JPH0519483Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は扉等開閉器に関する。さらに詳しく
は、観音開き式の窓や扉を任意の開度で保持する
ことができ、開閉操作が容易な扉等開閉器に関す
る。

［従来の技術］ 従来の扉等開閉器としては、たとえば第１８図
に示されたものがある。この開閉器(D)は窓５１側
に取付金具５２で回動自在に取りつけられたステ
ー５３と窓枠５４側に固定されたストツパ５５と
からなり、ストツパ５５上部のネジ５６を指で廻
せば、ステー５３がストツパ５５内の孔を摺動し
て動き、ネジ５６を逆方向に廻せばステー５３が
ストツパ５５内で固定されるようになつている。

使用するときは、ネジ５６を廻し窓５１を押し
引きすれば、ステー５３がそれに追随して動き窓
５１が開閉され、開閉の途中の位置でネジ５６を
締め込めば、ストツパ５５が効いて、窓５１がそ
の開閉位置で保持されるようになつている。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来の扉等開閉器では、任意の位置でステー５
３を固定するのが難しく、またいちいちネジ５６
を指で廻さなければならないので操作が面倒であ
るという問題がある。

本考案は、かかる事情に鑑み、窓や扉を開けき
つた位置および任意の開度に開けた位置に保持す
ることができ、しかも開閉操作が容易な扉等開閉
器を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の扉等開閉器は、 (a) 長尺の外筒と、 (b) 該外筒内に、外筒の一方の端部である先端部
側から伸縮自在に挿入された長尺の内挿部材
と、 (c) 該内挿部材の側壁において、内挿部材の前記
外筒への挿入側の端部である基端部から他方の
端部である先端部近傍に至る範囲に形成された
連続する凹凸形状の第１係合部および内挿部材
の前記基端部付近に形成された１カ所の凹部か
ら構成される第２係合部と、 (d) 前記外筒の先端部近傍にそれぞれその基部が
取りつけられた、前記第１係合部に弾発的に係
合するバネ部材から構成される第１係合部材お
よび少なくとも前記第２係合部に弾発的に係合
しうるバネ部材から構成される第２係合部材
と、 (e) 前記外筒の長手方向に沿つて摺動しうるよう
に嵌挿され、押圧部を有し、該押圧部により前
記第１係合部材を前記第１係合部へ係合した状
態に押圧固定する位置に摺動させられることに
よりロツクしうるロツク機構とから構成されて
いる。

なお本考案の扉等開閉器は、窓、ドアー、その
他の扉の類であつて、観音開き式のもの一般に適
用することができる。しかして本明細書において
は、とくに断わらない限り「窓」とはあらゆる種
類の観音開き式の窓、ドアー、扉類をさし、「窓
枠」とはそれらの枠体をさすものとして用いられ
ている。

［作用］ 本考案では、第１係合部が内挿部材の長手方向
にわたつて連続的に形成されているので、外筒に
取りつけられている第１係合部材を任意の位置で
係合させれば、窓を任意の位置で開いた状態に保
持することができる。また第２係合部が内挿部材
の外筒への挿入側の端部付近に形成されているの
で、その第２係合部に外筒における内挿部材が挿
入される側の端部近傍に取りつけられている第２
係合部材を係合させれば窓を開けきつた位置で保
持することができる。

本考案の第１係合部材および第２係合部材はい
ずれも弾発的に係合しうるので、窓を手で持つて
動かせば自動的に第１係合部および第２係合部に
係合する。したがつてわざわざネジなどを廻す手
間が省けるので開閉操作が非常に簡単になる。

さらに、ロツク機構を効かせれば、たとえ風が
吹いたとしても窓が自然に閉じたり開いたりする
ことがない。

［実施例］ つぎに本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の一実施例にかかわる開閉器の
取付状態における斜視図、第２〜３図は同開閉器
の平面図および正面図、第４図は外筒の表面を示
す斜視図、第５図は外筒の裏面を示す斜視図、第
６図は外筒の側面図、第７図は内挿部材の斜視
図、第８〜９図はそれぞれ外筒に内挿部材を挿入
した状態の説明図、第１０図は同開閉器の要部斜
視図、第１１〜１２図はロツク機構が解除されて
いる状態の縦断面図および略式平面図、第１３〜
１４図はロツク機構が作用している状態の縦断面
図および略式平面図、第１５図は本考案の他の実
施例にかかわる開閉器の斜視図、第１６〜１７図
は同開閉器の平面図および正面図である。

第１〜３図において、１は開閉器、２は窓、３
は窓枠である。

開閉器１は長尺の外筒５、長尺の内挿部材６を
有しており、取付金具７，８で窓枠３と窓２に取
りつけうるようになつている。なお取付金具７，
８は取付けるべき窓２や窓枠３に合わせて、任意
の形状のものを用いることができ、たとえば第１
５〜１７図に示されたものであつてもよい。同図
における取付金具の８ａは内挿部材６を窓２の下
部切欠き部に裏面から取りつける形式のものとな
つている。また取付金具７ａはハ字状の脚部を有
し、取付位置を高くしうるものとなつている。

