JPH0239710Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 自動加工装置において利用されるパレツト搬入
装置において、ワークを搬送路から自動加工装置
の所定位置へパレツトに載せたまま自動的に搬入
し、パレツト並びにワークを所定位置に精度よく
支持し得る装置であつて、パレツトを搬入する案
内滑車群を一斉に上昇、下降並びに退避させるよ
うに構成して、上昇位置でパレツトを受け入れか
つ取り出し滑行案内させ、下降位置で所定位置に
固定支持できるようにしたもので、簡単な装置で
素早くパレツトを所定位置に位置決めすることが
できるものである。

従来の技術 自動加工装置では、ワークを搭載したパレツト
を受け入れてこれを所定位置に固定支持させ、パ
レツトに載つたワークに各種の加工を施した後、
再びこのパレツトを取り出してワークを交換する
ことが行われている。

ところで、このようなパレツトを自動加工装置
へ搬入するにあたつては各種の取り込み支持手段
が利用されているが、より早くかつ精度よく所定
位置にパレツトを配置させることが必要である。

しかるに、このようなパレツトを受け入れて加
工装置の所定部に配置するに当たつては、パレツ
トを走行移動させる案内手段、所定位置に至つた
パレツトを安定支持させる固定支持手段を必要と
しており、前者の案内手段としては一般にローラ
等が利用され、後者の固定支持手段としては前記
のローラ群も降下もしくは退避させて油圧シリン
ダ等のクランプ装置により基準シート上にパレツ
トを固定させている。そしてローラ群を一斉に下
部や水平位置の基準シート面より退避させ、次い
で基準シート面上においてパレツトを滑らせて位
置決めしている。従つてローラの退避手段とは別
にワークを位置決めする手段を必要としており、
かつ位置決め時間の短縮などの問題が生じてい
た。

考案が解決しようとする問題点 そこで本考案は、加工装置のワークパレツト受
け入れ部に設ける案内滑車群をパレツトの支持並
びに左右案内滑車群として構成すると共に、ひと
つの駆動系によつてこれらの案内滑車群を一斉
に、かつ支持案内滑車群は下降方向へ、左右案内
滑車群はそれぞれ外方向へ退避できるように構成
し、短時間で受け入れパレツトを所定位置に安定
支持させるように構成したものである。

問題点を解決するための手段 即ち、パレツト搬入支持位置の左右両側に、パ
レツトの両側面及び端縁下面を受け支える滑車を
それぞれ先端に設けた複数の腕枠をパレツトの両
側端下方に対向させるように傾斜させて枢支し、
該腕杆の他端側は左右両端それぞれにおいて互い
に連結杆で接続すると共に、この両端の連結杆は
互いにリンク機構を介して連結し、１個の作動シ
リンダーによつて両連結杆を一斉に進退動させ該
腕杆を一斉に揺動させることによつて、受け入れ
搬入したパレツトを所定位置に降下支持させるよ
うに構成したことを特徴とするものである。

作 用 パレツトの受け入れ配置部の左右両側に、パレ
ツトの両端面及び該端面の下面を受け支える滑車
をそれぞれ１個先端に設けた腕杆を複数組パレツ
トの端縁側へ傾斜させて枢支し、これらの腕杆は
その後端側を左右両側それぞれにおいて連結杆で
接続すると共に、１個の作動シリンダーによつて
左右の連結杆を一斉に進退動させて両側の腕杆を
一斉に揺動させ、この揺動によつて受け入れ支持
滑車を下降させて、パレツトを基準シート上に降
下支持させると共に左右両側面案内滑車は水平位
置の基準シート端面より退避させてパレツトを所
定位置に固定支持できるようにしたものである。

実施例 以下図面に基づいて、本考案を詳細に説明する
が、図は本考案の具体的な実施の一例をターレツ
ト型マシニングセンタに適用したものを示したも
ので本考案は、他の加工前記にも同様に実施でき
る。また本考案は図示例に限定されず、前、後記
の趣旨に沿つて一部の設計を変更したり或は一部
の構成を変更しても同様に実施することができ
る。

第１図（正面図）及び第２図（平面図）は本考
案に係るパレツト搬入装置１を対設したターレツ
ト型マシニングセンタ２，２のほぼ中間に配設し
たものを示しており、搬入装置１は固定的に設け
られており、搬入したパレツト３を固定支持する
と共に自由位置に回動されるようになつており、
マシニングセンタ２は前後左右にそれぞれ移動し
てパレツト３に取り付けられたワークＷの所定部
に加工を施すようになつている。そして、パレツ
ト３はワーク搬送路４と搬入装置１との間に定置
的に配設された受け渡しレール５によつて移動
し、その移動は移動装置６に設けられたスイング
アーム６ａによつて往復移動する。なお、スイン
グアーム６ａの先端とパレツト３との係合は溝係
合としてパレツトのシフトによつて開放され、図
示の位置において係合するようになつている。そ
してパレツト３をワーク搬送路４側へ移動してか
らワークＷを交換し、新しいワークを搭載したパ
レツト３を移動装置６によつて搬入装置１へ取り
込むようにしている。

