JPH10203862A - 高温焼成マグクロ質れんが - Google Patents

高温焼成マグクロ質れんが

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JPH10203862A
JPH10203862A JP9005733A JP573397A JPH10203862A JP H10203862 A JPH10203862 A JP H10203862A JP 9005733 A JP9005733 A JP 9005733A JP 573397 A JP573397 A JP 573397A JP H10203862 A JPH10203862 A JP H10203862A
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brick
cao
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magnesium
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JP9005733A
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English (en)
Inventor
Ryosuke Nakamura
良介 中村
Masanori Ogata
昌徳 小形
Minoru Sudo
実 須藤
Kazuyoshi Hosokawa
和芳 細川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinagawa Refractories Co Ltd
Original Assignee
Shinagawa Refractories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撓み性,耐食性,耐火性の優れ、また、セメ
ントロ−タリ−キルンなど機械的応力の大きな炉に好適
な耐火物(高温焼成マグクロ質れんが)を提供すること。 【解決手段】 CaOが1.5〜3.0重量%でFe2O3が0.5重量
%未満のCaO含有マグネシアクリンカ−を15〜70重量%
と、Fe2O3が20〜30重量%の高Fe2O3クロム鉱を25〜45重
量%とを使用し、残部が一般のマグネシアクリンカ−,
クロム鉱,酸化クロム,電融または焼結マグクロクリン
カー,れんが屑などからなるマグクロ質れんがであっ
て、該れんが中にSiO2が0.8重量%未満,CaOが0.8〜1.6
重量%,Fe2O3が7〜11重量%,Cr2O3が15〜25重量%含
有する高温焼成マグクロ質れんが。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温焼成マグクロ
質れんがに関し、セメントロ−タリ−キルン,金属精錬
炉,鋼の真空脱ガス炉等に好適な高温焼成マグクロ質れ
んがに関する。
【0002】
【従来の技術】セメントロ−タリ−キルンの高温焼成帯
では、マグネシア・スピネル質やマグネシア・クロム質
の高温焼成れんがが使用されている。このうち、マグネ
シア・スピネル質れんがは、コ−チング付着性が悪く、
耐食性や熱間強度もマグネシア・クロム質れんが(以下
“マグクロ質れんが”という)に劣るため、最近の高温
操業下では、マグクロ質れんがの使用比率が増大してい
る。
【0003】ところで、マグクロ質れんがの改良は、こ
れまで耐食性や熱間強度の向上に主眼がおかれており、
熱間でも溶融しない強固な結合組織を発達させる方向で
開発が進められてきている。そのため、従来のマグクロ
質れんがでは、該れんが中のSiO2,CaO,Fe2O3成分は、
不純物として取り扱われ、これらの成分が少ない原料を
用いた“堅い性質のれんが”が指向されてきた。
【0004】しかしながら、強固な結合組織をもった
“堅い性質のマグクロ質れんが”であっても、強い機械
的応力を受けた場合には破壊が生じ、耐用性が低下する
欠点を有している。例えば、セメントロ−タリ−キルン
は、径が大きく、長さも100mを超えるものが3〜5箇
所の支点で回転するため、ト−ションストレス及びオ−
バリティ−等の機械的応力を強く受ける。そのため、稼
働初期に“堅いマグクロ質れんが”が破壊し、問題を生
じる場合があった。
【0005】こうした機械的応力の強い使用条件では、
“堅い性質のマグクロ質れんが”よりも、撓み性をもっ
た“柔らかいマグクロ質れんが”の方が、応力を緩和す
ることで破壊を防止し、耐用性に優れることが知られて
いる。
【0006】一方、マグクロ質れんがの力学的な性質
は、その粒界相の組成と分布に大きく影響されることは
広く知られている。即ち、マグネシアクリンカ−とクロ
ム鉱を主体とした高温焼成マグクロ質れんが(いわゆる
“ダイレクトボンド質マグクロ質れんが”)において
は、粒界相は、二次スピネル,シリケ−ト(珪酸塩鉱
物),2CaO・Fe2O3,B2O3含有ガラスに大別される。[な
お、シリケ−ト(珪酸塩鉱物)とは、フォルステライト(2
MgO・SiO2),モンチセライト(CaO・MgO・SiO2),メルヴィ
ナイト(3CaO・MgO・2SiO2),2CaO・SiO2などのSiO2系化合
物のことである。]
【0007】このうち、二次スピネル以外の粒界相は、
熱間では液相となるが、それぞれ組成の違いによって挙
動が異なり、れんがに与える影響が異なる。そして、熱
間でれんがに撓み性を付与するためには、2CaO・Fe2O3
効果的であることが従来から知られている。例えば、特
公平7-10741号公報には、「れんが中のFe2O3含有量が3.
