JP2584931B2 - 短繊維補強ゴム組成物およびそれを用いた伝動ベルト - Google Patents

短繊維補強ゴム組成物およびそれを用いた伝動ベルト

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JP2584931B2 JP6468792A JP6468792A JP2584931B2 JP 2584931 B2 JP2584931 B2 JP 2584931B2 JP 6468792 A JP6468792 A JP 6468792A JP 6468792 A JP6468792 A JP 6468792A JP 2584931 B2 JP2584931 B2 JP 2584931B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機短繊維が補強材と
して混入されている短繊維補強ゴム組成物およびそれを
用いた伝動ベルトに関し、特に耐摩耗性の向上と異音低
減の対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば伝動ベルトとしてのV
リブドベルトにおいては、リブ部の耐側圧性および耐摩
耗性を改良する目的で、リブゴム中に有機短繊維を混入
し、ベルト幅方向の弾性率を向上させることが一般によ
く行われている。この場合、短繊維を多量に混入すれ
ば、弾性率が向上して耐側圧性および耐摩耗性は向上す
るものの、動的な耐屈曲疲労性が悪くなるため、最近で
は、できるだけ少ない混入量で高い弾性率を得ることが
できるように、高弾性率の短繊維が用いられるようにな
ってきている。このことから、Vリブドベルト等の伝動
ベルトのゴム中に混入される短繊維は、綿からナイロン
短繊維、ポリエステル短繊維を経てアラミド短繊維と変
化してきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アラミド短繊
維等の有機短繊維は圧縮、剪断力に対して脆いことか
ら、フィブリル化破壊して表面から剥れ易くなり、耐摩
耗性が悪くなる。
【0004】そこで、有機短繊維に表面接着処理を施し
たところ、耐摩耗性が良くなることを見い出したが、表
面接着処理を施していない有機短繊維に比べて摩擦させ
たゴム面に短繊維があまり露出しておらず摩擦係数が高
くなり、プーリとの間でビビリを生じて異音発生の原因
となる。
【0005】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、アラミド短繊維等の有
機短繊維として表面性状を改質したものと無改質のもの
とを併用することにより、優れた耐摩耗性を有するとと
もに異音を低減し得る短繊維補強ゴム組成物およびそれ
を用いた伝動ベルトを提供せんとすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の第1の解決手段は、短繊維補強ゴム組成物
に表面接着処理が施された有機短繊維と、表面接着処理
が施されていない有機短繊維とを補強材として混入した
ことである。
【0007】本発明の第2の解決手段は、第1の解決手
段において、表面接着処理が施された有機短繊維と、表
面接着処理が施されていない有機短繊維との全繊維量に
対する混入割合を、前者の20〜80%に対し後者を8
0〜20%に設定したことである。
【0008】本発明の第3の解決手段は、表面接着処理
が施された有機短繊維と、表面接着処理が施されていな
い有機短繊維とが補強材として混入されているゴム組成
物をベルト構成ゴム部の少なくとも一部に用いたことで
ある。
【0009】本発明の第4の解決手段は、第3の解決手
段において、表面接着処理が施された有機短繊維と、表
面接着処理が施されていない有機短繊維との全繊維量に
対する混入割合を、前者の20〜80%に対し後者を8
0〜20%に設定したことである。
【0010】
【作用】上記の構成により、本発明の第1〜4の解決手
段では、表面接着処理が施された有機短繊維と、表面接
着処理が施されていない有機短繊維とが補強材として混
入され、これらの全繊維量に対する混入割合が前者の2
0〜80%に対し後者が80〜20%に設定されている
ことから、一方の欠点が他方の長所によって補われ、フ
ィブリル化破壊を起こし難くなって耐摩耗性が良くなる
とともに、摩擦係数が低減して異音が発生し難くなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0012】図1は伝動ベルトとしてのVリブドベルト
1を示し、該Vリブドベルト1は上側から順に、ゴム付
帆布が積層されてなる上側帆布層2、抗張体3が埋設さ
れた接着ゴム層4、及びリブゴム層5が一体に積層され
て構成されている。このベルト構成ゴム部としてのリブ
ゴム層5には、例えばアラミド短繊維やポリエステル短
繊維等の有機短繊維6が補強材として所定量混入されて
いる。そして、この有機短繊維6には、表面接着処理が
施されているものと、表面接着処理が施されていないも
のとがあり、これらの全繊維量に対する混入割合は、前
者の20〜80%に対し後者が80〜20%に設定され
ている。
【0013】このように表面接着処理が施されている有
機短繊維6と、表面接着処理が施されていない有機短繊
維6との混入割合を、前者の20〜80%に対し後者を
80〜20%に設定したのは、図2に示す摩耗量および
摩擦係数と有機短繊維6の混入割合とのデータに基づく
ものである。
【0014】これにより、一方の欠点を他方の長所によ
って補い、フィブリル化破壊を起こし難くして耐摩耗性
を向上させることができるとともに、摩擦係数を低減で
きて異音を発生し難くすることができる。
【0015】次に、本発明例を具体的に説明する。
【0016】(実施例1)アクリロニトリルと1,3−
ブタジエンとの共重合体を水素化した水素添加アクリロ
ニトリルブタジエンゴム(以下、H−NBRと略称す
る);100phr 、メタクリル酸亜鉛;40phr 、有機
過酸化物;5phr からなるマトリックスゴムに、アラミ
ド短繊維とポリエステル短繊維とを表1に示すように混
入し、周知の方法により未加硫ゴムシートとした。な
お、これらの有機短繊維の接着処理として、イソシアネ
ートのサブコートと、CR糊ゴムのトップコートとを施
した。この未加硫ゴムシートを所定温度で所定時間加熱
