JPH04127765U - ペグスタンドのストレージコンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】化合繊パッケージの多数が差し込まれるペグス
タンドを貯溜するストレージコンベアの設置スペースを
小さくし、多品種にも対応し易いストレージコンベアを
提供する。 【構成】多数のパッケージが差し込まれるペグスタンド
１を列状に貯溜するストレージコンベアにおいて、該ス
トレージコンベアは少なくとも上下２段のストレージ部
２，３を有し、該ストレージ部２，３の出入口に昇降自
在なコンベア４，５を設け、上下方向にもペグスタンド
１を貯溜でき、任意のストレージ部２，３へペグスタン
ド１が出し入れできるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、化合繊の原糸が巻き取られたパッケージの多数が差し込まれるペグ スタンドを次工程で処理するまで一時的に貯溜するストレージコンベアに関し、 特に多くのペグスタンドを効率良く貯溜できるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、化合繊の原糸工場では、紡糸工程→仕上げ工程→梱包工程を経てパッ ケージが出荷される。紡糸工程では、紡出機での紡出と紡糸巻取機での巻取によ り化合繊のパッケージが巻き形成される。仕上げ工程では、パッケージの表層処 理、バンチ巻き、検査、ラベリングが行われる。梱包工程では、パッケージをパ レットに箱詰めするパレタイジング、パレットのバンディング、ラッピング、ラ ベリングが行われる。ところで、原糸工場での操業形態は、紡糸工程が２４時間 操業であるが、仕上げ工程及び梱包工程は８時間操業である。そのため、紡糸工 程と仕上げ工程の間に貯溜装置が必要となる。また、紡糸工程でのパッケージは 個々に取り扱われるのではなく、ペグスタンドに多数のパッケージを差し込み、 ペグスタンドのまま搬送・貯溜される。図２に示されるペグスタンドでは４個× ９＝３６個のパッケージが差し込まれている。

【０００３】 従来、このようなペグスタンドの貯溜には、ストレージコンベアが用いられて いる。このストレージコンベアはペグスタンドを列状に載せるローラコンベアを 平面的に多数並列配置したものである。仕上げ工程が停止している間に生産され るパッケージはペグスタンドに差し込まれたまま、ローラコンベア上に搬入され て貯溜される。そして、仕上げ工程が稼働し始めると、ローラコンベア上のペグ スタンドが一つずつ搬出され、仕上げ工程に送られる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたストレージコンベアはローラコンベアを平面的に多数並列 配置したものであり、設置面積が大きくなるという問題点を有していた。また、 原糸が多品種であると、品種毎にローラコンベアを区別する必要があり、余計に 多くのローラコンベアが必要であり、設置面積も一層大きくなる。

【０００５】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、化合繊パッケージの多数が差し込まれるペグスタン ドを貯溜するストレージコンベアの設置スペースを小さくし、多品種にも対応し 易いストレージコンベアを提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のストレージコンベアは、多数のパッケー ジが差し込まれるペグスタンドを列状に貯溜するストレージコンベアにおいて、 該ストレージコンベアは少なくとも上下２段のストレージ部を有し、該ストレー ジ部の出入口に昇降自在なコンベアを設けたものである。

【０００７】

【作用】

少なくとも上下２段のストレージ部により上下方向にもペグスタンドを貯溜で き、ストレージ部出入口の昇降自在なコンベアを使うと、任意のストレージ部へ ペグスタンドが出し入れされる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。図１は本考案のストレー ジコンベアの側面図であり、１はペグスタンド、２，３はストレージ部を形成す るローラコンベア、４は入口昇降コンベア、５は出口昇降コンベアである。

【０００９】 ローラコンベア２，３は多数のスリップ可能な駆動ローラ６を列設したもので あり、フレーム枠７により上下２段に設置されている。このローラコンベア２， ３上にペグスタンド１が一列に貯溜される。また、ローラコンベア２，３の入口 に光学式センサ８が配設され、出口に進退自在なストッパー９が取付けられてい る。

【００１０】 入口昇降コンベア４及び出口昇降コンベア５も駆動ローラ６を列設したもので あり、サイドフレーム７ａ，７ｂに沿ってその全体が昇降し、実線位置と二点鎖 線位置の間を往復できる。昇降機構は例えばチェーンと駆動スプロケットがサイ ドフレーム７ａ，７ｂに設けられ、コンベア４，５がこのチェーンに掛けられて 昇降するもの等である。なお、１０は入口昇降コンベア４に沿って走行する無人 搬送車であり、１１は出口昇降コンベア５に沿って走行自在な移載トラバーサで ある。

【００１１】 ペグスタンド１は、図２に示されるように、台座１２の２つのコーナーに縦枠 １３が立設され、縦枠１３間に３本の横枠１４が固設され、１本の横枠１４に３ 本のペグ軸１５が水平に突設されたものである。ペグ軸１５は紡糸巻取機のボビ ンホルダと略同じ長さを有し、図示例では紡糸巻取機で巻き取られた４個のパッ ケージＰがペグ軸１５に差し込まれている。ペグ軸１５は９本あるので、合計３ ６個のパッケージＰが保持されている。図示の満杯の状態で紡糸巻取機から無人 搬送車１０で運ばれ、ローラコンベア２上にそのままの状態で貯溜される。

