JPH0236330Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は育苗移植用紙筒集合体の如き集合体
で育苗した苗を自動的に移植する移植機の多畦用
移植機の苗載台を提供するものである。

（従来の技術） 従来、移植機を使用し、苗を移植する場合、多
畦同時に植付け、移植能率を高率化する装置は多
数知られているが、移植機は植付畦数に対応する
苗載台を設け各苗載台上の苗をそれぞれの植付機
構で引き出し、順次植付けるが、紙筒の如き集合
鉢体で育苗した苗を使用する場合も同様である。

前記苗載台への苗の補給は人力により行なう
が、集合鉢体で育苗した苗では多量の土を含むた
め相当の重量となり、多くの労力を要し、一般に
苗載台の進行中央部付近の側辺に人が立つて苗
皿、苗箱等から集合鉢体苗を取り出し横から苗載
台に移すものである。この作業は１〜２畦用の移
植機では容易に行えるが、３畦以上の多畦用移植
機においては苗載台が多数併列しその間隔がせま
いので苗載台中央列側辺には人が入ることができ
ない。これを解決するため特開昭58−121705号で
は苗載台を後方に引出し可能にして引出した苗載
台の側辺から苗を補給するようにしている。

（この考案が解決しようとする問題点） 特開昭58−121705号のような装置で苗載台を後
方に引出し苗を載置した後もとの状態に戻すと、
苗の重量が相当あるので載置作業に相当の労力を
要するばかりでなく、苗載台自体の強度も引戻し
運動による加重負荷に耐える強度をもつ構造とし
なければならないので移植機全体の重量を増加さ
せ、移植作業に悪影響を与える結果となる。

この考案は従来のように苗載台を後方に引き出
す方式を排し、そのままの状態で苗載台後部から
苗を補給できるようにして上記の欠点を解決せん
とするものである。

（この考案が問題点を解決した手段及び作用） この考案は上記の問題点を解決するため併列し
た苗載台に土付苗を載置搬送し、連続的に繰出
し、個々の苗に分離して植付ける多条移植機にお
いて、各列の苗載台をそれぞれ前部コンベアと後
部コンベアを１組とする直列のコンベアで構成
し、前部コンベアと後部コンベアは一方向継手等
で連結し、苗の植付時には前部のコンベアと後部
のコンベアが連動し、苗補給時後部のコンベアを
駆動しても前部のコンベアに伝動しない機構とす
ることにより解決したもので、苗の補給時にはそ
のままの状態で苗皿又は苗箱上の苗を取出し後部
コンベアの後方にあてがつて後部コンベアのみを
回転させて苗を前進させ、停止している前部コン
ベア上の苗の後端と補給する苗の前端を当接させ
て連結する。連結後は前部コンベアを駆動すると
後部コンベアが連動するので苗全体が前進し苗切
れは起こらない。

（この考案の実施例） この考案の実施例を図面により説明する。図面
は連続した集合鉢体苗Ｐを移植する装置の例で図
中１は移植機の機枠を示し、機枠１の前部には前
部にトラクター等の牽引装置への接続部２を設け
矢示方向に前進させる。機枠１の下方には前方に
覆土輪３を設け、該覆土輪３の前方に対応してオ
ープナー４を機枠１に固定し、覆土輪３とオープ
ナー４の間には上下方向に苗落下管５を設け、苗
落下管５から落下した苗P′がオープナー４により
作られた溝内に落下し覆土輪３により覆土鎮圧せ
られる。又機枠１の下側後方には車輪６を取付
け、その車輪７を機枠１に遊嵌する。車輪７には
鎖車８を固定し、機枠１の中央部に駆動軸９を設
け、該車９に鎖車１０を固定し、鎖車８、１０間
にはチエン１１を張設する。従つて駆動軸９は車
輪６と連動し、後記する苗載台機構、苗分離機構
を駆動するものである。

