JPH0238955Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は合繊加工糸の巻糸体等を外観検査する
台車に関する。

（従来の技術） 合成繊維のフイラメントをボビンに巻着せしめ
た巻糸体即ちパーン、或いはその加工糸をボビン
に巻着せしめた巻糸体即ち加工糸チーズ等におい
ては、製品出荷前に個々の巻糸体を１本ずつ外観
検査し、外観毛羽、表面糸層の乱れ、表面汚れの
有無等を点検する必要がある。該検査は次工程で
の解舒不良、製品欠点の発生を防止する上で重要
な過程であり、製品の品位を保持する上で不可欠
の検査である。

従来かかる個別検査は、特開昭50−88335号
に開示された様に、巻糸体を製造する機台上で即
実施する。機台より玉揚げした巻糸体を運搬台
車で検査台上へ運搬し、前記台上で個別検査を実
施する。特開昭50−20890号公報に開示する様
な個装用搬送路上に検査場を設置し、走行する巻
糸体列を順次連続的に検査する。等の諸方法で実
施されている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記の方法は検査時間の長短が直ちに機台の
停台率に影響する欠点があり、又の方法は巻糸
体を運搬台車より検査台上へ、検査後これを検査
台上より運搬台車へ移し替える必要があつて、作
業が重労働である欠点があり、更にの方法はコ
ンベアラインの付設等、実施装置の設備費が高額
となる難点を有している。

本考案は従来の個別検査方法が備える上述の欠
点を解消し得る新規な検査用台車の提供を目的と
するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するために次の構成要
素を備えている。即ち巻糸体の外観を検査する台
車であつて、軸線を水平にしたペツグの複数本を
所定間隔に垂直方向に並べて保持するペツグ支持
機構と、該ペツグ支持機構を水平方向に移動可能
に支承する昇降台と、該昇降台を上下動可能に支
承する基台の３者からなり、前記昇降台にペツグ
支持機構移動用の駆動機構Ａを、又前記基台に昇
降台移動用の駆動機構Ｂを設けたものである。以
下図面に示す実施例により本考案を具体的に説明
する。

（実施例） 実施例の台車は第１図に示す通り、加工糸チー
ズ１を支承するペツグ支持機構２と、該ペツグ支
持機構２を水平方向に移動可能に支承する昇降台
３と、該昇降台３を上下動可能に支承する基台４
の３者を主要構成要素としている。

前記ペツグ支持機構２は図示の通り加工糸チー
ズ１を回転自在に支持するペツグ５の複数本を所
定間隔Ｓに且つ垂直方向に並べて保持している。

又前記昇降台３は図示の通り垂直方向の長い平
板状直方体に形成しており、且つペツグ支持機構
２と対向する壁面を黒板６，６，６にしている。
しかして前記昇降台３は水平方向に延在する上下
２本の支軸７，７を備えており、前記ペツグ支持
機構２のアーム８，８がこの支軸７，７に摺動可
能に嵌合することでペツグ支持機構２全体が水平
方向に移動可能となつている。９はペツグ支持機
構２移動用のモーター、１０は該モーター９の駆
動軸に取付けた駆動歯車、１１は該駆動歯車１０
と従動歯車（図示しない）間に張設したチエーン
であつて、これらでもつてペツグ支持機構２移動
用の駆動機構Ａ１２が昇降台３上に形成されてい
る。前記ペツグ支持機構２はチエーン１１の上下
いずれか一方に止着し、これの往復動により水平
移動する。

次いで基台４の構成を第１図により説明する。
前記基台４はペツグ支持機構２を含む昇降台３を
上下方向に移動せしめる要をなすもので、固着す
る２本の枢軸１３，１３に昇降台３のアーム１
４，１４，１４，１４を嵌合せしめ、前記駆動機
構Ａ１２と同様な形で構成した駆動機構Ｂ１５を
備えている。該駆動機構Ｂ１５のチエーン１６の
正逆転により昇降台３は上下動する。