前記外筒５を第４〜５図に基づき説明する。こ
の外筒５は、長手方向の大部分にわたつて断面が
幅広い〓状に形成されている。外筒５の両サイド
の側壁１１は長手方向に真直ぐに延びており、該
側壁１１の上縁１１ａはわずかに内側へ延出して
いる。

外筒５の先端部では幅広の上縁１１ｂが形成さ
れており、その上縁１１ｂには板バネ９からなる
第１係合部材と板バネ１０からなる第２係合部材
が取りつけられている。この板バネ９は２枚で１
組になつており、取付部９ａが上縁１１ｂの内面
に溶接またはリベツト止めなどで固定される。先
端部９ｂは取付部９ａから延びた細板状のバネ板
からなり、その端部が円筒状に巻かれており、そ
の内部には頭付きのピン９ｄが挿入されている。
このピン９ｄはロツク時に力が加わつても先端部
の円筒形状がつぶれないようにするものである。
前記板バネ１０は、円弧状に曲げられた係止部１
０ｂおよび先端部１０ｃからなり、係止部１０ｂ
が板バネ９の取付部９ａに連続しており、板バネ
９とともに外筒５に固定されている。

前記外筒５の先端部裏面には、第５図に示され
るように、底板５ａを切り欠いて斜めに折り曲げ
た第１ストツパ１６と、そのストツパ１６よりや
や内側に底板５ａを隆起させて形状した第２スト
ツパ１７とが設けられている。なお前記ストツパ
１６のかわりに合成樹脂製の角リング状の部材を
外筒５の先端部に固定しておいてもよい。

前記外筒５は鉄、ステンレス鋼、アルミニウム
などの金属により、プレス加工により形成するの
が、充分な強度を維持し、低コストで製造するの
に好ましい。

前記内挿部材６を第７図に基づき説明する。内
挿部材６は外筒５と同程度の長尺部材であり、前
記外筒５の内部に伸縮自在に挿入しうる断面形状
と寸法を有している。図示の内挿部材６の断面は
幅広い〓状となつており、外筒５と同様に鉄、ス
テンレス鋼、アルミニウムなどの金属によりプレ
ス加工して製作するのが、充分な強度と低コスト
を実現するうえに好ましい。

前記内挿部材６の上縁６ａには長手方向に沿つ
て凹凸状に形成された第１係合部４１が設けられ
ている。また内挿部材６の図中右端部には大きな
凹部の第２係合部４２が形成されている。

第８〜９図には、前記内挿部材６を外筒５に挿
入した状態が示されている。第８図では内挿部材
６が外筒５に深く挿入され、第９図では内挿部材
６が外筒５からほとんど引き出されている。内挿
部材６を外筒５で長手方向に動かすとき、板バネ
９は外筒５の第１係合部４１の１つ１つの凹凸に
係合、離脱を繰りかえしながら動かされることに
なる。第９図に示されているように、内挿部材６
を引き出した状態では第２係合部４２に板バネ１
０の係止部１０ｂが係合する。板バネ１０の先端
部１０ｃは係止部１０ｂが撓められたとき、たが
いに当接するようになつているので、やや撓めら
れた状態で、それ以上撓めようとする力に対し大
きい抗力を生ずるようになつている。しかして板
バネ１０の係止部１０ｂが第２係合部４２に係合
したとき、容易に係合が外れず、しかし手で窓を
持ち動かせば通常の力で係合を外しうるような係
合力を生じる。また手で窓をもつて開放すると最
大に窓が開ききつたところで自動的に係止部１０
ｂが第２係合部４２にパチンと係合する。

なお、第８図において、係止部１０ｂが第１係
合部４１に係合しているが、本考案においてはと
くにこのように限定されることはない。たとえば
第２係合部４２および係止部１０ｂの曲率を第１
係合部４１の曲率と大きく相違させることによ
り、係止部１０ｂを第１係合部４１に係合されな
いようにしてもよい。要するに、係止部１０ｂ
は、第２係合部４２に確実に係合されるように構
成されていればよい。

第１０〜１４図には、ロツク機構が示されてい
る。そのロツク機構は、板バネ９と内挿部材６と
の任意の位置での係合をロツクしたり解除したり
するもので、外筒５と角筒状のつまみ部材１５と
の間に設けられている。該つまみ部材１５は第１
０図に示されているように、外筒５を差し通す空
洞が形成されており、その内面にはクサビ１９が
形成せられ、それに対向して凸部２１が形成され
ている。なお該凸部２１は連結片を介してつまみ
部材１６の外方に取りつけるのが好ましい。前記
クサビ１９は板バネ９の２枚の先端部９ｂの間に
挿入されて、先端部９ｂが内側に撓まないように
するものである。

