JPH023724A - 伝動ベルトおよびその製造方法 - Google Patents

伝動ベルトおよびその製造方法

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JPH023724A
JPH023724A JP26233988A JP26233988A JPH023724A JP H023724 A JPH023724 A JP H023724A JP 26233988 A JP26233988 A JP 26233988A JP 26233988 A JP26233988 A JP 26233988A JP H023724 A JPH023724 A JP H023724A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は伝動ベルトおよびその製造方法に関する。
(従来の技術) 伝動ベルトとしては、ポリVベルト、ローエツジベルト
、ラップトベルト等種々の形式のものが知られているが
、基本的には伸長部と圧縮部とこの両部間に埋設された
ベルト長手方向の抗張体とを備え、例えば上記ポリVベ
ルトとローエツジベルトの場合は伸長部の上面が、上記
ラップトベルトの場合はベルトの全外表面がそれぞれゴ
ム引きした帆布層で覆われている。すなわち、この帆布
層はその表裏両面にフリクションゴムまたは糊ゴムが塗
付されているのが通常である。
しかして、かかる伝動ベルトの製造にあたっては、上記
フリクションゴムや糊ゴムを塗付した帆布を金型に装む
し、その上に上記伸長部を構成するゴム、抗張体、およ
び圧縮部を構成するゴムを順に巻き付け、加硫機で加硫
して金型から離型するという方法がとられている。
また、上記金型の成形面に感温性粘着剤をスプレー等に
より塗付することにより、帆布が上記成形面によく密着
するようにし、その上に抗張体及びエラストマを配置し
て加熱してベルトを硬化せしめるとともに、上記粘着剤
の粘着性を喪失させてベルトの型抜きを容易にするよう
にした方法も知られている(例えば、特開昭53−66
981号公報参照)。上記感温性粘着剤は、熱可塑性の
ポリマー物質を配合したものであり、所定温度以上に加
熱すると、融解してその粘着性を喪失するものである。
(発明が解決しようとする課題) 従来の伝動ベルトの場合、上記帆布にフリクションゴム
や糊ゴムを塗付するのは金型に対する馴染み性(密着性
)をよくするとともに、加硫により伸長部のゴムと帆布
との密着性を高めるためである。しかし、この伝動ベル
トは、例えばベルトの背面で伝動を行うようにしたり、
あるいは背面にアイドラーを適用したりすると、上記帆
布に塗付されているゴムとプーリーとの摺動により、ゴ
ム粉の落下、つまりはベルトの摩耗を招いたり、上記ゴ
ム粉による粘着で異音や振動を発生することがある。
一方、上述の感温性粘着剤を用いる製造方法においては
、ベルトの型抜きは容易であるものの、上記粘着剤は型
抜き後の冷却により硬化してベルトに残るため、ベルト
の使用中に上述のフリクションゴムや糊ゴムと同様にベ
ルト摩耗粉の落下、粘着等の問題がでてくることになる
因みに、上記帆布の片面のみにゴムを塗付してベルトの
製作を試みたが、金型に対する帆布の馴染み性(密着性
)が悪く製品の品質にバラツキがでるだけでなく、加硫
により帆布の表面にゴムが滲み出し、結局はゴム粉の落
下、粘着等の問題を生ずることになる。
(課題を解決するための手段) 本発明は、伸長部と、圧縮部と、この両部間に埋設され
たベルト長手方向の抗張体とを有するベルト本体の少な
くとも伸長部上面が帆布層で覆われた伝動ベルトにおい
て、アクリル系粘接着剤に適量の架橋剤を添加しておく
と、常温では粘接着性を有するものの、加熱すればその
架橋反応によって硬化し実質的な粘接着性をもたなくな
り、簡単に除去することができることを上記帆布層に利
用することにより、上記帆布層のプーリーに対する粘接
着性に起因する上記問題を解決するものである。
すなわち、請求項(1)の発明は、上述の伝動ベルトに
おいて、上記帆酊層は伸縮性帆布の片面、つまりベルト
本体側にのみゴム層を設けた構成とし、帆布の他面は上
記アクリル系粘接着剤の架橋による硬化層が除去されて
帆布自体がベルト外表面に露出していることを特徴とす
る 請求項(2)の発明にかかる伝動ベルトの製造方法は、
片面にゴムを塗付した伸縮性帆布の他面を金型の成形面
に対し、架橋剤を含有するアクリル系粘接着剤を上記伸
