JPH0236441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は携帯用金属製魔法瓶、携帯用の真空二
重ガラス瓶を内装した魔法瓶などの携帯用液体容
器に関する。

（考案の目的） 携帯用液体容器は吊紐で携帯されることが多い
が、吊紐に併せあるいは単独で容器本体の側面に
ハンドルを設けたものも近時提案されている。そ
してこのハンドルは不使用時に邪魔にならないよ
うに折り畳み可能にされている。

しかし従来それらは構造の簡単なものでは実開
昭58−84728号公報の第６図に示されているよう
な細い連結環を用いたもののように、支持が甘く
グラツキがあり、しかも折り畳み状態で連結環が
外観されるので、なおシンプルさを欠くものであ
る。また同公報の第７図や実開昭58−95730号公
報に示されているものは、支持が確実ではあるが
折り畳み状態で多数の部材が見え、外観が複雑な
ものである。

本考案は上記従来例の問題点を解消することを
目的とする。

（考案の構成） 本考案は前記目的を達成するために、把持体の
両端を容器本体にヒンジ連結するのに、少なくと
も一端部は容器本体にヒンジ連結した揺動支持片
の揺動端に対してなされ、把持体はその端部が連
結された揺動支持片を格納できる凹部を有し、把
持体端部と揺動支持片の揺動端とは前記凹部内の
スライド軸により連結してあることを特徴とする
ものである。

（実施例） 以下本考案を図面に示す実施例に基き説明す
る。

第１図乃至第４図は、本考案の第１実施例を示
している。

この第１実施例は、ステンレス製の真空二重容
器１、この真空二重容器１の瓶口部５に取付けた
肩部材２、前記真空二重容器１の底部６に取付け
た底部材３及び前記瓶口部５を閉栓する栓体４か
らなる容器本体７に合成樹脂製の把手８を取付け
てなる携帯用金属製魔法瓶に係るものである。

前記肩部材２及び底部材３の夫々には外蓋を兼
ねるコツプ９，９が着脱可能に螺着されている。
又前記真空二重容器１の外胴部１０は両端部を除
いて円筒形に形成されている。

前記把手８は１対のリング１１ａ，１１ｂと、
これらのリング１１ａ，１１ｂによつて両端が支
持される把持体１２ａとから構成されている。前
記リング１１ａ，１１ｂは前記外胴部１０の円筒
形になつている部分の両端に装着固定されてい
る。肩側のリング１１ａには、その上部に支持壁
１３が形成されると共にこの支持壁１３の適所に
Ｌ形の吊り紐掛止孔１４ａが形成されている。又
肩側のリング１１ａには、その下部に水平方向の
吊り紐掛止孔１４ｂが形成されている。他方底側
のリング１１ｂには、その上部に前記同様の支持
壁１３及びその適所にＬ形の吊り紐掛止孔１４ｃ
が形成されている。又両支持壁１３，１３には位
置決め用の板バネ１５，１５が係着されている。

前記把持体１２ａは、把持本体１６とその両端
部に配される揺動支持体１７，１７とからなる。
前記把持本体１６は第４図に示す如く、断面状
の上板１８と断面状の下板１９とを、これらの
無理嵌め係合部２０において無理嵌め（強制嵌
合）してなり、又その両端近傍部の把持体１２ａ
の凹部１２０における面内側面の夫々に第１図及
び第２図に示す如きガイドリブ２１，２１…を形
成してなるものである。他方各揺動支持体１７
は、その基端部において枢支ピン２２を介して前
記支持壁１３に揺動自在に枢支されると共に、そ
の先端部の両側面に形成したガイド突子２３，２
３を前記ガイドリブ２１，２１に遊係合すること
によつて、相対動可能に前記把持本体１６に結合
されている。又各揺動支持体１７の基端面の２箇
所には位置決め用の凹部２４，２５を形成して、
これらのいずれかに前記板バネ１５が弾性的に係
合するようにしている。

本実施例は上記構成を有するので、前記把持体
１２ａの把持本体１６を容器本体７の外周に接
近、離開可能に移動させることができる。そして
第１図に示す如く、把持本体１６を容器本体７の
外周に最接近させたとき、その下面が容器本体７
の外周に接触し、又その上面がリング１１ａ，１
１ｂの支持壁１３，１３の上面と面一になつてい
る。更にこの場合、位置決め用の凹部２４，２４
と板バネ１５，１５との弾性的係合によつて、把
持本体１６は第１図に示す状態に保持される。

他方、第１図に示す状態において把持本体１６
を把持し、これを引上げると、第２図及び第３図
に示す状態となる。このとき、両揺動支持体１
７，１７は枢支ピン２２，２２の回りに起立方向
に回動し、又前記ガイド突子２３，２３は前記ガ
イドリブ２１，２１に案内されて外側方に移動す
る。このようにして携帯に便利なように把持本体
１６は容器本体７の外周から離開せしめられるの
であるが、この場合も位置決め用の凹部２５，２
５及び板バネ１５，１５によつて第２図及び第３
図に示す状態に保持される。