尚、第１図上１７は加工糸チーズ１を照射する
蛍光燈、１８は台車走行用のモーター、１９は走
行用車輪、２０は台車案内用のガイドレールを示
すもので、巻糸体外観検査用台車の走行は押ボビ
ン（図示しない）を操作し前記台車走行用モータ
ー１８を駆動せしめることにより台車ペツグとロ
ツト単位で前進する。片面をすべて終了後、後退
ボタン（図示しない）を押して原点復帰させる機
構となつている。

実施例に係る検査用台車は上述の如き構成から
なるもので、次いでその作動態様について説明す
る。

延伸仮撚機等の前工程機で製造された加工糸チ
ーズ１は第２図に示す運搬台車２１のペツグ２２
を介して搬送される。本実施例の場合図示の通
り、検査用台車のペツグ５と運搬台車２１のペツ
グ２２の垂直方向の設置間隔を一致せしめている
ので、加工糸チーズ１は横滑りで検査用台車のペ
ツグ５に移載される。

次いで駆動機構Ａ１２を作動せしめて第２図の
実線の位置から点線の位置にペツグ支持機構２を
移動させ黒板６の領域中に加工糸チーズ１の全量
（図では５本）を入れる。更に適宜駆動機構Ｂ１
５を駆動し、ペツグ支持機構２を含む昇降台３を
検査最適位置に合わせるべく上下動し、順次５本
の被検査チーズ１を最適高さで検査する。

全量の検査終了後先の過程を逆に辿つて加工糸
チーズ１を運搬台車２１に挿入するのである。

（考案の効果） 本考案は上述の如きもので、巻糸体の外観を検
査する台車において、該台車に巻糸体を支持する
ペツグ支持機構２を設け、且つこれを巻糸体受け
渡しのための最適位置と外観検査のための最適位
置に移動可能に構成しているから検査対象巻糸体
の受け渡しが極めて簡便でしかも正確に検査し得
る。又本質的に台車上の検査であるから設備費が
少なくてすみ、冒頭記載の従来機構の欠点を完全
に解消し得る。

尚、上記実施例の如く黒板を背に検査し得る様
にすればより正確な検査が実施出来、又運搬台車
と検査台車のペツグ設置間隔を合せるとより軽快
に巻糸体移動が出来る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案台車の実施例を示すもので、第１図
は全体の斜視図、第２図はその使用態様を示す説
明図である。 １……加工糸チーズ、２……ペツグ支持機構、
３……昇降台、４……基台、５……ペツグ、６…
…黒板、７……支軸、８……アーム、９……モー
ター、１０……駆動歯車、１１……チエーン、１
２……駆動機構Ａ、１３……枢軸、１４……アー
ム、１５……駆動機構Ｂ、１６……チエーン、１
７……蛍光燈、１８……モーター、１９……車
輪、２０……ガイドレール、２１……運搬台車、
２２……ペツグ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 巻糸体の外観を検査する台車であつて、軸線
   を水平にしたペツグ５の複数本を所定間隔に垂
   直方向に並べて保持するペツグ支持機構２と、
   該ペツグ支持機構２を水平方向に移動可能に支
   承する昇降台３と、該昇降台３を上下動可能に
   支承する基台４の３者からなり、前記昇降台３
   にペツグ支持機構２移動用の駆動機構Ａ１２
   を、又前記基台４に昇降台３移動用の駆動機構
   Ｂ１５を設けたことを特徴とする巻糸体外観検
   査用台車。 (2) 昇降台３を、垂直方向の長い平板状直方体に
   形成し、且つペツグ支持機構２と対向する昇降
   台壁面を黒色にした実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の巻糸体外観検査用台車。 (3) ペツグ５の配列する所定間隔を、巻糸体運搬
   台車のペツグ間隔に合致せしめた実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の巻糸体外観検査用台
   車。