縮性帆布の他面と金型の成形面との少なくとも一方に塗
付して装着し、上記伸縮性帆布の上に伸長部構成ゴム、
抗張体および圧縮部構成ゴムを順に巻き付け、その状態
で加熱および加圧による加硫処理を施し、成形品を金型
から離型することを特徴とする 請求項(3)の発明にかかる伝動ベルトの製造方法は、
請求項(2)の方法において、粘接着剤は、低ガラス転
移点を有するソフトセグメントを形成するアクリル酸エ
ステル系の生モノマー成分と高ガラス転移点を有するハ
ードセグメントを形成するコモノマー成分との共重合体
でありで、上記コモノマー成分が共重合可能な官能基を
有する七ツマ−を含有し、このモノマーの官能基1に対
して架橋剤が0. 5当量以上の割合で配合され、且つ
見掛けのガラス転移点が一55℃〜−10℃になされた
ものであることを特徴とする。
なお、本明細書において、見掛けのガラス転移点は架橋
剤による架橋反応前の粘接着剤全体としての値である。
(作用) 上記請求項(1)の発明においては、帆布自体が外部に
露出して伝動ベルトの外表面を構成することになり、こ
の帆布層には粘接着性がないから、プーリーに接触して
もこれに部分的に付着してゴムが擦りとられたり、異音
や振動を発生することはない。
請求項(2)の発明においては、伸縮性帆布はアクリル
系粘接着剤により指圧程度の圧力で金型に対し隙間なく
付着し、伸長部構成ゴム、抗張体および圧縮部構成ゴム
の巻付時に金型がらずれたり、剥がれたりすることが防
止される。そして、上記粘接着剤は、架橋剤を有するか
ら、加硫処理時の熱で架橋反応を起こし、それ自身で硬
化して金型側へゴムが滲み出てくることを防止し、そし
て上記硬化によりその粘接着性を喪失することにより、
成形品が金型から簡単に離型することになる。そうして
、上記粘接着剤が硬化した層は脆くなっているから、帆
布から簡単に除去することができる。
また、伸長部構成ゴムは帆布に対しその片面に塗付され
ているゴムにより接着され、加硫処理により帆布と伸長
部構成ゴムとが一体になる。
請求項(3)の発明においては、粘接着剤はモノマーの
官能基1に対し、0.5当量以上の割合で架橋剤が配合
されているから、通常の加硫温度(例えば150〜20
0℃)で比較的短時間に架橋反応が進行して、その粘接
着性を喪失し金型からの離型を容易にする。この場合、
架橋剤の割合が0.5当量未満では、架橋反応の円滑な
進行が望めない。また、この粘接着剤は、ガラス転移点
が一55℃以上であるから、架橋剤による架橋反応によ
り粘接着剤が確実に硬化してその粘接着性を喪失し、ま
た、ガラス転移点が一10℃以下であるから、常温での
粘接着性が良い。すなわち、ガラス転移点が一55℃未
満であれば、架橋剤を1当量配合して架橋反応を行なっ
ても粘接着性が充分に喪失せず、また、ガラス転移点が
一10℃を越える場合には常温での粘接着性をあまり期
待することができない。
(発明の効果) したがって、請求項(1)の発明によれば、帆布自体を
伝動ベルトの外表面に露出させたから、プーリーとの接
触によるベルトの摩耗、異音や振動の発生を防止するこ
とができる。
請求項(2)の発明によれば、伸縮性帆布を金型に対し
隙間なく付着させることができるとともに、金型からの
成形品の離型を容易にすることができ、しかも、上記粘
接着剤が硬化した層の除去が容易になり、また、帆布と
ベルト本体との接むも良好なものにすることができ、伝
動ベルトの製造を円滑に行うことができるようになる。
請求項(3)の発明によれば、七ツマ−の官能基1に対
し架橋剤が0.5当量以上の割合で配合され■つ見掛け
のガラス転移点が一55℃〜−10℃になされたアクリ
ル系粘接着剤を採用したから、請求項(2)の発明の方
法を円滑に実施することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図に示す伝動ベルトはポリVベルト1である。この
ベルト1は、ゴムによる伸長部2と、ゴムによる圧縮部
3と、二〇両部2.3の間に埋設したコードによるベル
ト長手方向の抗張体4とからなるベルト本体5を備え、
伸長部2の上面が帆布層6で覆われた構造となっている
上記伸長部2ど圧縮部3は、クロロブレンゴム、スチレ
ンブタジェンゴム、ポリウレタンゴム等、ベルトの使用
目的に応じた公知のゴム配合物で形成することができる
。また、抗張体4は、公知のグラスコード、スチールワ
イヤコード、ケブラーコード、ポリエステルコード、ナ
イロンコード等を使用し、これをベルト長手方向にスパ