尚、第１図に仮想線で示す如く肩側のリング１
１ａの上下に設けた両吊り紐係止孔１４ａ，１４
ｂに吊り紐ａを係止することによつて、金属製魔
法瓶をその長手方向が垂直になるようにして吊持
でき、又第２図に仮想線で示す如く両リング１１
ａ，１１ｂのＬ形の吊り紐係止孔１４ａ，１４ｃ
に吊り紐ａを係止することによつて、金属製魔法
瓶をその長手方向が水平になるようにして吊持で
きる。

第５図に示す前記第１実施例の変形例は、前記
板バネ１５を前記支持壁１３に一体形成したもの
である。

第６図及び第７図に示す前記第１実施例の変形
例は、前記揺動支持片１７を付勢バネ２６によつ
て起立方向に付勢すると共に、前記支持壁１３に
設けたスライド係合片２７によつて、揺動支持片
１７を伏屈状態に係止できるようにしたものであ
る。従つて、第７図に示す如く、前記スライド係
合片２７によつて把持本体１６を容器本体７の外
周に接触した状態に保持することができると共
に、前記スライド係合孔２７を手前に引くことに
よつて、第６図に示す如く、把持本体１６を自動
的に容器本体７の外周から離開させることができ
る。

第８図及び第７図に示す前記第１実施例の更に
別の変形例は、把持体１２ｉを容器本体７の外周
に接近させた状態に保持する位置決め手段を、一
方の支持壁１３ａに出没可能に配した係止片６９
と把持本体１６の一端面に形成した係合孔７０と
の係合、並びに他方の支持壁１３ｂに設けた係合
孔７５と把持本体１６の他端に突設した係合突子
７６との係合によつて構成している。前記係止片
６９は下面７４が傾斜面となる係合鉤部７３を有
すると共にバネ７１によつて上方に付勢され、更
にプツシユボタン７２の押動によつて、下動しつ
つ前記係合鉤部７３が内方（図の左方）に引込む
ように構成されている。これは係合鉤部７３の下
面７４が傾斜面に形成されているからである。

第９図は前記係合鉤部７３が前記係合孔７０に
係合すると共に前記係合突子７６が前記係合孔７
５に係合して、把持本体１６が容器本体７の外周
に接近した位置に保持された状態を示している。
この状態から前記プツシユボタン７２を押しつつ
把持本体１６を引上げると第２８図に示す状態と
なる。尚、第６図に示すような付勢バネ２６を設
ければ、前記プツシユボタン７２を押すだけで第
２８図に示す状態に把持本体１６を自動復帰させ
ることができる。他方、第８図に示す状態から把
持本体１６を押し下げれば、自動的に第９図に示
す状態とすることができる。

本考案は上記実施例に示す外、種々の態様に構
成することができる。又各実施例の特徴ある構成
を他の実施例に応用することも可能である。更に
本考案は携帯用金属魔法瓶の外、真空二重ガラス
瓶を内装した一般の携帯用魔法瓶などの他の携帯
用液体容器に実施することも可能である。

（考案の効果） 把持体の両端を容器本体にヒンジ連結するの
に、少なくとも一端部は容器本体にヒンジ連結し
た揺動支持片の揺動端に対してなされ、把持体は
その端部が連結された揺動支持片を格納できる凹
部を有し、把持体端部と揺動支持片の揺動端とは
前記凹部内のスライド軸により連結してあるか
ら、揺動支持片が容器本体へのヒンジ連結部を中
心に揺動可能なことによつて、その揺動端が連結
されているスライド軸の把持体端部側または中央
部側への移動を伴つて把持体の端部を容器に対し
て離接可能とし、把持体を把持できる状態と容器
本体表面に沿つた折り畳み状態とに切換えること
ができる。把持体が折り畳み状態にされるときス
ライド軸の把持体中央部側への移動によつて把持
体は自身の凹部に揺動支持片を導入しながらそれ
に被さり折畳み完了状態では揺動支持片を自身の
凹部内に格納して外部に見えなくすることがで
き、シンプルな外観の折り畳み状態が得られる。
さらに揺動支持片は把持体の凹部内に連結される
ものであつて板状体でよく把持体と容器本体との
連結を確固なものにすることができ、支持が甘く
ならず安定して把持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の第１実施例の一部
縦断正面図、第３図は第２図の右側面図、第４図
は第１図の−線拡大断面図、第５図は第１実
施例の変形例の要部の縦断正面図、第６図は第１
実施例の他の変形例の要部の縦断正面図、第７図
はその斜視図、第８図、第９図は第１実施例の更
に別の変形例を示す要部の縦断正面図である。 ７……容器本体、８……把手、１２ａ，１２ｉ
……把持体、１７……揺動支持体、２２……枢支
ピン、２３……ガイド突子、１２０……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 把持体の両端を容器本体にヒンジ連結するの
   に、少なくとも一端部は容器本体にヒンジ連結し
   た揺動支持片の揺動端に対してなされ、把持体は
   その端部が連結された揺動支持片を格納できる凹
   部を有し、把持体端部と揺動支持片の揺動端とは
   前記凹部内のスライド軸により連結してあること
   を特徴とする携帯用液体容器。