して加硫ゴムシートを得た。この加硫ゴムシートについ
て、摩擦摩耗試験機による4時間後の摩耗量と摩擦係数
を下記の要領によって測定し、その結果を表1に示す。
【0017】<摩耗量の測定要領>ピンディスク方式に
より、圧力;863KPa、速度;0.15m/sec 、
温度;25℃の条件で行った。
【0018】<摩擦係数の測定要領>上記の未加硫ゴム
シートを用いてVリブドベルト1を作製し、図3に示す
ように、Vリブドベルト1の一端をロードセル7に連結
し、中間部分をプーリ8(直径60mm、回転数43rpm
)に巻き掛け、そして、他端にウエイト9(荷重T2=
1.75kgf )を連結して、ロードセル7に作用する荷
重T1 を測定し、次の式で摩擦係数μを計算した。
【0019】μ={ln(T1 /T2 )}/(π/2)
【表1】
【0020】また、繊維の剥離力を下記の要領にて調べ
たところ、アラミド短繊維の場合は18kgf /3本、ポ
リエステル短繊維の場合は27kgf /3本であった。な
お、繊維を3本にしたのは1本では剥離力が小さく信頼
性に欠けるからである。
【0021】<剥離力の測定要領>接着処理コードをH
−NBR配合物に埋設し、170℃で30分間加硫した
試験秤を剥離試験機を使用して引張り、スピード100
mm/min で剥離接着力を測定した。
【0022】また、音レベルを初期、1時間後、3時間
後の3段階で測定し、その結果を表1に示す。
【0023】その結果、本発明例1,2は、摩耗量では
接着処理を施した有機短繊維のみを混入した比較例2,
4よりも多く、接着処理を施していない有機短繊維のみ
を混入した比較例1,3よりも少なかったが、摩擦係数
では逆に接着処理を施した有機短繊維のみを混入した比
較例2,4よりも低く、接着処理を施していない有機短
繊維のみを混入した比較例1,3よりも高かった。ま
た、本発明例1,2の音レベルは比較例1,3よりも高
く、比較例2,4よりも低かった。
【0024】(実施例2)実施例1と同様の未加硫ゴム
シートを用いてVリブドベルト1を作製し、ベルト走行
摩耗試験による24時間後の重量変化率と摩擦係数を下
記の要領によって測定し、その結果を表2に示す。
【0025】<重量変化率の測定要領>図4に示すよう
に、2つのプーリ10,10にVリブドベルト1を巻き
掛け、プーリ回転数;5100rpm 、dead weight ;1
20kgf 、負荷;5.2PSの条件で24時間走行させ
た後の重量変化率を測定した。
【0026】<摩擦係数の測定要領>実施例1と同様の
要領にて行った。
【0027】
【表2】
【0028】また、音レベルを初期、24時間後、12
0時間後の3段階で測定し、その結果を表2に示す。な
お、表2中、「無」とはベルトに異音発生がないこと
を、「有」とはベルトに異音発生があることをそれぞれ
示す。
【0029】その結果、本発明例1,2は、重量変化率
では接着処理を施した有機短繊維のみを混入した比較例
2,4よりも多く、接着処理を施していない有機短繊維
のみを混入した比較例1,3よりも少なかったが、摩擦
係数では逆に接着処理を施した有機短繊維のみを混入し
た比較例2,4よりも低く、接着処理を施していない有
機短繊維のみを混入した比較例1,3よりも高かった。
また、音レベルの評価においては、本発明例1,2およ
び比較例1,3ではベルトに異音発生がなかったが、比
較例2,4では24時間後および120時間後にベルト
に異音発生があった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4に係
る本発明によれば、表面接着処理が施された有機短繊維
と、表面接着処理が施されていない有機短繊維とを補強
材として混入し、これらの全繊維量に対する混入割合を
前者の20〜80%に対し後者を80〜20%に設定し
たので、一方の欠点を他方の長所によって補い得て耐摩
耗性の向上および摩擦係数の低減化(異音発生の防止)
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Vリブドベルトの縦断面図である。
【図2】摩耗量および摩擦係数と有機短繊維の混入割合
との関係を示すデータ図である。
【図3】摩擦係数の測定要領を説明する図である。
【図4】ベルトの走行による重量変化率の測定要領を説
明する図である。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト(伝動ベルト) 5 リブゴム層(ベルト構成ゴム部) 6 有機短繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08K 13/00 7:02 9:08)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面接着処理が施された有機短繊維と、
    表面接着処理が施されていない有機短繊維とが補強材と
    して混入されていることを特徴とする短繊維補強ゴム組
    成物。
  2. 【請求項2】 表面接着処理が施された有機短繊維と、
    表面接着処理が施されていない有機短繊維との全繊維量
    に対する混入割合は、前者の20〜80%に対し後者が
    80〜20%に設定されていることを特徴とする請求項
    1記載の短繊維補強ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 表面接着処理が施された有機短繊維と、
    表面接着処理が施されていない有機短繊維とが補強材と
    して混入されているゴム組成物をベルト構成ゴム部の少
    なくとも一部に用いたことを特徴とする伝動ベルト。
  4. 【請求項4】 表面接着処理が施された有機短繊維と、
    表面接着処理が施されていない有機短繊維との全繊維量
    に対する混入割合は、前者の20〜80%に対し後者が
    80〜20%に設定されていることを特徴とする請求項
    3記載の伝動ベルト。
JP6468792A 1992-03-23 1992-03-23 短繊維補強ゴム組成物およびそれを用いた伝動ベルト Expired - Fee Related JP2584931B2 (ja)

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