イラル状に配設したものである。
帆布層6は、その具体的構造が第2図に示されており、
伸縮性の帆布7と、この帆布7のベルト本体5側の面に
設けられたゴム層8とからなり、帆布7がベルト外表面
に露出している。帆布7は織物をベルト長手方向に対し
バイアス状に設けてなる。ゴム層8は、帆布7に対しフ
リクション、コーティング、デイツプ処理等によって得
ることができる。
本例のポリVベルト1は、例えば、第3図に示す多軸伝
動に用いられるものである。すなわち、同図において、
10は駆動プーリー、11.12は従動プーリー、13
はベルト背面に適用したアイドルプーリーである。この
場合、アイドルプーリー13は帆布層6の外表面、つま
り帆布7自体に接触することになる。かかる使用におい
て、上記ベルト1は、帆布層6が粘接着性をもたないた
め、アイドルプーリー13に部分的に付着して擦りとら
れたり、異音や振動を生ずることがほとんどない。
次に、上記ポリVベルト1の製造方法を説明する。
まず、帆布層6を構成する帆布部材は、第4図に示すカ
レンダ法により常温で得ることができる。
すなわち、4つのローラで構成した第1と第2のカレン
ダ手段14.15を並設して、この両力レンダ手段14
.15を帆布7が順に通過するようになし、第1のカレ
ンダ手段14で矢符Aのようにゴムを帆布7の下面側に
塗付しく擦り込み)、次に第2のカレンダ手段15で矢
符Bのように架橋剤を含有するアクリル系粘接着剤を帆
布7の上面側に塗付する。この場合、粘接着剤の塗付量
ないしは塗付厚さは上記ゴムのそれよりも少ない。
上記アクリル系粘接着剤は、低ガラス転移点を有するソ
フトセグメントを形成するアクリル酸エステル系の生モ
ノマー(粘着成分)と、高ガラス転移点を有するハード
セグメントを形成するコモノマー成分(凝集成分、改質
成分)との共重合体であって、上記コモノマー成分が共
重合可能な官能基を有する七ツマ−を含有し、このモノ
マーの官能基1に対して架橋剤が0.5当量以上の割合
で配合され、見掛けのガラス転移点が一55℃〜−10
℃になされているものである。
上記生モノマー成分としては、一般のアクリル酸エステ
ルを用いることができ、例えばアクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等、ア
ルキル基の炭素数が4〜10程度のアクリル酸エステル
を用いることが好ましい。
上記コモノマー成分としての官能基を合するモノマーと
しては、カルボキシル基、水酸基、アミド基等のような
官能基をもつ、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イ
タコン酸、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、アクリルアマイド、メ
チロールアクリルアマイド、グリシジルメタクリレート
、無水マレイン酸等を用いることができる。
さらに、このコモノマー成分としては、低級アルキル基
のアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキル
エステル、例えば、アクリル酸メチルやメタクリル酸メ
チル、さらには酢酸ビニル、塩化ビニリデン、スチレン
、アクリロニトリル、アクリロアマイドなど共重合可能
なガラス転移点が高くなるモノマーを上記官能基のある
モノマーとともに用いてもよい。
架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系などを
適用することができ、例えば、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテルや、フェノールブロックイソシ
アネート、カプロラクタムブロックイソシアネート、オ
キシムブロックイソシアネート等のブロックされたイソ
シアネート、あるいはトリレンジイソシアネートのアダ
クト体などが好ましい。
この実施例の粘接着剤の配合を次に示す。
アクリル酸イソブチル    100重量部アクリル酸
          10重量部トリメチロールプロパ
ントリ グリシジルエーテル(架橋剤)0.5当量酢酸エチル(
溶媒)         適量上記配合において、架橋
剤は共重合可能な官能基(カルボキシル基)を有するア
クリル酸の上記官能基に対する当量で表わされている。
この架橋剤を除いた状態で、酢酸エチル(溶剤)により
アクリルモノマー濃度が30重量%となるようにし、A