一方、搬入装置１は第３図（拡大平面図）、第
４図（第３図の下部側正面図）及び第５図（第４
図の左側面図）のように構成されている。即ち、
ワークの加工位置を変えるために装置全体を回動
させる回動支軸８ａの一端側に壁板８を固設し該
壁板８に搬入装置１が組み付けられる。なお、図
は壁板８が平面に沿つて回動し、所定位置で停止
できるものを示したが、固定的に設けられた壁板
であつても同様に適用することができる。９，９
は突座であつて取付側に取付板９ｄを一体的に形
成して壁板８に固設し、その上面側に押圧支持装
置７，７をそれぞれ突出させる。

なお、この押圧支持装置７としては従来から利
用されているクランプ装置を利用し、パレツト３
或はワークの一部を押圧してパレツト並びにワー
クを所定位置に固定支持する。また、図はこの支
持装置７を両側の突座９，９に対称的に設けたも
のを示したが、ワーク等によつて任意のものを任
意数設けてもよい。他方、突座９は第７図（第４
図の一部拡大図）にも示すように外側へ拡大した
傾斜面９ａを部分的に形成しており、該傾斜面９
ａの接続部分にはリブ９ｂを形成すると共に該リ
ブ９ａ部はそれぞれ内側に突出させて支え部９ｃ
を形成し、該支え部９ｃをパレツト３の支持座と
する。そして該支持座９ｃにはパレツト３と密着
して位置決めする下部基準シート１０が設けられ
ており、該基準シート１０上には清掃と密着検知
を兼ねた空気噴出孔が設けられている。

一方、本考案に利用するパレツト３としては両
側端面３ｃ，３ｃ（第３図）を平滑仕上面とする
と共にその下面３ｄ（第７図）の下面内側には下
部を平滑仕上面としたレール３ａをそれぞれ形成
する。

本考案の要部はこのようなパレツト３を簡単な
手段で搬入して安定支持するように構成するもの
で、第７図に示すように前記突出座９の傾斜面９
ａに支軸１３を介して腕杆１２を枢支する。な
お、この傾斜面９ａの角度は45度であることが推
奨され、腕杆１２も同様に45度で傾斜している。
そして該腕杆１２の上部先端側には案内部を形成
してパレツト３の前記両側下面３ｄを受け支える
支持滑車１４とパレツトの両側端面を案内する案
内滑車１５をそれぞれ遊支して構成し、これらの
腕杆１２を複数両側の突座９の傾斜面に枢支す
る。そして、該腕杆１２の他端側は二又に形成し
て連結杆１６を枢支し、該連結杆１６は互いに螺
子杆１６ａで接続する（第５図）。第６図（組付
説明図）はこれら腕杆１２の接続並びに駆動を示
す説明図で、両側の突出座９，９にそれぞれ枢支
された腕杆１２を互いに連結し、その一方側（図
では左側の突座の取付板傾斜面）に支軸１３と同
じように軸１３ａを回転自在に枢支し、該軸１３
ａの下部側にＬレバー１７をキーを介して固設す
ると共に上端側にレバー１８を固設する。そして
該レバー１８はその先端を作動シリンダー１１の
ロツド１１ａと係合する。なお、この作動シリン
ダー１１は第５図に示すように突出座９に設けら
れている。他方Ｌレバー１７の他端側には連結杆
１９及び螺子杆１９ａを介して壁板８に枢支され
たリンクレバー２０とを接続し、該リンクレバー
２０の他端側には前記したと同じように傾斜面１
９及び螺子杆１９ａを介して反対側突出座９に前
記したと同じように設けたＬレバー１７ａの一端
側と連結する。これらのレバー１８、Ｌレバー１
７，１７ａ、連結杆１９およびリンクレバー２０
によつてリンク機構が形成されている。よつて作
動シリンダー１１の作動によつて左右両側の腕杆
１２が一斉に揺動し、その駆動はリンクレバー２
０によつて互いに同一方向へ揺動される。一方、
腕杆１２のそれぞれ先端側に遊支される前記支持
滑車１４と案内滑車１５は、腕杆１２が一方向へ
揺動した位置において、 第７図に示すように支持滑車１４はパレツト３
の端縁下部３ｄに垂直に当接してパレツト３を受
け支える滑車となり、他方の案内滑車１５はパレ
ツト３の側端面に垂直に当接して水平方向の案内
滑車となり、これらの取り付け位置は前記螺子杆
１６ａ及び１９ａによつて個々に調整することが
できる。そして第７図で示す搬入状態を維持して
パレツト３を搬入し、次いで作動シリンダー１１
を作動させてロツド１１ａを押し出すとレバー１
８及びＬレバー１７を介して連結杆１６が図面下
方に移動し、腕杆１２は反時計方向に揺動され
る。また他側（右側）の腕杆１２も前記Ｌレバー
１７、連結杆１９、リンクレバー２０、連結杆１
９およびＬレバー１７ａを介して同一方向に揺動
する。