5〜10重量%,CaO含量が1〜3重量%及びCr2O3含量が6〜
15重量%であることを特徴とするマグネシア・クロム系
れんが」が開示されており、“2CaO・Fe2O3は、酸化,還
元の雰囲気変化に安定で、撓み性(柔軟性)に効果があ
る”ことが記載されている。また、その製造方法とし
て、Fe2O3を3.5〜10%,CaOを1.5〜3%含有したマグネ
シアクリンカ−を原料として使用することが開示されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したFe
2O3とCaOとを含有したマグネシアクリンカ−は、骨材内
部に2CaO・Fe2O3を含有しているため、撓み性に優れてい
るが、クリンカ−自体の耐食性は不十分であった。
【0009】一方、2CaO・Fe2O3による耐食性の低下を補
償するためには、クロム鉱の配合量を増加して、れんが
のCr2O3量を高める方法が有効であると考えられる。し
かしながら、Fe2O3とCaOを含有したマグネシアクリンカ
−を用いる方法では、クロム鉱の配合量を増加すると
“構造的・熱的スポ−リング性を抑制することが達成で
きなくなる”ため、れんがのCr2O3量としては、6〜15重
量%に限定されているものであった(前掲の特公平7-107
41号公報参照)。
【0010】れんが中のCr2O3成分は、耐食性と耐火性
を高める重要な成分であるため、前掲の「Cr2O3量が6〜
15重量%で撓み性を有するマグクロ質れんが」では、セ
メントロ−タリ−キルンのやや温度が低い“低温焼成帯
域用”には適しているが、温度が最も高い“高温焼成帯
域用”としては、十分な品質のものではないという問題
点を有している。
【0011】本発明は、前記問題点に鑑み成されたもの
であって、その目的とするところは、高温焼成されたマ
グクロ質れんがについて、粒界相の組成と分布を制御す
ることで、熱間での撓み性を高めたものであって、撓み
性,耐食性,耐火性の優れた高温焼成マグクロ質れんが
を提供することにある。また、本発明の目的は、セメン
トロ−タリ−キルンなど機械的応力の大きな炉に好適な
耐火物(高温焼成マグクロ質れんが)を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、CaOやFe2
O3を含有する様々な原料を用いて、撓み性をもちながら
耐食性,耐火性にも優れる高Cr2O3れんがについて、実
験的に検討した。その結果、原料として、CaOとFe2O3
含有したマグネシアクリンカ−を使用するのではなく、
CaOを含むマグネシアクリンカ−とFe2O3に富むクロム鉱
石とを用い、この両者を適正に配合することにより、焼
成時に、両者の反応で2CaO・Fe2O3が、れんがマトリック
ス中に均一に生成するようになり、撓み性をもつマグク
ロ質れんがが得られることを見い出した。また、この手
段において、クロム鉱の配合量を増加してCr2O3量が15
〜25%のマグクロ質れんがとすることにより、撓み性と
耐食性,耐火性に優れた耐火物が実現されることを見い
出し、本発明を完成したものである。
【0013】即ち、本発明は、「CaOが1.5〜3.0重量%
でFe2O3が0.5重量%未満のCaO含有マグネシアクリンカ
−を15〜70重量%と、Fe2O3が20〜30重量%の高Fe2O3
ロム鉱を25〜45重量%とを使用し、残部が一般のマグネ
シアクリンカ−,クロム鉱,酸化クロム,電融または焼
結マグクロクリンカー,れんが屑などからなるマグクロ
質れんがであって、該れんが中にSiO2が0.8重量%未満
,CaOが0.8〜1.6重量%,Fe2O3が7〜11重量%,Cr2O3
が15〜25重量%含有してなることを特徴とする高温焼成
マグクロ質れんが。」(請求項1)を要旨とし、そして、 ・前記高Fe2O3クロム鉱として0.1〜1.5mmの粒度が80
%以上のものを使用し、前記マグクロ質れんがを1650〜
1900℃で焼成してなること(請求項2)、を本発明の好ま