クサビ１６や凸部２１を有するつまみ部材１５
は合成樹脂またはアルミニウムダイカストなどで
一体に成形するのが好ましい。

第１１〜１２図にはロツクを解除している状
態、第１３〜１４図にはロツクを効かした状態が
示されている。

ロツクを解除している状態（第１１〜１２図）
においては、凸部２１は第１ストツパ１６と第２
ストツパ１７との間にあり、クサビ１９は板バネ
９に当接しておらない。したがつて、板バネ９は
自由に撓められるので、つまみ部材１５が図示の
位置にあるときは内挿部材６は外筒５内を自由に
伸縮しうる。なお、つまみ部材１５は凸部２１が
第１ストツパ１６に当接しているため内挿部材６
から外れることはない。

前記状態から、つまみ部材１５を外筒５の端部
からやや内側へ指で動かすとロツク状態となしう
る（第１３〜１４図）。つまみ部材１５が動かさ
れると、凸部２１が第２ストツパ１７を乗り越え
て図示の状態に拘束される。このときクサビ１９
が板バネ９の２枚の係止部９ｂの間に嵌り、板バ
ネ９は撓められなくなるので、先端部９ｂが内挿
部材６の凹部に係合した状態が保持される。した
がつて、この状態では、板バネ９が内挿部材６に
係合した位置で拘束され、外筒５に対し自由に伸
縮することが不可能となる。

このようにしてロツクすると第１係合部材（板
バネ９）は外筒の任意の位置で係合をロツクされ
るので、窓を任意の開放位置に保持することがで
きる。

つぎに叙上のごとき開閉器１の作用を第１〜３
図を参照しながら説明する。つまみ部材１５を外
筒５の端部方向に引いておけば内挿部材６が外筒
５に対し自由に伸縮するので、窓２を手で持つて
動かせば窓２を自由に開閉しうる。その際、内挿
部材６は外筒５内に出没するだけであるので、窓
枠３の内側へ開閉器が突出することはない。窓２
を閉じた状態、あるいは中途まで開けた状態でつ
まみ部材１５を矢印１８方向へ動かせば、ロツク
機構が作用するので内挿部材６は動きを拘束され
る。そのため窓２は閉状態あるいは中途まで開け
た状態でもそのまま保持される。

また窓２を開けきつた状態にすると、板バネ１
０が第２係合部４２に自動的にパチンと係合する
ので、窓２が開けきつた状態にそのまま保持され
る。しかし窓２を持つた手にやや強く力をかけれ
ば、板バネ１０を第２係合部４２から外すことが
でき窓２を閉じることも容易にできる。

［考案の効果］ 本考案においては、窓を開けきつた状態と、任
意の開度に開られた状態とに保持することがで
き、また開閉操作が非常に簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例にかかわる開閉器の
取付状態における斜視図、第２〜３図は同開閉器
の平面図および正面図、第４図は外筒の表面を示
す斜視図、第５図は外筒の裏面を示す斜視図、第
６図は外筒の側面図、第７図は内挿部材の斜視
図、第８〜９図はそれぞれ外筒に内挿部材を挿入
した状態の説明図、第１０図は同開閉器の要部斜
視図、第１１〜１２図はロツク機構が解除されて
いる状態の縦断面図および略式平面図、第１３〜
１４図はロツク機構が作用している状態の縦断面
図および略式平面図、第１５図は本考案の他の実
施例にかかわる開閉器の斜視図、第１６〜１７図
は同開閉器の平面図および正面図、第１８図は従
来の開閉器の取付状態における斜視図である。 図面の主要符号、１……開閉器、５……外筒、
６……内挿部材、９……板バネ、１０……板バ
ネ、１５……つまみ部材、４１……第１係合部、
４２……第２係合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) 長尺の外筒と、 (b) 該外筒内に、外筒の一方の端部である先端部
   側から伸縮自在に挿入された長尺の内挿部材
   と、 (c) 該内挿部材の側壁において、内挿部材の前記
   外筒への挿入側の端部である基端部から他方の
   端部である先端部近傍に至る範囲に形成された
   連続する凹凸形状の第１係合部および内挿部材
   の前記基端部付近に形成された１カ所の凹部か
   ら構成される第２係合部と、 (d) 前記外筒の先端部近傍にそれぞれその基部が
   取りつけられた、前記第１係合部に弾発的に係
   合するバネ部材から構成される第１係合部材お
   よび少なくとも前記第２係合部に弾発的に係合
   しうるバネ部材から構成される第２係合部材
   と、 (e) 前記外筒の長手方向に沿つて摺動しうるよう
   に嵌挿され、押圧部を有し、該押圧部により前
   記第１係合部材を前記第１係合部へ係合した状
   態に押圧固定する位置に摺動させられることに
   よりロツクしうるロツク機構 とからなる扉開閉器。