一方、第７図の状態に維持されている腕杆１２
は、その支持滑車１４の高さ位置が、パレツト３
に設けたレール３ａの底部を基準シート１０より
僅かの間隙を形成する高さで搬入するようにして
おり、案内滑車１５は相対する滑車１５群でパレ
ツト３を水平方向の基準シート１０ａと僅かの間
隙を形成する位置で搬入する。次いで前記移動装
置６によつてパレツト３が所定位置まで搬入され
ると、第６図に示した作動シリンダー１１が作動
し、前記したように双方の腕杆１２が一斉に揺動
される。しかるにこの腕杆１２はすべて傾斜して
枢支されているので、双方の腕杆１２群は、第８
図及び第９図（いずれも作動説明図）に示すよう
に揺動によつて支持滑車１４が一点鎖点１４ａに
位置すると共に、この変位によつて支持高さ位置
を低下させる。よつてパレツトのリンク３ａを基
準シート１０上に当接させて規定高さ位置に支持
する。他方案内滑車１５もこの揺動によつて一点
鎖点１５ａに変位すると共に、パレツト３の端面
から離れてパレツトの案内を解く。なお、基準シ
ート１０上で開放されたパレツト３は、前記作動
シリンダー１１の作動が関連して揺動する押付部
材２２（第３図）がレール３ａと衝合して基準シ
ート１０ａにスプリングＳを介して弾発的に押し
付けられ、一方壁板８に揺動可能に設けられた係
合突起２１（第３図と第６図で示し、第４図では
省略している）の先端が、同じくシリンダー１１
のロツド１１ａの縮退により揺動浮上されパレツ
ト３の搬入側先端に設けた係止部３ｂと衝合する
ことによつて、パレツト３を基準シートに固定支
持することができる。すなわち、これらの係合装
置は作動シリンダー１１の駆動によつて、パレツ
ト３を一斉に基準シート１０上に支持させかつ、
係合装置によつて左右並びに前後位置が精度よく
位置させることができる。

効 果 本考案パレツト搬入装置はこのように構成した
から、一つの駆動系によつて支持滑車及び案内滑
車を一斉にそれぞれ支持面及び案内端面から退避
させることができ、パレツトを円滑に受入れかつ
取り出すことができる。従つて、ワークの取り付
け芯出しを短時間で行なうことができるようにな
り、加工能率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案を利用した加工装置の正面
図、第２図は第１図の平面図、第３図は本考案装
置の平面図、第４図は第３図の下側正面図、第５
図は第４図の左側面図、第６図は組付説明図、第
７図は第４図の一部拡大図、第８図及び第９図は
作動説明図である。 １……パレツト搬入装置、２……マシニングセ
ンター、３……パレツト、４……搬送路、５……
受け渡しレール、６……移動装置、７……押圧支
持装置、８……壁板、９……突出座、１０……基
準シート、１１……作動シリンダー、１２……腕
杆、１３……支軸、１４……支軸滑車、１５……
案内滑車、１６……連結杆、１７，１７ａ……Ｌ
レバー、１８……レバー、１９……連結杆、２０
……リンクレバー、２１……係合突起、２２……
押付部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動加工装置に配設され、ワークを搬送路から
   パレツトに搭載して該加工装置の所定位置に設け
   られた基準シートに搬入位置決めする装置であつ
   て、パレツト搬入支持位置の左右両側に、パレツ
   トの両側端面及び端縁下面を受け支える滑車をそ
   れぞれ先端に設けた複数の腕杆を、パレツトの両
   側端下方に対向させるように傾斜させて枢支し、
   該腕杆の他端側は左右両側それぞれにおいて互い
   に連結杆で接続すると共に、該左右両側の連結杆
   は互いにリンク機構を介して連結し、基台上に設
   けた作動シリンダーによつて両連結杆を一斉に進
   退動させ該腕杆を一斉に揺動させることにより、
   受け入れ搬入案内したパレツトを降下させて上記
   基準シートに固定支持させるように構成したこと
   を特徴とするパレツト搬入装置。