しい実施態様とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を含め
て、本発明に係るマグクロ質れんがついて詳細に説明す
るが、それに先立って、本発明と従来技術との関係につ
いて再度詳細に説明する。
【0015】本発明に係るマグクロ質れんがは、その特
徴点の1つは、原料として「CaO含有マグネシアクリン
カ−とFe2O3に富むクロム鉱(高Fe2O3クロム鉱)との組合
せ」にある。ところで、これらの原料そのものは、従来
から使用されていたものであり、例えば、CaOが多いマ
グネシアクリンカ−(CaO含有マグネシアクリンカ−)と
しては、ギリシャ産のものが古くから使用されている。
また、特開平7-206513公報には、0.5〜5.0重量%のCaO
を含有するマグネシアクリンカ−を用い、マグクロ質れ
んがの耐構造的スポ−リング性を改善する方法が開示さ
れている。
【0016】しかし、CaOを含有したマグネシアクリン
カ−を用いるだけでは、本発明で目的とする撓み性,耐
食性,耐スポ−リング性を得ることは困難である。この
ことは、上述の特開平7-206513公報に「CaOを3重量%含
有したマグネシアクリンカ−の使用粒度が74μm以下の
微粉域では、れんが中のMgO,Cr2O3以外の組成と反応
し、低融点化合物を形成し、れんがの焼成後に著しい変
形を伴い、製造が困難であると判断した」と記述されて
いることからも明らかである。
【0017】一方、Fe2O3の多いクロム鉱(高Fe2O3クロ
ム鉱)としては、例えばトランスバ−ルクロム鉱が知ら
れており、古くから耐火物用原料として使用されてい
る。しかし、単にFe2O3の多いクロム鉱を用いるだけで
は、本発明で目的とする撓み性を得ることができない。
このことは、前掲の特公平7-10741号公報に「Fe2O3はク
ロム鉱に多く含まれている」とし、「クロム鉱からのみ
のFe2O3の場合、このFe2O3成分は焼成時に溶出してくる
が、溶出したFe2O3成分は、二次スピネル生成のためマ
グネシア・クロム系れんが中に万偏なく拡散し難く、Ca
O,Fe2O3の生成量が少なく、撓み性を付与するに至らな
い」旨記述されていることからも明らかである。
【0018】すなわち、従来のマグクロ質れんがにおい
ても、CaO含有マグネシアクリンカ−やFe2O3に富むクロ
ム鉱(高Fe2O3クロム鉱)が使用されており、“2CaO・Fe2O
3”は或る程度れんが中に生成していた。しかしなが
ら、従来技術では、この“2CaO・Fe2O3”の分布と生成量
が制御されていなかったために、十分な撓み性は得られ
ていなかった。
【0019】本発明に係るマグクロ質れんがは、使用原
料の化学組成およびその配合量、ならびに、れんが全体
の化学組成を限定することにより、生成する“2CaO・Fe2
O3”の分布およびその生成量を制御する点に特徴を有す
るものである。そして、本発明に係るマグクロ質れんが
は、原料として「CaOが1.5〜3.0重量%でFe2O3が0.5重
量%未満のCaO含有マグネシアクリンカ−」と「Fe2O3
20〜30重量%の高Fe2O3クロム鉱」とを使用して“2CaO・
Fe2O3”の分布と生成量を制御することで、撓み性をも
ちながら耐食性,耐火性に優れたマグクロ質れんがを提
供することができ、また、耐スポ−リング性にも優れた
マグクロ質れんがを提供することができるものである
(後記実施例1〜5参照)。
【0020】本発明で用いるCaO含有マグネシアクリン
カ−は、前記したとおり、CaOが1.5〜3.0重量%(好まし
くは1.6〜2.5重量%)で、Fe2O3が0.5重量%未満のもの
である。CaO量が1.5重量%未満では、2CaO・Fe2O3が十分
に生成されず、目的とした効果を上げることができず、
逆に3.0重量%を超えると、ペリクレ−ス結晶からCaOが
多量に遊離するため、マグネシアクリンカ−の耐水和性
が低下するので好ましくない。また、マグネシアクリン
カ−自体が十分な耐食性をもつためには、Fe2O3含有量