IBNを開始剤としてモノマーに対し0. 2重量%添
加し、温度70℃、容量500m1の窒素気流中におい
て6時間の溶液重合を行ない、得られた重合体に架橋剤
を混合して粘接着剤を得た。
得られた粘接着剤の見掛けのガラス転移点は一15℃で
ある。
そして、上述のようにして得た帆布部材16を常温にお
いて、第5図に示すように、金型17に対して粘接着剤
塗付層18が金型17に接するように巻き付ける。本例
のベルト1は帆布層6が1層だから帆布部材16は1回
巻きにするが、複数層にする場合はそれに対応する回数
だけ巻き付けることになる。また、帆布部材16の端は
、互いに重ね合わせて接続する。次に、上記帆布部材1
6のゴム塗付層19の上に伸長部2を構成するゴムシー
トを巻き付け、その上に抗張体4用のコードをスパイラ
ルに巻き付け、さらに、その上に圧縮部3を構成するゴ
ムシートを巻き付ける。
そうして、上記圧縮部3用のゴムシートの外側からVリ
ブ成形型を被せて加硫機に入れ、170℃で20分程度
の加圧を行うことにより、加硫処理を施す。そして、そ
の後、成形品を離型してこれを所定幅で周方向に切断し
、帆布層6が外周側となるように裏返し、粘接着剤塗付
層18が架橋で硬化したものを刷毛等で除去してベルト
1とする。
上記製造方法において、帆布部材16は常温では粘接着
剤塗布層18に粘接着性があるから、金型17に対し指
圧程度の圧力で押さえ付けることにより、この金型17
に対して簡単に隙間なく付着し、その上に伸長部構成ゴ
ム等を巻き付けていっても、金型17からずれることは
ない。そして、上記粘接着剤塗布層18は加硫時の熱で
架橋反応(架橋剤がアクリル酸のカルボキシル基と反応
する)が進行して硬化し、粘接着性を喪失するため金型
17から簡単に離型することになる。また、帆布部材1
6の端の接続部(重ね合わせ部分)においては、粘接着
剤塗布層18が硬化するため、この硬化層を介して内側
の帆布7の外面と外側のゴム塗付層19との間で接着す
ることになるが、上記硬化層は薄いため、内側の帆布7
の外面と外側のゴム塗付層19との間の接着力の低下は
あまりなく、問題とならない。
なお、上記実施例はポリVベルトに関するが、本発明は
第6図に示すローエツジタイプのVベルト20や、第7
図に示すラップトVベルト21においても、上記実施例
と基本的には同様にして実施することができる。上記ロ
ーエツジおよびラップトのVベルト20.21において
、22.23は伸長部、24.25は圧縮部、26.2
7は抗張体、28.29は帆布層であり、帆布層28゜
29は先の実施例と同じ構成になっている。
次に上記ポリVベルト1の評価試験およびその結果につ
いて説明する。
粘着評価試験− 第8図には試験装置が示されている。すなわち、同図に
おいて、32は3500 rpmの回転数で駆動される
駆動プーリー、33はIPSの従動プーリー、34はア
イドルプーリーであり、各プーリー32〜34はいずれ
も直径100+a−のものである。この試験装置におい
て、PV値とベルトすべり長さの関係をみると、第9図
に示すように、従来の帆布の両面にゴムを塗付したもの
は破線で示す特性となっている。これに対し、実施例の
ベルトの場合は0印のプロットで示すとおりであり、粘
着発生に至るまでのすべり長さが従来のものに比べて非
常に長くなっており、帆布7を露出せしめたことがベル
トの粘着防止に大きな効を奏していることがわかる。
なお、P;ベルトに生ずる面圧、V;ベルトすべり速度
であり、ベルトすべり長さはVXtであられす。tは粘
着発生までの時間(秒)である。
−摩耗評価試験− 試験装置は第8図のものにおいて、駆動ブーリ−33及
びアイドルプーリー34は先の評価試験と同じであり、
従動プーリー33は5PSで、かつベルト負荷を50 
kg fとした。そして、ベルト走行時間とベルトの重
量変化率および厚み変化率をみると、第10図に示すと
おりであった。すなわち、同図から、実施例のベルトで
は従来の帆布の両面にゴムを塗付したものに比べ、ベル
トの摩耗が少なくなっていることがわかる。
次に、他の配合の粘接着剤を用いた実施例について、比
較例との比較において説明する。
く配合及び製法〉 実施例の配合(重量部)は第1表の1.2の上欄に先の
実施例のものと併せて示されている。また、比較例につ
いては第2表に示されている。
第 1表の 1表の 上記配合において、エポキシ系架橋剤はトリメチロール
プロパントリグリシジルエーテルであり、イソシアネー
