スピネル
原料並びに耐火物を更に説明する。 実施例1 表1に原料配合にて、原料を配合し、得られた配合物を
アーク式電気炉で2500℃で0.5時間にわたり加熱
して溶解した後、冷却、固化して電融スピネル原料のイ
ンゴットを得た。得られた電融スピネル原料の化学組成
を表1に併記する。次に、得られたインゴットから4m
m□×50mmの角柱を切り出し、1650℃で溶融し
たスラグ中に浸漬し、損耗量を測定することにより耐食
性を測定した。なお、耐食性は、高純度電融スピネル原
料である比較品1を指数10として表示する。数値の大
きいもの程損耗量が大きいことを示す。更に、電融スピ
ネル原料のインゴットを粉砕して分級し、11〜5.6
mmの粒を取り出し、1200℃加熱−水冷を10回反
復した後、5.6mmの篩を用いて篩通過分を粉化量と
して測定することにより耐熱衝撃性を測定した。粉化率
は質量%として示す。数値の大きいもの程熱衝撃による
破損量が大きいことを示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1中、主要鉱物の欄の「sp.」はスピ
ネルを、「cor.」はコランダムをそれぞれ示す。
【0039】実施例2 以下の表2に記載する配合割合にて、各原料を配合し、
得られた配合物に外掛で7.5質量%の水を加えて混練
した後、60mm×60mm×200mmの型枠に流し
込み施工し、24時間養生することにより硬化体を得
た。次に、得られた硬化体を型枠から外し、110℃で
24時間乾燥することにより供試体を得た。得られた供
試体を通常の回転ドラム侵食試験法で試験した。なお、
侵食材として取鍋スラグを用いた。侵食深さを測定し、
表2中の比較品1を10として指数で示した。数値の小
さい方が耐食性が良好であることを示す。また、100
0℃加熱−水冷を反復する方法で熱衝撃試験を行なっ
た。亀裂による割れによって剥落が生じるまでの反復回
数を表2に記載する。数字が大きい程剥落が生じ難く、
耐熱衝撃性に優れることを示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の電融スピネル原料は、アルミナ
原料と比較して格段に高い耐食性を保有し、且つ熱間で
の応力緩和性を有することにより、高い耐熱衝撃性を有
するものである。また、本発明の電融スピネル原料を耐
火物に使用することにより、耐割れ性に優れた耐火物を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金重 利彦 東京都千代田区九段北四丁目1番7号 品 川白煉瓦株式会社内 (72)発明者 佐々木 久晴 東京都千代田区九段北四丁目1番7号 品 川白煉瓦株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA07 AA16 AA36 AA37 BA23 BA25 BA33 4G033 AA03 AB02 4K051 BE03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MgOとAlの合量:90質量%
    以上、MgO:5〜25質量%、TiO:1〜5質量
    %、SiO:0.4〜3質量%、ただし、TiO
    SiOの含有比率:1.2〜4、及びその他の成分が
    3質量%以下(ゼロを含む)の組成を有し、且つ主要鉱
    物相がスピネル結晶及びコランダム結晶から構成される
    ことを特徴とすることを特徴とする電融スピネル原料。
  2. 【請求項2】 MgOとAlの合量:90質量%
    以上、MgO:5〜25質量%、TiO:1〜5質量
    %、SiO:0.4〜3質量%、ただし、TiO
    SiOの含有比率:1.2〜4、CaO:0.05〜
    1質量%、及びその他の不可避成分が2質量%以下(ゼ
    ロを含む)の組成を有し、且つ主要鉱物相がスピネル結
    晶及びコランダム結晶から構成されることを特徴とする
    ことを特徴とする電融スピネル原料。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の電融スピネル原
    料を10質量%以上含有してなることを特徴とする耐火
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011057536A (ja) * 2009-09-04 2011-03-24 Shinagawa Refractories Co Ltd スピネル質耐火物
JP2017512738A (ja) * 2014-03-18 2017-05-25 サン−ゴバン サントル ドゥ ルシェルシェ エ デトゥードゥ ユーロペン マグネシウムに富むアルミン酸マグネシウムの融合粒子
CN109608174A (zh) * 2019-01-09 2019-04-12 武汉科技大学 可水合氧化铝结合刚玉-尖晶石浇注料及其制备方法

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