は0.5重量%未満であることが必要である。
【0021】本発明において、前記したCaO含有マグネ
シアクリンカ−の配合量は、15〜70重量%である。15重
量%未満では、“2CaO・Fe2O3”の生成量が少なく十分な
撓み性が得られず、また、70重量%を超えると、れんが
の耐食性が低下するので好ましくない。
【0022】本発明で使用するCaO含有マグネシアクリ
ンカ−としては、CaCO3を含有した天然マグネサイト鉱
石から製造される焼結または電融マグネシアクリンカ−
が適しているが、海水や塩水を出発原料とした焼結また
は電融マグネシアクリンカ−であって、製造時にCaOを
付加したものも使用することができる。
【0023】本発明において、上記CaO含有マグネシア
クリンカ−と併用するクロム鉱は、もともとFe2O3を含
有する原料であるが、マグネシアクリンカ−と反応して
“2CaO・Fe2O3”を十分に生成するためには、Fe2O3を20
〜30重量%含有する高Fe2O3クロム鉱を使用する必要が
ある。なお、クロム鉱中の酸化鉄は、FeOとFe2O3の両方
で存在しているが、ここでは「1.11×FeO+Fe2O3」の計
算式によって全てFe2O3に換算した場合の含有量で示し
てある(以下、れんが全体のFe2O3量についても同様であ
る)。
【0024】2CaO・Fe2O3結合は、マグネシアクリンカ−
中のCaOとクロム鉱中の酸化鉄の反応によって生じるた
め、この反応を十分に生じさせるためには、クロム鉱を
粗粒ではなく、中粒〜微粉で使用するのが好ましい。し
かし、酸化鉄の多いクロム鉱を微粉で多量に使用する
と、雰囲気変化によってれんが中の酸化鉄がFeOとFe2O3
の変化を繰り返すことにより、いわゆる“バ−スチング
現象”が生じやすい。従って、高Fe2O3クロム鉱の粒度
としては、0.1〜1.5mmが80重量%以上(好ましくは90
重量%以上)であることが望ましい。1.5mm以上の粒度
を多く含有するものでは、反応性が低下するので好まし
くない。
【0025】本発明において、前記した高Fe2O3クロム
鉱の配合量は、25〜45重量%である。25重量%未満で
は、れんがのCr2O3が少なく耐食性が低下し、逆に、45
重量%を超えると、れんが中のFe2O3が過剰となり耐食
性が低下するので好ましくない。
【0026】高Fe2O3クロム鉱としては、後記する実施
例で使用したようなトランスバ−ルクロム鉱が最適であ
るが、同じような化学成分(化学組成)を有するものであ
れば、産地を問わず使用可能である。また、必要とする
中粒を得るためには、塊鉱石から粉砕して粒度調整する
以外に、クロムサンドとして河川に産する粒鉱石を使用
することもできる。
【0027】ところで、れんが中のSiO2が多い場合やCa
O/SiO2重量比が1.0以下の場合には、CaOはSiO2と優先
的に結合してシリケ−トを生じてしまい、“2CaO・Fe
2O3”の生成量が少なくなる。従って、本発明に係るマ
グクロ質れんがは、該れんが中のSiO2が0.8重量%未
満,CaOが0.8〜1.6重量%であることが必要である。ま
た、このようなSiO2量を実現するためには、マグネシア
クリンカ−原料中のSiO2量は0.5重量%以下、クロム鉱
原料中のSiO2量は1重量%以下であることが望ましい。
【0028】本発明に係るマグクロ質れんが中のFe2O3
量については、7〜11重量%を必要とする。7重量%未満
では、“2CaO・Fe2O3”の生成量が不十分であり、逆に11
重量%を超えると、耐食性の低下が大きくなるので好ま
しくない。また、耐食性を維持するためには、れんがの
Cr2O3量は、15重量%以上であることが望ましい。一
方、Cr2O3が25重量%より多くなりすぎると、CaO−Cr2O
3系の低融物が生じるため、15〜25重量%が適してい
る。
【0029】本発明は、前記したとおり、撓み性をもち
ながら耐食性,耐火性,耐スポ−リング性に優れたマグ
クロ質れんがを提供することができるものであり、これ
は、前記した「CaO含有マグネシアクリンカ−」と「高F