１２は苗載台枠であり、両側の機枠１，１上に
立設した支杆１３，１によて支持せられ、該台枠
１２，１２には苗載台としての前部コンベア１４
と後部コンベア１５とを組として張設し、植付畦
数に応じて並列に所定組数配設してある。前記前
部コンベア１４は台枠１２，１２間に遊嵌する駆
動軸１６に固定した駆動プリー１７と、台枠１
２，１２の中間に位置する従動軸１８に固定した
従動プリー１９の間に張設されており、苗Ｐを立
垂状態で載置したとき引き出しが容易な平ベルト
の如きもので構成されている。そして、その回動
は駆動軸１６の一端に鎖車２０とその下方に位置
する中間鎖車２１との間にチエン２２を掛け渡
し、中間鎖車２１と同一軸に固定した鎖車２１′
と前記した駆動軸９に固定した鎖車２３との間に
チエン２４を掛け渡し、減速して連動さす。この
ため、前部コンベア１４は駆動軸９及びそれを駆
動する車輪６の回転と連動することになる。

後部コンベア１５は前部コンベア１４に後続し
同一面上にあり、両者の間には連接板２５を設け
間隙を埋めてある。又、後部コンベア１５は台枠
１２，１２に遊嵌した後部コンベア駆動軸２６上
の駆動プリー２７と後部コンベア従動軸２８上の
従動プリー２９との間に張設されている。

後部コンベア１５は植付作業時前部コンベア１
４で駆動する。このため、後部コンベア駆動軸２
６の一端に鎖車３０を設け、前部コンベア１４の
従動軸１８の一端に設けた鎖車３１との間にチエ
ン３２を張設し、同一速度で同一方向に回転さ
す。又、苗補給時には後部コンベア１５のみ独立
して回転できるよう前記回転は一方向継手を介し
て回転するようにする。このため前記鎖車３０の
内側には鋸歯状歯３３を刻設し、駆動軸２６に固
定した円盤３４の周辺に設けた爪３５の先端を噛
み合せ、該爪３５にはスプリング３６を付設して
常時外方に弾機押圧するようにしてある。従つ
て、チエン３２による回転では爪３５が鋸歯状歯
３３と係合し矢示Ｂ方向に回転するので後部コン
ベア１５と前部コンベア１４は同一方向に同一速
度で回転する。しかし、後部コンベア１５に苗Ｐ
を載せ押送するときは駆動軸２６と、及びこれと
一体となつて回転する円盤３４が早く回転するの
で爪３５と鋸歯状歯３３の係合がとかれ空回り
し、後部コンベア１５は前部コンベア１４と独立
して回転することができる。後部コンベア１５の
独立回転はその従動軸２８に設けたハンドル３７
により行なう。

尚、上記前部コンベアと後部コンベアの連動は
前記の一方向継手によらなくても駆動プリー２７
の内部に電磁クラツチ等を内蔵させ、トラクター
等のバツテリーを電源とし移植作業時には前部、
後部のコンベア１４，１５が連動し、休止時には
後部コンベアが独立して回転できるようにしても
よいものである。

この考案で使用する前部コンベア１４と後部コ
ンベア１５の長さは使用する集合鉢体苗Ｐの大き
さ、機体の大きさ等を考虜し決定するものである
が、前部コンベア１４を余り短くすると補給時の
苗残量が少量に過ぎ、補給苗との接続に困難を来
たすので苗Ｐがバラツカない程度の10cm以上は必
要で、30〜50cmが常用される。又後部コンベアは
苗Ｐを１積載単位積載するに必要な長さで50〜
100cmが常用される。

