JPH0236791Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、自転車の荷台に取り付けられるよ
うにした自転車用ワイヤー錠に関する。

従来の技術 錠箱を自転車の荷台に固定し、リムの間に挿通
したワイヤーをＵ字形に撓ませて、その先端に具
えた錠止金具を、錠箱の一側面に開口する挿入口
に挿し込んで施錠するようにした自転車用ワイヤ
ー錠には、例えば実公昭57−55484号公報のもの
がある。

考案が解決しようとする課題 この種のワイヤー錠は、非施錠時にワイヤーが
錠箱からＵ字形に垂れ下がり、自転車の走行中に
後輪の泥除けカバーに当つて振動し、走行の差障
りになる欠点がある。そのために、上記従来のワ
イヤー錠においては、泥除けカバーにかぎ形の止
め具を固定してワイヤーの撓み部分の先端を引つ
掛けておくようにしていたが、自転車の後方から
該ワイヤーが丸見えになり、体裁を損ねるという
欠点を生じ、また、ワイヤーの長短によつては止
め具が役に立たない場合もあつた。

一方、自動二輪車の錠前装置として、特開昭56
−8771号公報のように、座席の後方裏面に後方に
向けてＵ字形をなすように収納しておいたチエン
錠を、後輪に掛け回し、車体の側面に備えた錠前
に施錠するようにしたものがある。この錠前装置
は、施錠に際してシートの側方から裏面に手を差
し入れてチエン錠の掛止を開放した後に後輪に掛
け回す操作を要するので、施錠操作が煩瑣にな
り、また、車体の後方のみで操作ができ難いとい
う欠点がある。

そして、特に自転車においては、極端に狭い間
隔で駐輪する場合が多いので、車体の側方からの
錠操作を要しないようにすることも解決すべき課
題の一つとなつている。

考案を解決するための手段 そこで本考案は、取付金具を介して自転車の荷
台の後部に取り付けられるようにした錠箱に、後
向きに開口する貫通孔を設け、この錠箱に固定端
を有するワイヤーを、荷台の裏面でＵ字形に撓ま
せると共に、その自由端を上記貫通孔に挿通し
て、自転車の後方に向けて引き出し自在とすると
共に、この自由端の先端に具えた錠止金具を施錠
する挿入口を上記荷台の後部外側に沿つた錠箱の
側面に設け、上記ワイヤーの撓み部分を荷台の裏
面に沿つて着脱自在に掛止する掛止具を備えてな
る自転車用ワイヤー錠を提供するものである。

作 用 以上のように構成した本考案ワイヤー錠は、非
施錠時のワイヤーが荷台の裏面に収納されてい
て、走行の支障にならず、汚れ難いとともに、施
錠時には、後向きに開口する貫通孔からワイヤー
を引き出し、その先端の錠止金具を荷台の後部に
取り付けられている錠箱の挿入口に挿し込んで施
錠するという車体の後方からの操作によつて行わ
れる。また、同様にして開錠操作も車体の後方か
らできる。