e2O3クロム鉱」との組合せによって生じるものであり、
この“両原料を使用する点”を本発明の必須構成要件と
するが、その他の原料については、従来のマグクロ質れ
んがと同様、後記する一般のマグネシアクリンカ−,ク
ロム鉱,酸化クロム,電融または焼結マグクロクリンカ
ー,れんが屑などを使用することができる。
【0030】例えば、CaO含有マグネシアクリンカ−に
加えて、CaOを殆ど含まない高純度マグネシアクリンカ
−,CaOとFe2O3を含むマグネシアクリンカ−,純度はや
や劣るが電融された大結晶質のマグネシアクリンカ−な
どを或る程度併用することもできる。この場合、目的に
応じて、その使用粒度を使い分けることもできる。ま
た、酸化クロム粉末についても、粒度や成分を特に限定
するものではないが、95重量%以上の高純度のものを使
用するのが望ましい。
【0031】その他、電融または焼結のマグクロクリン
カ−原料については、“2CaO・Fe2O3結合”の特徴を損な
わない範囲で、様々な組成の市販原料を用いることがで
きる。また、マグクロ質れんがのれんが屑を有効に活用
することも可能である。
【0032】さらに、上記配合物に、本発明の効果を損
なわない範囲において、アルミナ,酸化鉄,酸化チタ
ン,ジルコン,ジルコニア,希元素酸化物,金属粉,炭
化物,ほう化物,窒化物,その他を適量添加してもよい
ことは、従来のマグクロ質れんがと同様であり、いずれ
も本発明に包含されるものである。
【0033】次に、本発明に係るマグクロ質れんがの製
造方法について説明すると、製造方法自体は、従来のマ
グクロ質れんがの場合と同様であり、前記した各原料を
配合し、混練,成形,乾燥,焼成して製造することがで
きる。結合剤としては、水,リグニンスルホン酸,糖
密,フェノ−ル樹脂,硫酸マグネシウムなど様々なもの
が使用可能である。また、成形手段としては、フリクシ
ョンプレス,オイルプレス,ラバ−プレスなど様々な製
造設備が使用可能である。
【0034】本発明において、焼成温度としては、1650
〜1900℃とし、未焼成部分が残らないように十分な時間
を保持することが望ましい。1650℃未満では、結合組織
の発達が不十分で、れんがの耐食性が低下するので好ま
しくなく、一方、1900℃を超える焼成温度では、れんが
の変形が大きくなり、製造に適さない。なお、焼成時に
比較的低温で生成した“2CaO・Fe2O3”は、さらに高温で
の焼成中にマグネシアクリンカ−中に固溶するようにな
り、焼成後の煉瓦では顕微鏡下で確認が難しくなる。し
かしながら、ペリクレ−ス中に固溶した“2CaO・Fe2O3
は、れんがが1200〜1400℃に再加熱された時に離溶析出
してくるため、使用時には“2CaO・Fe2O3結合”の効果が
発揮されるようになる。
【0035】本発明に係るマグクロ質れんがの優れた
「撓み性,耐食性,耐火性,耐スポ−リング性」は、セ
メントロ−タリ−キルンだけでなく、様々な金属精錬炉
に使用できる。特に、製鋼工程におけるRHやDHなど
の真空脱ガス槽では、熱衝撃によるスポ−リングや、炉
体の変形による機械的な割れに起因する損傷が大きいた
め、本発明に係るマグクロ質れんがの上記金属精錬炉へ
の使用は、より効果的である。
【0036】
【実施例】次に、本発明に係るマグクロ質れんがの実施
例を比較例と共に挙げ、本発明を具体的に説明する。こ
こで、以下の実施例および比較例で使用する各原料につ
いて、それらの化学組成をまとめて表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】(実施例1〜5,比較例1〜6)上記表1
に示した各原料を用い、次の表2に示す割合で配合し、
各配合物に結合剤としてフェノ−ル樹脂を外掛けで2重
量%添加し、混練した。この混練物をオイルプレスで成
形し、乾燥後トンネルキルンで1700℃で焼成してマグク
ロ質れんがを作製した。得られた各れんがの化学組成
(重量%)を表2に示す。また、各れんがの「撓み量」