上記苗載台としての前部コンベア１４、後部コ
ンベア１５で矢印Ａ方向に送られた苗Ｐは前部コ
ンベア１４の前方に設けた苗分離機構により１個
１個に分離せられるが、該分離機構は前部コンベ
ア１４と同一面に設けた苗誘導板３８上の左右対
をなす苗案内ロール３９，３９、１対の苗押えベ
ルト４０，４０及び１対の苗分離ロール４１，４
１より構成され、それぞれ前記駆動軸９と適当の
方法で連動し、苗分離ロール４１，４１の回転を
苗押えベルト４０，４０の回転より早くしてあ
る。従つて連続する集合鉢体苗Ｐは苗押えベルト
４０，４０の間に挟持され苗案内ロール３９，３
９を介して数球状に引き出されるとその前端の苗
P′を前方に押し出し、苗分離ロール４１，４１の
間に供給する。このとき、苗分離ロール４１，４
１はより早く回転しているので両者の回転速度差
により１個１個の苗P′に分離し、前記した苗落下
管５内に落下し植付けられる。

上記装置の運転に際しては後部コンベア１５上
の苗Ｐがなくなり補給が必要となつた時、移植機
の運行を停止し、前部コンベア１４、後部コンベ
ア１５を停止させる。次いでそのままの状態で予
め用意した補給用の苗Ｐを苗皿等で運搬して来て
後部コンベア１５の後部に当てがいハンドル３７
を回しながら苗皿より滑り落せば後部コンベア１
５は独立して回転し、苗Ｐを前方に搬送するので
きわめて容易に載置できる。又、補給用の苗Ｐは
予め後部コンベア１５より入手で載置できる大き
さに分割しておけば、一旦分割した苗Ｐを載置後
次の分割苗Ｐが載置できる長さ分だけ後部コンベ
ア１５をハンドル３７を回して前進移動せしめて
後、分割苗Ｐを載置することで長すぎる苗Ｐの後
部コンベア１５への載置を行うことができる。

分割する苗Ｐの大きさは例えば、甜菜苗の場
合、当初の一単位は巾30cm長さ120cmであるが、
これを40cmとすれば１人で容易に後部コンベア１
５後方から積載することができる。

（この考案の効果） この考案は前記したように多畦移植機の苗の載
置を容易にするため苗載台を前部コンベアと後部
コンベアに分け、後部コンベアは移植作業時前部
コンベアと連動し苗補給時は前部コンベアと連動
しない機構としたので、各列の後部コンベアに苗
をのせ後部コンベアを回転さすだけで後部からの
補給を可能にし、更に長い集合鉢体苗を分割し載
置する場合も後部コンベアを順次回転させれば第
２回第３回の載置空間が自動的に後部コンベアの
後部に現出し、そこに順次分割分を補給すれば後
部コンベア上一杯に補給が可能である。更に前部
コンベア後部に補給苗載置可能部があつても（通
常は、この様な状態で補給が行なわれる）後部コ
ンベアを回転させれば後部コンベア前後の集合鉢
体苗は後方から押され連接板を越えて前部コンベ
ア上に至り前部コンベア上にある集合鉢体苗の後
部と連接せしめることができる。この様にこの考
案は簡単な機構で多数の苗載台を併列している移
植機へそのままの状態で能率的、且つ確実に苗補
給を行うものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の苗載台を装備した移植機の
全体の側面図、第２図は第１図の平面図、第３図
は前部コンベアと後部コンベアの要部拡大図であ
る。 １……機枠、６……車輪、９……駆動軸、１４
……前部コンベア、１５……後部コンベア、１
７，２７……駆動プリー、１９，２８……従動プ
リー、３３……鋸歯状歯、３５……爪、３７……
ハンドル、Ｐ……集合鉢体苗。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 併列した苗載台に土付苗を載置搬送し、連続
   的に繰り出し、個々の苗に分離して植付ける多
   条移植機において、各列苗載置台を前部コンベ
   アと後部コンベアを１組とした直列のコンベア
   で構成し、植付時には前部コンベアの回転と後
   部コンベアの回転が連動し、苗補給時には後部
   コンベアの回転を前部コンベアに伝動しない機
   構としてあることを特徴とする集合鉢体苗の多
   条移植機の苗載台。 (2) 前部コンベアと後部コンベアの伝動が一方向
   継手を介して行なわれることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項の集合鉢体苗の多条
   用移植機の苗載台。