ト系架橋剤はフェノールブロックイソシアネートである
。そして、この配合により、先の実施例と同様の方法で
粘接着剤を得て伝動ベルトを製造し、成形性及び型抜性
について評価した。また、評価を定量的に行なうため、
次に説明する接着力試験を行なった。結果は第1表の1
゜2と第2表の下欄に示されている。なお、この第1表
の1,2と第2表において、ガラス転移点は見掛けのガ
ラス転移点である。
く接着力試験〉 綿帆布の表面に粘接着剤を塗付し、その塗付面とステン
レス板とを貼り合わせ(ハンドローラをかけ)、それぞ
れ加熱前後の接着力を測定した。
加熱は150℃で15分とし、また、接着力は50m■
/分の速度で綿帆布を剥離していくことにより測定した
く考察〉 実施例1〜8(第1表の1)はエポキシ系架橋剤を用い
、実施例9〜14は(第1表の2)はイソシアネート系
架橋剤を用いている。
さて、実施例1〜3は生モノマー成分としてアクリル酸
イソブチルを用い、エポキシ系架橋剤の量を変えたもの
である。見掛けのガラス転移点は一15℃である。加熱
前の接着力は架橋剤量が多い場合でも1. 9kgr/
25懺−と比較的高い。この加熱前の接着力が1 、 
5 kgl’/25++n以上あれば、帆布を金型に密
着せしめることが容易であるから、上記実施例では良好
な成形性が得られることがわかる。一方、加熱後の接着
力は、架橋剤の量が少なイ(0,5当量)場合でも、0
 、 5 kgf’/25amと低くなっている。この
加熱後の接着力が0. 5kg1’725m5以下であ
れば、帆布は金型から簡単に剥離するから、上記実施例
ではその型抜性に問題がないことがわかる。
上記実施例1〜3に対応する比較例1〜3は架橋剤の量
を少なくしたものであるが、加熱前の接着力には問題が
ないものの、加熱後の接着力が高くなっており、上記型
抜性の点で問題がある。このことから、架橋剤量として
は0.5当量以上が望ましいことがわかる。
また、実施例4〜6は、生モノマー成分としてアクリル
酸n−ブチルを用い、実施例7.8はアクリル酸イソブ
チルとアクリル酸n−ブチルとの組み合わせ、並びにア
クリル酸n−ブチルとアクリル酸2−エチルヘキシルと
の組み合わせに関する。見掛けのガラス転移点は先の実
施例1〜3のものよりも低くなっているが、成形性及び
型抜性のいずれの点でも問題はなく、上記ガラス転移点
が最も低い実施例8 (−54℃)でも、型抜という点
での支障はない。
これに対し、比較例4は、生モノマー成分としてアクリ
ル酸2−エチルヘキシルを用い、架橋剤を1.0当量と
しているが、見掛けのガラス転移点は一61℃と低いも
のである。この比較例4の場合、成形性の点では問題が
ないものの、加熱後の接着力が高く型抜性の点で問題が
ある。このことから、架橋剤量を多くしても上記ガラス
転移点が低すぎる場合には、粘接着剤が充分に硬化せず
加熱後の接着力が高くなってしまうことがわかる。
次にイソシアネート系架橋剤を用いた実施例9〜14を
みるに、いずれも成形性及び型抜性は良好であった。例
えば、実施例12は加熱前の接着力が低くなっているが
、それでもその値は1.5kgr/25m@であって、
上記成形性には問題はない。
また加熱後の接着力は、実施例9ではエポキシ系架橋剤
を同当量用いた対応する実施例3に比べ若干高くなって
いるが、それでも0 、 5 kgr/25an以下で
あり、上記型抜性の点でも問題はない。
これに対し、実施例10〜12に対応する比較例5〜7
の場合は、架橋剤の量が少ないことがそのまま反映され
て加熱後の接着力が高くなっており、型抜性の点で問題
があることがわかる。また、比較例8は架橋剤の量は1
当量であるが、加熱前の接着力が低く成形性の点で問題
がある。これは、メタクリル酸メチルを含んでいる関係
で、見掛けのガラス転移点が+3.8℃と高くなってい
るためであり、従って、上記ガラス転移点が高いことは
望ましくないことがわかる。
く加熱温度と接着力の関係〉 実施例1.3及び比較例1について、各温度で加熱試験
をおこない、それぞれの接着力を測定した。加熱時間は
12時間である。試験結果は第11図に示されている。
同図から、架橋剤の量に応じて接着力が低くなっている
ことがわかる。そして、実施例の場合、80℃での加熱
で接着力が0− 2kgf/25sn以下になっており
、粘接着性の喪失によって良好な型抜性が得られること
がわかる。
なお、実施例の場合、170℃、15分の加熱でも上記
