JPH0237991Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、機器の開口部に取付けられる開閉
扉の構造に関する。

従来、電気機器等のケースに取付けられている
開閉扉には、扉を閉めた状態を保持するためのロ
ツク機構やこれを解除するための機構さらには扉
を引張つて開けるための引手などが必要であり、
構造が複雑でコスト高についたり、引手が外観意
匠設計上の制約になるという難点があつた。

この考案はかかる難点に鑑みて成されたもの
で、以下図面に示す実施例に基づいて、その構成
を説明する。

第１図は扉の開閉装置の側面図であり、合成樹
脂等で成形された可撓性のある扉１の一端が機器
ケース２の開口に蝶番３により開閉自在に取付け
られ、扉１の他端近くの内壁中央部にほぼ直交す
る弾性アーム４が設けられ、アーム４には、第２
図に示すように、先端に下向きの鉤状部５が設け
られるとともに、側面中間部に先後端が傾斜面
６，７に形成されこれらの連結部が平坦面８また
は緩やかな凹面に形成された略山形の摺動部９が
設けられ、先端傾斜面６はアーム４の側面と直角
以下に傾斜し、後端傾斜面７はアーム４の側面と
直角より大きく傾斜し、機器ケース２には第３図
に示すように、内部上面に摺動部９に接触してア
ーム４を下方に押曲げる柱状で先端が半球状に形
成された押え棒１０が設けられるとともに、内部
後方にアーム４が押え棒１０によつて押し曲げら
れた際鉤上部５に係合する切欠かれた係合部１１
が設けられ、かつ開口端の左右両側面に扉１の左
右両端部を係止する弾力性をもつた係止片１２が
設けられている。また、アーム４の先端近くの側
面には、扉１の押し過ぎを防ぐためのストツパー
１３が設けられている。扉１と機器ケース２は、
全体を合成樹脂で一体成形により作られている。

このように構成されており、扉１の上端中央部
を外側から押すと押え棒１０が傾斜面６に沿つて
移動しアーム４が下方に押曲げられ、押え棒１０
が平坦面８に位置したとき、鉤上部５が係合部１
１に係合し扉１が閉じてロツクされる。次に扉１
の上端近くの中央部を係止片１２の弾性に逆らつ
てさらに強く押すと、扉１がたわんでアーム４が
移動し押え棒１０が傾斜面７から矢印の向きに滑
り落ちて摺動部９のさらに側方に移動すると、ア
ーム４が真直ぐに伸びて、鉤上部５と係合部１１
との係合が解かれ、押す手を離すと扉１の復元力
と係止片のバネ力によつて扉１が開く。

上述のようにこの考案によれば、簡単な構成で
押すという動作のみで扉の開閉をすることがで
き、扉を開けるための引手を省略して扉の外観意
匠向上に寄与することができ、また扉や機器ケー
スの全体を合成樹脂で一体成形すれば安価に製造
することができる等種々の優れた効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施例を示し、第１図は扉の開閉
装置の側面図、第２図は押し棒と弾性アームとの
関係を示す斜視図、第３図は機器ケースの開口に
扉を取付けた状態の斜視図である。 １……扉、２……機器ケース、３……蝶番、４
……弾性アーム、５……鉤状部、６，７……傾斜
面、９……摺動部、１０……押え棒、１１……係
合部、１２……係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉の一端を機器ケースの開口に開閉自在に取付
   け、この扉の他端近くの内壁中央部にほぼ直交す
   る弾性アームを設け、このアームには先端に鉤状
   部を設けるとともに、側面の中間部に先後端が傾
   斜面に形成された略山形の摺動部を設け、この摺
   動部の先端傾斜面は前記アームの側面と直角以下
   に傾斜し、前記後端傾斜面は前記アームの側面と
   直角より大きく傾斜し、前記機器ケースには内部
   上面に前記摺動部に接触して前記アームを下方に
   押曲げる押え棒を設けるとともに、内部後方に前
   記アームが前記押え棒によつて押曲げられた際、
   前記鉤状部に係合する係合部を設け、かつ開口端
   の両側面に前記扉の左右両端部を係止する係止片
   を設けてなる扉の開閉装置。