実施例 以下に本考案の実施例を図面について説明す
る。

図において、１は取付金具２を介して自転車の
荷台３の後部裏面に後向きに取り付けられるワイ
ヤー錠の錠箱、４はこの錠箱１の背面（サドル側
に向く面）の一側に回転自在の固定端５を有し、
荷台３の裏面で、前方へ向けてＵ字形に撓ませて
撓み部分６を形成すると共に、自由端７を、錠箱
１に後向きに開口して設けた貫通孔１７に貫通せ
しめることにより、荷台３の後方へ向けての引き
出しを自在にしたワイヤー、８はこのワイヤー４
の先端に固定した錠止金具、９は錠止金具８を荷
台３の後方から挿しこんで、非可逆的に施錠する
ように、荷台３の後部に沿つた錠箱１の正面の一
側に設けた挿入口、１０は上記錠止金具８の施錠
により錠箱１から抜き出すことができ、開錠時に
は錠箱１に挿し込んで回転することにより錠止金
具８を開放する一方で錠箱１内で抜脱不能に掛止
される鍵である。上記のように作動する錠箱１内
の錠機構については従来公知であるのでその説明
を省略する。１１は荷台３の中央部裏面に移動可
能に取り付けられ、前記ワイヤー４の撓み部分６
を両側から弾性的に挟持する左右一対の吊り具で
ある。この吊り具１１は帯状金具１２の両端に一
体に形成され、該帯状金具１２に形成した長孔１
３にそれぞれねじ止めされる２組の止め金具１４
を介して荷台３の裏面横断方向に対設され、止め
金具１４のねじ止め位置を調節することにより荷
台３の幅と共にワイヤー４の長さに対する調節を
可能にしている。１５は自転車の後輪、１６は後
輪１５の泥除けカバーである。

なお、本考案の実施に際し、左右一対の吊り具
１１は個別に製作して、個別に荷台にねじ止めし
たり、錠箱あるいはその取付金具から一体に延長
して設ける場合もある。また、図示した実施例
は、後向きになる錠箱１の正面に施錠用の挿入口
９を設け、右側面に鍵１０の鍵穴を設けている
が、これらを設ける位置は、荷台３の後方からの
操作ができる位置であればよく、図示の位置に限
定されないことはいうまでもない。

上記のようにして構成したこのワイヤー錠は、
非施錠時には荷台３の裏面でＵ字形に撓ませたワ
イヤー４の撓み部分６を図示するようにして吊り
具１１に弾性的に挟持させておき、錠をかけると
きは自転車の後側から錠止金具８を持つて荷台３
の後方へワイヤー４を引き出すことにより吊り具
１１による挟持を外し、図中虚線で示すように後
輪１５および泥除カバー１６に掛け回し、錠止金
具８を錠箱１の挿入口９に挿し込んで施錠し、鍵
１０を携行するように用いる。また開錠するとき
も、自転車の後側で鍵１０を挿し込んで錠止金具
８を開放するものである。

考案の効果 以上のようにして本考案は、非使用時のワイヤ
ー錠のワイヤー４を荷台３の裏面でＵ字形に撓ま
せてその撓み部分６を荷台３に取り付けた吊り具
１１で両側から弾性的に挟持するようにしたの
で、走行中のワイヤーの振動を抑えると共に、撓
んだワイヤーを目立たせることなく荷台の裏面に
収納して体裁の良い使用ができる。

さらに本考案は、ワイヤー錠の施錠、開錠のす
べてが自転車の後側、すなわち荷台の後部で行わ
れるようにしたので、挟い駐輪間隔で止められる
ことの多い自転車の使用にも好適するという実用
的効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例をその使用状態とともに
示す一部切欠斜視図である。 １……錠箱、２……取付け金具、３……荷台、
４……ワイヤー、５……固定端、６……撓み部
分、７……自由端、８……錠止金具、９……挿入
口、１０……鍵、１１……吊り具、１２……帯状
金具、１３……長穴、１４……止め金具、１５…
…後輪、１６……泥除けカバー１７……貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付金具２を介して自転車の荷台３の後部に取
   り付けられるようにした錠箱１に、後向きに開口
   する貫通孔１７を設け、この錠箱１に固定端５を
   有するワイヤー４を、荷台３の裏面でＵ字形に撓
   ませると共に、その自由端７を上記貫通孔１７に
   挿通して、自転車の後方に向けて引き出し自在と
   すると共に、この自由端７の先端に具えた錠止金
   具８を施錠する挿入口９を上記荷台３の後部外側
   に沿つた錠箱１の側面に設け、上記ワイヤー４の
   撓み部分６を荷台３の裏面に沿つて着脱自在に掛
   止する掛止具１１を備えてなる自転車用ワイヤー
   錠。