【００１２】 つぎに、上述したストレージコンベアの作動を図１により説明する。下側のロ ーラコンベア２の次に上側のローラコンベア３へとペグスタンド１を搬入すると する。入口昇降コンベア４は図示の実線位置にあり、ストッパー９も図示の突出 位置にある。無人搬送車１０で運ばれたペグスタンド１は駆動ローラにより入口 昇降コンベア４を経てローラコンベア２上に方向に搬送され、順次当接状態と なって列状に貯溜される。ローラコンベア２が一杯になったことをセンサ８が検 知すると、無人搬送車１０からのペグスタンド１は入口昇降コンベア４上のま で運ばれて停止する（図示されない進退自在なストッパがコンベア４にも取付け られている）。そして、入口昇降コンベア４が二点鎖線位置まで上昇し、ペグス タンド１はに至る。さらに、ペグスタンド１は入口昇降コンベア４とローラコ ンベア３の駆動ローラにより方向に搬送され、順次当接状態となってローラコ ンベア３上に列状に貯溜される。搬出に際しては、出口昇降コンベア５が実線位 置にあると、下側のローラコンベア２に貯溜されたペグスタンド１が搬出される 。また、出口昇降コンベア５が二点鎖線位置から実線位置に下降することにより 、上側のローラコンベア３に貯溜されたペグスタンド１が搬出される。このよう に、二段のローラコンベア２，３を有するストレージコンベアであっても、入口 昇降コンベア４及び出口昇降コンベア５により随意の段に対して搬入・搬出が可 能である。段数を増やすことにより、貯溜できるペグスタンドの数も増え、スト レージコンベアの設置面積を一層小さくすることができる。さらに、下側のロー ラコンベア２をＡ品種用、上側のローラコンベア３をＢ品種用というように、多 品種の貯溜を垂直方向に区分して行うこともできる。

【００１３】 つぎに、上述したストレージコンベアの原糸工場での好適使用例を図３により 説明する。３０は紡糸工程レイアウト、３１は仕上げ工程レイアウト、３２は梱 包工程レイアウト、３３は自動倉庫である。この紡糸工程レイアウト３０の最終 段階として本考案のストレージコンベア３５，３６が設置されている。コンベア ３５はパッケージが差し込まれたペグスタンド（実）を貯溜し、コンベア３６は パッケージが抜かれたペグスタンド（空）を貯溜している。紡糸巻取機列３７と ２つのペグスタンドステーション３８に沿って、玉揚装置３９が走行自在に配設 されており、この玉揚装置３９が紡糸巻取機からのパッケージをペグスタンドの ペグ軸に順次差し込んでいく。ペグスタンドステーション３８のペグスタンドが 満杯になると、無人搬送車４０で実ストレージコンベア３５に運ばれ貯溜される 。そして、無人搬送車４０は帰りに空ストレージコンベア３６から空のペグスタ ンドを受け取って、ペグスタンドステーション３８まで搬送する。２４時間操業 の紡糸工程により、実ストレージコンベア３５に図２の状態のペグスタンドが貯 溜されていく。このストレージコンベア３５，３６に本考案の多段ストレージ部 を用いると設置面積が少なくなる。

【００１４】 なお、８時間操業の仕上げ工程と梱包工程を簡単に説明する。仕上げ工程はパ ッケージを個々に角型トレイ（斜め上向きの一本のペグ軸を有するもの）に挿入 し、コンベアで流しながら処理される。そのため、実ストレージコンベア３５か ら一つのペグスタンドを移載トラバーサ４１を経て押出装置４２の前まで搬送し 、ペグスタンドから押し出されるパッケージを移載ロボット４３でコンベア４４ 上の角型トレイに差し込む。そして、糸端処理装置４５でバンチ巻き等が施され 、自動検査装置４６で所定の検査が行われ、ラベラー４７でラベリングが行われ 、トレイ用ストレージコンベア４８て角型トレイに挿入したまま貯溜される。そ して、梱包工程で角型トレイから抜かれたパッケージのパレットへの箱詰めが行 われる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案のストレージコンベアは、多数のパッケージが差し込まれるペグスタン ドを列状に貯溜するストレージコンベアにおいて、該ストレージコンベアは少な くとも上下２段のストレージ部を有し、該ストレージ部の出入口に昇降自在なコ ンベアを設けたものであり、上下方向にもペグスタンドを貯溜でき、任意のスト レージ部へペグスタンドが出し入れされるようにしたので、ストレージコンベア の設置面積を大幅に小さくできる。また、設置面積が小さくなる分だけ余計にス トレージ部を増やせるので、多品種への対応も比較的容易にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案のストレージコンベアの側面図で
ある。

【図２】図２はペグスタンドを示す図である。

【図３】図３は本考案のストレージコンベアが適用され
る原糸工場のレイアウト図である。

【符号の説明】

１ ペグスタンド ２，３ ローラコンベア（ストレージ部） ４ 入口昇降コンベア ５ 出口昇降コンベア

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数のパッケージが差し込まれるペグス
   タンドを列状に貯溜するストレージコンベアにおいて、
   該ストレージコンベアは少なくとも上下２段のストレー
   ジ部を有し、該ストレージ部の出入口に昇降自在なコン
   ベアを設けたことを特徴とするペグスタンドのストレー
   ジコンベア。