「侵食試験」「耐スポ−リング性」の各試験結果を同じ
く表2に示す。
【0039】なお、表2に示すれんがの「撓み量」は、
40×40×160mmに切り出した試料について1400℃で3
点曲げ試験を行い、破断に至るまでの変位量を測定する
ことで評価した。また、「侵食試験」は、回転ドラム侵
食テスト装置を用いてウラストナイトスラグを使用し、
1600℃で5時間の条件で行った。
【0040】スポ−リング試験は、40×40×40mmに切
り出した試料について、1000℃の電気炉内で15分間保持
した後、該試料を水槽に入れて急冷する操作を繰り返し
て行った。この試験では、試料の表面に生じた亀裂が熱
衝撃の繰り返しによって伸展し、ついには試料が割裂す
るが、この割裂に至るまでの急冷操作の反復回数により
「耐スポ−リング性」を評価した。
【0041】
【表2】
【0042】表2から明らかなように、本発明で規定す
るCaO含有マグネシアクリンカ−と高Fe2O3クロム鉱との
組合せからなり、かつ本発明で規定するれんが全体の化
学組成を有する実施例1を基準にした場合、マグネシア
原料として高純度マグネシアクリンカ−のみを用いた比
較例1および本発明外の低Fe2O3クロム鉱,を用い
た比較例3,4では、十分な撓み性は得られなかった。
また、本発明外の「2CaO・Fe2O3を含有したマグネシアク
リンカ−」を用いた比較例2では、撓み性は得られるも
のの、耐食性が不十分であった。
【0043】一方、本発明で規定する「CaO含有マグネ
シアクリンカ−と高Fe2O3クロム鉱の組合せ」において
も、クロム鉱配合量が20重量%と少ない比較例5では、
れんがのCr2O3が少なく、耐食性が不十分であった。ま
た、クロム鉱配合量の多い比較例6では、Fe2O3とCr2O3
が過剰であり、耐食性が不十分であった。また、比較例
1〜6では、いずれも耐スポ−リング性が劣るものであ
った。
【0044】これに対して、本発明で規定する「CaO含
有マグネシアクリンカ−と高Fe2O3クロム鉱との組合
せ」からなり、かつ本発明で規定するれんが全体の化学
組成を有する実施例1〜5では、いずれも十分な撓み性
が得られ、しかも耐食性および耐スポ−リング性に優れ
たものであった。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、使用原
料の化学組成およびその配合量、ならびに、れんが全体
の化学組成を限定することにより、特に、特定のCaO含
有マグネシアクリンカ−と高Fe2O3クロム鉱とを併用す
ることで、撓み性をもちながら耐食性,耐火性,耐スポ
−リング性に優れた高温焼成マグクロ質れんがを提供す
ることができる。そして、本発明に係る高温焼成マグク
ロ質れんがは、セメントロ−タリ−キルン,金属精錬
炉,鋼の真空脱ガス炉等に好適に使用することができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaOが1.5〜3.0重量%でFe2O3が0.5重量
    %未満のCaO含有マグネシアクリンカ−を15〜70重量%
    と、Fe2O3が20〜30重量%の高Fe2O3クロム鉱を25〜45重
    量%とを使用し、残部が一般のマグネシアクリンカ−,
    クロム鉱,酸化クロム,電融または焼結マグクロクリン
    カー,れんが屑などからなるマグクロ質れんがであっ
    て、該れんが中にSiO2が0.8重量%未満,CaOが0.8〜1.6
    重量%,Fe2O3が7〜11重量%,Cr2O3が15〜25重量%含
    有してなることを特徴とする高温焼成マグクロ質れん
    が。
  2. 【請求項2】 前記高Fe2O3クロム鉱として0.1〜1.5m
    mの粒度が80%以上のものを使用し、前記マグクロ質れ
    んがを1650〜1900℃で焼成してなることを特徴とする請
    求項1に記載の高温焼成マグクロ質れんが。
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