値程度まで接着力が低下するが、170℃以上の温度の
場合、上記値程度まで接着力が低下するのにに必要な加
熱時間はさらに短くなる。
また、80℃以下の温度でも時間をもっと長くとれば、
接着力が上記値まで低下することはもちろんである。
また、上記イソシアネート系架橋剤は、ブロックされた
イソシアネートであって、130〜180℃の高温で反
応を開始するため、作業性が良い。
すなわち、フェノールブロックイソシアネートを用いた
粘接着剤Aと、トリレンジイソシアネートのアダクト体
を用いた粘接着剤Bとについて、第12図に常温(21
℃)での接着力の経時変化が示され、第13図に150
℃での接着力の経時変化が示されている。この両図から
れかるように、フェノールブロックイソシアネートの場
合、常温では6日の経過時点でも接着力はほとんど変化
しないが、150℃では短時間で接着力が低下しており
、ホットライフは長く、しかも作業は短時間で終了させ
ることができ、使いやすいということができる。
なお、上記実施例は、共重合可能な官能基を有するコモ
ノマー成分としてアクリル酸を用いたが、他の同様に官
能基を有するコモノマー成分を用いても、粘接着性の喪
失に要する温度ないしは時間が若干変わるだけで、基本
的には上記実施例と同じような結果が得られる。
また、上記実施例の溶媒は酢酸エチルであるが、トルエ
ンその他の溶媒を用いることができることはもちろんで
ある。
さらに、上記実施例では粘接着剤を伸縮性帆布に塗付し
たが、金型の成形面に塗付しても実施例と同様の作用効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図はポリVベルトを
一部断面で示す斜視図、第2図は帆布層の断面図、第3
図は伝動ベルトの使用例を示す側面図、第4図は帆布部
材の製造工程を示す側面図、第5図は金型に対する帆布
部材の巻き付けを示す側面図、第6図と第7図はそれぞ
れ他の伝動ベルトの実施例を示す断面図、第8図はベル
ト評価試験装置を示す側面図、第9図は粘着評価試験結
果を示すグラフ、第10図は摩耗評価試験結果を示すグ
ラフ、第11図は粘接着剤の加熱温度と接着力との関係
を示すグラフ、第12図は粘接着剤の常温(21℃)で
の接着力の経時変化を示すグラフ、第13図は同じく1
50℃での接着力の経時変化が示すグラフである。 1・・・・・・ポリVベルト、2・・・・・・伸長部、
3・・・・・・圧縮部、4・・・・・・抗張体、5・・
・・・・ベルト本体、6・・・・・・帆布層、7・・・
・・・帆布、8・・・・・・ゴム層、16・・・・・・
帆布部材、17・・・・・・金型、18・・・・・・粘
接着剤塗布層、19・・・・・・ゴム塗付層 特許出願人 バンド−化学株式会社

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)伸長部と、圧縮部と、この両部間に埋設されたベ
    ルト長手方向の抗張体とを有するベルト本体の少なくと
    も伸長部上面が帆布層で覆われた伝動ベルトにおいて、
    上記帆布層は伸縮性帆布とこの帆布の片面にのみ設けら
    れたゴム層とからなり、このゴム層がベルト本体側に位
    置し上記帆布がベルト外表面に露出していることを特徴
    とする伝動ベルト。
  2. (2)片面にゴムを塗付した伸縮性帆布の他面を金型の
    成形面に対し、架橋剤を含有するアクリル系粘接着剤を
    上記伸縮性帆布の他面と金型の成形面との少なくとも一
    方に塗付して装着し、上記伸縮性帆布の上に伸長部構成
    ゴム、抗張体および圧縮部構成ゴムを順に巻き付け、そ
    の状態で加熱および加圧による加硫処理を施し、成形品
    を金型から離型することを特徴とする伝動ベルトの製造
    方法。
  3. (3)粘接着剤は、低ガラス転移点を有するソフトセグ
    メントを形成するアクリル酸エステル系の主モノマー成
    分と高ガラス転移点を有するハードセグメントを形成す
    るコモノマー成分との共重合体であって、上記コモノマ
    ー成分が共重合可能な官能基を有するモノマーを含有し
    、このモノマーの官能基1に対して架橋剤が0.5当量
    以上の割合で配合され、且つ見掛けのガラス転移点が−
    55℃〜−10℃になされたものである請求項(2)に
    記載の伝動ベルトの製造方法。
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